スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

修了式

2007-05-28 23:45:56 | 授業 その他
今日は修了式。

何をするかというと、プログラムに沿って先生達の挨拶、演奏、ダンス。
校長先生は挨拶と共にギター片手に歌を歌ってくれた。

そして修了証(写真5)とバラの花をもらった。
修了証のナイスな絵は、歴史などを教えてくれたグンナルが描いたもの。
あちこちから、鼻をすする声も聞こえる。

そしてニッケルハルパコースのみんなで1曲演奏し、その後、ダンスコースも一緒にシューベルトを弾いた。

最後は(写真4)校長、ソニア、ディッテのリードで大合唱。
(修了式が金曜→月曜と変更になったため、ウロフは都合がつかなかったみたい)

そして、ものすごい量の料理がでてきた!
全種類すら食べ切れませんでした。
おいしそーでしょ!

デザートになると誰かがジャズのCDをかけ、談笑する人、CDに合わせてベースを弾く人などリラックスモード(写真6)。

未だに学校が終わった感覚がない。
なのに、泣いている人がいたり、夕方には引き払って帰った人もいた。
頭は切り替わらないのに、しんみりした雰囲気だけはしっかりと感じる。
なんだろ。
みんな寝食共にしてきたからかも。
たった一人でも「帰ってしまった」と思うととても寂しい。

まとまらないので今日はこの変で。

ニッケルハルパ購入方法について、同じく5/28の記事で書いています。
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最後のコンサート

2007-05-26 23:54:19 | 授業 その他
先週から始まった私達のコンサート、今日が最後。

とくにハイテンションになる訳でもなくいつもと同様にすすめていきます。

ここまできてもまだ最後という感じがしない。

コンサート後は、恒例ダンス&演奏(写真で窓の外は明るいけど22時とか23時とかです)。

でも、今日は家族が来ている人が多いためか、夜の2時でお開き。
その後は、お酒片手におしゃべりモードに。

ところで、一般的にみんながフォーク(民族音楽、民族ダンス)に理解と興味を示すわけではない。
伝統文化は、現代文化から見ると特殊な世界かもしれない。

ある日、スウェーデンで古臭い名前とかやっぱりあるのか(日本でいうと、おばあちゃん世代の名前とか
今では珍しいかったりする)と尋ねた。
すると「いっぱいあるよ~!フォークで出てくる"○○地方の誰々が弾いていたとされる曲"とかで
出てくる人の名前ってみんな古臭い!」
そっか、やはりそういうものなんだと思った。

そんなところからも一般の人がこうした伝統文化をどう感じるかそれぞれなのが想像できる。

この学校に通う学生の親もそれぞれだ。

子供が小さいときからこうしたフォークの場に連れて行き、家族ぐるみで楽しむ両親もいる。

また、自分の子供への理解は示すものの「フォーク」に対する理解までは及ばず、こうしたダンス&セッションが
奇異に写るらしい(友人が両親のことをそう語っていた)。始まると姿を消す。

最年少のCの場合はもっと大変そうだ。
両親、親戚、みな大学教授や学校の先生一族らしく、子供がフォークを学びに学校に行くことに、
将来を心配して今だ反対の姿勢なのだとか。

以前この学校に遊びに来たデンマーク人やフランス人は、友人に説明するとき決して「フォーク」という言葉を
使わないといっていた。
代わりに「トラッド(伝統音楽)」と言うと。
でないと何も知らない人に変な印象を与えるといっていた。

でも、それでも伝統音楽、この分野はとても面白い。
私は、はじめ、スウェーデンという国に興味を持ったのがきっかけではなく、スウェーデンの伝統音楽に興味を持った。
きっかけはどうであれ、「伝統音楽を学ぶ」ということは「音楽を学ぶ」だけではすまない。

「伝統を学ぶ」ことは、国の歴史、ヨーロッパ諸国との関係、地域文化、産業と特徴、宗教観など様々な要素を含む。

この学校での授業は修了したけれど、終了ではない。
ここからがスタート地点。これからどれだけ深く掘り下げられるか。

月曜が修了式です。
6月中旬までスウェーデンに滞在しますので、もう少しこのブログも続きます。
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ヴェーセンと卒業生のステージ

2007-05-25 23:21:30 | 授業 その他
今日は学校最後の日だ(修了は月曜)。
まだまだ最後なんて実感はわかない。
(当然、このブログの終わりも近い。今後どうするか考えないと...)
でも、最後だからと元々この日はリラックス・デーと決まっていた。

みんなでウプサラへ。
駅からほんの数分歩いたところに広い芝生の広がる公園がある。
その公園でピクニック。
ランチは調理師スティーナが一人ずつランチボックスにパスタサラダを詰めて、校長先生が車で運んでくれた。
(写真1、2)

夜は、リンネ生誕300周年関連イベントで、ヴェーセンとうちの学校の卒業生とで
ジョイントショーをやる。
(上記リンクはイベント情報ページなので、一定期間後リンク切れします)

私達、ニッケルハルパコースはCD販売を手伝うことになっていたので(お礼にCDをもらった)、
さっそくやってきたウロフにまず何をしたらいいか聞きにいった。
ステージ裏にとめているウロフの車からCDを降ろすとブースをセッティング。
「ポスターに値段を書いて箱に貼ってね」とウロフ。
お釣りはもちろんありません。
お釣りができるまでお客さんに待ってもらわないといけない。

コンサート前と終了後に販売予定。
「アンコールの曲がビス・カレのポルスカだから、その曲が終わって拍手がなったら外に出てね」と指示。
そして親切なことに、観客席で聞く時にここが音響的にナイスだよと、場所を教えてくれた。
さらにコンサート前の準備中だというのに、私達が月曜日にもらう修了証にサインをし始めたウロフ...。
えぇー!
そんなの、ゆぅっくりと後からでいいのに...と内心。

さっそくCDを売り始めると、友人Cは野球場のビール売りみたいに大声で「CDはいかが~!」と売り歩き始めた(写真3)。
彼女はコンサート直前になると観客席を歩きながら売っていた。
ほぼ二箱売ったと言っていた。す、すごい...。

コンサートは、演奏のみダンサー付と織り交ぜながら進んだ。
パーカッション付のライブを観るのは私は初めてだ。
そしてさらにマグナス・グスタフソンの演奏と解説が曲ごとの合間に入るので今日は5人編成(写真4)。
大きなステージにも関わらずかなりの迫力で観客を魅了。
さすがヴェーセン!

