スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

ウップランドの花

2007-04-29 23:57:54 | スウェーデン生活
以前も書いたウップランド地方の花、kungsängsliljor。
やっと最近咲き始めました。

写真でみたときは花びらの模様が気持ち悪いと思ったけど、実物はそんなことない。
下を向いて咲く姿にかわいげもある。

写真はエスビョンの家の玄関前。

昨日は教会でのdop後、みんなで家へ移動したのでその際にとったもの。
こういう親戚メインの集まりで家に行っていいの?と思ったけど、
牧師さんから友人からほんとにみんなで押しかけていた。

初め遠慮した私に「なんで?」という顔をされたほど。
文化が違います。

ところで、明日と明後日は祝日。
学校は水曜から。
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洗礼式

2007-04-28 23:22:24 | スウェーデン生活
洗礼式は、スウェーデン語ではdop、英語ではbaptising
簡単に言うと、公に「信者になります」という儀式らしい。
今日は中世の教会であるdopに行ってきた。

最近では宗教よりも昔からそうしているからという伝統でやるのだそう。
小さな赤ちゃんがするのが多いが、判断できる年頃まで待って本人に決めさせることもある。
考えてみれば、日本の七五三だって神社にいって祝詞を神主さんにあげてもらうけど、
神道だからというより伝統だからと多くの人が答えるのと同じこと。

今日はエスビョンの近く1歳になる子のdop。エスビョンも習慣でしているだけだと言っていた。

いずれにせよ、日本では映画でしか見たことがないこの儀式、興味シンシンだ。

でも、まずはマナーが分からない。
日本の冠婚葬祭までとは言わなくても暗黙のルールがあるはず。

エスビョン本人に聞くのも何なので、学校のクラスメートに尋ねた。
が、聞いた相手が若すぎた。
「行ったことないもんね」
と返された。
ここは、アメリカから来たクラスメート(注:ここにアメリカ人は複数いる)が
私よりもずっと年上だから経験者のはず!すると
「さあね。行ったことないよ。だって熱心な信者、周囲にもいないし」
あらら。
この一言だけで米国の洗礼式事情を想像するのは危険だけど、アメリカではスウェーデンのように
「伝統行事」ではなく「宗教行事」なのかな。
それとも彼の出身エリアはシカゴ近辺なので、地域性や都会かどうかも関係するのかも。

さらに数人に尋ねてリサーチして大体のマナーは分かった。

服装
学生ならジーンズでもいいけど、こぎれいな格好ができるならした方がいい。

プレゼントを持参する
1:子供が大人になった時に使えるもの 2:今使うもの(おもちゃ)
のどちらか。

渡すタイミング
洗礼式の後は、教会の側の集会所のようなところでfika(ティーブレイク)があるので、
そこで。普通はプレゼントを置くテーブルがあって、勝手に置くだけ。
両親や子供に手渡さなくていい。

ふむふむ、これで十分でしょ。
後、何かソソウがあれば異国の人ということで勘弁してもおう!
服は一応、黒のパンツ。
その上にブルーのワンピースを重ねた。
靴は...シューズしか日本から持ってきてないので、選択の余地なし。
14時スタートなので13:30を目指し、自転車にまたがりひとっとび。

写真1
開催場所のTegelsmorakyrkaという中世の教会(2/22に雪の中でとった写真あり)は、
エスビョンの家へ行く途中、寮から4kmほど行ったところにある。
この教会の側にエリック・サルストレムの銅像がある。
もちろんお墓もここに。墓石にはニッケルハルパが彫ってあります。
この学校に来ることがある人は、散歩がてらにいかが?

写真2
教会に入るとまずエントランスホール。ここには中世の壁画が当時のまま残っているが、
半分は消えかけている。
写真は教会の内側から撮ったエントランス。小さくて見えないかもしれないけど、
ドアの右には悪魔らしい絵が見える。古い教会の絵は大聖堂などで見られる絵とは違う。
ちなみに教会内部の絵は修復の際、消されてしまったそう。
絵が施されていたら、Tolftaの教会のようだったでしょう。

写真3
洗礼式の後移動した集会所。
これが、そのプレゼント置き場。部屋に入るなり、「ハハァーンこれが」とうなずきプレゼントをおきました。
テーブルにちっちゃいニッケルハルパも写っている。
ここでコーヒー、紅茶、こけもものジュース、ストロベリーケーキ、各種ケーキ、
クッキー、サンドイッチなどなどが振舞われた。
多分、全部、エスビョン一家の手作り。

プレゼントは曲でもいい。ヴェーセンの有名なジョセフィーヌ・ドップヴァルスという曲は、
ジョセフィーヌのdop-のときに作曲されたワルツだ。
ちなみにbrud-と頭につく曲は結婚式関係。ブルドヴァルスなら結婚式のワルツ。

写真4
まず、お母さんが銀の壷に入った水を何との呼ぶのか分からないモノに注ぎます。
そして神父さんが子供を抱き、その水を手で救い、子供の頭にパシャパシャかけます。
泣きもせず目をぱっちり開け、手足をバタバタさせていた。
後で聞いて驚いたのだけど、神父さんは200kmはなれた遠方の知人にお願いしたそう。
ひょっとして顔見知りでなかなかったのかも。
この子、私のこともちゃんと認識してるみたい(覚えている)だし。
それに加え、地域の神父さんをオーダーする必要がないというオープンな所もちょっと驚く。

写真5
子供を頭上に抱え上げ...意味は分かりません。
ニッケルハルパの歴史学者、兼、レコード会社やっているPer-ulfが隣にいたので
尋ねたけど「さあ...?」とのこと。

写真6
その後、神父さんが子供を抱いて私達、お客さんの間を歩きます。
ちなみにこの子の衣装はウップランド地方の民族衣装
お母さんの手作り。本物の衣装からの生地を使ったリメイク。
(特定の村のものかどうかは不明。村単位でデザインが異なることが多い)

