スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

アンデシュ・ノールッデ

2007-05-24 23:55:48 | 授業 楽器
今日は特別講師アンデシュ・ノールッデ(Anders Norudde)がヴェルムランド(Värmland)からやってきた。

彼はソロ活動でも多才なミュージシャンだけど、さらにヘドニンガルナ(Hedningarna)の人とい言えば、
あの人!と言う人も多いでしょう。

ヘドニンガルナ(Hedningarna)は、曲はトラッドベースにかなりラディカルなアレンジを加える斬新なバンド。
有名なので名前は知っていたけど、今日CD(ベスト盤)を買って初めて聞いた。
ガルマルナというバンドと似た方向性で、表現しようとするものはどちらかというと
ロック、トランス系、ダークな感じで、中世ものが好きな人にもぴったりくる。
ただ私の個人的な感想としては、演奏はスンバラシーけどボーカルがロック風の歌い方なので残念ながら好みではない。
(私の偏った意見でファンの方、ごめんんさい!)。

ガルマルナ(Garmarna)のほうがトランス系のバックにトラッドの歌い方がのってさらにトランス感が増し、
怪しげな雰囲気が出ている気がする。
とはいえ、ヘドニンガルナはスウェーデン・グラミー受賞やノミネートを何度もしている人気の実力バンドだ。

アンデシュは、これ以外にソロでの音楽活動も幅広い。
今日は、ソロCDを3種類持ってきていたのでGIGAレーベルの2枚を購入。
バイオリン職人でもあり、製作と音楽活動は半々の割合でやっているそう。

こなす楽器は写真の通り、ムーラハルパ(moraharpa)、スウェーデンのバグパイプ柳笛バイオリンと多岐に渡る。
写真右下の柳笛は2本同時に吹いてます。フラジオレットで高音をだせ、いい音色。

スウェーデンのバグパイプは、聞き比べたことがないけど、こんな3m側とかで聞いたのは初めてだったので、
印象としてはイリアン・パイプほど大きな音がしないなと思った。
ムーラハルパと同じ音量だったので、他の楽器とあわせやすそう。
それに袋は空気を入れると膨らむけど普段はぺしゃんこ。笛の部分は組み立て。
ちっちゃな巾着に一式いれていて、さっと組み立てたら出来上がり。
コンパクト。

今日はニッケルハルパの学校だからと意識してか?ムーラハルパを4タイプ持ってきてくれた。
チューニングによって使い分けたり、弦が多かったり少なかったり、ベースだったりする。アンデシュによる改造。
弓は古い握るタイプのもので、ガツガツっと荒っぽく弾く。
自ら「toy harpa(おもちゃのハルパ)だよ」と言っていた。

ちなみにムーラハルパについて
以前私は間違ったことをブログに書いたかもしれない。というのも勘違いしていたことを数ヶ月前知ったので。
ムーラ(mora)で発見されたと思っていたけど、エルブダーレン(Älvdalen)です。
ムーラに保存されているという理由だけでこの名前がついたそう。

定説では最古の現存するニッケルハルパ(15~6世紀だったかな?)とされている。
最近の研究では、古い教会を壊した際の木で作ったため、調査結果、古いとされてしまったという説が。
実際に作られたのは16~7世紀?(これまたウロ覚えでスミマセン)の可能性がある。
また、この説を唱えるPer-ulfはさらに、ドイツの文献からのコピーであり(つまり本を見て作ってみただけ)、
歴史的にもその地域と関係がないと言う。
確かに、寸法入りのその文献の絵はまるでうり二つで、測ったかのようにサイズまで同じだ。
だからウップランド地方のニッケルハルパの伝統とは何の関連性もないという意見なのだが、
定説というのは根強いものでなかなか一般に浸透しにくいでしょう。
また反対する人は証拠不十分と言うので、さらに強固な証拠があれば今後、覆されるかも。

さて、話を元に戻して、アンデシュ、次々と楽器を持ちかえては色んな曲を教えてくれた。
一見こわそうに見えたけど、素朴な感じの人でユーモアもたっぷり。
今日はベルムランド地方の曲を中心に教えてくれたけど、同じくベルムランド地方の有名フィドラー、
マッツ・ベリルンド(Mats Berglund)とは全く違った感じ。
マッツはノルウェー風の軽やかに空高く舞い上がるような曲をよく弾く。
アンデシュは、ダークで重い曲が多い。

そして最後は恒例の録音タイム。
trollstämning(トロール・チューニング)と呼ぶA-E-A-Cissのチューニングで一曲弾いてくれた(バイオリン)。
トロールとはそう、あの伝説上の巨人というか怪物のトロールだ。
スウェーデンには他にもこうしたネッケン(水の精で悪魔をさすことも9/20参照)のチューニングなど変わったものが時々ある。

アンデシュ、おつかれー!
車で帰って行きました。
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プレゼンテーション

2007-04-19 23:03:16 | 授業 楽器
今日はウロフの授業。

何度かこのブログで触れたけど、私達は去年の12月からそれぞれ独自のテーマを選んでプロジェクトに取り組んでいた。
紙の提出は3月に終えていて、後はプレゼンが順番に回ってくる。

今日が私の日。
テーマは「北の津軽(三味線)の音楽と南の沖縄(三線)の音楽を(外国向けに)紹介し、
ニッケルハルパ用に曲をアレンジする試み」という、てんこ盛りで欲張りなもの。
でも、北と南の歴史気候曲調などの対比、独自のペンタトニック(5音からなるスケール)など、
フォーク(民族音楽)関係者や西洋の音楽理論が浸透している人達には
日本のフォークは新鮮だ思う。

紙の提出は分かりやすくまとめたり添付写真など資料集めに苦労したけど、プレゼン(発表)は
いかに効果的、効率的で分かりやすく進めるかという別の作業に苦しめられた。
分かりやすくするために、提出した内容よりもどんどん削ってシンプルにしていったのに、
昨夜さらに削りたくなって、夜1時近くまでかかってしまった。

苦労の甲斐あってか、みんな興味シンシン。
最後まで待たず途中でもどんどん聞いてねというと、本当にじゃんじゃん質問がとびかった。
(発表は20分のはずが、1時間以上たっていた)

ウロフは沖縄のCDも持っているらしい。
北海道出身の三味線弾きとセッションもしたことがあるとも言っていた。
なので、さらにスウェーデン語でみんなに補足してくれた。

みんなの興味は特に、津軽のペンタトニックと沖縄のペンタトニック、
私が持ってきた三線用の楽譜(上から下、右から左という縦書き日本語の順序)に向けられた。

特徴だけをとりだしてシンプルに弾いた津軽じょんがら節がとっても好評。
そして、沖縄の音階を紹介するときに、The BOOMの「島唄」を弾いたら、これまたとっても受けた。
ヒットしたのが分かると皆口々に。

ニッケルハルパを持っている人は試しに弾いてみては?
共鳴弦がとってもきれいに響きます。
G線のオープンGから弾き始めると、C-bordun(一番低い弦)を途中でジャラーンとたっぷり使えます。
ウロフも沖縄の音楽が広く人気を集めるのは理解できると言っていた。
「新たなインスピレーション」だとかなんとか想像以上の反応でこっちが驚いた。
そんなに上手なプレゼンをした覚えはない。
やっぱり日本文化ってすごい独特なんだろうなぁ。

「みんなで沖縄に行こう!」とウロフ。
太陽好きのスウェーデン人は、はまるかも。
(インドネシアの地震と津波災害では、スウェーデン人は数百人~千人近く亡くなったと聞いた。
人数は定かではない。でも、それだけ南の島は人気のリゾート地ということ?)

