スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

スウェーデン流の同棲とは?

2007-05-30 23:46:14 | スウェーデンのこと...
今日はスウェーデン人の結婚観について友人に聞いた。

面白い話だったので、更新は不定期ですと宣言したばかりなのに今日も書いています。

スウェーデンでは、サンボ(sambo:sam=一緒に bo=住む)と言ういってみれば同棲に当たる形がある。

(ちなみに「bo=住む」について。
トボ村(Tobo)の住人なら「トボボ(Tobo-bo)」という造語も作れます)


日本だと同棲はけじめがないとか何とか、社会的に認められていないけど、スウェーデンのsamboは社会的に認められている。
財産(遺産)分与についてもそうだし、結婚しなくても外国の恋人を呼び寄せてもsamboだと滞在許可がおりる。

この学校でsamboをしている人がいて、パートナーの両親のことを「義理両親」と呼んでいた。
結婚もsmboも形式の違いくらいで、同等みたい。

今日たまたまこの話になったので、samboのメリットを尋ねたのだ。
その人によると「いつでも別れることができるから。何年か後、どうなっているか分からない」と。
離婚は手続きや裁判など大変だというのだ。
結婚のメリットは"誓いを立てるという意味でロマンチックだ"くらいみたい。

でもsamboって、なぜか別れることが前提のように聞こえる...。

さらに、アメリカ人から聞いた話。
「浮気(不倫)は法は介入せず」という州があるそう。
つまり、そういう州では不倫に対する慰謝料も発生しない。

色んな国で色んな結婚観があります。

話は変わり、昨日のこと。
ダンスコースのうち3名は、ダンス・カレッジという3年の大学(?)に行きたいらしく、昨日が一時審査の発表(ネット上で)。
まだ学校に残っている数名と卓球をして遊んでいると、突然時計をみて「発表された!」と部屋を飛び出していった。
今のとこ、うちの学校からは3人とも受かったらしい。実技は3次試験まであるのだとか。

ちなみにふとKMH(スウェーデンの音大で最も権威のある王立音楽院)のページを見るとやはり合格発表が。
誰でも名前を見れる。
PDFファイルを開いてみると、フォークミュージックの学部でニッケルハルパが1名受かっていた。
(誤解のないように補足すると、KMHは自分の楽器を選択できるだけで「ニッケルハルパ専門教育」は提供していません)
この合格の人は、今後、先生を目指すのか、ミュージシャンを目指すか、興味しんしん見守りたい。
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DesignTorget

2007-05-29 23:11:51 | スウェーデン生活
今日も一人、また一人と帰っていく。
それも今日は一日中雨で物悲しさが増す…。
スウェーデンで、梅雨があるのかどうか分からないけど、6月は雨が多いらしい。

お知らせ
帰国までの間は学校も終わったので、更新は不定期的になります

さて、写真左について。
学校の裏で取ってきたと、見たことのない植物を両腕に抱えてEがやってきた。
「これ何?」と尋ねると、ロバルベルと言っていたような気がするが、すでにうろ覚えであやしい。
この時期にとれるもので、さわやかな酸味があり、パイにするとおいしい。
以前、アップルパイと思って食べたことがある。
でも、調理前の姿を見たのは初めて。
それ以外にも、この植物とイチゴのパンナコッタを食べたこともある。
甘いイチゴと、さっぱりしたこの物体の相性はとても良い。
この日、Eは細かく刻んで鍋で煮てジュースのようにしていた。
スウェーデンでは一般的で誰に聞いても知っているみたい。

今日は久々に買い物目的でウプサラに行った。
友人に教えてもらって行ったお店、入ってみて気づいた。ストックホルムにもあるDesignTorgetというお店。
アイデアもののキッチン雑貨、リビング小物、子供用品、などなど雑貨屋さん。
でもデザイナーものらしい。

写真中央はビニール製の花瓶。水を入れるとしっかり立ちます。
使わないときはどこかにしまえるので便利。
写真右はものを挟めるようになっているスプーン。
一緒に写っている小さなカードサイズのもの。ガーリックカード(Garlic Card)と書いてある。
使うかどうか疑問だと思いながら、コンパクトでカードみたいなデザインについひかれてしまった。
他にも色々と買ってしまいました。
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修了式