今日の空は真っ青で澄み切っている。
Per-ulfが言うには「こんなクリアなスカイブルーのときは、大抵、北風」
つまり、乾燥していて寒い。
確かに!寒い!
新聞の天気予報は最高気温10度だったけど。
帰りの自転車は無理かも...という心の叫びが聞こえたのか、
「僕の車の後ろに自転車つんで乗ってく?」
助かった
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楽譜のソフト

2007-04-27 23:18:14 | 授業 その他
今日はニクラスのアレンジ・レッスン。

それぞれ好きな曲を選らんで4編成のアレンジを作ってこないといけない。
来週のレッスンが最後で、ファイナルを飾る大きなアレンジを作ることになっている。
今日は途中経過発表。

作ったアレンジは他の人に弾いてもらわないといけない。
なので、この2、3日は集まって練習、練習。
なぜかこの宿題にピリピリしている人もいて、ちょっとでも間違うと
「私のアレンジは完璧なんだから、下手な演奏で台無しにしないで」と怒られる。
命令口調もいちいち気にさわる。
普段はいい人なのに。
昔、オーケストラの人が、指揮者の性格次第でとてもやりにくくなると愚痴っていたことを思い出した。
その当時、ふーんって聞いていたけど今は「そう、そう」と思う。

完璧でかっこいいアレンジを用意されても、楽しくない人と一緒にはやりたくないものだ。

さて私の番。ヴェルムランドの明るい2拍子の曲。
(Rejländer från Skillingmarkという曲。TVfolk.netの右上の国旗でSwedenを選択。
曲名(melody欄)から探すと映像付で聞けます)
「みんながくらーい曲ばかり選ぶから、ハッピーな曲を選んだ」
と私が言うと、ニクラス、
「スウェーデン人、暗い曲すきだからね。OK. Make me happy!」
(じゃあハッピーにしてもらおうじゃないの!)

4人に弾いてもらうので私は監督のように譜面片手にそばの椅子に座って全体の様子を見る。
そしてニクラスのアドバイス。
「ユニゾンの箇所は効果的。でも何度も使うのは良くない。1度きりにしたら?」とのこと。
ふむふむ。
そしてoutro(introの反対。曲のエンディング)がイメージ道りに出来なかったとアドバイスを求めると
「räka(エビ)とかつけたら?」
「はい?海老?
例としてニクラスは細かいクロマチックな装飾を弾いてくれた。
「これ、海老
へー!
変な呼び方!

別の人のアレンジで興味深い例があった。
テクノロジーの進化で、今は便利なことにパソコン・ソフト上で音をいじってアレンジが出来る。
もちろん便利なだけに危険もある。
イメージ通り自在に操れるからと複雑怪奇なリズムにしたり、みんなで弾いたときに
かっこいいコードになるからという理由で変な指使いをしないといけなったりする。
その人のアレンジがあんまり弾きにくいから「自分で弾いてみた?」と聞くと
「Oh no、まさか。優秀なプレーヤーなら問題ないでしょ?
パソコンで聞いたときかっこよかったからこの通り弾いて」
いやいや。
何かが違う気がする。
「ここのリズムが分かりにくいから弾いてみて」と言うと
「え?パソコンでやったから…。鳴らしてみないとわかんない」
これは非現実的なアレンジというのではないでしょうか…。

と言いつつも、便利は便利。
ということで楽譜を作ったり再生するソフトについて。
スウェーデンでも一番メジャーは「フィナーレ」というソフト。
無料ダウンロード版は制限が多いらしい(未確認)。まともに買うと数万円。

私はScore Magineという1000円のダウンロード・ソフトを使っています。
シンプルな楽譜を書く分には問題ない。
楽譜の編集、MIDI、そしてGIFとして保存するというメニューもあり。
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レコード発見

2007-04-26 23:08:14 | 未分類
要注意!
スウェーデンのフォーク(民族音楽)に興味のない人にはマニアックするぎる話題。

図書館で今日、たまたま目にしたレコード。
一つはアッレ・メレル(左、86年)。
もう一つはペール・ギュドゥムンソン(右、83年)。

どちらも、このジャンルでは超大物。
(二人の今の姿はFrifotのHPで)

左のアッレは面影十分。
でも、右の写真、ペールは...ほとんど面影が分からない。
ひょっとして同姓同名の別人?

ちなみに、レコードプレーヤーも図書館においてある。
けど、傷つけたらどうしようと思って中は触ってません。
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今日のおやつは外で

2007-04-25 23:16:38 | スウェーデンご飯
今日のダンスの授業は楽器を持ってきなさいと言われた。
楽器をというからにはダンスの伴奏なのかと思ったら違った。

まずはグループに分かれる。
そして小さく折りたたんだ紙を3つ、くじのように取る。
私達のグループが取った紙に書かれていたのは
tung (heavy 重い)
lugn (calm 穏やかな)
×

体や楽器、手段は何でもいいので表現しろというのだ。
与えられた時間は2時間。
私達3人はニッケルハルパ二人とフルート一人という構成。

別室に移動し、まずは話し合う。
tungとlugnは静かで重い曲を選べばなんとかなる。
でも「×って、どうしよっか?」と一斉に私達。
Lは「ニッケルハルパを弾くだけで弦と弓が×に交わるよ」
私「弓とフルートを剣みたいにして戦う!シャキーンって!」
D「ハハハ、まぁそれはおいといて(おいとかれた!)。聴衆を巻き込めないかな。」
Dの案は、一人仰向けに寝てもらい、その人のお腹に頭を乗せ垂直の向きで
次の人が寝る。そしてその人のお腹に頭をのせ垂直に…といった具合に全員、
床に寝てもらう。
「その形が×だ。そして部屋を×(クロス、横切る)して動く私達」というアイデア。

まずは選曲から。
これはPers Hans作曲の「Till Far」に。
これはPers Hansのお父さんが亡くなって作曲したそうで、悲しくもの静かな曲だ。

数回練習するとあっという間に時間になり、まずは皆に寝て目を閉じてもらった。
まずは3人でユニゾン、途中から色んなアレンジを交え、私達は演奏しながら
部屋を静かに横切り歩き始める。
途中、寝て目をつぶっている人の目の前で弾いてみたり音を自由に飛ばした。