その後の授業では、ウロフのバンド、ヴェーセン(Väsen)のRogerが作曲した
ガンガルとJosefins dopvals、ウロフ作曲のポルスカを習った。
島唄がアルゼンチンでも人気があるように、このJosefins dopvalsはアメリカ、アイルランド、
カナダ、日本などインターナショナルな人気。
日本でもアイルランド音楽をやっている人がよく弾いているの聞く。

しかし!
私が日本で弾いていたときとボーイングが違う。
いわゆるワルツボーイングではない。
1小節まるまる一弓で弾くことが多い。
それに今日だけなのか、思ったより静かに弾いていた。
でも、その弾き方のほうが返って美しいメロディがひきたつ気がする。
よく弾きなれた曲だったのにとても新鮮。
これも、曲をしっている人は試してみては?

ちなみにバイオリン・プレーヤーはGメジャーで弾く人が多いけど、
オリジナルはFメジャー。
同じ曲をオクターブ上(つまりA線)でも弾くので、指の練習にもなる。
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特別講師プーマ

2007-04-17 23:06:35 | 授業 楽器
今日は特別講師にプーマことペーテル・ヘドルンド(Puma, Peter Hedlund)が来た。
彼はニッケルハルパのチャンピョンに確か2回なったことがある、かなりのツワモノだ。

来日経験もあり、2003年だったと思う。
東京のスウェーデン大使館でコンサートをし、その時私は東京でプーマからプライベートレッスンを受けた。
翌年は数人でプーマのスウェーデンのおうちまで訪ね、一日講習を受けたことがある。
(彼は地図にもないような田舎に住んでいて、私達は途中で道が分からなくなり彼のCDジャケットの写真を頼りに家を探した。)

なので私は2,3年ぶりの再会。
(といってもDVDを3巻とも持っている私はもっと頻繁にPCの画面でお目にかかっている)
プーマはとっても記憶がいい。朝食時に車で颯爽とあらわれ、ちゃんと私のことも覚えてくれていた。
何と名前まで覚えていてくれた。それはあやしい。
さてはその辺で誰かにこっそり聞いた?とつい疑ってしまう。ごめんなさい。

プーマはソーレン・オーケル(Sören Ahker)の楽器を使っていたが、新しい楽器を手にしていた。
Martin Westermarkという職人さんの楽器。(写真左)
名前を聞いてふと思い出した。プーマの家に行った時に来てたおじちゃんだ。
あの時、楽器の競技会で賞を取ったと言っていたので、きっと腕ききだ。

ちなみに写真右は、FIKA(ティーブレイク)で出された野ばらの実のスープ(ローズヒップ?)。
写真のように砂糖菓子やクリーム、ハロンは普通は入れないそう。
ちなみに1口目「オエッ!薬っぽい」
2口目「グェッ!」
3口目「気持ち悪い…」
4口目「そこまで悪くないけど、背筋がゾーッ」
5口目「おいしいかも・・・?」
という訳で結局好きになりました。また飲みたい。

さて話を戻してプーマの演奏スタイル。私の印象ではとても特徴的。
音色
ひんやりした砂がさらさら風に舞うように、とっても繊細で優雅な音。
(例えば私のイメージするニクラスの音は、さらりとしたハチミツ)
指使い
カチカチ音を嫌う彼は先を考えた工夫した指使いで弾く。(カチカチ音は好みによる)
楽器のニッケル(鍵盤)部分に弱いバネを入れている。
慣れないと押える感触が気持ち悪いけど「バイオリンでも弦をぐっと押えるでしょ?」と言われると、
「なるほど、そうかな」とも思える。
ビブラート
フォークミュージックでは使用しないので、ビブラートがかかる度に思わず注目してしまった。
以前もあんなにかけていたっけ??今日は特に気がついた。
控えめに小さくかける人はいても、はっきりかける人は珍しいと思う。

さてさて。今日はエクササイズと、曲は3曲習った。
エクササイズは、オクターブ・グリップ。
そして各スケールをカチカチ音が最小限になるような指使いで弾く練習法。とっても難しい!
習った曲のうち一つはアイルランド・ポルスカと呼んでいた。
なぜかアイリッシュのマーチなのに、ボンドポルスカに聞こえるのだ。

午後からは恒例の録音タイム。20曲近くは録音したと思う。
コンサート状態で、優雅な音色にみんなうっとり。
拍手!

話は変わって、夕食後。
今日はプーマが来ただけでもかなりビッグイベントな日だったのに、夜は夜でとても興味深いプランがあった。
ニッケルハルパの歴史」の研究家でもあり、レコード会社Tongångの社長でもあるPer-Ulfが会いに来てくれたのだ。

以前から彼の書いた本のことで質問していて、近くで用事があったからとわざわざ寄ってくれたのだ。
食事がまだということで近くのピザ屋さん集合。
他にも話を聞きたいという友人3人と共に彼を囲んだ。
食事を終えていた私達はビールだけ注文し、Per-Ulfの興味深い研究内容に耳を傾け、21時近くまで熱く語った。

彼の研究内容は非常に面白い。
証拠に基づく推論で(証拠不十分により推論の域をでないのだが)、
本当だとすると私がこのブログで書いたこと、つまり授業で習ったこと、
それから現在ある定説は覆されてしまう。私がブログで書いたニッケルハルパ・タイプすら書き直さないといけなくなる。

この話は改めてこのブログで書きたい。いつになるかな?
明日はニクラスがきて、翌日は私のプレゼン、明後日はゲスト講師によるフォークミュージックの歴史の授業と、
午後からはアグネタ・ストルペを講師に歌の授業で週末に突入するのだ。
早くて週末、もしくはもう少し先で。
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王立音楽院からのゲスト

2007-04-04 23:00:42 | 授業 楽器
今日はウロフの授業。
先日(4/2)から始まったプレゼン。今日はLちゃんの日。
テーマは、ニッケルハルパの種類。
でも、なんと。かわいそうに、今日はギャラリーがたくさん。

というのは、王立音楽院からニッケルハルパ・プレーヤーが3人も来ている。
3人ともこの学校出身。なので母校で、教育について学ぶ実習のような感じで来たのだ。
写真右
一人は、ニッケルハルパチャンピョンのマグヌス
それからブログでも書いたエリック
それとアンダシュ。(ストックホルム在住の日本人ベース・プレーヤーとバンドをしているらしい)

そして緊張気味のプレゼンの後、前回のジグを軽く復習し、
私達は彼らの実験台となるべく3グループに分かれた。

私はエリック率いるグループへ。
「OK。じゃあ、英語でやろうか」とエリック。ありがとー!
リズムの練習らしく、「僕の後に真似して言って」と。
“ヤーハルエン、フィスクソムエル、ブローエレル、ギュルエレル”
(ひとかたまり=強拍)
英語でやろうかって、こ、これはスウェーデン語じゃないか!
そんなリズミカルに言えたらスウェーデン語なんてとっくにぺらぺらだ。
でも、本当はここは難しいと思うはずの箇所ではない。
エリックは「言葉の持つリズムから音に変換して演奏」ともって行きたかったみたい。
予定外に外人(私)がいるので、そうはいかないのだ!