ダンスはエネルギッシュですっごく良かった!

でも以前「伝統音楽VS伝統舞踊」で書いたことが、私の中で確信に至らなかったけど今日はっきりと結論を感じた。
ダンサーはヴェーセンより一段低いステージで踊る。
でも、踊ると途端にヴェーセンへの視線はいかなくなりBGMに近く感じたのだ。
やはりステージ上での演奏(静)とダンス(動)は、工夫をしないと同等の注目を集めにくい。

さてさて、うちの学校のダンスの先生アンドレアスは写真6です。
体型から見るからにダンサーって感じ。

アンドレアスのスタイルとして、ポルスカやハリング、スレングポルスカ、ポロネーズなどなど
伝統的なダンスから動きをとり、アレンジし複雑に組み立てる。(つまり振り付け)
もちろん曲にあわせて効果的な演出を考えてのことだ。
うちのダンサー達もその影響を受けてなのか、最近の傾向か、同様の追求スタイルだ。
非対称的な動きや形、アンバランスにくずすのも独特なのか、最近の流行なのかは不明。
でも観ていて面白いです。
今までいくつかスウェーデンでダンスをステージで見てきたが、アンドレアスやうちのダンスコースの人達が
しているような振り付けのステージは見たことがない。
(私が単に見たことが無かったか、意識して見ていなかっただけかもしれない)

ところで、伝統的なダンスでメダルをとる有名な大会がある。
一度、うちのダンスコースの、今度ダンスの大学に入ると言っていたEに大会でないの?と尋ねたことがある。
彼女は小さな頃からフォークを踊っていて、コースの中でダントツ一番上手い。
すると「自分の求めるスタイルと違うから出る気は全くない。伝統の中でアイデアを表現したい」と。
なるほど。いろんな考えがあります。

コンサート終了後、CDは飛ぶように売れる、売れる!
片付けるとまたバックステージへ持って行き、ウロフに良かったよと言い、みんなで帰って来た。
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レンズが飛んだ

2007-05-23 23:27:05 | 授業 その他
今日の午前中は特別講師にEva Tjörnebo(エヴァ・ショーネボー)を迎えて歌のレッスン。
彼女は最初は当時の流行でギリシャやバルカンなど他国のフォークミュージックをしていたそう。
70年代がピークだったフォークミュージックのブーム最盛期頃の話。
バンドの中に一人、スウェーデンのフォークを歌うフィドラーがいたそう。
彼女はその時に自国の伝統歌を聞いてショックを受け感動したのだそう。
それ以来、スウェーデンのフォークしか歌っていないといっていた。
さっそく中世からのバラッドの歌い手を尋ね400曲習うなど、積極的に地方の歌い手や演奏者を訪ねたのだそう。

そんな彼女はスコーネ地方出身。
ニクラスと同じで、とても訛りがはっきりしている。
レパートリーはスコーネからウップランドにかけ主に南部の歌だと言っていた。
スコーネ地方でない歌でもスコーネ訛りで習った。
ある意味おもしろい体験だ。

写真右上は彼女のCD。うち2枚を購入。左と中央のCD。
理由は、トルビョン・ネスボン(Torbjörn Näsbom)がバイオリンで参加していたから。
実は私、トルビョン隠れファン(隠れる必要もないけど)。
それから中央のCDの裏を見ていてどこかで見た顔だと思ったら、プーマ(ペーテル・ヘドルンド)の奥さん(笛)だ。
さらにどこかで見た顔...と思うと以前Viikの音楽学校のイベント前にブルースを教えにやってきたマッツ・アンデション
さらにエスビョン宅で見かけたお客さんの顔も...

彼女の進め方はウリカの時ともまた違い、かなり計画的に時間内に沢山の歌を紹介できるようにと考えたものだった。
時間配分から完璧で教えなれてるなぁ!と感じた。

ちなみに歌を習うとき、先生達は一様に同じジェスチャーをする。
全音、半音、トリルなど、まるで手話のように手で示す。
手話のようにと言っても、習わなくても意味が分かるようなサイン。

さて!
昼からは全員でウプサラへ移動。
今日は私達のコンサートinウプサラ。
場所は”Musik i Uppland”と呼ばれる会場。
写真左下は入口。写真右下は2階ロビー。やはり北欧風インテリア。

会場セッティングをし立ち位置などの通しリハをしたら、夕ご飯を食べに外にでた。
今日はやたらと人が多い。警察もたくさん。
天皇皇后両陛下がウプサラにいるからでしょう。

今日のコンサートは3回目ということもあり、みんなかなり調子がよかった。
お客さんも今日が一番反応とノリがいい。
そうして順調に進み...最後のナンバー。

私が楽器をもってステージ中央付近に立とうとした瞬間、先に立ち位置で楽器のストラップを調整していた友人L。
弓を持ったまま調整していた。その後ろを私が通った瞬間、弓が!
私の目を一突き!
おぉ!っとステージ中央でのけぞってしまった。目をおそるおそる開けると...
ない!コンタクトレンズがない!
どこかに飛んでったみたい。
友人Lに小声で事情を説明し「ともかく、一歩も動かないで」とお願いした。
あぁ、そんな。これで「レンズ無くしたので帰国します」と宣言して飛行機に乗る姿が脳裏をよぎる。

すると、キラキラってレンズがライトに照らされ光っている!
あった!と拾って、背後の楽器専用の椅子にレンズを置いて曲を弾いた。
ほんとはぺろっとなめて目にいれたかったけど、みんな見てるし、DVDもまわってるし。

コンサート終了後に客席にいたAに言われた。
「弓が目に当たった後、何か探してるなぁ...と思ったら床に光るレンズらしき物体が見えて、
そこ!そこ!落ちてるよ!って喉まででかかったけどコンサート中で客席から言えなかった」と。
まぁ、ふっとぶレンズ、DVDにしっかり写ってることでしょう。

コンサート中のハプニングといえば、hoven drovenというバンドのシェルエリック(kjell-erik)から聞いた話を思い出した。
友人のハーモニカ吹き、ステージでハーモニカをぶぅー!と吹いたつもりが、入れ歯が客席まで飛んでったんだって!
そして入れ歯を指して言ったセリフ
「My smile is there.」(僕の笑顔、そこに落っことしちゃった)
ツワモノ!
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特別講師ウリカ