2007-05-28 23:45:56 | 授業 その他
今日は修了式。

何をするかというと、プログラムに沿って先生達の挨拶、演奏、ダンス。
校長先生は挨拶と共にギター片手に歌を歌ってくれた。

そして修了証(写真5)とバラの花をもらった。
修了証のナイスな絵は、歴史などを教えてくれたグンナルが描いたもの。
あちこちから、鼻をすする声も聞こえる。

そしてニッケルハルパコースのみんなで1曲演奏し、その後、ダンスコースも一緒にシューベルトを弾いた。

最後は(写真4)校長、ソニア、ディッテのリードで大合唱。
(修了式が金曜→月曜と変更になったため、ウロフは都合がつかなかったみたい)

そして、ものすごい量の料理がでてきた!
全種類すら食べ切れませんでした。
おいしそーでしょ!

デザートになると誰かがジャズのCDをかけ、談笑する人、CDに合わせてベースを弾く人などリラックスモード(写真6)。

未だに学校が終わった感覚がない。
なのに、泣いている人がいたり、夕方には引き払って帰った人もいた。
頭は切り替わらないのに、しんみりした雰囲気だけはしっかりと感じる。
なんだろ。
みんな寝食共にしてきたからかも。
たった一人でも「帰ってしまった」と思うととても寂しい。

まとまらないので今日はこの変で。

ニッケルハルパ購入方法について、同じく5/28の記事で書いています。
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ニッケルハルパの購入について

2007-05-28 23:25:02 | ニッケルハルパ

質問を時々うけるので、こちらで簡単に説明したいと思います。
※随分前の記事だったので、2018年、少しだけ修正更新しました。

残念ながら、ニッケルハルパは楽器店で購入はできません。
職人にオーダーして作ってもらう楽器です。

※東京のレソノサウンドにニッケルハルパが数台置いてあり、実際に触って弾いてみて買うことができるそうです!(2018年追加情報)

職人:
ニッケルハルパ職人は、仕事として制作している人は全部で10人とか、大体そのくらいと言われています。スウェーデン以外の職人さんも加えると、もう数人います。「本業ではないがプロ並の腕前で販売もしている人」を加えるともっといるでしょう(そういう場合は紹介で買うのが一般的)。

種類:
ニッケルハルパは数種類あります。
通常のニッケルハルパ(クロマチック・タイプ)がほとんどですが、変わったものもあります。
コントラバス・ハルパ、ムーラハルパ、テノールハルパ、オクターブハルパ、エレキタイプ。
変わったニッケルハルパになると、さらに特注で、職人なら誰でも作ってくれるわけではありません。

期間:
全て手作業なので、注文から数ヶ月かかります。
早く作る職人さんでも注文がいくつか入っていれば、1-2年待ちとなります。でも「1台注文を受けてどうせ作るならと3台同時進行で作った。今、たまたま手元に売れる状態の楽器が余っている」なんて話もたまに聞きます。

予算:
2万クローネ~(22000、25000、28000とか)が良く聞く価格帯です。プロも好む職人さんになると、3万クローネ~、4万クローネ以上。
本業ではないけど上手なものを作って売ることもある、という人が作る場合、15000kr~20000krのものをみかけます。
一つずつ手作りなので、値段よりも職人の腕で質は左右されます。

バイオリンは、数万円、数十万、または数百万と価格帯が広く、買い替えも視野に入れて安いものから買う場合があると思います。
ですが、ニッケルハルパは需要の面からも量産しない楽器です。(バイオリンのように工場でパーツを作って低価格のものを販売することはありません)。
手作りの楽器ですので、音色や作りがイマイチだってあってもかける手間から安価な価格のものはありません。そして、数百万すると誰も買わないので(民俗音楽ですので)びっくりするような高値の楽器もありません。
価格帯の幅は狭く、イマイチでも最低価格がそれなりにすることを考えれば、最初から良い楽器を買うことをおすすめします。