という私を気遣いながらも、エリックは次のステップへ。
オフビートの部分だけ言わせるなど。
それから音に変換すると曲のkomp(伴奏)になっているという訳。
習った曲は、彼の作曲”High Dive”だといっていた。シンプルだけど美しい曲。

午後からは楽器持参でダンスのレッスン

3人のゲストそれぞれがダンスの伴奏してくれた。
みんな上手いが、個性がそれぞれだ。
でもうち一人が弾くと、なぜだか踊りにくい。

ちなみに、演奏が上手いのとダンスの伴奏が上手いのは関係ない。
なぜなら演奏とダンスの伴奏は全く別ものだから。
(と、いいきってしまうには微妙)
ともかく、ダンスの伴奏の良し悪しは、ダンスの練習をしているか、またはダンスの伴奏経験が豊富か
が左右するという私の意見。

それから次は私達の番!
あっちからも一人ずつ、私達からも一人ずつ、計二人ずつで伴奏にトライ!(写真左)
人のことはあーだこーだ書いているけど、実際自分の番になるとドキドキしてそれどころではないのだ!
エリックに「スコーエラ(女トロールの曲)はどう?」と言われその曲を。
いやはや。
もっと場馴れしないと。
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開花!

2007-04-02 23:14:27 | 授業 楽器
昨日エイプリルフール
新聞は一斉にウソの広告を出していた。
ここ、地元紙では「ウプサラ郊外(ウップランド地方)にあるバイキングの王が眠る丘にローラーコースターの建造を計画中」というもの。
友人Kの出身地では、いつも行っていたショッピングモールが新聞広告の写真ではデザイナーによってピンクに変わったそうで、「そうなんだ!カッコイイー!」と思ったらウソだったとがっかりした様子。

さて、今日はソニアの授業。
ボンドポルスカの総復習。
力強いビートとスウィング感、ニッケルハルパらしいダブルストップが特徴。

実は今度、競技会というのかオーディションと呼ぶのか、ちょっとしたのに出るかもしれないので、今の私にはうれしい授業。
出るかもというのは、書類上、解決しないといけない問題がいくつかあるので。
まだ出るには時期が早い、出たところで何も受賞はしない、と分かっているけど、それもいい経験。
そういう競技会みたいのは地元や全国版などいくつかあり、時期的にちょうどいいタイミングのがあって、実はエスビョン(楽器製作を習っている)と以前から話していたのだ。
(ちなみに、いつのどれという詳細はナイショ。プレッシャーに弱いのでこっそりやります)
先日、エスビョンからのアドバイスをもらって(ニッケルハルパの典型的、かつシンプルな曲)選曲を考えていたら、頭がこんがらがってきたので先週、ソニアにも相談。
ソニアは「MD持ってきて」というので、持ってくるとその場で数曲録音させてくれた。
サルストレム・ファミリー(ソニアは先祖代々、地元ミュージシャン)に伝わる、バージョンの曲。
そして「こういう典型的な曲なのに、あまり知られていないバージョンというのもいいかもね」と。つまりマニアック感があるということかな。
そう言われるとウレシイ反面、選曲肢、いや選択肢が再び増えてしまったではないか!
ともかく。今日の授業の総復習は頭の整理にちょうどいい。

それから、今日は二人、プロジェクト(度々、このブログで触れている)の発表。
紙の提出は終わっていて、私のプレゼンの順番は今月中旬。沖縄と津軽の音楽がテーマ。
一人は、ラ・フォリアについて。
これも以前ここで紹介したので重複するけど、ポルトガルを起源にもつメロディ。
ヨーロッパ中に広まっている。
プレゼンでは、スウェーデンの例として、スコーネ地方の曲、私の知っている曲ではヘルシングランド地方のPolska efter Mattias Blomを挙げていた。

もう一人は、教会の儀式で使われる有名な歌詞付の歌があり、その同じ歌詞を使ってメロディを作曲するという挑戦。
言葉にメロディをのせる作業が初めてで戸惑ったという割には、とてもいい仕上がり。

写真は、春を感じさせる開花!
でも、ひかえめ。
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ハリングの練習再び

2007-03-22 23:47:13 | 授業 楽器
今日は、2つニュースが。

一つは歴史に関する話で、ペール・ウルフ(論文など書いている)からメールがきた。
1410年頃のニッケルハルパにつていの描写がイタリアの教会から見つかったそう。ドイツ、デンマーク、フィンランドなどでも見つかっているけど、イタリアとは、また、ニッケルハルパの地理的分布がぐっと広がる。今後の研究に期待。

もう一つは、ヴェーセ(Väsen)の来日コンサート。
今日、ウロフとたまたま、この話をする機会が。
10月末か11月頃?に来日コンサート関東エリアでする。
と、思っていて「西日本も来てほしい」というと、
「関東のみ、なんて決まってないよ。××や○○など今、主催者と話してるとこ(どこまで公開していいのか分からないのでここでは触れません)」と言われた。
ということで、本人の認識としては開催地はまだまだ計画段階みたい。

ということで、今日はウロフの授業でした。
相変わらず、ショッピングやヤリヤリなどハードな弓の練習が延々何時間も続いた。

それから、ハリング(Halling)の練習も再び。弾きながら歩くなど、リズム感の練習。
ハリングって、楽譜では2拍子や4拍子で書かれる。
ゆったりした重いビートの曲。
ノルウェイや、ノルウェイ国境に近いスウェーデン西部に伝わるダンス曲。
ダンスは独特で、男の人がアクロバティック(屈伸運動みたいなのをする人も)に即興で踊るもの。ペアでは踊らない。

写真は、この日の夜あったコンサートでハリングを踊る様子。
でも、フェスティバルやこういったコンサートでは、男女関係なく、そして自由に踊る。
両手を真横に伸ばし回転する人、アクロバティックな技をする人、スレングポルスカのように二人で踊る人、ノルウェイのガンガルのように踊る人などそれぞれで、見ているとターンしながら陶酔してハイになっていく様子がよく分かる。
ハリングが入っているCDで日本で入手しやすいのはヴィルヴラ(ブート、BOOT)かな。
持っている人は、聞きながら両手を広げ、ビートに合わせてその場で(or 歩きながら)ターンしてみてください。
ヘビー級のビートが体で感じられるはず。

