ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

ジイサンは、か弱い。

2020-06-14 19:40:00 | 日記
いざというとき、男は弱い。

胃潰瘍が悪化して自ら癌を疑ったときのおっさんも
陰で爆笑したいくらい弱々しかったっけ。

我が高齢者住宅でも然り。

去年から今年にかけて
亡くなったり他に転居していったのはジイサンばかり。
亡くなるのは仕方ないとしても
他へ転居していったのはみんな
不安や寂しさから体力が落ちたり意欲を失ったりして
ウチのようなサービス付き高齢者住宅では無理!と判断した家族が
特養などへ移したというのがその理由だ。

弱ったジイサンたちは決まって、コールボタンを連打するようになる。

「今何時ですか?」
「いつ来てくれるんですか?」
「話を聞いてください」
「辛いんです。ご飯を持ってきてください」

あのね、これは緊急時の呼び出しボタンなの。
あのさ、辛いのに食欲はあるの?

思いっきりドヤしたいが、ジイサンたちは今にも死にそうな声で
「お願いします」と訴えてくる。
仕方ないから訪室すると
コールボタンを握り締めながらグーグー寝ていたりしているのだが・・・。

そこへいくと、女は、いやバアさんたちは強い。

自分の家に帰れないことや
家族がなかなか会いにきてくれないことの不安や寂しさを
他のバアさんたちに喋ることで
あるいは他のバアさんたちをいじめることで
解消してしまうのである。
(中には例外もいるが)

女は強い。
老いてますます、強い。


ケイコ日記ーその23

2020-06-08 00:34:00 | 日記
かつてはこのブログのスーパースターであったケイコ。
先月久しぶりにケイコ日記を更新したが
それ以前は1年ほど登場していただいていない。

レビー小体型認知症のケイコは
妄想や幻視・幻聴、作話があまりにも凄すぎて
この7年間、まさにエピソードの宝庫だった。

ところが去年あたりから
足腰も衰えてきたために突拍子もない行動をとることもできなくなり
一日中部屋で椅子に座っている。

泥棒が来てお金を取っていった!と叫びながら廊下に出てきたり
クマのぬいぐるみを抱きながら「この子にオッパイをください」と
他のバアさんたちにお願いして歩いたり
鏡に向かって「お食べなさい」と自分のご飯を差し出したり…
そういうことすら、できなくなってしまったのである。

認知症症状がマックスまで進んでしまったケイコ。
年齢も94歳となったわけだから
このままの状態で静かに幕を閉じるのだろう。

そう、思っていた。

しかし何たることか、まだマックスではなかったらしく…

このところ、ケイコは凶暴になってきた。
食事介助をしようとしてもご飯をひっくり返す。
トイレや入浴の介助をしようとすると
職員の手をつねったり噛んだり
時にはグーで顔面をパンチしてきたりする。

ベテランで体の大きな男性職員でさえ
腕には引っ掻き傷が絶えない。

ケイコは今や
手がつけられない暴れ者となってしまったのだ。

ああ認知症。
どうなったらゴールなのか!?