弓:
楽器と弓を別々に売っている場合は、予算も膨らみます。
1万円程度で売っている安物の弓を、無料で楽器につけてくれる場合が多いです。中級の腕になると弓は買い替える人が多いです。
参考までに、ウプサラ在住の職人さんによる弓は1500krです。
フランスの職人が作る弓が特に人気で、それだと日本円で11-12万円します。


メロディ弦3本、ドローン弦1本、共鳴弦12本、合計16本です。
1セットかなりの値段になります(1.5万~2万円弱くらい?)
チェロの弦を代用する人もいます。
最低でも1年一回は要交換です。面倒くさがりでも2年に一回は...。ちなみに、海外ツアーしている私の先生は年に4回と言っていました。
メロディ弦、ドローン弦の4本であれば、Primというメーカーがニッケルハルパ用の弦を販売していて、日本だとI love stringsというオンラインストアで取り寄せ注文が可能です(在庫はなく、仕入れに合わせて取り寄せ可能とのことで、タイミングが合わないと最大で半年待つことになるそうです。ショップのお問合せメールを送って注文します)。

作る:
手工芸品の色合いが濃いためか、自分の楽器を自分で作る人も少なくありません。
家具を作る、家を補修する、といった趣味で木を扱うことが得意な人はスウェーデンには沢山います。
日本でも、大工仕事が得意で、ある程度の道具が揃っていたら、作る楽しみもあります。
スウェーデンで、短期、長期の製作コースもありますし、作り方のDVDや製図も販売しています。

注意すべき点:
中古、ネットで、個人間で安く売買されている場合がありますが、ものがデリケートなだけに状態と質の確認、
またプロの職人さんの数の少なさからも分かるように誰が作ったのものか、注意が必要です。
誰も聞いたことがないような人が作ったものだと...現物を触るまで判断できません。
中古では製作年代も気になるところです。
70年代以前だと、デザイン、つまり構造に問題を抱えているモノがあり、調整・修理済みかどうかも確認をおススメします。
(70年代以降でも、古いデザインを踏襲している場合あり)
ここではデメリットばかり書きましたが、値段と質のつりあったものもきっとあるでしょう。

スウェーデン以外の職人さんについて:
いいモノをつくる職人さんはいます。
でも、スウェーデンの伝統を守っているかどうかは関係なく、デザインが斬新だったり、音色の種類が違っていたり。
スウェーデン以外のヨーロッパでは、自国のバロック音楽や中世の音楽を弾いたり、求める音色、イメージが違うと聞いたことがあります。
伝統にこだわりがない場合は面白いでしょう。

購入方法:

<日本で誰かに相談>

東京のレソノサウンドにニッケルハルパが数台置いてあり、実際に触って弾いてみて買うことができるそうです。(2018年追加情報)

横浜のダルシクラフト。以前、積極的な斡旋はしていないとききましたが、(特殊楽器に理解があれば)相談可能だと思います。

<職人さんに直接連絡>
日本からだとメール連絡でオーダーします(大抵は、英語でOK)。

あまり更新されていない(最新情報でない)気がしましたが、アメリカのサイト(ANA)を紹介します。
上記リンク先では「instrument makers」という職人リストがまとめてあり、それぞれ本人のサイトへリンクが貼っています。

ちなみに、私は知人からOlle Plahnの楽器を購入。
今はEsbjörn Hogmarkの楽器を使用。スウェーデン人に誰か職人を紹介してというと、Bo Nilssonをすすめられて、何人か紹介しました。

斡旋や仲介はしていませんが、メールにて分かる範囲でお答えします。
nyckelharpa@folkishproject.com

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庭で...

2007-05-27 23:15:55 | スウェーデン生活
今日はエスビョンの作った楽器をとりにスコーネ地方から人がやってきた。

私もなぜか呼ばれて家に行くと、昨日から来ていた卒業生や学校スタッフなど大勢いて、
庭でコーヒーを飲んでいた。

その後はさっそく誰かが楽器を弾き始めると、みんな次々楽器を弾き始めた。

私は自転車で来た上に弾くと思っていなかったから持ってこなかったけど、人のを借りてさっそく弾いた。
芝生の上で踊る人もいる(写真中央)。

写真右は、その取りに来たという人の楽器と私の楽器。
さて私のはどっちでしょう?
正解は左(やや赤みが強い)。
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最後のコンサート