その後、録音タイム。次回の宿題としてジグを3つ録音。
うち一つは、「30 års-jiggen」というオリジナル曲(ヴェルデンス・ヴェーセンVärldens Väsen CD収録曲)。
今日はわざとのようにでっかい字で書いてくれた。

というのも、ウロフって字がちっちゃい。
ふと見たスケジュール帳は、字が1mmか2mmくらい。顕微鏡が要ります。
ウロフは190cm台の長身。
背の高さと字の大きさは反比例するのだろうか。
それで今日は前々から思っていた「字がちっちゃい上に、アルファベットが識別できない」と言ってやった。
なので今日の字はバカでかいのだ。

それはおいといて、今日は私は授業中にソロ演奏をしないといけない日だった。
けど、ウロフはすっかり忘れてるみたい。
シメシメとばかりに黙っていた。
あー、でも、どうせ次回に繰り越しになるだけなんだよな。

さて授業後のこと。
友人E「今夜のコンサート楽しみね」って。「え?何それ?」と私がいうと、「Oh!あんたって何も知らないのね」と言われた。
そりゃそう、誰かが英語で教えてくれるまで知らないことがほとんど。
何やら聞いたことのない人たちのコンサートがここであるそう。
どんなだったかは、明日のブログで。
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ウロフと個人レッスン

2007-03-12 23:09:50 | 授業 楽器
昨日はワールドミュージック(インドや中近東系?)のバンドがうちの学校のサロンを借りてコンサートをした。
もちろん私は楽器作りでいなかったのでコンサートは見ていない。
でも、週末はここに泊まっていて、見知らぬ英語を話すおじちゃん達がいっぱいウロウロしていた。

さて、今日はウロフとの個人レッスン。

前回に引き続きボーイングの練習…と思ったけど、やはり楽器上の問題があり、ウロフに「音色はいいけど、この箇所の問題が練習上バリアになっている」と言われた。
先日、エスビョンに楽器を見てもらったけど、私がウロフほど問題を理解していないため上手く説明できなかった。あの時は音色が非常にいいというコメントをもらったけど、短時間でざっと見ただけで、次回もう一度じっくり見るとも言われていた。

ともかく、前回たたいてずらしたサデルが再びズレていたので再びガツンとやった。
私は風邪をひいたペットを病院に連れてきた飼い主のようにじっと見守るしかない。
うちの子、具合はどうですか?といった面持ちで見つめていると、ウロフはC線上のEとGのlövがゆるすぎると言い、歯医者さんのようにすぽっと引き抜き、ぺろっとなめた。
「湿気を与えるとちょっとだけ安定するから、音が変わるかどうかを試している」とウロフ先生。
それから、Dのlövが弦に軽くふれるのでウロフが持っていた携帯ナイフで削った。

そうしてもう一度作った本人に見てもらったほうがいいと思う、とウロフ。
私が「うーん」とためらっていると、「じゃあ、今からウッレ・プランに電話してどういう問題か説明してあげるよ」とさっそく電話で話しはじめてしまった。
ウッレ・プランはもちろん腕も人柄も良い職人!!
ただ、ハンドメイドなだけに楽器ごとに特有の問題が生じることがある。しかも数年前の作品で、問題を経験した後に改良している可能性もあるので、本人と話すのが一番だというのがウロフの意見。
とりあえず話しただけで、どうするかはまた連絡することになった。

そんな感じでレッスンは始まった。
「感覚をつかむために、これで試してみて」とウロフの楽器と弓を渡された。
弓がやたら長い!ぱっと見、弓の毛は42cmくらい(私のは38cm)。

弾いて見ると、弓のバランスや重さが絶妙なせいか長さは全く気にならない。
楽器(ちなみに私が今、製作を習っているエスビョンの作品)もすばらしく響く。
「なんでキーボックス(鍵盤部分)黒いの?ぴかぴかした塗装だけど素材はスウェディッシュ・メープルよね?」と尋ねた。
やはり素材はスウェディッシュ・メープルだそう。
「色は、1800年代の流行からとったんだ。キーボックス、ストリング・ホルダー、ペグが当時は黒いのがファッションだったんだよ」って。ふーん。
そして、「ハイ、こっち弾いてみて」と私の楽器を返された。
で、弾いてみた。
「ハイ、次はこっち」と私の弓を返された。
で、弾いてみた。
「かなり良くなったね!」とウロフ。
やったね!

それから、あえて長くゆっくりした弓運びの曲を選んで弾いた。
弓がゆっくりのときは圧力を抑え目にしないといけない。弓の長さが後どのくらいかも感覚的にコントロールしないといけない。

そしてあっという間に時間が来て終了。
今日は、習いたいワルツがあったのにそんな時間はなかった。
ニクラスがアレンジの授業でそのワルツAのパートのみ使った。
続きが知りたくてニクラスに言ったら「ウロフに聞いたほうがいいよ、よく弾いてるから」とのことで、この日を待っていたのだ。
それをクラスメートに休憩時間はなすと、一人「JPPの演奏でよければCDあるよ」と貸してくれた。今、ちょうどそれを聞いていたところ。
コントラバスハルパのソロで始まり、いい感じ。”Vals efter Jan Olof-Olsson”という曲。
JPPを持っている人は聞いてみてください。
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フォーク・ミュージックで重要なこと

2007-03-08 23:02:45 | 授業 楽器

疲れたー!
たった今、明日が提出期限のプロジェクトを書き終えたところ。
提出といっても「下書き」なので、大雑把にまとめた感じ。
このプロジェクト、最初はもっと研究発表のような大がかりなものを想像していたけど、よくよく説明を聞くと、20~30分程度の演奏付きプレゼン。それも、準備で日々の練習がおろそかにならない程度で、とまで言われた。

私が選んだテーマは、「北の津軽三味線と南の三線(サンシン)」。
アラブを起源に中国へ伝わり、そこから琉球(沖縄)へ。そして当時の最北端、津軽へたどりついた、3つの弦をもつ楽器”三味線”は、フォークの要素、素材(蛇皮や犬皮!)、地域的対照、気象、歴史と、もったいないほどのネタがたくさん。

で、一気に書き上げ、ニッケルハルパに触れていないことにふと気づき、慌ててサブテーマ「~ニッケルハルパで表現する試み」を設けたところ。
ちゃんとした研究発表なら、そう簡単にいかない内容。
でも、重くしなくて良いといわれているので、「紹介とニッケルハルパで演奏する応用」程度にとどめるつもり。
他の人は、「中世の音楽」、「ラ・フォリア」など。
ラ・フォリアは、500年ほど前のポルトガルを起源に持ち、ヨーロッパ中にそのメロディが広まったといわれている。そのラ・フォリアのメロディがスカンジナビア(北欧)に与えた影響をフォーク・ミュージックの中に見る、というものらしい。面白そう。