他の人達はunkown(未知のもの)、sharp(鋭い)など色んな表現をしていた。
楽器を使わないグループも多かった。
機械音のピッピッピッピだけならし(機械音なのでどうとでも区切れる)、
2拍子のショティシュを踊る人、3拍子のポルスカを踊る人などなどもいて、
面白い。

そして、午後は演奏の授業。そしてその後は、コンサートのミーティング、
そして夜は7時から9時半までニクラスのアレンジ・クラスのための練習。
私達は5人グループなので、各自用意してきた5つのアレンジ曲を弾いた。
最近、皆忙しくて、特に神経の繊細な人はぴりぴりしている。
私が前の小節の音を引っぱって弾くと
「No! Don’t destroy the whole tune!」(曲が台無しなる!)と怒られた。
窓の外をふと見ると、犬サイズの猫が歩いているのを私達のうち一人が発見。
すっごーい!と窓に数人(もちろん私も)駆け寄ると「やる気あるの!?」と怒られる。
ハァー、疲れた。ぐったり。

私のアレンジは、イントロとmellan spel(間奏)を作っていなかったので、
皆にコピーして渡せなかった。
すると「じゃあ、今夜作って、明日の朝一で楽譜ちょうだい」と言われてしまった。
はーい。これを書いたら取りかかろうっと。

写真は今日のFIKA(ティーブレイク)。天気がよかったので外で。
チーズケーキとアイスとホイップクリームにベリーとジャム。
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書道と柔道と筋肉と

2007-04-24 23:31:14 | 授業 その他
今日は音楽理論の後、午後からFys(体育)。
午後からFysならランチは控えめにしないとお腹がちゃぷんってなるよね、と言っておきながら
出てきた料理がおいしそうでたくさん食べてしまった。
チキンのクリーム煮込みとパスタとライスとサラダ。

今日のFysは、ダンスコースの学生が「腹筋」「背筋」「肩のストレッチ」など各部分ごとに音楽に合わせて運動を考えてきていた。
過激なハードロックにあわせて腕立てうせを延々やり、再び軍の訓練所のような雰囲気だった。
休憩をはさんでアクロバット。何?ソレ?と思うとマット運動のことだった。
マット運動って…小学生が最後かな?中学ではやったかな?
前まわりや、横に寝てごろごろ転がったり(バランス悪いと斜めになってマットから脱落する)した。

他にも色々やったのだけど、ここでふと楽器と結び付けて思う。
皆をみていると、楽器のそこそこ上手い人はマットにしろダンスにしろ体を動かすのが様になっている。
逆に、「運動が上手い=楽器が上手い」とは限らない。あくまで「楽器が上手い→運動もさまになる」である。
(ちなみに私は…どうなんでしょ?
自分のこととなると全く客観的に見れず、分かりません。)

そこで思ったのは、筋力と弓を持つ腕の関係。
ニッケルハルパの弓づかいを習うと、「腕は完全にリラックスして力をいれない」と言われる。
でも力を入れなかったら、弓のコントロールなんてできない。
これは、柔道なんかで腕がリラックスしているように見えるけど、瞬間的ににパッとつかみに入る、あの筋肉の状態と似ていると思う。
緩み具合と緊張具合、この筋肉の使い方になれるのが早い人は楽器の弓の動きも覚えるのが早いのでは。
後は、日本独特の書道。これにも似ている。
筆はほどよく緊張感を残しながら、力は抜く。
ぱっと緊張がとけるのは最後の一筆まで神経を集中してから。
紙の上で早く動かしたりゆっくり動かしたり、リズムにのってまるで踊っているようにも見える。
弓も筆も「毛」だから、似ていて当然??
じゃあ、運動や書道にむいてない人は無理なのか、と聞かれるとそんなことはないと思う。
でも、普段から筋トレなりストレッチなり体をしなやかに保つことは大事かも。
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ミーティングでストレス

2007-04-23 23:04:06 | スウェーデン生活
今日はウロフの授業で前回録音した3曲の復習。
それから学校が始まって以来習ったことの総復習。

チューニング方法も再確認
1 ブリッジからサデル(ネック部分)まで40cmであることを確認
2 開放弦を合わせる
3 一音ずつ、そして共鳴弦も合わせる
4 löv(弦に触れる部分)をあわせるときはペンチでひねる
5 3と4をする度に2に戻る。

今日はすっかり疲れてしまった。
というのも、夜の学生ミーティングでストレスいっぱいたまったので。
19時から21:30までかかった。
その後、宿題を始めたらなぜだかイライラして途中でなげだしてしまった。

週末にコンサートのリハをする場合は参加できない人は本番もいれたくないとか、週末は金曜の何時からを意味するのかとか。
そして、Tシャツのデザインを決める話し合い。
アイデアが16通りでて、過半数以上に達するまで何度も投票する。
出てきたアイデアにちょっとした注文をつける人がいれば「締め切りは先週だ」と怒られる。

この投票方法はみんな嫌がったのだけど、会則に載せたルールでこれ以上スマートな方法は
ないとアメリカ人が主張。
これのどこがいいの?というブーイングの中、強行決行。

ともかく決まったと思ったらニッケルハルパの絵なんか欲しくないとダンサー達が半ば感情的。
じゃあ、投票だ!と再びわーわー大騒ぎ。

アイデアの締め切りは先週末のはずだ!と仕切っていた人はペンを投げ捨て退場。
じゃあ、ニッケルハルパの鍵盤部分だけをつかって工夫したデザインは?と言うとブーイングの嵐。
嵐を受けた人もペンを投げ捨てぶちきれ。
じゃあ、過半数を超すまで投票しよう!と再びアメリカ人が言うと、あっちもこっちも、何のメリットがあって!?とキレまくり。