2007-05-26 23:54:19 | 授業 その他
先週から始まった私達のコンサート、今日が最後。

とくにハイテンションになる訳でもなくいつもと同様にすすめていきます。

ここまできてもまだ最後という感じがしない。

コンサート後は、恒例ダンス&演奏(写真で窓の外は明るいけど22時とか23時とかです)。

でも、今日は家族が来ている人が多いためか、夜の2時でお開き。
その後は、お酒片手におしゃべりモードに。

ところで、一般的にみんながフォーク(民族音楽、民族ダンス)に理解と興味を示すわけではない。
伝統文化は、現代文化から見ると特殊な世界かもしれない。

ある日、スウェーデンで古臭い名前とかやっぱりあるのか(日本でいうと、おばあちゃん世代の名前とか
今では珍しいかったりする)と尋ねた。
すると「いっぱいあるよ~!フォークで出てくる"○○地方の誰々が弾いていたとされる曲"とかで
出てくる人の名前ってみんな古臭い!」
そっか、やはりそういうものなんだと思った。

そんなところからも一般の人がこうした伝統文化をどう感じるかそれぞれなのが想像できる。

この学校に通う学生の親もそれぞれだ。

子供が小さいときからこうしたフォークの場に連れて行き、家族ぐるみで楽しむ両親もいる。

また、自分の子供への理解は示すものの「フォーク」に対する理解までは及ばず、こうしたダンス&セッションが
奇異に写るらしい(友人が両親のことをそう語っていた)。始まると姿を消す。

最年少のCの場合はもっと大変そうだ。
両親、親戚、みな大学教授や学校の先生一族らしく、子供がフォークを学びに学校に行くことに、
将来を心配して今だ反対の姿勢なのだとか。

以前この学校に遊びに来たデンマーク人やフランス人は、友人に説明するとき決して「フォーク」という言葉を
使わないといっていた。
代わりに「トラッド(伝統音楽)」と言うと。
でないと何も知らない人に変な印象を与えるといっていた。

でも、それでも伝統音楽、この分野はとても面白い。
私は、はじめ、スウェーデンという国に興味を持ったのがきっかけではなく、スウェーデンの伝統音楽に興味を持った。
きっかけはどうであれ、「伝統音楽を学ぶ」ということは「音楽を学ぶ」だけではすまない。

「伝統を学ぶ」ことは、国の歴史、ヨーロッパ諸国との関係、地域文化、産業と特徴、宗教観など様々な要素を含む。

この学校での授業は修了したけれど、終了ではない。
ここからがスタート地点。これからどれだけ深く掘り下げられるか。

月曜が修了式です。
6月中旬までスウェーデンに滞在しますので、もう少しこのブログも続きます。
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ヴェーセンと卒業生のステージ

2007-05-25 23:21:30 | 授業 その他
今日は学校最後の日だ(修了は月曜)。
まだまだ最後なんて実感はわかない。
(当然、このブログの終わりも近い。今後どうするか考えないと...)
でも、最後だからと元々この日はリラックス・デーと決まっていた。

みんなでウプサラへ。
駅からほんの数分歩いたところに広い芝生の広がる公園がある。
その公園でピクニック。
ランチは調理師スティーナが一人ずつランチボックスにパスタサラダを詰めて、校長先生が車で運んでくれた。
(写真1、2)

夜は、リンネ生誕300周年関連イベントで、ヴェーセンとうちの学校の卒業生とで
ジョイントショーをやる。
(上記リンクはイベント情報ページなので、一定期間後リンク切れします)

私達、ニッケルハルパコースはCD販売を手伝うことになっていたので(お礼にCDをもらった)、
さっそくやってきたウロフにまず何をしたらいいか聞きにいった。
ステージ裏にとめているウロフの車からCDを降ろすとブースをセッティング。
「ポスターに値段を書いて箱に貼ってね」とウロフ。
お釣りはもちろんありません。
お釣りができるまでお客さんに待ってもらわないといけない。