2007-05-21 23:19:01 | 授業 その他
今日は特別講師にウリカ・ボデーン(Ulrika Boden)がやってきた。

彼女は、日本ではラーナリム(Ranarim)のボーカルとして有名。
来日コンサートは2回?か3回?になる。
特徴は透明感があり伸びのある声。
まさに北欧のイメージたっぷり!
歌モノが苦手という人も、彼女なら聞きやすいと思います

久々に見る彼女は、大きなお腹を抱えて車にのって颯爽と現れた。

先生によって授業の進め方はいろいろ。
自分のバックグラウンドを語る人、私達に自己紹介を求める人など。
今日は彼女は、名前と出身以外は多くを語らず主に曲を教えることを中心に進めていった。

まずは、体の柔軟、発声練習などを1時間ちょっとかけて。
見ているとハラハラする。
お腹の大きな人が立ちっ放しで体を動かしているのだから。
私達は立ちっ放しに疲れて椅子に座ったりしているというのに。

さて、スウェーデンの歌い方の特徴として「よく通る声」というものが挙げられる。
これは「大声」ではない。息の束を細く強く前に前にと出す。
何度か書いたように柔らかな教会の歌唱法とも違う。
そしてアグネタ・ストルペから何度も言われた「アーティキュラふーン」。
英語ではariticulation。はっきりした明瞭な発音のこと。
これが重要で、これがあるから「透明感」や「リズム感」が出る。
tやkだけでなく、mやnの音もとても明瞭に、大げさなくらいに発音する。

今日は6曲習い、おまけと言って3曲録音した。
歌詞は教えてくれても結構大変。
隣に座っていたCが即座にノートに書いてくれたのでなんとか乗り切れた!
感謝。

それからmajvisaと言う、5月(夏の到来)を祝う歌のCDを聞かせてくれた。
このmajvisaの伝統は、南の地方(スコーネ、スモーランド、ブレッキンゲ)しかない。

写真右上はウリカのソロCD
実は左側のCDはコピーで持っていた。
そんなことしちゃ、だめよねぇ!と思い今日はちゃんと購入した。
なのでCDの内容は知っている。とってもおススメ。
Droneのweb pageで試聴可。
他にも最近出した中近東風のCDも持ってきていた。

今日は、学校で3人も誕生日がいて(日にちは全員今日ではないけど)、学校の調理師が
オメデトウ!とさくさくアップルパイのバニラソースかけを用意してくれていた。

さて話はさらに飛び...
Björn björnに注文していたミニチュア・ニッケルハルパのアクセサリーが届いた。
(このページから、左のメニューにあるSilver miniaturesをクリック)
写真はサイズ比較のためにマッチ棒と一緒にパチリ。
他にも、ハーディンフェーレハーディガーディフルートなどもあり。
楽器は何でもできますよーと注文に応じる風のコメントも書いてある。

以前は金や金メッキもあったけど、現在はシルバーのみ。
(今後のゴールドの予定は聞いてません)
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ストックホルムでコンサート

2007-05-20 23:26:24 | 授業 その他
今日はストックホルムの音楽博物館(musikmuseet)でコンサート。
朝は9:11の電車でみんなで移動。
ベース(コントラバス)やオクターブハルパ、アルトハルパなどは車部隊が運んだ。
でも音楽博物館は12時からしか開かないので持って来たサンドイッチやりんごを表で食べながらしばし待つ...。

音楽博物館の外観は写真左上のように地味。
さらに入口は裏側に回った奥(写真右上)なので、初めて来ると「これって裏口じゃないよね?」と
ドキドキする。
でもこれが入口なのです。
ストックホルム中央駅から、サクサク早歩きで15分。
地下鉄なら一駅(Östermalmstorg)で下車。
Svenska Låtar、略してSvLと呼ばれる地方ごとの分かれた楽譜集はこの中のブティックで販売。
表に出ていないものでも尋ねると在庫確認して持ってきてくれる。

博物館の中は、ニッケルハルパを始め色んな楽器が展示してある。
それぞれサンプル音楽を聞けるようヘッドセットがついている。
おススメ度は...好みによるでしょう。
ガラス越しで触れられないのは手がムズムズする!という人は消化不良をおこすかも??

さて、12時になりさっそく中へ。
博物館からは二人のスタッフにお世話になった。
コンサートホール(写真左下)は展示スペースとは別に上階にある。
そして楽屋は階下。

着替えや楽器のチェンジが多いので工夫が必要。
私は外人で持ち服が少ないということで勘弁してもらい着替えは1度のみ。
みんなは曲ごとのイメージにあわせた服や靴を履く。
ダンサー達はもっと頻繁に衣装や靴を変える。
(ちなみに男女同じ部屋でみんな堂々と下着一枚になって着替えます)
も一つついでに言うと、このコンサートでは私の出番は最小限にしてもらった。
他にも色々とやっていて、あっちやこっちのいろんなリハや打ち合わせにさける時間がつくれないのだ。
私が週末に楽器製作を習いに行くのでさえ、いい顔されない(週末もリハがある)。

配置や備品など確認し、まずは私達のプログラムに沿うよう動線などを皆で考える。

ステージ準備が完了すると、ひとまず動線のみの通しリハ。
やはり学校でやった時と動線が全く異なるので時間がかかる。

結局、今回、楽器は全て表(ステージ横)に並べて置くことにした。
今までは裏で楽器をスタンバイしたりチューニングできたのに、表に出て楽器をつかんでからステージに上がるとタイミングが難しい。
でも階下の楽屋に置くと、温度差や移動でチューニングが狂う危険性が高くなるのだ。

それが終わると楽屋にFIKA(ティーブレイク)の準備を博物館側がしてくれていた。
サンドイッチ、クネッケブロード(スウェーデンのぱりぱり薄乾パン)、飴やバナナチップにコーヒーなどなど。

私の今日の気がかりは、昨日のトラウマ(?)で再び突如、緊張が襲って弓を持つ手が震えるのでは、と。
昨日の手の震えは学校の記録用のビデオにしっかり残ってしまったし。
大体、理由は分かる。
この曲が私の最初の出番なのだ。
で、曲の紹介をうろ覚えのスウェーデン語で言い、私のソロ・イントロで始まる。
「最初」で「しゃべって」、「一発目の音が自分」ってとこがどうもダメみたい。
まぁ、一言でいえば、ステージ慣れしていない...。