この学校はニッケルハルパコースとダンスコースの二つのコースからなるが、今年のダンスコースの特徴は伝統やニッケルハルパを嫌う。
ダンスも伝統的なものよりも、新たな振り付けを考えようとする。
ウップランド地方の曲もいやがる。
授業を休んでイベントに参加するなど先生達へも挑戦的だ。

でも、元来ニッケルハルパ教育機関として基金を設立して始まったこの学校で、
伝統楽器や伝統そのものを排除しようとあまり極端に走ると、
私はついていけない。

愚痴大会はこのへんにして今日はもう寝ます。
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f字孔を開けて

2007-04-22 23:32:29 | 楽器製作
今日は楽器製作を少し進めた。
昨日と同様エスビョンの奥さんはキッチン担当で学校に来ていたのでお昼から
車に乗せてもらって一緒に家へ向かった。
途中、オルビヒュスのお城によって車窓から眺めた。
今は向かいにゴルフクラブが出来ている。
写真左上は、お城の敷地はずれにあるブラック・スミス(鉄関係の労働者)の小屋。

さて、今日は私はせっせとニッケル(鍵盤)一本ずつ、紙やすりをかける作業。

そして先週、考えていたストリングホルダーのデザイン。
「こう書いてはみたものの、イマイチぱっとしなくて。ヘッドの優雅なラインと
マッチするようなデザインにしたかったんだけど...」
というとエスビョン、
「じゃあ、ここをこうやって...こんな風に...」と鉛筆で木にすいすい書き込んでいく。
「こんな風なのどう?真ん中に穴開けて」
あーら、いい感じ!
真ん中に穴が開いたの見たことあるけど、ぼてっとした感じのものが多い。
でもこれだと華奢な感じでとってもナイス。(写真右上)

そして、今日はトップの表板にf字孔も開けた。
これはテンプレートと糸鋸を使って。

ニッケルハルパはギターのようにバス・バーがある。
なので今日はバス・バーもくっつけ固定。(写真左下)

ところで、エスビョンちの玄関前の様子。(写真右下)
ネギ(オニオンと言っていた)の青い花が沢山咲いていて、とってもきれいだった。

今日は21時すぎに帰ってきたけど、この時間だと暗いとはいえ完全な夜にはなりきれない。
日中の日差しもきつく一見、夏のようなのに今日は特に冷え、4度くらいだった。
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おいしいパン

2007-04-21 23:03:01 | スウェーデンご飯
スウェーデンにしかないパンだと言っていた。
クネッケブロード(乾パン)は前も書いたけど、これとは別。
以前、アメリカ人が気に入ってスーツケース一杯つめこんで帰ったと聞いて
ホンマかいな?と食べてみた。すると、ホンマでした。
すっかりはまってしまった。
どうしよう、私のスーツケース一杯これ入れたら他の荷物の行き場に困る。

Rågformと言うライ麦パン。(写真左)
ちなみに写真のジュースも、リンゴン(lingon こけもも)でスウェーデン的だ。
トースターで熱々にしてたっぷりバターを塗り、強めのチーズをのせて食べると美味。
ICA、Hemköpなど普通のスーパーで売っている。

旅行でストックホルムしか行かない人は、オーレンス(Åhlens)の中にヘムショップ(Hemköp)
というスーパーが入っているのでそこで買えます。


今日は歌のディスタンス・コース(週末のコース)の最終日で発表会?みたいなものがあった。
先生は昨日も書いたアグネタ(Agneta Stolpe)だ。

そのため、私が楽器を習っているエスビョンの奥さんが今日はご飯担当としてきていた。
挨拶だけと思ってランチ前に学校のキッチンに顔をだすと、エスビョンも来ていて
「食べてく?全然いいよ!」と。
「そう?週末の食事は払ってないから心苦しいんだけど、そう言うなら」
でも、ふと思った。
エスビョンだってここで食べるはずの人じゃないはず。
食べるはずの人じゃない人同士で勧めあって、いいの?

ランチは、見た目は色がぱっとしないけどとってもおいしいスープを作っていた。
聞いたら「白ねぎ、ポテト、たまねぎを刻んで、野菜ブイヨン、ミルク、水、塩コショウ」で作ったらしい。(写真右)

さて、夜はその歌のコースの人達のミニ・コンサートを聞いた。
一人、とっても上手くて目立った人がいた。
よぉーく見ると何か違う。歌い終わると、付き添いにアグネタが出てきた。
どうやら目が不自由らしい。

それで、ふと思い出した。
歌のコースの人達は週末やってきて一緒の寮に泊まる。
以前、ステッキをついた目の不自由な人に部屋の場所を聞かれたのを思い出した。
週末は自炊なので、その時私は日本から送ってもらったレトルトパスタ(ソース)を
つついていて、匂いで分かったのか彼女は「食事中なのにごめんね」と何度も言っていた。
付き添いもなく一人でコースに参加するって、スウェーデンって、障害のある人達に対して
とてもオープンで、そういう人達自身も社会に積極的に出て行ける環境のなのかも
しれないと(知らないので想像だけど)、その時ちょっと感銘を受けた。

でも、今日はまた別の感銘で、ステージの彼女は笑顔で堂々とし、声のトーンも美しく、
音程もしっかり、プロかと思うほど上手かった。
余計なお世話だけど、きっと抱えるハンデでツライことも沢山あっただろう。

腹から力いっぱい声量をだし、サーミのヨイクも聞かせてくれた。
強さと美しさを、生きる生命力を歌声から感じた。

人に何かを訴えかけるとき、メッセージを音にのせるとき「人となり」が現れる。
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クルニングでパオー!

2007-04-20 23:39:08 | 授業 その他
スウェーデンに来て何度も思ったことがあるのだけど
金髪や白髪でブルーの服を着ると、顔がぱぁっと華やかにひきたつ。
目がブルーだとなおさら。

白金髪で緑色の目の友人は、グリーンの大きなピアスをすると
アクセサリーと目の両方がひきたってさらに顔写りが鮮やかになる。
そういう意味で、黒髪にこげ茶のアジア人が顔色が華やかにひきたつ色って
何色なのかな?研究価値アリ!