さてさて、今日はウロフの授業

前回に引き続き、ハッリング(Halling)をもう一曲習い、特に、重たいスウィング感を出す練習に集中。立って弾いたり、足を踏んだりと色々試みた。
それから、しばらくウロフのお話。
一言も英語でのフォロー無く延々としゃべり続けたので全く何の話か分からず。ホワイトボードにせっかく書いてくれた字もミミズ状態でアルファベットすら認識できず…。
(いつもウロフの字は小さい上にミミズみたいで読めない!)
話が一区切りしてから、一体なんだったのか尋ねようかどうか迷っていたら(話が長すぎて疲れた)、アメリカ人Jが先に質問した。
聞いてくれてありがとう!
フォーク・ミュージックで一番重要なことは何か?」について話していたらしい。
おおっと。これって重要な話じゃ!?
「今弾いている自分がまさに、”活きた伝統”の一部である」など色んな話をしながら、何よりも重要なことは「スウィング感」だとウロフ。
(:スウィング・ジャズのスウィング感をイメージすると感覚が違います)
ハッリングの重たいリズム、ポルスカの揺らぐスウィング、均等なリズムのポルスカならビート感、スウェーデンではワルツでさえスウィングする。この「スウィング感」一つで曲を活かしも殺しもする。

ウロフのバンド、ヴェーセン(Väsen)はオリジナル曲がほとんどだけど、そういう意味では本当にスウィング感たっぷりで勢いがある。
そう、そう。それから「弾きたいように弾く」こと。これも大事だと言っていた。クラシック音楽には無い発想かもしれない。

お話の後は、ボーイング練習のオンパレード。
ヤリヤリ・ストローク(弓をペンの用に持つ) 
ヤリヤリでやれやれって感じ。超難関。いまだに弾けません。

チョッピング(弓で弦をガツっとつかむ、叩く?)
「Chops & Grooves」というアメリカのビデオだか教則本がおススメだそう。目を輝かせて、この名人達、本当にすっごいから!と言っていた。

―・・・?(名前があるのか?) 弓を弦の上で弾ませる奏法。伴奏用。

最後は、1600年代に書き記されたノートブックからの楽譜を弾いておしまい。
前半が4拍子のポロネーズ、後半が3拍子のSerraと変わった構成。
1/20紹介のCDにも入っている曲。
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ヤリヤリ・ストローク...

2007-03-01 23:05:50 | 授業 楽器
写真中央に氷の塊が写っているの、分かりますか?
これは、屋根から落ちてきました。
こわい、こわい。でも、春の訪れの兆候?

今日はウロフの授業。

作ってきた曲の披露をした。
私はメジャーのポルスカとマイナーのワルツ(今朝作った)の2曲を作っていたけど、ポルスカのほうだけ弾いた。
C-basをたくさんつかった曲。
「Finnt!いいねー!それ、今後も(捨てずに)取っておいたら」というウロフのコメント。
今回、他の人は複雑な曲を作っている人が多かった。
考えてひねった曲はキャッチーなメロディで印象に残るとは限らない。
でも私のはシンプルな構成とシンプルなフレーズを使った曲。
良い悪いは抜きにして、単純で聞きやすい曲だったとおもう。

どうやってその曲を作ったのかプロセスを聞かれた。
C-basを使いたかったからと言うと、ウロフが作曲するときも「この音を使いたい、この響きがいい」というきっかけの音からイメージが膨らむと言っていた。

今日は、クラスメートが友人(バイオリン)を連れてきていた。
この日見学した人はラッキーだったと思う。
ウップランド、イェムトランド、ウッシャ、ヴェルムランドなど今まで習った曲を復習しながら地方ごとの違いを説明してくれた。

もう一つこの見学者はラッキーなことが。ウロフは曲やテクニックをじっくりやってなかなか新しい曲は教えてくれないのだ。でも、今日は2曲ならった。
一つはポルケット、もう一つはハリェダーレン(Härjedalen)のハッリング(Halling)で、ボーイングパターンが似ている。

このハッリング、スウォップ(Swåp)というバンドがライブで来日したときに、ウーラ・ベックストレム(Ola Bäckström)が教えてくれた曲と同じだった。
バイオリン用の曲でニッケルハルパで弾くのは試したことあるけど難しい。
…と思っていたけど、前回のトライからは年月が経っている。
今日弾いてみると、意外に普通に弾ける。上手くなった!?という訳ではなく、キー(ニッケル)を見ずに弾ければ難しくないということだろうと思う。
下を見てキーを捜しているうちは、指がバタバタするから難しく感じるのだ。

さてさて、その後は前回もやったヤリヤリ・ストローク。む、難しい!
(弓をペンのように持ち手首だけを使って返す伴奏用の奏法。ヘルシングランド地方)
まだ、全くそれらしい音がだせません…。
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ポルスカについての本

2007-02-26 23:21:00 | 授業 楽器
1週間のスポーツ休暇明け。

ダンスコースはもう一週間お休みなので、人数が少なく感じる。
さっそく、ソニアのレッスン。
今日はダーラナ地方のボーダ(Boda)という村の曲を。
ソニアはバイオリンも上手い。セッションになるとバイオリンのほうをよく弾く。
そして、ボーダやウッシャ(Orsa)の曲をよく弾き、結構くわしいと思う。
Aマイナーの暗くてゆっくりした曲だった。

それから、Solo spel(ソロ演奏)。
今日はクラスメートMと私の番。
ソニアは、コンサートで大勢いるよりも少人数のほうが緊張するらしい。そして、みんな同じジャンルの曲を弾く人達だともっと緊張するらしい。

私は誰の前で、何人の前で弾こうと、ソロだと緊張が全く解けない。
誰かと一緒だと平気なのでデュオからOK。
でもこの緊張、スウェーデンに来て日が経つにつれ悪化していく気がする。

見た目には普通だと思う。
聞いても緊張してるとは気づかないかも(普段の様子との違いなんて知らないだろうから)。
けど、弓を持つ手が固くなったり左指が血の気がひいて冷たくなるのを感じる。
目線も泳ぎ始める。
個人レッスンでさえ、一人で弾くと緊張する。
毎回毎回こうなので、今日は皆に待ったをかけて相談した。

そしたら、ソニア「みんな、誰だって緊張するのよ。私だって。あなた一人じゃないから」と。
みんなも「うん、うん」とうなずき私に微笑みかける。
まるでメンタルなセラピーの会にでも参加しているような、患者になった気分。
でも、見た目に分からない程度に歯が震えるのを感じる。指も冷たい。
いや、私って本当に病気なのかも。
いかん、いかん。人は追い詰められると、マイナス思考に拍車がかかる。

