ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

老人たちの特技か!?

2015-05-31 01:03:20 | 日記
夜勤者の疲労を高める最たるものが、頻回のコールである。

もちろん消防車や救急車を呼ぶようなトラブルは
疲労どころか死んでしまいそうであるが
それは滅多にないことであって…

コールしてきては
「あのねえ、だからねえ」と繰り返すNさん。
「寂しいんです」と訴えるAさん。
夜中なのに寝ぼけて
「起こしてくださ~い」と叫ぶUさん。
そして
「あのババア、殺してやる!」と物騒な独りごとを言う
現在入院中のミヨ。

夜間の排泄介助だけでもびっしり詰まっているのに
こんなコールが頻繁にかかってくると
こっちのメンタルもズタボロだ。

さて、本日ニューフェイスが登場した。
骨折により入院し、病院からウチに来ることになった
85歳・認知症のJ子さん。

彼女のデータを読んで、思わず眩暈が。

「ナースコールは確実に押すことが出来る」

と、ある。

なんだかすごい特技みたいに書いてあるけれど
ナースコールを確実に押すことが出来る能力なんぞ
要らないよ~!!!

ああ、どうなることやら。

J子さん、どうか、どうか、その“特技”は使わないでください。






眠らない男

2015-05-30 19:42:33 | 日記
愛しのオトボケ爺・M三郎が“眠らない夜”を過ごすようになって
どれくらい経っただろうか。

入居当時から夜更かし型の人ではあったが
月日を経るごとに寝る時間が遅くなり
ここ数ヶ月は
完璧に昼と夜が逆転してしまっている。

朝は起床援助のヘルパーさんに無理やり起こされ
なんとか食堂に来ても箸を握ったままグ~グ~グ~。
覚醒を促すため体操教室に参加させても
タンクトップ姿で張り切る先生の目の前でグ~グ~グ~。
そのまま夕食時までデロデロ状態で過ごし
就寝援助によってパジャマに着替え義歯を外す時刻になって
ようやく、夜明けを迎えるのである。

さあ、ここからが厄介だ。
食堂で大人しくテレビを見ているだけなら全然かまわないのだが
車椅子に乗ってはいても体力は有り余っているから
エレベーターを乗り降りして建物内を徘徊する、
人の部屋に入っていこうとする、
外出しようとする、
立てないのに立ち上がってリハビリに励もうとする、
そして3月17日付けのブログ「クレージー・ナイト」にも書いたとおり
暇を持て余して火災報知機を鳴らす、
なんてことまでやってくれくれてしまう。

困る。実に困る。
なんとかしようとスタッフで話し合いを重ね
さまざまな試みをしてきた。
医師にも相談した。
しかし、いまだ持って解決策は見出せず・・・

その問題人物・M三郎と
きのうの夜勤、ゆっくり話をした。
時は午前1時。ヤツは食堂でウロウロしているところだった。

ねえ、M三郎さん、そろそろ寝ない?
「え? まだ眠くないよ」
でもさあ、もうみんな寝てる時間よ。
「う~ん、でも眠れないんだよ。どうしてかなあ」
そりゃ昼間あれだけ寝てるんだもの。

するとヤツはびっくり顔でこう言った。
「へっ!? 俺、昼間寝てるの?」
「じゃ、俺、ご飯も食べてないの?」
「どうしてみんな起こしてくれないの?」

あのな~~~(怒)

日中はアナタを起こしてご飯を食べさせて薬を飲ませるのに
私たちは苦心惨憺してるんだよ。
そして夜間は夜間で
アナタが転倒したりとんでもない行動を起こすんじゃないかと心配で
私たちはわずかな休憩時間もとらずに見守りしてるんだよ。

かわいいし、いい人だし、大好きだけど・・・
やいM三郎、いい加減にしろよ!!!