ところで、今日はそんな白髪にブルーのタートルニット姿の優雅な女性が
フォークミュージック(民族音楽)の歴史の授業に来てくれた。
なんとも優雅で知的な雰囲気をかもし出す女性で、聞くとウプサラ大学で
音楽学の研究をしていて退職したそう。
関係ないけど、Ivarsdotterというファミリーネームも興味をひいた。
Ericssonは、知っての通り元々は「Ericのson(息子)」という意味だった。
dotterは「娘」という意味なので「Ivarの娘」という意味だ。
Johansson、Jonssonなど「-son」はよく聞くけど、「-dotter」には初めて出会った。

さて、フォークの歴史。
今まで先生を変え、何度か授業があったので何でまた?と思ったら
今日は分野が違っていた。
スウェーデン語ではFäbodmusik。英語ではPastoral music
つまり、放牧などで暮らしていた人達の音楽で
クルニング(後に説明)、笛などを含むスウェーデン西部に伝わる伝統。

その昔、家畜に十分に食べさせるため、夏に人里はなれた森までいって
そこに暮らしながら家畜の世話をしなければならなかった。
そんな中使われていたクルニング(kulning)とは、
家畜とのコミュニケーション
(実際のCDを聞いた。答えるかのように?牛がモーっと言っていた)
遠方の人とのコミュニケーション
(対人間なので、決まったメロディやフレーズがある/互いに決めている)
クマや狼を追い払う手段で独特な発声法
で、するどい金切り声をつかう。
高い声、低い声、お話モードなどあるので「イコール金切り声」ではない。
また伝統的に女性だけど、子供の頃からやっていたという
男性のクルニングのCDを聞かせてくれた。
男性は無理ということはないらしい。

人から聞いたクルニングとヴァルロートの話を書いたことがあるけど
今日の授業のほうが正しい。
その時のブログでヴァルロート(Vallåt)は対人間と書いたのは間違い。
"ヴァルロートはそんな人々から生まれた、もっとメロディがある「曲」だ"と言っていた。
また特定のスケールを使うのでヴァルロート・スケールを指す場合もあるそう。
クルニングは発声法自体を指している場合が多いらしい。

写真左:最近あちこちで咲いている花。
写真右:授業では、クルニングの周波数を読み取った機械の用紙やグラフ
喉の状態のレントゲンまで見せてくれた。
例は、CDや、今日はアグネタ・ストルペ(Agneta Stolpe フォーク・シンガー 9/29参照)も
一緒に授業をしてくれたので沢山歌ってくれた。
(Nordic Notesの"Ola Bäckström ソロ関連"にアグネタのCDあり)
クルニングも聞かせてくれたけど、数キロ先まで届くというからには
すごい音量でアグネタは教室を出て行きオフィスなどにも断りを入れ
廊下からクルニングを聞かせてくれた。

午後からは実践編!
私達もクルニングをアグネタのもと挑戦!
クルニングは、上体、喉をリラックスさせ、腹筋、腰にぐっと力を入れて声を出す。
なのでまずはストレッチから。
続いて発声練習。複式呼吸(息を吐くときに腹筋を使うのでお腹はへこむ)の練習。
複式呼吸に合わせて、両腕を振り下ろす。

「ヴァーサ・ロペットの要領でね」とアグネタ。
クロスカントリースキーのように両腕を一気に振ります。
その時に複式ではく息に合わせ、徐々に声を出していく。
もちろん喉は使わない。お腹から出た息を吐き出す要領。

スキー以外にも弓を放つマネなど、取り入れながら徐々にクルニングの発声練習をしていく。
結構、ひっくり返ったような裏声で恥ずかしいのだけど
言われた通りにやるとちゃんとそれなりの声が出るから不思議だ。
喉や肩、胸周りのリラックスが重要で、恥ずかしいと思ううちは固くなって難しいかもしれない。
(ここにきて一人、ヤダ!ヤダ!と言いだしソファに座って見学していた)

まずはPaoooo!(パオー)という一番簡単な発声から試す。
あっちもこっちも「パオー!」「パオー!」の大合唱でここはジャングルかのよう...。
私も負けずに「パオーーーー!

そしていくつか典型的なものを教えてくれ、それを使って二人ずつペアで会話してみることに。
部屋の端と端に別れ、相手が何か言い(クルニングで)こちらが何か返すというもの。
アグネタが一人ずつチェックを入れてくれる。
そして簡単なヴァルロートを習っておしまい。
あれだけ声をだしたのに不思議と喉は疲れていない。

今度、牛を見たら試してみるか!
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プレゼンテーション

2007-04-19 23:03:16 | 授業 楽器
今日はウロフの授業。

何度かこのブログで触れたけど、私達は去年の12月からそれぞれ独自のテーマを選んでプロジェクトに取り組んでいた。
紙の提出は3月に終えていて、後はプレゼンが順番に回ってくる。

今日が私の日。
テーマは「北の津軽(三味線)の音楽と南の沖縄(三線)の音楽を(外国向けに)紹介し、
ニッケルハルパ用に曲をアレンジする試み」という、てんこ盛りで欲張りなもの。
でも、北と南の歴史気候曲調などの対比、独自のペンタトニック(5音からなるスケール)など、
フォーク(民族音楽)関係者や西洋の音楽理論が浸透している人達には
日本のフォークは新鮮だ思う。

紙の提出は分かりやすくまとめたり添付写真など資料集めに苦労したけど、プレゼン(発表)は
いかに効果的、効率的で分かりやすく進めるかという別の作業に苦しめられた。
分かりやすくするために、提出した内容よりもどんどん削ってシンプルにしていったのに、
昨夜さらに削りたくなって、夜1時近くまでかかってしまった。