隣でじっとみつめるSが「私は深呼吸するよ」と。
でもね、Sちゃん。
あなたがそんな近くで見つめるから余計に緊張するのよ、と内心思いつつ、はぁーっと深呼吸。
そして一気に弾いた。Smultrongärds Idaのポルスカ。

緊張というには大げさだけど、力の抜けていない演奏だった。
「もっと弓を大きくつかいたかったけど、腕がこわばった」と言うと、ソニアが「じゃあ、ハーモニー弾くから一緒に弾いてみよう」と。で、一緒に弾くと、いつも通りに弾ける。
みんなも「あ、笑顔が戻ったよ!」なんて余計なことを言う。
他に気をそらせばいいんじゃないかと、ソニア。
弾く前に小話してみんなを笑わせたら?と、アメリカ人J。


Polish dance in Scandinavia and Poland」というタイトルの本を入手。

全編、英語。(おそらく英訳ではなく、英語で出版された本?)
写真右上は目次の一部。CD付。(Svenskt visarkiv出版)
多分、ストックホルムの音楽博物館でこの表紙をみかけたような…。(頂きものなので)
著者は一人ではなく、数人の人が色んなタイトルで書いています。
ポルスカの歴史の授業をしてくれたMagnus Gustafssonも”Transformation of melodies”というタイトルで書いています。
Introductionを今、読みかけですが、2001年にpolskaについて初の学術会議が開催されたそう。スウェーデンをはじめ、ノルウェイ、デンマーク、フィンランドの学者が集まったそうで、とても興味深い。
今までは主に収集が盛んだったけど、分析や研究がもっと深まっていくのではと期待。

それとは、なーんの関係もない写真。
左下:学校所有の自転車(自由に借りれる)。こんなに雪に埋もれてちゃあねぇ…。
右下:学校近くのガソリンスタンドと奥に売店(←トボで唯一のお店!) ガソリンの値段表示が見にくいですが、リッター10.95クローネ。(1kr=約17円)。おそろしく高いのは、車利用を減らすため?だとか聞いたことが。
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散歩はスキー

2007-02-16 22:24:03 | 授業 楽器
今日は、ウロフと個人レッスン
今日は、風邪でお休みしている4歳の子を連れてきていた。
「コンニチワって言ってごらん」とお父さんが言うと、氷のように固まってじっと私のことを見つめていた。

さてさて。今日は何か取り組みたいことある?と聞かれた。
「Vikでの交流イベントで弾いたLappkungens polskaの出だしを私のニッケルハルパで弾いて欲しい」とお願い。

実は、あまりにもひどい音のため、選曲を間違ったと思ってしまったたほど。以前にも書いたけど、私の楽器はC線上の音に問題がある。
で、このLappkungenは出だしがC線上でスローに始まるので、下手に弾くと本当に聞いていられない音がする。上手く弾くとどんな音がするのか聞いてみたかったのだ。

ウロフが弾いてくれたのを聞くと、ふぅむ。
楽器の問題は別にして、やはり上手い。

さっそくウロフは楽器の別の箇所の問題を発見。
löv(弦に触れるぽちぽち)の位置が弦に近すぎるらしい。
ノイズが出ることには私も気づいていたけど、だからといってどうしたらいいかは分からなかった。
「今日は道具もってきてないんだよね」といいながら、油性マジックペンを握り締めた腕をおもいっきり振り下ろし、ガツっ、ガツっ!と何度もネック部分を叩いた。
相手がウロフだから何の不安もないけど、知らない人がみたらびっくりすると思う。
その部分は接着してあるのかと思っていた。
弾いみては叩き、を何度か繰り返す。
ウロフの連れてきたチビっこは、ヘッドフォンをつけられPCで何かアニメを見ている。何も聞こえないみたいで、時々、興奮気味に画面に向かって何か話しかけていた。

それから、ペグの弦の巻く方向がよろしくないとこれも巻きなおし。(4弦4つのペグとも同一方向に力が加わっていた)
それから、何度もボーイングの練習をした。
C線上の問題とは別に、やはりもっと注意深い弓運びが必要。難しい曲や速い曲は練習すれば弾けるようになるけど、やはり音色は本当に注意してコツをつかまないとどれだけ弾いても同じなのだ。
そして、より客観的になるために、時々他の人の楽器を数分弾いては自分の楽器に戻って確認したほうがいいかもしれないと言われた。

話は変わって、写真はスキー靴を履いたクラスメート。
みんな、散歩はスキー板をはいて行く。
こちらで何の前置きもせず「スキー」というと、クロスカントリーのこと(歩くスキー)。雪が降った頃から、みんな散歩にはスキー板を履いて出かける。
日本ではクロスカントリースキーは一般的じゃないので、あまりピンとこない。斜面を滑るスキーだって、日本では近くにスキー場がなければリッチなリゾートっぽいイメージ。
でもスウェーデンではスキーは日常。斜面じゃないから、いい運動になる上に危険も少ないといっていた。骨折なんてまずしないと。
これなら、スピードや転ぶのが怖い私にでも出来そう!日本でも出来るとこ(コースとか)あるのかな?

もう一枚の写真は久々にご飯ネタ。
スウェーデン・ハンバーグです。肉の中にはヤギのチーズがゴロゴロと入っていた。上にかかっているのは、クリームチーズソース。さすがスウェーデン。
ちなみに、今頃、最年少のクラスメートEが肉を食べないことに気づいた。
(最年長は50歳台と幅広い)
私がそう言うと、Eは「肉はエルクなら食べるよ」と。?
理由を聞くと、「エルクは狩で殺されるまで自由だから」。
食肉用の家畜は自由がなく、ひどい扱いを受けているから、ポリシーとしてそういう肉は口にしないのだそう。彼女は19歳。
ここでも、またスウェーデン的なものを感じた。
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ヨハン・ヘディン(Johan Hedin)

2007-02-14 23:59:04 | 授業 楽器

今日は雪の中、ヨハン・ヘディン(Johan Hedin)が特別講師に来てくれた。
Bazar Blåというバンド、ソロ、他のプレーヤーとのデュオ、新しくニッケルハルパを作る、などなど活躍は多岐にわたり書ききれないくらい。
日本では2006年の秋にソロ・コンサート。
私は、ヨハンはCDでしか知らないので今回が初対面。

去年、日本に来日したときの宣伝か何か忘れたけど「ニッケルハルパの貴公子」という日本語を目にした。会ったことが無いのでイメージが先走ってしまった。
だって「貴公子」って言葉に"イマドキの特定のイメージ"を持ってしまうのは私だけ
"イマドキの"とは「韓流」とか「王子キャラ」のことで、よく貴公子という表現をする。
ともかく私の勝手な思い込みで()さぞかしスマしたミュージシャンがやってくるのだろうと、私も負けじとスマして構えていたら、Hej!(こんちわ!)と言って入ってきたヨハンを見てひっくりこけた。なんだ、何のイヤミもない気さくで、あったかいお兄ちゃんって感じだ。
口を開くと、スモーランド出身のHとそっくりのイントネーションで素朴で暖かい印象(本当にスモーランド訛りで話しているか分からないけど、Hの話し方にそっくり)。
持ってきたPCを開いて「見て、見て。これ日本行ったときの写真」と楽しそうに見せてくれた。