そう分析すると、何も考えないように頭を空っぽにした。
それでも波がやってき来そうな気がしたので、ここはカフェインの力を借りよう!と
階下の楽屋へ走って降り、コーヒーをがぷっと飲んだ。
そして走って階段を駆け上がると一緒にイントロで掛け合いをする友人Kをつかまえ、
「今日も手が震えたら、例のイントロ、変更するから!」と事前に伝えた。
ここまでやるとさすがに大丈夫!
いざ、ステージに出ても緊張度が昨日が10なら今日は4.5くらいだった。
結局、イントロも変更なし。

今日は、みんなも昨日より調子が出ていて順調にすすんだ。

ステージも後半になり、Sが「客席にニクラスがいるみたい?」と言いはじめた。
そんなの、私は一曲目から気づいていたけど。
頭がくりくり坊主になっていたので、ひょっとして見間違い?とも思ったけど、やはり本人だった。
みんなは全然、気づいてなかったらしい。
ニクラス作曲の曲とか弾いた人は「ひぇー!」とおののいていた。
私達のために作ったという曲で最後のレッスンの時に教えてくれた曲。
ニクラスの姓(Niklas Roswall)のRoswallとHalling(ハリングという種類の曲)にかけて、
Roswallingと名づけたナンバー。
コンサートで弾くとも本人に言ってなかったし、勝手にアレンジ加えたのも言っていないから
どぎまぎしたみたい。
(著作権支払いについては5/9に書いたように音楽の学生には発生しない)

最後は博物館の人からロココ調ニッケルハルパのポスターをもらって終了!

写真右下:帰りの電車(外は19時くらい)。車窓からスウェーデンの典型的な白樺の木々が見えます。
そして車窓の上部には、リンネ(リネア)生誕300周年のポスターが。

おつかれさまでした!
次はウプサラです。

でも、明日は特別講師ウリカ・ボーデンによる歌のレッスン。
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楽器が完成!

2007-05-19 23:42:08 | 授業 その他
今日は私達のコンサート初日。

朝は、立ち位置や進行の確認のため、演奏抜きで動きだけのリハーサル。

16:30にはストレッチと発声練習、17:00にチューニングをすますとあっという間に18時の本番がやってきた。

写真左は、今回の飾りつけ。イメージは「夏」。

今日は4回のうちの一つということで、お客さんの入りもほどよくまぁまぁといった感じ。
今日が一番ゆっくり見れると知っているためか、エスビョンや私の現在の楽器の製作者ウッレ、
レコード会社社長兼ニッケルハルパ研究家のペール・ウルフ、それにウロフ親子に、
その他先生、卒業生と勢ぞろい。
多分そういう意味では、今日が一番緊張する。
私は過去のコンサートで緊張しなかった。
なのに!なぜか今日はとっても緊張。
あるまじきことに、出だしでかなり手も音も震えてしまった...←こんな気持ち

さて、コンサート休憩の合間のこと。

まずは、ウッレ・プランに頼んでいたニッケルハルパ用フライト・ケースが出来上がって持ってきてくれた。
約800クローネ。
ラーナリムのニクラスが使っているものと同じもの。
頑丈そう!

そしてエスビョンに呼ばれた。
行って見ると...

な、なんと楽器が完成
今週はずっとかかりっきりで作業してくれたらしい。
びっくりするやら、うれしいやら!
(でも仕上げの作業を見れなかったのはちょっと残念)
ブリッジが、置いたばかりだと数日間は動くらしく、またA線の弦も変えたいと言って
ひとまず受け取りは後日。
写真は明かりがあまりないところで撮ったものなので、次回きれいに撮って掲載するつもり。

それから今日はもう一つ。
受ける予定のオーディションの日取りが決まり通知が届いたのだ。
うーん、困ったなぁ。
今日のコンサート、ソロでもないのにあんなに手が震えたし...。
困難な道が予想されます。
自分と他人からの期待とプレッシャーで、ぺしゃっとつぶれるかもね。

コンサートの最後は一人ずつバラをもらっておわった。
前回は渡されたとき、とげの部分を握りイタタ!と飛び上がったけど今回はトゲは処理してあった。ほっ。

コンサート終了するとウロフの子供達が走る、走る、走る。
上の子は私にスウェーデン語が通じないのもおかまいなしに、ニカっと笑って話かけてくる。
ニカっとしたまま固まっていて、何かと思ったら抜けた歯を見せびらかしたかっただけみたい。

とりあえず1回目終了。
明日はストックホルムの音楽博物館です。
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打ち合わせ

2007-05-17 23:16:38 | 授業 その他
今日と明日は祝日だけど、土曜がコンサート初日なので先生のディッテがきてリハーサル。
練習、リハと連日続いてまだやるの?と思う人もいるかもしれない。
でも、個別の練習と全体を通すリハはまたやることが違うのだ。

「椅子ないよ!」とか、
出番を勘違いして「Eがいない!どこいったの!」とか
「私の立ち位置ってここだっけ?」とか
「譜面台、誰がスタンバイするんだっけ?」とか
退場する人と入場する人のタイミングが悪かったり
問題は次から次へときりがない。

写真はリハの様子。
左は、ヘルシングランド地方の曲にあわせてスモーランドのスレングポルスカを踊る様子。
右は、ハリング。演奏している人も最後ステージから降りてダンサーの間へ。
写真片隅に写っているのは、PC片手にリハをチェックするディッテ。

通しリハ、ディッテからのコメントをもらうと15時。
皆で遅いランチを作った。
今日は祝日なので調理師はお休みなのだ。

でも、私はここからがまた大変。
昨日のブログで書いた「演奏するかも」は、演奏することになったのだ。
本番は来週の火曜なので、さっそく一緒に弾くカイサが15時過ぎに打ち合わせにやってきた。

カイサは去年、日本に招待(ミュージシャンとして)されたことがあり、日本の話に花がさいた。
和式のしゃがむトイレ、水洗トイレについている「音姫」など、えらく驚いたと言っていた。
バス停でバスを待つおばちゃんがヤンキー座りしているのも驚いたらしい。
あんなポーズ、足がぷるぷるして出来ない!って。
私もスウェーデンのどっきりトイレの話をすると「ありえない!」とカイサ。
いや、ありえたのです。まぁ、運が悪かったのかな。