願わくば・・・

2015-05-26 00:52:24 | 日記
大腿部頚部骨折で入院していたK子さんが
手術を終えて、先週退院してきた。

慎ましやかで愛くるしいK子さんが大好きで
彼女が食堂で一人でご飯を食べているのを見かけると
私はよくオシャベリしに行く。

「K子さん、調子はどうですか?」
「今日もいいお天気ですよ」

今朝は、私と同世代の娘さんがいらしていた。
優しいK子さんは娘さんに向かって言う。

「この方にはいつもお世話になってるの。
アナタからもよ~くお礼を言ってちょうだい」

いつもの会話だ。

立ったまま話をしている私を気遣い
彼女は隣の席を指差して言った。
「さあ、立ってないでここに座りなさい」

―ありがとう。でも、私まだ仕事中なの。

するとK子さん
「あら、あなた忙しいのねえ」
と言ったあとで、私にこんな質問。

「あなた、いったい何のお仕事してらっしゃるの?」

傍らにいた娘さんが、私の肩をたたいて笑う。

「お母さん、この人は介護のお仕事をしてるのよ」
娘さんがそう言うと
K子さんは垂れ目の細い眼をもっと垂れ目にしてひと言。

「あらあら、それは大変なお仕事ねえ」

願わくば
わたしもあんな風にボケたいものである。

中伊豆へ、行ってきました。

2015-05-23 23:18:58 | 日記
友だちと二人で、日帰りバスツアーを楽しんできた。

行き先は中伊豆。
いちご狩り、富士絶景空中散歩(ロープウェイ&散策)
寿司の食べ放題、道の駅でお買い物という内容が盛り込まれた
春らしい企画である。

代金8900円だから、たいしたことはないと思っていた。
いちご狩りなんて、どうせ女子供をキャッキャ言わせるだけのもんだろさ。
寿司食べ放題っていったって、ネタはちっちゃくて干からびてるんだろうさ。
ま、大好きな友だちと遠足気分を味わえるんだったら
場所や内容は多少ショボくてもいいさ…と。

しかし、H.I.S.さん、ごめんなさい。
ひねくれ者の予想をはるかに上回る、お得感100%のツアーでした。
いちご狩りは私を思わずキャッキャ言わせるほど甘く楽しかったし
食べ放題のお寿司は
少なくとも回転してるのと同じかそれ以上の満足感がありました。

テレビでもよく紹介されている日帰りバスツアー。
人気の理由がわかったわ。
今度おっさんを誘ってあげよう。

さてさて、お土産の桜海老せんべいを持って出社すると
仕事仲間3人に取り囲まれた。

「富士山のぼったんでしょ? お天気よくてよかったね」
「富士山? 違うよねえ、ディズニーランドに行ったんでしょ?」
「え、どっちも違うよ。中伊豆だって私は聞いたけど」

は~い、3人目のアナタが正解!

同じように休暇のプランを話したつもりだが
どうしてこんなに情報が入り乱れる!?

違うってばぁ。
私、富士山にのぼるなんてひとことも言ってないし
ましてやディズニーランドなんて方角まったく違うし…

しかしそんな話には耳も貸さず
お土産の桜海老せんべいをバリバリ頬張りながら
関係ない話に花を咲かせ始めた彼女たち。

女って、そういう生き物だ。






草刈正雄の古漬け

2015-05-18 23:36:07 | 日記
おっさんが職場で同僚の青年に言われたそうだ。

「○○さんって、草刈正夫に似てますよね」

言われたおっさんはびっくり!
「お前、何言ってるの!?」

伝え聞いた私もびっくり。
「彼、草刈正雄を知らないんじゃないの?」

しかし…まじまじと30年以上見てきた顔を見てみたら
ん? そういえば…

大きな漬物石を2、3個頭に載せて
1年間くらい漬け込んだら
おっさん、草刈正雄になるかもしれない。

背丈がぐ~んと縮まって、水分が抜けて、ね。

今日はなぜか隣で本人が機嫌よく喋っているので
この辺でやめておこう。