写真の説明(写真は本人許可済みです)
、左からオクターブ・ハルパ、クロマティック・ハルパ、テノール・ハルパ
ちなみにテノール以外は、お父さんが作ってくれたそう。
、ヨハンのニッケルハルパは、通常のものよりニッケル(鍵盤部分)の数が多い
より多くの音を求めて増やす人は最近多い。もちろん押える部分は小さくなるので演奏はそれだけ難しくなる。
、このテノールハルパは、一部、クバッチトーン(Kvartston、クウォータートーン、俗称はブルー・ノートを意味するBlå ton。具体例を挙げるとドとド#の間にもう一音ある)がある。
、今日はバレンタインです。FIKA(ティータイム)は、ハートのチョコ、グミ、それとこのケーキでした。ごちそうさま。

ランチをはさんで、音楽を学んでいた頃の話からミュージシャンとしての現在に至るまでの話を2時間ほどしてくれた。(ランチの時、見たことがないCDを購入)

話の合間には、持参のノートPCとケーブルを接続し、過去のプロジェクトや最近の作品までPCファイルから聞かせてくれたり、写真1の3つのニッケルハルパをつかって演奏してくれた。

現在に至るまで
もともとバイオリン(もちろん、フォーク)をずっと習っていたそうで、6時間かけてストックホルムまでバロック音楽も習いに行ったこともあり、一時はオーケストラにも所属していたのだそう。
バロックを習っている時の話で、電車に乗ったとたんバイオリンを持ってくるのを忘れたことを思い出して慌てたことがあったらしい。修理中とかなんとか先生にウソつこうと思ってそのまま向かい、先生のいる部屋に入ると真っ先に「君、バイオリン忘れてきたの!」と先生に言われ、思わず素直に「ハイ。」と言ってしまったそう。
結局、先生のバイオリンも修理中で貸してもらえず無駄に往復12時間かかった!と笑っていた。
そんな雰囲気でいろいろと話をしてくれた。
無銭音楽旅行を自転車で決行、次は自転車はやめバスで(やはり貧乏旅行...)パリに向かった話、ミラ・ジョヴォヴィッチのバンド(The divine comedy, HPの写真, HPでJohanのつづりが間違っている...)にスカウトされロンドンやアメリカにも渡った話(かわいい曲だった)、帰国後ミュージシャンになることを決意した経緯やBazar Blå結成の話などなど。

新しい楽器ができるまで
ロンドンでのバンド活動中、もっとディープなサウンドが欲しいという思いがきっかけでオクターブ・ハルパ(oktavharpa)が生まれた。
その後、通常タイプとバカでかいオクターブハルパの中間があるといいなという思いがきっかけでテノールハルパができた。
現在のテノールハルパは、沢山の新しい試みがしてある。
クバッチトン(写真3)などもそうだけどバイオリンと同じ4弦4列、重量を減らすための細いキーボックス薄いニッケル、横向きにした糸巻きペグ(縦向きは古楽器特有)、フレキシブルに固定したストリングホルダー、角度をつけるための高めのブリッジ...書くときりがない。(お金があったら、もっと改良したいといっていた。また、現在進行中の新しいハルパもある)
音を追求する姿勢が楽器の改良、新たなものを生みだしているのでしょう。

そうそう。ちなみにヨハンのハルパはバイオリンチューニングに近い(3種のハルパともチューニングが異なる)。理由は、普段よく弾くスモーランドの曲がバイオリン用でDやGの曲が多いから。(ブログで紹介したヨン・オルソン・チューニング、ヨハンのtemperatureのチューニング、弓、弦などについても聞いたけど、長くなるのでまた次回)

授業の内容
スモーランド地方のSven DonatとAndreas Dahlgrenという人の18世紀頃のノートブックからの2曲(polska)。丸一日の割りに曲数は少ないけど、ヨハンの授業の目的は曲を教えることとは別のところにあった。

ヨハンの主張は「音楽は会話だ」ということ。
「同じことを2回言うとき、同じ声の調子で同じアクセントで、全く同じこと言ったら、なんか変でしょ?」と。
内容が同じでも話すたびに言い方は変わる。何を伝えたいかでその繰り返し方は決まる。
それを表現しようというテーマ。

その方法は、
オーナメント(装飾音)、ボーイング(弓)、リズムを変える...などなど。
実際に試してみる。

そして、次に即興で自由に動く伴奏の練習
まずはベース音のみ。次に5度の音を加えてみる。次は3度...など。
文字にすると”こ難しい”印象になるけど、コード進行はあらかじめ与えてくれたので難しい話ではない。
そして二人一組になり、メロディのバリエーションとフリー伴奏の"会話"を試してみた。むずかしかったけど、この"会話"の練習、面白い。

日本でもワークショップをしたと聞いたけど、どんな内容だったのでしょう興味シンシン。

脱線話
ヨハンの話で、ミラ・ジョヴォヴィッチの名前が挙がった。
ミラは私のお気に入りモデル(現在は女優業メインだけどモデルとして好き)。
ミラが雑誌の表紙に載っているだけでつい買いたくなる。どの国だったか東欧の出身で、それはそれはエキゾチックな顔立ち。そして、表情豊かでチャーミング。(インタビュー記事によると、小さい頃はみんなと顔が違うと外見でいじめられたらしい)
そんなミラとニッケルハルパとの関連を聞くとなんだかうれしい。
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国際小包、要注意

2007-02-05 23:24:10 | 授業 楽器
(学校のPC自体が不調で閉鎖されていました)

今日はせっかくウロフの授業だったのに上の空。

なぜかというと、日本から送ってもらった小包が届かないのだ。
話はもう少し複雑。
中身は食品。おもち、きな粉、あとはレトルト類で、首をながぁーくして待っていた。
それと、ドラッグストアで売っている軟膏も。
送ってくれた人が内容物の欄に軟膏のことをmedicine(医薬品)と書いてしまった。
すると、スウェーデンは全てのmedicineは輸入禁止物なので、みごとに税関(と呼ぶのか分からないけど)でひっかかった。
速達で送ってもらったのに1週間以上たっても届かないと思ったら、ある日「違法輸入の医薬品が含まれているため、1、送り主に戻す 2、処分する の二つから選んでください。」という手紙が届いたのだ。選んでサインして返送するようになっている。
ええ!?きな粉餅にしようか砂糖じょうゆにしようかと空想にふけって待っていたのに…。特に和食派という訳ではないけど、大のダンゴ好き。お餅も好き。ショック…。後からいくらかかったのか送料を尋ねたら7千円もかかったって言うし、これは引き下るべからず!