さて、曲を決めていきます。
来日時に誰からか日本の童謡を習ったそうで、そこから一曲。
それと「さくらさくら」のあわせて2曲を演奏プログラムに入れた。

私からみると先生のような存在のカイサと一緒にプログラムを考えるって!?
と、どぎまぎしていたけど、そこはさすがプロ。手馴れたもの。
「これ弾ける?」「これは?」とセッションのように次々と一緒に弾いて試しては、
いい感じだと「じゃあ、これ弾こうね」と書きとめていく。
書きとめなかった曲については「イケテないね」とは決して言わないのである。
そのフレンドリーなすすめ方がまたプロだなぁと感心
そして「当日、楽器や歴史の説明などもするから日本語に通訳をして欲しい。
今、試しにちょっとやってみよう!」と。
英語では簡単な表現でも日本語だとさら説明が必要な箇所があり、練習してみてよかった。
やはり、そういうとこに気がまわるカイサってさすが。
その日、私にも民族衣装を貸してくれるらしい。
孫にも衣装...違った、馬子にも衣装で、少しは似合うといいけど。

それが終わると夕ご飯を口に入れる暇もなく、18時からコンサートのリハを2時間。
はー、さすがに疲れますぅ。
私達が「B.O.B.」と名づけたダンス(伴奏)で、今日はダンサーがもめ始めた。
踊り始めを2小節目と決めると、一人いやがった。不自然だと。
踊り終わりは、ニッケルハルパの残響が消えるまで固まったまま待つと決めると、やはり一人が嫌がった。
いかにも振り付けたみたいで嫌だ、と。
「でも、これは振り付けなんだから」と誰かが言い始めると「振り付け」論と「自然っぽく」論が勃発。

という訳で、今日も疲れました。
でもコンサート初日まで後わずか!
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またもや新作CD

2007-05-16 23:37:42 | 授業 その他
今日はウロフによるレッスンの日。

今後の自習用にと、録音タイムになった。
ウロフのトラッド(伝統音楽)の基礎は、ウップランド地方の有名なフィドラー Curt TallrothIvar Tallroth(二人は兄弟)の伝統。
なのでこの二人から受け継いだ曲を中心にたくさん弾いてくれた。

その後「みんなにお願いがあるんだけど...」とウロフ。
以前このブログでリンネ生誕300周年関係でヴェーセンが5/25にコンサートをすると書いた。
「その時にCDを販売する人手がまだないんだ。興味ある?」って。
みんな「もちろん、いいよ。やる、やる!」と言うと、
じゃあ...とデカいバッグからヴェーセンのCDを取り出し私達にくれたのだ(写真)。

といっても、上記会話はスウェーデン語で、私は??状態だった。

何でCDを私にくれる訳?と聞くと、英語で一から説明してくれたのだった。
ごめんなさい。
でも、お礼に当日はいっぱい売らないとね!

前回はソロの新作を出したばかりだったけど、ヴェーセン(Vasen)でも新作を出したばかりらしい。
まだ聞いてないけど、今回は1曲をのぞいて全曲トラッドみたい。わざわざCDの表に書いてある。
CDのブックレットもまだ目を通していないので正しくは未確認だけど
「リンネがいた18世紀か19世紀?頃の、彼が聞いていたであろう曲」でフォーク(民族音楽)ともクラシックとも
取れるような曲調のものらしい。
でもヴェーセン・アレンジ。聞いてみるのがとっても楽しみ。

リンネ関連行事といえば、まだ決定してないけど私も来週、弾くかもしれない。
来週はこの行事で日本から両陛下の訪問予定。
そのため日本関係者が沢山来るらしい。
詳しいことは聞いてないけど、弾く相手はもちろん「日本関係者」のほう。
第一、いまだに返事待ちということで、キャンセルの可能性もある。
最初に誘ってくれたのはカイサというエキゾチックな美人ニッケルハルパ・プレーヤー。
今回の留学中、習うことがなかったのでブログであまり触れなかったけど、すっごくすっごくウマイ。
特徴はダイナミックな演奏。
あんなに聞く人を惹き込むエネルギッシュな演奏と歌でそうそう右に出る人はいない。
ウロフの「ニッケルハルパの歴史」の授業でも"現代のプレーヤー"部門で当然名前があがった。
私としては人前で弾くことよりもカイサと一緒に弾くことの方が緊張すると思う...。

さて、話は今日に戻して。
録音タイムの後はリハをウロフとダンスの先生アンドレアスの二人に見てもらった。

まずはByss-Calleの曲から。
弾きこんでいい感じになっていたつもりだった。
でも、さっそく私達の演奏を聞いて「もっとメリハリを!」と言う。

「まるで一本調子の声で"ワクワク スル ネ"としゃべっているみたい。
もっとこんな感じ!」とウロフが一緒に弾き始めた。
空気が一変。
まるで水色の壁が突然に黄緑に変わったかのような劇的な空気の変化を感じる。
あー、同じ曲なのに。同じメロディなのに。
なんで、こんなに違って聞こえるのか!?

ともかく盛り上げられた私達の演奏もウロフの空気にもちろん一瞬で染まります。
そうか、こんな弾き方があるのか、と演奏しながら納得。
弾き終わると「そう、そんな感じでね」と。
ずっと一緒に弾いていて欲しい。

昨日、チラッと書いた「B.O.B.」のボーダの曲の出だしが分かりにくい点について、
特にウロフには私達からは何も意見は求めていない。
でも、この「B.O.B.」を聞いてもらったら、すぐに「これはちょっと・・・」と気づいたみたい。
「後半(Bメロ)の方がボーダの特徴が出ているから曲の後半から弾き始めたら?」と。
やってみるとかなりしっくりと来たので、それで決定。解決。

ちなみに地方による曲の特徴、細かな部分についてはかなり感じ方に個人差がある。
ビングシューという村の曲は16分音符の続くリズムで知られている。
ディッテは「長い音はさらに長く、短い音は短くと強調するのがビングシューっぽい」と。
ウロフは「典型的なビングシューの曲は、弓を8の字に使ってスウィングするノリだ」と。
どっちかが正しいというよりは、感じ方の問題なのでできるだけ多くの人の意見を聞いて
絶妙にオリジナル・ブレンドするのがいいでしょう。
きっと。
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通しリハ

2007-05-15 23:01:51 | 授業 その他
今日は通しでリハーサルをした。

以前はみんなピリピリしていたけど、アレンジや曲や細かい部分が決まってからは皆すっかり落ち着いている。
今はどんどん弾き込んで、雰囲気をつかんでいきながら細かいアレンジを修正していっている。

私が参加していない個別グループのものは今日のリハではじめてみた。
全体の印象としては、前回よりオリジナリティが濃い。
純粋なジャズ・ナンバー等もある。
前回もかなりなオリジナルだったけど、コンセプトがクリスマスだったので
もっと伝統的な雰囲気が強かった。
ちなみに今回のコンセプトは「夏」。

