ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

年末に笑う

2018-12-28 21:47:35 | 日記
ウチの利用者さんたちに楽しんでもらうための
月1回の映画鑑賞会。

1月は何がいいかと
映画好きのヘルパーと2人で話し合っていた。

「正月だから、めでたいのがいいね、笑えるのがいいね」
「月並みだけど、やっぱり正月は寅さんか?」
「それもいいけど、樹木希林さんの作品なんかどう?」
「あ、いいね」

しかし、考えてみたら
樹木希林さん主演の笑える映画が思い当たらない。
かつてテレビドラマで
あんなに笑いをもたらしてくれた人なのに
いつしかスクリーンに不可欠な演技派女優となって
ヘンなババア役から身を引いてしまったのだっけ。

残念だね、希林さんのコメディ映画を観たかった。
二人でそう締めくくったのだった。

さてさて、ここに天然のお笑い女優がいる。
私だ。

今日はおっさんと正月食材の買出しに行った。

おっさんにカートを預け
私はチョロチョロと歩き回る。

あ、ひき肉忘れた! ちょっと待ってて。

肉コーナーまで走って戻り
ひき肉を手にした私は
躊躇なく、隣にいるおっさんのバスケットにポンとそれを入れた。

その瞬間、目に入ったのはバスケットに入っている大きな海老4本。

「何よ、海老なんか入れてるし!!」

妻の目を盗んで海老を買おうとしたことにムッとして
私はそう言い、隣のおっさんを睨みつけた。

え、誰?

睨まれたおっさんは見知らぬ人で
睨まれたおっさんは恐る恐る言った。
「こ、これ、ぼくの買い物です」と。

見知らぬおっさんの背中の向こうで
私のおっさんがキョトンとこっちを見ている。

やっちまった~~~!!!

赤面しながら、見知らぬおっさんに平謝り。
だけど、ホント言うと
謝罪より笑いをかみ殺すのに必死だった。

1年の最後にこんなに笑わせてくれてありがとう。
来年もいっぱい、いっぱい笑わせてくれよ。
と、自分自身に。

今年の大晦日も夜勤。
じいさん、ばあさんたちと、どうか穏やかな年越しができますように。




唯一のクソ!?

2018-12-25 23:21:13 | 日記
このところご無沙汰している友人・あやちゃんに
ラインでクリスマス・メッセージを送った。

ややあって届いた返事に、私は愕然とする。

「ありがとう。
あなたからのラインが唯一のクソだったわ」

唯一のクソ~~~!?

な、なに? あやちゃん、どうした?
私、あなたを怒らせるようなこと書いた?

すかさず、次のラインが。

「ごめん、誤変換しちゃった。
唯一のクリスマスって書こうとしたの」

安堵。そして涙が出るほど笑った。

それにしても「く」の予測変換で
ふつう、「クソ」が出るか!?

ましてや彼女は私の友人の中でもトップクラスの常識人で
上品で穏やかで、いずまいの美しい50代の女性である。

あやちゃん、何かとてつもなく大きなストレスを
抱えているのだろうか…。

大きくなったら・・・という人生の楽しみ方

2018-12-17 00:07:55 | 日記
同世代の友人と子どものころの遊びについて話していたときのこと。

「バービー人形、流行ったよね?」
「そーそー。でも私はタミーちゃん」
「え、ホント!? 私はペパーちゃんだった」

知らない人が多いと思うので説明しておこう。

アメリカの着せ替え人形バービーが
爆発的なヒットを飛ばした1960年代
バービーに比べて親しみやすく健康的な人形として
やはりアメリカで生まれたタミーちゃん。

その妹であるペパーちゃんとともに
日本でちょっとしたブームを起こしたのだった。

姉はタミーちゃん、私はペパーちゃんを買ってもらったのだが
そういう姉妹が結構いたらしい。

それまで絵を切り取った女の子の人型と洋服で
(つまり平面で)
着せ替えを楽しんでいた少女たちは
金髪で足の長い(立体の)人形に魅せられ
本物の生地でできたお洒落な洋服の虜になった。