苦労の甲斐あってか、みんな興味シンシン。
最後まで待たず途中でもどんどん聞いてねというと、本当にじゃんじゃん質問がとびかった。
(発表は20分のはずが、1時間以上たっていた)

ウロフは沖縄のCDも持っているらしい。
北海道出身の三味線弾きとセッションもしたことがあるとも言っていた。
なので、さらにスウェーデン語でみんなに補足してくれた。

みんなの興味は特に、津軽のペンタトニックと沖縄のペンタトニック、
私が持ってきた三線用の楽譜(上から下、右から左という縦書き日本語の順序)に向けられた。

特徴だけをとりだしてシンプルに弾いた津軽じょんがら節がとっても好評。
そして、沖縄の音階を紹介するときに、The BOOMの「島唄」を弾いたら、これまたとっても受けた。
ヒットしたのが分かると皆口々に。

ニッケルハルパを持っている人は試しに弾いてみては?
共鳴弦がとってもきれいに響きます。
G線のオープンGから弾き始めると、C-bordun(一番低い弦)を途中でジャラーンとたっぷり使えます。
ウロフも沖縄の音楽が広く人気を集めるのは理解できると言っていた。
「新たなインスピレーション」だとかなんとか想像以上の反応でこっちが驚いた。
そんなに上手なプレゼンをした覚えはない。
やっぱり日本文化ってすごい独特なんだろうなぁ。

「みんなで沖縄に行こう!」とウロフ。
太陽好きのスウェーデン人は、はまるかも。
(インドネシアの地震と津波災害では、スウェーデン人は数百人~千人近く亡くなったと聞いた。
人数は定かではない。でも、それだけ南の島は人気のリゾート地ということ?)

その後の授業では、ウロフのバンド、ヴェーセン(Väsen)のRogerが作曲した
ガンガルとJosefins dopvals、ウロフ作曲のポルスカを習った。
島唄がアルゼンチンでも人気があるように、このJosefins dopvalsはアメリカ、アイルランド、
カナダ、日本などインターナショナルな人気。
日本でもアイルランド音楽をやっている人がよく弾いているの聞く。

しかし!
私が日本で弾いていたときとボーイングが違う。
いわゆるワルツボーイングではない。
1小節まるまる一弓で弾くことが多い。
それに今日だけなのか、思ったより静かに弾いていた。
でも、その弾き方のほうが返って美しいメロディがひきたつ気がする。
よく弾きなれた曲だったのにとても新鮮。
これも、曲をしっている人は試してみては?

ちなみにバイオリン・プレーヤーはGメジャーで弾く人が多いけど、
オリジナルはFメジャー。
同じ曲をオクターブ上(つまりA線)でも弾くので、指の練習にもなる。
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アドリブ合戦!

2007-04-18 23:36:51 | 授業 その他
今朝、ダンスの先生アンドレアスに「シェーナ!」と言われて目が点。

朝は血のめぐりが悪いせいか、固まったまま何も答えられなかった。
朝食のテーブルについてから「シェーナってさっきアンドレアスに言われたんだけど。何ソレ?」と友人に聞いた。
「やあ!って感じの挨拶よ」と友人。
「ふーん。でも、ここの学生は誰も言わないよね」と私。
するとその友人「シェーナって、確か10年前かもっと前かに流行ったみたい」
ふーん。今つかうとダサいのか聞いたら、そんなことは無いと言っていたけど、
ここの学生が言わないから気にしてしまう。
実際のとこ、どうなんでしょ。

今日はニクラスのアレンジ・レッスン。
午前中は、最後の課題になっているアレンジにどう取り組んでいるかを一人ずつニクラスがチェックして回った。
そしてニクラスの持ってきたCDをしばし聞く。
楽器編成とその楽器の役割(メロディ弾いているとか)を聞いてノートに書き記す。
聞いたCDはGigaから出ているエルブダーレンのCDで、
ブズーキとチェロが低音で絡まって聞き取りにくい。

午後からは、「ソロ」について。
なんでアレンジの授業でソロ?と思ったら、ソロの演奏はメロディを自在に操る
アドリブ能力があると非常によろしいということみたい。

ある人は「アドリブは曲を忘れちゃったときのためのテクニック」と信じていた。
それも一理ある?

というわけでアドリブの練習。英語でもスウェーデン語でもimprovisationと言います。

GとEコードを2小節ずつ計4小節で1つのパートとし、
一人ずつ順番にアドリブで弾く。それ以外の人はコードを弾く。
なんでも勝手に弾いていいのならまだ簡単。でも、ニクラスはいろんなルールを用意して私達を苦しめたのだ。
まずは
1、2小節は前に弾いた人のスタイルをマネして弾く。残り2小節は自分で考えたスタイルで弾く。
それから
2、2小節は前の人のテーマを受けて弾く。残り2小節は自分のテーマを持って弾く。
3、ポーズ(休止?)をたくさんつかってリズムをくずす。
4、ベースノートと和音で弾く。

そして違うコードでも試した。
ニクラス流なのか一般的なのか分からないけど、複数のコードにまたがってアドリブする時のテクニックについて。
それぞれのコードに共通する音を拾ってスケールを自分で作るのだそう。
そのスケールの音を弾いている限り安全だという考え。

そして最後はアドリブ合戦!
8小節のアドリブ→4小節のアドリブ→2小節のアドリブ→1小節のアドリブ
と順番に一人ずつ回ってくる。最後は1小節ごとで、なんとも気ぜわしい。
みんなしてげっそり。

ニクラスは友人と「1拍ずつ」というアドリブごっこ(?)をやったことがあり、面白かったと言っていた。
いやはや。
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特別講師プーマ

2007-04-17 23:06:35 | 授業 楽器
今日は特別講師にプーマことペーテル・ヘドルンド(Puma, Peter Hedlund)が来た。
彼はニッケルハルパのチャンピョンに確か2回なったことがある、かなりのツワモノだ。