私が参加しないものの一つ、フラメンコ・クルニング(クルニングについてはこちら)。
これってどういうもの?と前から興味しんしんだった。
どうやらこれはメドレーの一部だったみたい。

まず私達ニッケルハルパコース全員で、楽器をつかって音をだす。
鍵盤部分をカチカチ叩いたり、楽器をゆさゆさ振って音を出したり。
徐々にリズム出してきたところで一人ソロでハリング(ハリングについてはこちら)を演奏しはじめ、
そのタイミングで私達は退場。

入れ替わりにダンサーが一人入り、ベリーダンスとミックスしたハリングを踊る。

そのダンサーが退場後、次はソロで弾いていた人が楽器を置くと伴奏なしで踊り始める。
これがフラメンコ。
その動きの合間、合間でクルニングを披露する。
何と表現したらいいのか...絵画でいうと抽象画のような...モダンで斬新。
いつも一緒に授業を受けている彼女の、全身で表現する真剣な姿も新鮮。

ちなみにコンサートではダンサーも演奏するし、私達(演奏側)もダンスをする。
特に彼女は演奏だけでなくダンスもちゃんとやっている人なので、フラメンコも素人っぽい動きではない。

クルニングを聞いたことがある人なら、フラメンコのポーズを決めてクルニングを発すると意外に合うのが想像できるかも。

その後、クルニングに合わせてヤギ、羊、牛の泣きマネをしながら数名登場し、ちょっと笑いをとる。
(クルニングは元は牛を呼んだりする時のものなので)
その数名でリズムを使ったラップのような言葉遊びが続く。

最後は、再びクルニングでお客さんをまるで牛かのようにfika(ティーブレイク)の部屋に誘出だし
前半の部が終了という予定。

私の関わるリハで一つ問題が。
ダーラナ地方のビングシュー(Bingsjö)、ウッシャ(Orsa)、ボーダ(Boda)の3つの村の曲のメドレー
頭文字をとって「B.O.B.」と名づけたダンスの伴奏。

ボーダの曲("Vill int' du...?")の1と2小節目が踊りにくいとダンサーが言うのだ。
「もっとこのフレーズ、こう弾いてくれない?」と。
調子にのったのか?別のダンサーも
「あと、こことここに装飾音が入ると拍が取り難いんだけど」って。
すると一緒に演奏していた一人がむっとした様子。
「ボーダの曲に合わせて踊りたいの?
それも自分達のダンスに合わせて曲を捻じ曲げたいの!?」と。
そう、これは時々問題になる。
伝統のままと思って弾くと踊りにくいといわれることがあるのだ。

ソニアに習った曲なのでもう一度確認したけど、やはり、この曲はこういうものらしい。
たとえ正確に譜面どおり弾いてもその箇所だけは踊りにくい。
その場合、伝統曲を曲げるのか、それともダンサーに妥協を求めるのか。

私の推測
この曲はタイトルからして元々、歌じゃないかと思う。
その箇所は言葉(歌詞)に合わせたリズムで、ダンスから生まれたリズムではなかったのでは??
ポルスカはダンス曲だけど、歌が先なら100%ダンスのための曲とは限らないんじゃ??
だとすると「歌詞にあわせて」以外にも、「歌やメロディとしての装飾音でそうなった」とも考えられる。

ともかく、この「B.O.B.」の結論からいうと両者歩み寄りで決着がついた。
(つまり、ダンサーに妥協してもらいつつ、私達もより正確に弾く)
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卓球

2007-05-11 23:07:46 | 授業 その他
一日リハが続きます。
今日は新たに、みんなでエンゲルスカ(2拍子のダンス曲)を歌いながら踊るというリハ。
前回に引き続き今回のコンサートも、ほとんどのダンスは自分達で振り付けた創作ものがほとんど。

昨日、ちらりと紹介したリンネ生誕300周年。
ちなみにスウェーデン人に「リンネ」と言うと通じません。
「リンネって布のこと?」と返されます。
「リネア」(アははっきりしないア)と聞こえます。

この関連イベントでヴェーセンと、この学校のダンス・コースの先生アンドレアス、
それからポルスカの歴史で授業に来てくれたマグヌス・グスタフソン(実はミュージシャンでもある)、
それにこの学校の卒業生(ダンス・コース)でショーをやるらしい(5/25)。
写真はそのビラ。
(なぜ「ショー」と呼ぶかというと単にダンス付のコンサートだから)

リンネと何の関連が?と思ったけど、聞いたところによると
リンネはポルスカ・ダンスの愛好家だったそうで、それにちなんで...。
とうか無理やりくっつけた感もある。

この学校がからんでいることもあり、職員、生徒、みんな無料!
やった!
以前、ストックホルムのヴェーセンの予約不可のコンサートに言って当然のごとくソールド・アウトと
門前払いをくって撤収したことがある。今回は入れると分かって一安心。

夜、数人でお茶を片手におしゃべりしていた。
お酒の話になり、私が持っているニッケルハルパの木箱ケースがお酒とつまみを置くテーブル代わりに
丁度いいという話をしていた。
もちろん床に座らないといけない高さだけど。
いいねー、今度みんなでパーティしないとね、と盛り上る。

するとうち、二人はお酒が弱くてグラス2杯くらいでクラクラするそう。
それで私も「そうそう、私も弱くって。顔が真っ赤になってさ」と言うと、
一瞬、静まりかえり一斉に
ヴァ?(Vad? なに?)」って私を見つめる。
へぇぇぇー!
顔が赤くなるって聞いたことすらないらしい。
お酒が弱いのに顔色変わらない人って、私にとっては「Vad?」って感じだけど。
私は自慢じゃないけど、鼻の頭と口のまわりを残して顔中真っ赤になるので、パンダのなりそこないみたいになる。

その後はみんなで卓球をしようということになった。
ルールは一切なし。壁も窓もなんでも当たってボールが跳ねる、跳ねる…。
うち一人が突然「日本人って確か卓球うまかったよね」と。
ええ?!そうだっけ?聞いたことないけど。イメージでは中国人とか上手そう。
その子は「スウェーデン人も卓球うまいよね」と続ける。
ええ!?そうなの?
なんだか分からないけど、その後は打っては走る打っては走ると、打ちながらテーブルを走って周りはじめ…
さらに騒ぎを聞きつけて二人合流し6人で走りまわった。

さらにルールはめちゃくちゃになり、左手でかえす、両手でラケットを持つなど…
最後は、誰かが「熱い!」と開けた窓めざしてみんな打ちはじめた。
ついに友人Kのスマッシュでボールが窓の外へ!