“お姉ちゃんのお古”か母の手作りばかり着ていた私は
(今思えばそれはとても幸せなことだったけれど)
タミーちゃんやペパーちゃんの
カラフルでカジュアルなアメリカン・ファッションに憧れ
いつかこんな洋服が着たいと
お洒落のツボミを密かに膨らませていったのである。

懐かしいねえ。

幼き日のキラキラとした思いに咲いた会話は
やがて、今の子どもたちの話に移る。

「福島市の市長も“あれはどうかと思う”ってな発言をして
物議をかもしたらしいけど
いまどきの小学生の卒業式
女の子の大半が羽織袴を着るっていうじゃない?
あれ、どーよ!?」
と、友人。

そーだ、そーだ!
実は私もおかしいと思ってる。

ニュースでインタビューを受けた母親たちは
「一生に一度のことだから」とか
「娘の晴れ姿を見たいから」とか言っていた。

一生に一度の晴れ着姿が、12歳!?
おかしくね!?
晴れ姿は、とっておきの楽しみは
もっと先にとっておいてもいいんじゃね?

高校生になったらあれがしたい。
大学生になったらあれがしたい。
成人になったらあれがしたい。

そういう人生の楽しみ方が
どんどん、どんどん低年齢化してきて
そんなんでいいのか?と、私は思うのだけれど。







60歳の筋力UP!

2018-12-14 18:36:10 | 日記
スポーツクラブで水泳をしようと水着を買い
それを着てみた己の姿に
“なんと無様な!”とあきれ返ったのが
2ヶ月ほど前のこと。

案の定、入会後に筋肉量と体脂肪を測定してみたら
体脂肪は標準より低く
筋肉量は標準よりずっと低かった。

こりゃいかん!

椎間板ヘルニアの改善を目指したスポーツクラブ入会だが
腰痛や足の痺れどころか
私はこの先、歩けないバアサン
いや、寝たきりバアサンになってしまう。

神様、わたしに筋肉をください。
おいおい、神に頼るな、自分でガンバレ!

というわけで、私はこの2ヶ月間、少し頑張った。

すると今日スポーツクラブで再び測定してみたら
なんと筋肉量がわずかに増加。
体重も若干増えているじゃないか!

女性は男性より筋肉がつきにくく
ましてや60歳という年齢を考えたら
筋力は維持が精一杯で向上を望むのは困難と言われる。

それが、まさかのUP!
嬉しくてトレーナーに抱きつきたいくらいだった。

気をよくし、マシントレーニングを終えてからプールへ。
水泳は5年半のご無沙汰で
体力にも筋力にも自信を失っていた私は
泳ぐよりウォーキングに専念しようと思っていた。

でも、ちょっと泳いでみちゃおうかな。

あれま、すいすい泳げるじゃない!?

頑張れば、60歳でも筋肉はつく。
その気になれば、私はまだまだイケる。

さ~あ、今夜のビールはおいしいぞぉ!!


アタシャ、売れっ子芸者

2018-12-13 00:03:22 | 日記
97歳になってなお、エロいジジイがいる。

もはや歩くことはできないが
手と口だけは未だに達者。

入浴援助のヘルパーには
「やらせてくれよぉ」「抜いてくれよぉ」と
毎回手を合わせてお願いしているし
ついこの間は起床援助のヘルパーの胸元に
いきなり手を突っ込んできたという。

次また手を出したら退去!と管理者は家族に伝えたが
ジジイめ、懲りる様子はない。

きのうの夜勤で、ヤツのオムツ交換に行ったときのこと。

布団をめくったら、なんと全裸だ。

そして布団の空いたスペースをポンポンと叩き
「ここにおいでよぉ」と、ほざきやがる。

はいはい、はいはいとかわしながら
私は淡々とオムツをつけ、パジャマを着せた。

帰ろうとすると、ヤツは言った。
「もう帰っちゃうの? まだいてくれよぉ」

私は振り向きざまに、仇(あだ)っぽくひと言。

「お兄さん、悪いねえ。
こう見えてもアタシャ、売れっ子なんだ。
あっちのお座敷でもお呼びがかかってるから
帰らせてもらうよ」

エロじじい、ぽかんと口をあけて私を見送ったのだった。

しんどい夜勤、遊ばにゃ損、損!