来日経験もあり、2003年だったと思う。
東京のスウェーデン大使館でコンサートをし、その時私は東京でプーマからプライベートレッスンを受けた。
翌年は数人でプーマのスウェーデンのおうちまで訪ね、一日講習を受けたことがある。
(彼は地図にもないような田舎に住んでいて、私達は途中で道が分からなくなり彼のCDジャケットの写真を頼りに家を探した。)

なので私は2,3年ぶりの再会。
(といってもDVDを3巻とも持っている私はもっと頻繁にPCの画面でお目にかかっている)
プーマはとっても記憶がいい。朝食時に車で颯爽とあらわれ、ちゃんと私のことも覚えてくれていた。
何と名前まで覚えていてくれた。それはあやしい。
さてはその辺で誰かにこっそり聞いた?とつい疑ってしまう。ごめんなさい。

プーマはソーレン・オーケル(Sören Ahker)の楽器を使っていたが、新しい楽器を手にしていた。
Martin Westermarkという職人さんの楽器。(写真左)
名前を聞いてふと思い出した。プーマの家に行った時に来てたおじちゃんだ。
あの時、楽器の競技会で賞を取ったと言っていたので、きっと腕ききだ。

ちなみに写真右は、FIKA(ティーブレイク)で出された野ばらの実のスープ(ローズヒップ?)。
写真のように砂糖菓子やクリーム、ハロンは普通は入れないそう。
ちなみに1口目「オエッ!薬っぽい」
2口目「グェッ!」
3口目「気持ち悪い…」
4口目「そこまで悪くないけど、背筋がゾーッ」
5口目「おいしいかも・・・?」
という訳で結局好きになりました。また飲みたい。

さて話を戻してプーマの演奏スタイル。私の印象ではとても特徴的。
音色
ひんやりした砂がさらさら風に舞うように、とっても繊細で優雅な音。
(例えば私のイメージするニクラスの音は、さらりとしたハチミツ)
指使い
カチカチ音を嫌う彼は先を考えた工夫した指使いで弾く。(カチカチ音は好みによる)
楽器のニッケル(鍵盤)部分に弱いバネを入れている。
慣れないと押える感触が気持ち悪いけど「バイオリンでも弦をぐっと押えるでしょ?」と言われると、
「なるほど、そうかな」とも思える。
ビブラート
フォークミュージックでは使用しないので、ビブラートがかかる度に思わず注目してしまった。
以前もあんなにかけていたっけ??今日は特に気がついた。
控えめに小さくかける人はいても、はっきりかける人は珍しいと思う。

さてさて。今日はエクササイズと、曲は3曲習った。
エクササイズは、オクターブ・グリップ。
そして各スケールをカチカチ音が最小限になるような指使いで弾く練習法。とっても難しい!
習った曲のうち一つはアイルランド・ポルスカと呼んでいた。
なぜかアイリッシュのマーチなのに、ボンドポルスカに聞こえるのだ。

午後からは恒例の録音タイム。20曲近くは録音したと思う。
コンサート状態で、優雅な音色にみんなうっとり。
拍手!

話は変わって、夕食後。
今日はプーマが来ただけでもかなりビッグイベントな日だったのに、夜は夜でとても興味深いプランがあった。
ニッケルハルパの歴史」の研究家でもあり、レコード会社Tongångの社長でもあるPer-Ulfが会いに来てくれたのだ。

以前から彼の書いた本のことで質問していて、近くで用事があったからとわざわざ寄ってくれたのだ。
食事がまだということで近くのピザ屋さん集合。
他にも話を聞きたいという友人3人と共に彼を囲んだ。
食事を終えていた私達はビールだけ注文し、Per-Ulfの興味深い研究内容に耳を傾け、21時近くまで熱く語った。

彼の研究内容は非常に面白い。
証拠に基づく推論で(証拠不十分により推論の域をでないのだが)、
本当だとすると私がこのブログで書いたこと、つまり授業で習ったこと、
それから現在ある定説は覆されてしまう。私がブログで書いたニッケルハルパ・タイプすら書き直さないといけなくなる。

この話は改めてこのブログで書きたい。いつになるかな?
明日はニクラスがきて、翌日は私のプレゼン、明後日はゲスト講師によるフォークミュージックの歴史の授業と、
午後からはアグネタ・ストルペを講師に歌の授業で週末に突入するのだ。
早くて週末、もしくはもう少し先で。
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アフリカン・ダンス

2007-04-16 23:08:47 | 授業 ダンス
約10日間の休みも開け、久々に再会した友人のうち数人は日焼けしていた。
一人はスキーで雪焼けしたらしい。
もう一人は、オリエンテーリングで森の中を走り回って日焼けしたらしい。

さてさて、今朝はウプサラ駅集合。
国の文化交流プロジェクトか何かで南アフリカからダンサーを呼び、
3年かけてスウェーデン中の学校を回っているそう。
今年はすでに3年目だといっていた。
そんな彼らのパフォーマンスがウプサラにあるgymnasium(高校のこと。ジムナシウムという響きは
まるでスポーツジムみたい)で行われたので私達も学校総出で行くことに。

さて、10:20集合。
ミッケ(校長先生)が迎え(先導)に来てくれる予定。
でも私達は30分ほど早く着いてしまった。
「よし。ミッケを待たずに自分達で行こう!」
と誰かが言い出した。
颯爽と歩き始め約5分。
やっぱ、わかんない
仕方なく私達は時間が来るまで、川のほとりで日光浴(写真右上、全員ではない)。

時間が来て、ミッケがやってきた。
今度こそ!と颯爽と歩き始める私達。
私はやや後ろからついていった。みんなの様子を見ているととっても面白い。
ミッケを筆頭にアヒルの親子みたいに皆1列または2列できれいに整列してトコトコとついてく。
いやはや、スウェーデン人が集団行動にむいているのか、それともこの学校の生徒だけなのか。

私はスウェーデンの高校を訪れたのはもちろん今日がはじめて。(写真左下)
まわりをきょろきょろする私。なんか様子が違う。
アメリカのドラマにでも出てきそうな雰囲気。
学生はメイクばっちり、髪もばっちりきまってて、服もクラブ風やジャケット・スタイルなどこじゃれてる。