やったー!とみんなで肩を組んで「よく、やった!」と褒め称えあい、意味不明な集団だ。
テーブルを片付けた後は、みんなで「よし、ボール探し、名づけてボール・ハンティングに行こう!」と外へ。

ハンティングどころか。
ちょうど窓の真下に、ぽてっと落ちてました。
あっさり撤収。
おやすみなさい。
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たんぽぽ

2007-05-10 23:55:07 | 授業 その他
一面、白い花に覆われていると思ったら、次は気がついたらたんぽぽ。
写真の通り。いつの間に咲いたのやら。

さて、今日は午後からコンサートの準備の進み具合をディッテに見てもらった。
「午後から」というのも、大半の人が午前中の授業を休んで「植樹祭」のイベントにいってしまったから。
子供達100人がマグノリア(木?花?)を植えて一緒に踊るらしい。

学者リンネの生誕300周年の数あるイベントのうちの一つ。
(ちなみに、このリンネ関係の行事で日本から両陛下がいらっしゃる)

でも学校とは何の関係もないイベントなので集団ボイコットにでもあたるんじゃ?
もちろん、先生達も話を聞いてムッとしていたらしい。
私は、このイベントにも授業を休むことにも全く共感をおぼえず、いい子ぶった訳ではないけど行かなかった。

さて、そんな中はじまったリハ・チェック。
前回のコンサートのリハでトリオで弾いた時はウロフに「全然スウィング感がでてないよ」と言われて、グッサリと傷ついた。
今日のリハでも、結構なダメだしをもらった。
ビス・カレ(Byss-Calle 昔の有名なニッケルハルパ・プレーヤー)の曲をメドレーで弾きたいと私の提案で集まった5人。
弾いてみると、
「どうしてこの曲をメドレーにしたいのか分からない。なんで選んだの?」とディッテ。
つまり、何を表現しようとして選んだのか目的が分からないというだ。
アレンジは皆で考えたけど、曲を選んだのは私だからそう言われると凹む。凹む。
早い曲をあえてスローテンポにしたのも「早く弾けないから遅い」のか「ゆっくりなアレンジ」なのか
伝わってこないという。
イケテないのは気づいていたけど。練習すれば超えられるものだと思っていた。

私がイメージを伝えると、ディッテがアレンジとテンポに関して意見してくれた。
まぁ、ディッテの言葉を借りて言うと「ニクラスによるアレンジ病」とでもいうのか。
凝ったアレンジを習って色々とやりたくなるものの、伝統的なスタイルはもっとシンプルだという訳。
大幅、改造です。でも、結局いい感じになりそうで一安心。

夜は、vävamenuetteと名づけたナンバーのリハをダンサー達とした。
vävaは英語ではweaveという意味で「織る」とか「編む」という意味。
menuetteと呼ぶのは、使う曲が有名なクラシックのメヌエットに似ているから。
この曲、同じメロディでボンド・ポルスカ16分音符のポルスカと二通りの弾き方をして、織り交ぜる。
ダンスも創作ライン・ダンスで織り交ぜたような複雑な動きをする。
ダンサーが客席に向かって列になって終わるので、この曲がエンディングを飾る予定。

今日はじめてダンサーと合同で練習をしてみたけど、とってもいい感じ。
ボンド・ポルスカには「ィヤッホゥー!イェーイ!」という強いノリがある。
このノリがいい感じで出せていて、リハでもかなりみんなテンションが上がった。
どうやら私達、ボンド・ポルスカが上手いらしい。
プーマが特別講師で来ていたときも、学校のオフィスでそう話していたそう。
演奏が上手いという意味ではく「皆が同じイメージを共有して一体となっている」ということだろうと思う。
皆で弾いていると本当にそんな感じがするのだ。

今日も一日、疲れた!
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ヨーロッパで共通のメロディ

2007-05-08 23:57:08 | 授業 その他
そういえば、こないだスウェーデンの掛け算のことで驚いた。
日本では九九算と呼ぶ。つまり「×9」までしか覚えない。
スウェーデンでは「×12」まで覚えるのだ。
当然ながら「12×1, 2, 3,…」もある。
一体、ど、どうやって?!と尋ねると「今日は3の掛け算」というように
音読するだけだという。
語呂がどうなのか知らないけど、普通に日本の九九算の教え方と同じだ。
苦労なく子供の頃に仕込まれていたら、暗算のとき便利だろうな。

さて、今日はスモーランドのarkivetから特別講師を迎えて授業。
以前「ポルスカの歴史」の授業をしてくれたマグヌス・グスタフソンが再びやってきたのだ。
なんと朝の飛行機がとれなかったという信じられない都合により昼からのレクチャー。

午前は急遽コンサートのリハをすることになった。
20分きざみの細かいスケジュールに沿って練習。
一曲、友人のアレンジした曲で弾きにくい箇所があったので、ごまかしていいか?とアレンジした本人に聞くとOKがでた。
なので同じパートを弾く別の友人に教えてあげた。
すると、怒鳴られた。
び、びっくり!
落ち着いた雰囲気の彼女はいつも私を助けてくれて優しい。
ところが「自分だけ違う弾き方して、私に教えもせず、どういうつもり!?」と。
「いや、だから今、話してるでしょ。第一、今、提案したとこなんだけど」と言っても
顔中、真っ赤にして「私の何が悪いのか言ってごらんなさいよ!」
と、さらに激怒し意味不明。
私も内心腹が立ったけど、とりあえず「ごめん」と言った。
でも、口と気持ちは正反対なので、とっても怒った「ごめん」になった。
ともかく、黙ってくれたので「ここをこう弾いたら簡単になるけど?」と提案。
練習が始まると、隣で鼻をすする音がやまない。
みんなのぴりぴり度、相当、来てるみたい。

次の次の週末にはコンサートがスタート。
トボ、翌日ストックホルム、週末明けにウプサラ、それから最後に再びトボ、という予定。
フラメンコ・クルニングやタンゴ・ポルスカなど、今回も伝統をベースに創作、オリジナル色の強いショーをやる。

さて、そんな中、午後からマグヌスがやってきた。
今日は「vocal music」つまり歌について。

インドヨーロッパ・メロディと呼ばれる、世界中の広範囲で見られる共通のメロディを聞いた。
インド・ヨーロッパ諸国を初め、アジアではモンゴルでも見つかっているそう。
どこかの中心から各地に広まったのか。興味深い。

