長篠落武者日記

長篠の落武者となった城オタクによるブログです。

市のカエル

2012年04月08日 | 奥三河
死のカエル、というとサスペンスですが、違います。
「市長死す」という刺激的なタイトルのドラマが先日放送されましたが、そのロケ地は実は鳳来の湯谷温泉街だった訳です。見慣れた景色がちょろちょろと登場していました。

さて、死の、いや、市のカエルについて。


長篠の属する新城市では、合併5周年を記に一昨年度に一風変わったものを制定しています。市の木(山桜)、市の花(ササユリ)、市の鳥(コノハズク)。このあたりは「ふむふむ。」そして市の石(松脂岩)。「石?」と思うのですが、トドメが「市のカエル」。
「森と水の豊かな新城市を象徴する生きもの」として制定されたそうです。。。
嘘だと思う人はこちらのHPを。

で、いまさらながらこの話題をするのはなんでか、ということですが、たまたま『新城町誌』(新城町誌編集委員会 昭和31年8月20日発行)を例によりコピーして読んでいたところ、江戸時代の文人太田白雪が書いた『新城聞書』の中の記事が記載されていました。

「寛永14年(1637)4月から5月の間、矢部村の田に遠近の村里の蛙が集まって軍をした。新城からも見物する人が市をなした。十月にはこのために島原の乱が起こったと云われる。」

矢部は新城東高校の北側のあたりで、島原の乱の少し前にカエルが大量に集まってきて、いくさをした、ということが記録として残っている訳です。見物客も多かった上に、わざわざ記事として残すくらいですから相当インパクトがあったんでしょう。
しかも、島原の乱を誘発したという蛙の戦争ですからねぇ。笑。

こうした歴史的経緯(?)をも実は踏まえて制定されたのかも。?