コンサート前と終了後に販売予定。
「アンコールの曲がビス・カレのポルスカだから、その曲が終わって拍手がなったら外に出てね」と指示。
そして親切なことに、観客席で聞く時にここが音響的にナイスだよと、場所を教えてくれた。
さらにコンサート前の準備中だというのに、私達が月曜日にもらう修了証にサインをし始めたウロフ...。
えぇー!
そんなの、ゆぅっくりと後からでいいのに...と内心。

さっそくCDを売り始めると、友人Cは野球場のビール売りみたいに大声で「CDはいかが~!」と売り歩き始めた(写真3)。
彼女はコンサート直前になると観客席を歩きながら売っていた。
ほぼ二箱売ったと言っていた。す、すごい...。

コンサートは、演奏のみダンサー付と織り交ぜながら進んだ。
パーカッション付のライブを観るのは私は初めてだ。
そしてさらにマグナス・グスタフソンの演奏と解説が曲ごとの合間に入るので今日は5人編成(写真4)。
大きなステージにも関わらずかなりの迫力で観客を魅了。
さすがヴェーセン!

ダンスはエネルギッシュですっごく良かった!

でも以前「伝統音楽VS伝統舞踊」で書いたことが、私の中で確信に至らなかったけど今日はっきりと結論を感じた。
ダンサーはヴェーセンより一段低いステージで踊る。
でも、踊ると途端にヴェーセンへの視線はいかなくなりBGMに近く感じたのだ。
やはりステージ上での演奏(静)とダンス(動)は、工夫をしないと同等の注目を集めにくい。

さてさて、うちの学校のダンスの先生アンドレアスは写真6です。
体型から見るからにダンサーって感じ。

アンドレアスのスタイルとして、ポルスカやハリング、スレングポルスカ、ポロネーズなどなど
伝統的なダンスから動きをとり、アレンジし複雑に組み立てる。(つまり振り付け)
もちろん曲にあわせて効果的な演出を考えてのことだ。
うちのダンサー達もその影響を受けてなのか、最近の傾向か、同様の追求スタイルだ。
非対称的な動きや形、アンバランスにくずすのも独特なのか、最近の流行なのかは不明。
でも観ていて面白いです。
今までいくつかスウェーデンでダンスをステージで見てきたが、アンドレアスやうちのダンスコースの人達が
しているような振り付けのステージは見たことがない。
(私が単に見たことが無かったか、意識して見ていなかっただけかもしれない)

ところで、伝統的なダンスでメダルをとる有名な大会がある。
一度、うちのダンスコースの、今度ダンスの大学に入ると言っていたEに大会でないの?と尋ねたことがある。
彼女は小さな頃からフォークを踊っていて、コースの中でダントツ一番上手い。
すると「自分の求めるスタイルと違うから出る気は全くない。伝統の中でアイデアを表現したい」と。
なるほど。いろんな考えがあります。

コンサート終了後、CDは飛ぶように売れる、売れる!
片付けるとまたバックステージへ持って行き、ウロフに良かったよと言い、みんなで帰って来た。
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アンデシュ・ノールッデ

2007-05-24 23:55:48 | 授業 楽器
今日は特別講師アンデシュ・ノールッデ(Anders Norudde)がヴェルムランド(Värmland)からやってきた。

彼はソロ活動でも多才なミュージシャンだけど、さらにヘドニンガルナ(Hedningarna)の人とい言えば、
あの人!と言う人も多いでしょう。

ヘドニンガルナ(Hedningarna)は、曲はトラッドベースにかなりラディカルなアレンジを加える斬新なバンド。
有名なので名前は知っていたけど、今日CD(ベスト盤)を買って初めて聞いた。
ガルマルナというバンドと似た方向性で、表現しようとするものはどちらかというと
ロック、トランス系、ダークな感じで、中世ものが好きな人にもぴったりくる。
ただ私の個人的な感想としては、演奏はスンバラシーけどボーカルがロック風の歌い方なので残念ながら好みではない。
(私の偏った意見でファンの方、ごめんんさい!)。

ガルマルナ(Garmarna)のほうがトランス系のバックにトラッドの歌い方がのってさらにトランス感が増し、
怪しげな雰囲気が出ている気がする。
とはいえ、ヘドニンガルナはスウェーデン・グラミー受賞やノミネートを何度もしている人気の実力バンドだ。