果たして、medicineが何をさすのか。
輸入(importという単語を使っていた)と言っても、個人による使用だし。第一、医薬部外品みたいなもの、処方箋のいらないものもmedicineになる?
頭の中は?でいっぱいだったので、手紙の差出先オフィスに電話した。もう1週間も前の話。電話で事情を説明すると、「小包を開けて確認していいか?」というので「どうぞ」。結果は、OK。すぐに送るというので、話せば分かるのねと、首をながぁーくしてさらに1週間待った。でも何も届かない。

校長先生によると、頭痛薬ですらスウェーデンでは処方箋なしでは買えないらしく、外国とスウェーデンでは医薬品の取り扱い基準が違うという話を聞いた。
何か問題があるのか(やっぱりダメとか、開封後に紛失とか)再びどうなっているのか、さっそく朝一で問い合わせた。返ってきた返事は「分かりません。1時間以内に電話します」と。
え?「分からない」って何?
授業中も携帯を見つめていたけど、いくらまっても電話なんてかかってこない。

という訳で、ウロフの授業に身が入らなかった。
上の空でもちゃんと話だけは聞いていた。今日の内容は、
・イェムトランド地方のポルスカ(Årepolska)
・3連符のかなり厳密かつ高難易度のボーイング練習(誰もついていけなかった)
ちなみにイェムトランド(Jämtland)の曲は3連符が特徴。
・dubbelgrep(和音の練習。A、F、G、C、Dそれぞれの調で全て和音でスケールを弾く)
・左手の指の練習。膝の上で。「人差し指+薬指」「中指+小指」を交互に、リズミカルに動かす(指で膝を叩く)。
ヤリヤリ・ストローク(Jarri jarri stråk)というヘルシングランド地方のものすごく変なボーイング。アコーディオンみたいに聞こえる。手首はカクカク、弓はペンのように持つ。伴奏に向いているそう。
ウロフは時々かわったことを教えてくれる。前回は、「ショッピング、ショッピング」というので何かと思ったら、英語の「chopping」だった。スウェーデン人は「チョ」という発音が難しいみたい。日本では何と言われているのかな。ブルーグラスやジャズバイオリンなどで使われていると思う。弓で弦をガシっとえぐるように叩く奏法。
・各自作ってきたショティシュのステンマ(ハーモニー)を発表し、ウロフがコメント。

そして夕方になり、トボトボと外を歩いていたら滑って転んだ。
さらに、気分はブルー。最近、急に暖かくなり雪が全て氷に変わってしまったのだ。
スウェーデン人が17時には仕事を終えて家族みんなで晩御飯を食べれるわけが分かった。つまり仕事をしないのだ。サボる訳ではない。定時までにやって終わらないことは明日やる。そうそう、もう一つ、ネットで注文した本も2週間たっても何も音沙汰ない。
スウェーデン人に指パッチンしながら「Oh yeees! スウェーデン人は何でも遅いからね」と言われた。
アメリカ人には「スウェーデン人は日本人より待つことに辛抱強いと思う」と言われた。せめてそれが「いつ」と分かれば待てるのに。
と、イライラするうちに電話がなった。
「担当者が荷物を送るのをすっかり忘れていて、ずっとここにあったみたい」と。あきれるよりも「これでやっとお餅が来る!」と、すっかり機嫌は直ってしまった。

ただ、スウェーデンでは、小包類は、送られてきた通知書を持って自分で郵便局に取りに行くというシステムなので、実際の受け取りまで数日かかる。
今度こそ本当に届くといいけど…。
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ノルウェイ近い町の曲の特徴

2007-01-29 23:57:35 | 授業 楽器
今日は宿題やその他やることが多いので短めに。

今日のレッスンは、Transtlandというノルウェイ近くの町の曲の特徴を習った。
3拍目に符点がつくくらいのばすのが特徴だそう。
その後、レーロースというノルウェイの有名な曲を練習し、
3連符
「一音ずつ弾く」
「一弓で弾く」
「二弓にわけてひく」
というボーイング練習。いずれも、拍の頭のビートを強調する。

これで終わりにしようと思ったけど、今日、友人に聞いた話を思い出した。
昨冬、家族で凍った湖にドリルで穴を開けて釣りをしたそう。
たいそう魚はつれて、「とても寒かったけど、アツアツのブルーベリー・スープを飲んだ」と。歩きにくい林を進んでいる時に言われたので、聞き返せなかった。そして、そのまま忘れていたのに、たった今、思い出した。
ぶ、ぶるーべりー・すーぷぅ!?
明日、聞いてみよう。
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ハーモニーを即興で

2007-01-23 16:47:52 | 授業 楽器
1/19に引き続きハーモニーをつける練習を今日も。
コード進行がシンプル(TSDT)なGåsvikarnMasbopolkettをつかって、グループごとに分かれ即興でハーモニーを作る練習。
歌をやっている人、ギターやコードに慣れている人は結構、すぐに出来る。
私はというと、譜面上では作ったりするけど、即興って感覚的に避けてしまう。
さぁて、できるかな?

、まずは、メロディとコード進行を確認して流れを体で感じる
、メロディにあわせてハーモニーをつける
番号をうつまでもなかった。手順は、ズバリ1番しか無い。
意外や意外。つくりやすい曲を挙げてくれたからか、なんとなく弾いたら出来てしまった。すごーい!
「すごい」というのは自分に対しではなく、手順を導いてくれた先生への言葉、もちろんね。

それから、イェムトランド地方(Jämtland)、ダーラナ地方(Dalarna)など色んな地方の曲を習う。ちょっと残念なのは、あまり地方ごとの代表曲を教えてくれても、知った曲ばかりなこと。それはおいといて、ディッテに興味深い話を聞いた。

ストックホルムでは、ボーダ、ウッシャ(どちらもダーラナ地方の町の名前。つまり、そこに伝わる曲のこと)、ボンドポルスカ(ウップランド地方の曲)、どんな曲でもゆっくりすぎる位のテンポで演奏/ダンスするらしい。ニューヨークに招待されて行った時も、ディッテの演奏は「速すぎる」と言われ、このストックホルムの現象と同じだったらしい。
もちろんディッテのテンポについての話ではなくて、ストックホルム等、その曲の地方と離れた場所で弾くとき(またはダンスの伴奏)、その地方の本来の曲調やテンポを確認する必要がある、と。
スウェーデンから遠く離れた日本に住む私も他人事ではない。オリジナリティを持たせる、という方向性はアリだけど、伝統的にはコレだというのを時折再確認しないといけない。

ところで、今日は日本からお客さんが来た。
夏の3~4日間、日本人向けにニッケルハルパ・コースをここで開催するらしく、学校側とその話をしにKさんが来ました。最低4人は参加予定とのこと。小規模ならがらも日本でも徐々に広まってきている様子。フランスやドイツのように広まっていくといいな。
予期せぬお土産までもらってしまい、Kさんありがとうございます!
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