スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

阪神百貨店の北欧フェアで一緒に弾きましょう(後日談追記)

2015-12-05 01:15:38 | お知らせ

(追記です。以前書いたのは下にあります。)

楽器をもって来てくださった方(暴風で電車も遅延したそうで)、足をとめて聞いてくださった方、皆さんありがとうございました!

実はとってもとっても不安だったんです。一般に呼びかけて、何人が、どんな方がくるのか、どんな楽器で、ステンマや北欧音楽を知っている方なのか全く分からないまま・・・。さらに、スウェーデンで一年、先生だったNiklas Roswall(ちょうど来日公演中)がのぞきにきていて、心臓とまるかと思いました。当時の先生たちが来日公演でやってきても生徒だった分際では近づけない!小心者なのです。だから話をするなんて毎回あきらめていたら何とこのイベントにやってくるなんて・・・しかもNiklasにしっかりなら曲でオープニング予定。私は、本番前にNiklasを見て大絶叫です。楽屋に走っていってまたそこでも大絶叫です(ご迷惑おかけしました)。もう倒れるかと思いました。でも、こういう時は逃げずに本人と話したほうが落ち着くに違いないと話しかけにいったらほんとにほんとにToboの時とかわらないNiklasに一気にスウェーデンの思い出とか全部こみあげてきました。そしてスタートして、参加型ステンマになるとほんっとに楽しく弾けました。こんなに楽しいことはないってくらい。後から、関係者の方にも良かったと言っていただけて安心しましたが、これはチームワークであり、偶然と縁の結果でもあります。

進行が苦手な私は頭が混乱するからと念押しして、毎度お世話になっている旭堂 南陽さんに、ステンマの説明諸々お願いしました。

私の大絶叫の動揺を絶対的な安定感のギターでサポートしてくれた岡崎さん。途中で様子をみながら調整してくれてどんどん気持ちの良い音にしてくれた音響さん。

Jan Johanssonの話ではつい声を詰まらせてしまいましたが、伝えきったところで拍手をくれた絵本作家の本間ちひろさん。

ステンマで楽しそうに一緒に弾いてくれる人たちの表情、様子。大手を振ってくれるNiklas。

絶妙のタイミングで手拍子を加えてくれた南陽さん、お客さん。

そして、飛び入りでとびっきりの音色を響かせてくれたリコーダーの織田さん。

あー良かった!!

これ全部がそろったから完成した奇跡のイベントでした。「またやってー」の「また」は再現できません。今回のこれに限って言えば一度きりで、またやるんだったらそれはその時の別のもの。

伝えたかったメッセージ。それは、私がやっている音楽は伝統音楽です。何年も何百年も前、おじいちゃんやおばーちゃんがいて、貧しかったりお腹を空かせたり、パーティで楽しんだり、悩んだり、私たちのような普通の暮らしと普通の人。その人たちが残してくれた曲(Jan Johanssonのように皆に愛される曲を作った人も含め)、これは大事に大事に語り継がないといけないと思っています。物語も、書籍やデジタルで残しすだけでは意味があまりなく、これを人が人へ語りつぐからずっと残っていくのだと信じています。私みたいなふつーの人がそんなことを思っても言ってもきいてくれる人なんかいないはずなのに。こうして伝える機会があり、一人でも共感してもらえるというのは、すっごくすっごく私ってラッキーなんだなって思います。一年の締めくくりの12月にとても良い経験をさせてもらいました。みなさーん、ありがとう!

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(最初に書いたほうの記事)

今年の阪神百貨店の北欧フェアで、「ステンマ」風の企画があります。

ステンマとは、スウェーデン語で伝統音楽フェスティバルのようなものです。でも、ステージを見るためではなく、来た人みんなが聞いて楽しんだり、弾いて楽しんだり、人との出会いや交流を楽しんだり、参加型なのです。

ステンマ風の企画というは、つまりセッションのようなことをやりましょう!というもの。

毎日それぞれ色んな方が担当するのでチェックしてみてくださいね。私は12/11(金)18:30-です。

最初にギターの岡崎さんとのデュオで1-2曲聞いていただいて、集まり具合をみてから皆さんと弾く予定です。人が集まらなかったら、セッションはせず、そのままライブ続行になるかも!?都合のつく方、ぜひ一緒に弾きましょう!

金曜の予定曲(※全部やるとは限りません。候補曲です。) クリックでPDFが開きます。

長靴下のPippiのテーマ曲(各日の共通曲)

Dansa flickor(各日の共通曲)

Polska "1814"(金曜の候補曲) ※スウェーデンでセッションの定番曲。

Vals från Lyby(金曜の候補曲)

Polska efter Schedin(金曜の候補曲) ※スウェーデンでセッションの定番曲。無印のCDにも入ってますね。

Lybyのワルツが入ってる!」って思った方、さすが!

前回の記事で書いた「デニカル(Danish String Quartet)の話題で書きましたー☆これを弾かないと今年は終わらない気がしてます。

そして、長靴下のPippiのテーマ曲。スウェーデン人に聞いてみてください。知らない人はいないアニメソング。(日本でいえばサザエさんの歌みたいに昔から変わらないメロディで、大人も子供も知っている、みたいな感じでしょうか)

実は、これも前回の記事で登場した「Jan Johansoon」が事故で亡くなる直前に作った曲なんです。数日前に調べていて知ってびっくり!

彼は1931生まれ、1968に亡くなったそうで、前から早くに亡くなったんだなとは思っていましたが、詳細を知りませんでした。

ジャズピアニストとして活躍し、またスウェーデンの伝承曲をジャズアレンジにするという伝統文化も愛する人で、どんな人物か分かりませんが演奏スタイルや音楽の方向性を聞く限り、あたたかく誠実そうな雰囲気がします。当時、長靴下のピッピの絵本はとっても人気で、TV化されテーマ曲を依頼されたとき、(多分、数えてみたら)6歳と3歳の息子さんがいて、きっと自分の子供やスウェーデンの子供たちに愛されるメロディを、とわくわくして引き受けたのかなーって想像してしまいます。そして1968年のある日、教会で行われる自分のコンサートへ向かう途中、事故にあい亡くなってしまったのでした。37歳です。TVシリーズは翌69年にスタートしました。本人はTVから聞こえるピッピの歌を聞くことはできなかったけど、こうしてスウェーデン中で愛されるメロディになったこと。物語や歌はずっとずっと時を経ても残り続けること。改めて感じます。

彼の伝統音楽をジャズピアノで弾いたJazz på svenskaは、彼の死後も何十年たっても売れ続け、スウェーデンのジャズの分野で、最も売れたCDの一つと言われています。私には、彼はジャズピアニストとされていますが、伝統文化を伝える伝承音楽奏者と思えます。

Pippiや作者のアストリッド・リンドグレンにだけスポットが当たりがちですが、こうした、一瞬きらめいた流れ星のようなJan Johansoonのことも伝えれたらいいな。

ではでは、楽器とわず、初心者、つわもの問わず、お気軽に参加してくださいね。

コメント (9)
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