他にもフェロー諸島に伝わる歌(島で隔離された状況のため、北欧の伝統的な歌の特徴がはっきりしと
伝統として残っているらしい。

それから中世バラード(Ballad)についてなど。
今日は、お昼から来たせいかものすごいスピードで飛ばした授業だった。
マグヌスは資料として自分で編集したCDを4枚も持ってきていたのに、1枚分しか使わなかった。
資料もコピーする暇なく終わったので、帰ってからメールで送ると言って去っていった。
なんともあわただしい。

そうだ、もう一つ、面白い話を聞いた。
dryckvisor、ドリンキング・ソング、つまりお酒を飲むときの歌。
これはノルウェイやデンマークにもなく、スウェーデンにしかないらしい!
ビール・ソングやワイン・ソングが、ごくまれに他のヨーロッパ諸国でもあるけど、
すごく短いらしい。
スウェーデンのドリンキング・ソングは曲としての長さがあり、また外国から来たメロディではなく
スウェーデンで発生し、スウェーデンで発達した独自の歌なのだと言っていた。
そんな酒飲みな国じゃないのにね。
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サウンドテクニック

2007-05-03 23:55:19 | 授業 その他
今日はウロフによるPA(ljudteknik 音響技術?)についての授業。

まずは「音とは…」や「周波数」についてなどベーシックな説明から。(写真1)

そしてマイクの種類について。
それぞれの長所短所、向いている楽器などの説明。
学校にあるものと、ウロフ持参のマイクでかなりの種類だ。

レコーディングで使用するもの(Bandmikrofon)、近づけないと音が拾えないもの(Dynamisk mikrofon)、
楽器に接触するタイプ(Kontaktmikrofon)、ピンマイク(Myggor)、音を良くひろうコンデサーマイク
(Kondensatormikrofon)、前方中心の音をひろうタイプや全体を拾うタイプなどなど...。

その後はmixer(写真2)の使い方を一通り習い実践編

ニッケルハルパは一つずつ、響きすぎる音があるなど特徴がある。
まずは、この特徴をmixerを使って、均一な音に調整してみる。
そんなことができるとは。ど素人すぎて知らなかった。
今までマイクテストの時とか、なんとなく恥かしくて適当に弾いていただけなのに。
(そういえば、話は脱線。
私が何かのイベントで弾いたとき、音響チェックが入った。
私が弾き始めると同時にサウンド・エンジニアさんがびっくり。
ニッケルハルパは共鳴弦が12本もありエコーのような響きがある。
そんな楽器きいたこともなく、初め、機械が壊れたと思ったらしい...)

写真3と写真5は2種のピンマイク。
写真3「マイクありでもなしでも音が変わらない。音量の変化だけって感じ」と皆の感想。
写真5「実際の音よりきれいに聞こえる。長所を大きくしたみたい」と。ふむふむ。
これはマイクの種類というより、メーカーの差かも。

写真4は、2種のマイクで実験。コンデンサー・タイプのほうが音がきれい。
また、二つ同時に使用するともっといい感じになった。
けど、このスタンドマイクは演奏中あまり動きに自由がない。

写真6は、ブリッジの裏、本体にのせるタイプ。音はイマイチ。

最後は、ながーいコードのしまい方を習っておしまい。
半分にして半分にして…と簡単なことでも一度は聞いておかないと適当にやってしまう。

そういえば、BootのコンサートやFrifotのコンサートでも、自ら機材の後片付けをしていたなぁ。

自前の機材(マイクなど)を使う人もいれば、有名だと専属のサウンド・エンジニアがいたりする。
(そうでなければ音響会社に丸ごと依頼)

ということで今日の授業は、いつの日か自分でやることがあるかも?という時のための
基礎知識についてのお勉強でした。
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ニクラス、さようなら

2007-05-02 23:29:01 | 授業 その他
今日はニクラスによるアレンジ・レッスン最終日。
最後は自分でアレンジした曲(4編成)を発表。
以前から書いているように、この練習、精神的にしんどかった。

また最後とあってか、すごく長いアレンジをみんなは考えてたのだ。
ある人はA4で12枚。譜面台にならべられませーん!
まあ、これは多すぎるけど、A4で6枚とかも結構いた。

今回、友人Sがアレンジした曲はすごく難しい。
アレンジが、というより曲が。
この曲、別の友人Lが作曲した。
以前、ウロフの授業で「2拍子のショティシュを作る」という宿題が出た。
その時に、友人Lは一生懸命かんがえたのだ。とってもイケてるメロディを。
でも、宿題発表で弾いてみると「あらら、何拍子?」とウロフ。
本人「わかんない。」
で、ウロフが譜面にしてみると、7拍子と8拍子と5拍子と6拍子がめちゃめちゃに
混ざっている。
でも本人は「気に入ったメロディだからどこも変えたくない!」と言う。

なので、7拍子を必死に取って弾いていると、すぐ6拍子のワンフレーズ。
で、次は8拍子とめまぐるしくって、メロディ以外のパートを弾くと超難関曲!
カウントとれませーん。

話は戻して、発表後。
ニッケルハルパと他の楽器と組み合わせた場合のアレンジについて。
自分のCDを持参して、かけながら説明。(Ranarim1Ranarim2ウリカのCD)
「なんで自分のCDばっかり持ってきたかって、これなら、まさにここでこう弾くって
完璧に説明できるもんね」とニクラス。
CDかけながら自分のパートさらに生演奏してくれたので、分かりやすい。
ここはこういうのを強調したとか、曲の構成とかアレンジした本人から聞くと、
聞きなれたあの曲も違って聞こえる。

その後さらに、ニクラス作曲のHallingを使って全員ありったけの楽器を持ち寄りアレンジを一緒につめて終了。
今日はニクラスによるアレンジで一つずつ進めていった。
ニクラス流のスタンダードなやり方を実体験してオシマイ。

最後は私達から感謝のカードを渡した。
これには、ニクラスの授業中の数々の迷言?も書き記している。
本人のために言うと、迷言というよりもリアクションがオーバーで面白いのだ。

一つだけ紹介。
ニクラス:(弾いて見せながら)このコードは悪い例。このコードはもっと悪い例。そしてこれは...
友人K:一つだけ良い例を説明すれば十分じゃないの?
ニクラス(しばし固まった後、ため息)
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