入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「秋」(59)

2020年10月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 午前6時半、今朝は霜が降りている。気温マイナス2度、快晴。入笠山と権兵衛山の鞍部、「仏平」の少し右の辺りから日が昇り始めた。里にいても、真冬になればマイナス4度くらいの部屋で寝起きしているから、この程度ではどうということはない、と言いたいところだが、寒さには強くない。
 
 昨日は予定通り、第4牧区の電牧を一部の急な斜面はアルミ線を地面に落としを縫い付け、支柱を抜いた。こうしないと雪で支柱が折られてしまう。また、それ以外の箇所は下段のアルミ線を上段に上げ、鹿に切られないよう通り抜けできるようにしてやる。
 撤去した支柱は幾本かづつにまとめて残置し、来年のことを考えて支柱を打ち込んであった穴には杭などを差し込み目印にしておく。かなり手のかかる面倒な作業だが、毎年の牧を閉じる前の仕事である。牛の入牧が多かったころはこの作業を第1、第4に加えて、第3牧区もやらなければならず、距離にしたら何キロぐらいになるだろうか。6㌔とかもっと長いかも知れない。
 電気牧柵であるがゆえに保守には手がかかり、断線の補修も頻繁にやらねばならないが、その最大の仕事は電牧下の草刈りだろう。もしもこれらが通常の有刺鉄線の牧柵であり、ここまでの数の鹿がいなければ、牧場管理の仕事は格段に楽になるはずだ。



 下と打ち合わせた結果、来月の2日、もう一度牛の捕縛を試みることにした。それまでは、2頭の牛には給水、給餌を続け、ひたすら手なずけておくことにした。面白いことに、木の枝に長いロープで繋がれた老牛27番はそこを牛舎とでも思っているのか、現状を受け入れているように見える。また25番の方は、自由にどこへでも行けるのに、まるで見えないロープで繋がれているように、いくら老牛に邪険にされてもその傍から離れない。
 写真のようにロープの輪の中に給餌しているのは、捕縛に際してこの結び目を持って、頭から被せるという算段なのだ。最初は怪しみ警戒したが、もちろん、4歳の牛にはその意味など分からない。今でもその好機だと思う時はあるが、後のことを考えればとても一人で2頭は手に負えない。我慢して、9回最大のピンチで登板した抑えのピッチャーの心境さながら、逆点大ホームランにならないよう、頭の中だけで練習を重ねている。
 2頭の暴れ牛である、冬はもうそこまで来ているのに、まだまだ楽観するわけにはいかない。
 本日はこの辺で。
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