長篠落武者日記

長篠の落武者となった城オタクによるブログです。

茅葺・瓦葺・板葺

2013年06月11日 | 日記
滋賀県高島市マキノ町在原という在原業平ゆかりの地で火災が発生し、かやぶきの建物が8軒全焼してしまったそうです。驚愕したのが、中日新聞夕刊掲載の写真。


画像が荒く見えにくいかもしれません。
この写真、上空から撮影しているのですが、茅葺の家の部分だけが焼けているんです。
途中に家があるのですが、そこをすっ飛ばして、茅葺の家だけが点々と・・・。

よく火事対策として、江戸時代に瓦葺にしたとかいう話を聞いて「へぇ。」とは思っておりました。
「城取り」の軍事学でも「もともとは戦闘時に矢弾に曝される建物を優先的に瓦で葺いていたことがわかる。」との記載があります。

そりゃあ、瓦よりも茅葺の方が火事に弱いだろうねぇ、と、漠然と思っていましたが、今回の写真のように、飛び飛びのスポット単位で焼けた映像を見せられると、衝撃的でした。頭でわかっていることと、実際の凄みとでも言いましょうか。

火柱のあがった家から火のついたかやが飛んできたそうで、言われて見れば、火事になれば上昇気流が発生するので、かやなどの焼けたものが巻き上がって上空から降ってくるわけなんですね。特にこの日は風も強かったそうで、余計に舞ったようです。

運悪く今年は空梅雨。
乾燥しきっていた上に、水も不足しており上水まで動員したため飲み水がないとか。
大変な事態です。

茅葺、板葺などの燃えやすい素材で作られた家と瓦葺の家の違いをまざまざと実感し、そりゃ、昔の人達がすぐに家を焼かれてしまったり、瓦に使用としたわけだ、と、思った訳です。
よく、白川郷などで放水訓練したりしていますが、一軒の火事が集落全体に及んでしまうので、火事対策は真剣なんでしょうね。

で、たまたまネット検索してたら、「文化財の防火について」という文化庁の通知文書がありました。
「檜皮葺や茅葺等の屋根が近年まれになり、一般にその火災や消火の経験が乏しくなっているため、これらが燃え易い屋根であることを周知させることが重要である。」だの、
「乾燥時期に飛火の危険がある場合には、あらかじめ屋根全体に消火栓等で定期的に散水しておくことが不可欠である。」だのの記載は「なるほど」と思わせるものがあります。

昔の人達が火事を恐れたのもよくわかります。

それなのに、本日の中日夕刊、この痛ましい火事の記事の下にはこんな記事が・・・。
『花火で便 飛び散らせた疑い 2少年逮捕』
「・・・北区金城町の金城交番に侵入し、事務机の上に無職少年の便を置き、ロケット花火を差し込んで破裂させたとされる。・・・交番は署員七人が二時間がかりで掃除した。」

文字通りの「クソ餓鬼」共、お前ら二人で交番の掃除せぇっ!!!

まぁ、ロケット花火を破裂させても火事にならなくなった現代の建物はスゴイのでしょう。
なんにせよ、火の用心ですね。

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