「なんか、この学校の生徒、フォーク(民族音楽)やってる人たちと雰囲気違うよね。
今風ってかんじじゃない?」と小声で尋ねる私。

「イエース、だって、みんな、えーっと...英語でなんていうんだっけ...あ、そうそう、顔にpainting(絵)してるしね」
と英語があまり上手くないI が答える。
それをきいて私「painting?? make-up(化粧)のことでしょ!」

やっぱり高校生とは言え、これが一般スウェーデン人の姿なのか!
私はスウェーデンはフォークを通じてしか関わったことがないので、
フォークと無関係ないわゆる一般人のお友達は(知人も)一人もいないのだ
ブログでスウェーデン人とは...などと書いているけど、そのつもりで読んでくださいませ。

前置きが長くなりました。
例の南アフリカのダンサー。とってもすごかった。
まずはフュージョンと呼んでいたけど、お芝居かまるでミュージカルのようなアフロをベースに現代風創作ダンス。
それから、アフリカンな衣装でいかにも土着風のダンス
40年代スウィングジャズのような衣装でブロードウェイばりの粋なダンスと続いて、
最後は体をたたきながら踊るモダンなダンス。
まるでモダンタップかのようなリズムをかなでる。
見ごたえ十分。
筋肉のしなやかさはアフリカという言葉から想像できる通り、陸上選手も顔真っ青なくらい。

そしてランチをはさんで、ワークショップ。
私達とこの会場になっている高校生とでアフリカン・ダンスの基本的な動きを習った(写真右上)
見るとシンプルそうなのに、やってみるとわかる。これは無理だ!
ハッリング(3/29参照)なんて比じゃない。
全ての動き(止まって踊るときも歩いて踊るときも)は常に中腰、膝を軽くまげたまま。
ハッリングのときのように足がぷるぷるしないよう、適当に手を抜きながらやった。

うちの学校のダンスコースからきた友人達も、はぁ!?これできるの!?って顔。
でも、一旦音楽がかかるとのせられてしまう。
アフリカの力強く歌う大合唱の曲。美しくはっきりしたメロディでゴスペルの原型を思わせる。
それとパーカッションのするどく刻むビート。
DJ付のバーなんか行くと良くこういう曲をミクシングしている。
そういう使われ方をするだけあって、聞いているとトランス状態になる音楽なのだ。

本当の意味は分からないけど動きはどれも、まるで太陽を崇拝し大地を踏みしめているかのようだ。
手をパーに開いて小指と薬指だけ曲げるなど、細かい動きの説明は時間がないので割愛しますと、
このダンス講習会の先生。
パフォーマンスしてくれたダンサー達のコーチらしい。
「そのかわり...」とその先生が熱く続けた。
Open your eyes. Open your ears. Open your mind. And use your brain!
(目で感じ、耳で感じ、心を開きなさい。そして頭をつかいなさい)

Jaha!
(*Jaha(ヤハ)・・・スウェーデン語で「なるほど」等の意味)

学校に戻ると、疲れた私達を待っていたのは今夜の晩御飯、ラザニアでした。(写真右下)
ごちそーさま。
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カッティング作業の様子

2007-04-15 23:47:28 | 楽器製作
イースターホリデイの最終日。

今日はエスビョンの家に行くと、子供用のニッケルハルパを作っていた。
作り方は昔ながらのコントラバスハルパと同様、組み立てではなく、
一本の木から掘り出していく
(だからコントラバスハルパは細くで小ぶりなのだ)
写真左がその様子。
写真の隅に写っている通常サイズと比べると随分小さいことがわかる。

写真中央と右は、3列目(一番上)のニッケル(鍵盤)部分のカッティング作業の様子
木目の真っ直ぐなものを選ぶ。木目が少しでもカーブしていたらポイっと捨てる。
あらかた糸鋸で切りそろえる。
一本ずつサイズが異なるので間違わないように番号をつける。
キーボックスのサイズも一本ずつ異なるので、図っては印をつける。
カンナで削っては電子メジャーでコンマ2桁まで測り、キーボックスに戻して具合を見るという気の遠くなる作業。
気の遠くなる…といっても、私がやるとこれだけで2ヶ月はかかるとのことで、
エスビョンの作業が大部分を占める。

説明を聞きながら作業を見守り、今日は私は主に演奏やストリング・ホルダー部分のデザインをやっていた。

演奏については、もともとスウェーデンに来る前からそういう話があった。
(そういう話というのは、ウップランドの伝統スタイル、特にエリック・サルストレムの伝統を習うこと)
楽器作りが順調に進んでいるので、徐々に演奏に時間を費やす割合が増えてきたのだ。

今日は、学校で習ったボンドポルスカと、エスビョンのボンドポルスカ(ウップランド地方独特のポルスカ)に対する
解釈が異なっていて、少々とまどってしまった。
「ダンスと同じようにもっとふわっと優雅に音を宙に浮かすように」と言われた。
今までもっと力強いイメージがあったのだけど、
エスビョンいわく、重すぎてはいけないと。
エスビョンはエリック・サルストレムの伝統を受け継いでいる人なので、少なくともエリック風では優雅に弾くのだろう。

そうこうするうちに日がかげり始めたので帰ることに。

最近は19時頃日が落ち始め、完全に暗くなるのは21時前くらい。
スウェーデンの四季は日本よりもはっきりしている。

12月には15時前に日が落ち、7月は2時くらいまで薄明るい。
冬はマイナス15度までなり、夏は汗ばむほど暑い。
この夏と冬の変化を思えば、春と秋のめまぐるしい変化は想像以上だ。
日差し、花、鳥、草木、全てが目に見えて日々変化する。

今日の帰りは自転車でカエルを弾かないように注意するのに必死だった。
道を横断しようと、手のひらほどのカエルがあっちにもこっちにも。
春ですね!
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