アンデシュは、これ以外にソロでの音楽活動も幅広い。
今日は、ソロCDを3種類持ってきていたのでGIGAレーベルの2枚を購入。
バイオリン職人でもあり、製作と音楽活動は半々の割合でやっているそう。

こなす楽器は写真の通り、ムーラハルパ(moraharpa)、スウェーデンのバグパイプ柳笛バイオリンと多岐に渡る。
写真右下の柳笛は2本同時に吹いてます。フラジオレットで高音をだせ、いい音色。

スウェーデンのバグパイプは、聞き比べたことがないけど、こんな3m側とかで聞いたのは初めてだったので、
印象としてはイリアン・パイプほど大きな音がしないなと思った。
ムーラハルパと同じ音量だったので、他の楽器とあわせやすそう。
それに袋は空気を入れると膨らむけど普段はぺしゃんこ。笛の部分は組み立て。
ちっちゃな巾着に一式いれていて、さっと組み立てたら出来上がり。
コンパクト。

今日はニッケルハルパの学校だからと意識してか?ムーラハルパを4タイプ持ってきてくれた。
チューニングによって使い分けたり、弦が多かったり少なかったり、ベースだったりする。アンデシュによる改造。
弓は古い握るタイプのもので、ガツガツっと荒っぽく弾く。
自ら「toy harpa(おもちゃのハルパ)だよ」と言っていた。

ちなみにムーラハルパについて
以前私は間違ったことをブログに書いたかもしれない。というのも勘違いしていたことを数ヶ月前知ったので。
ムーラ(mora)で発見されたと思っていたけど、エルブダーレン(Älvdalen)です。
ムーラに保存されているという理由だけでこの名前がついたそう。

定説では最古の現存するニッケルハルパ(15~6世紀だったかな?)とされている。
最近の研究では、古い教会を壊した際の木で作ったため、調査結果、古いとされてしまったという説が。
実際に作られたのは16~7世紀?(これまたウロ覚えでスミマセン)の可能性がある。
また、この説を唱えるPer-ulfはさらに、ドイツの文献からのコピーであり(つまり本を見て作ってみただけ)、
歴史的にもその地域と関係がないと言う。
確かに、寸法入りのその文献の絵はまるでうり二つで、測ったかのようにサイズまで同じだ。
だからウップランド地方のニッケルハルパの伝統とは何の関連性もないという意見なのだが、
定説というのは根強いものでなかなか一般に浸透しにくいでしょう。
また反対する人は証拠不十分と言うので、さらに強固な証拠があれば今後、覆されるかも。

さて、話を元に戻して、アンデシュ、次々と楽器を持ちかえては色んな曲を教えてくれた。
一見こわそうに見えたけど、素朴な感じの人でユーモアもたっぷり。
今日はベルムランド地方の曲を中心に教えてくれたけど、同じくベルムランド地方の有名フィドラー、
マッツ・ベリルンド(Mats Berglund)とは全く違った感じ。
マッツはノルウェー風の軽やかに空高く舞い上がるような曲をよく弾く。
アンデシュは、ダークで重い曲が多い。

そして最後は恒例の録音タイム。
trollstämning(トロール・チューニング)と呼ぶA-E-A-Cissのチューニングで一曲弾いてくれた(バイオリン)。
トロールとはそう、あの伝説上の巨人というか怪物のトロールだ。
スウェーデンには他にもこうしたネッケン(水の精で悪魔をさすことも9/20参照)のチューニングなど変わったものが時々ある。

アンデシュ、おつかれー!
車で帰って行きました。
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レンズが飛んだ

2007-05-23 23:27:05 | 授業 その他
今日の午前中は特別講師にEva Tjörnebo(エヴァ・ショーネボー)を迎えて歌のレッスン。
彼女は最初は当時の流行でギリシャやバルカンなど他国のフォークミュージックをしていたそう。
70年代がピークだったフォークミュージックのブーム最盛期頃の話。
バンドの中に一人、スウェーデンのフォークを歌うフィドラーがいたそう。
彼女はその時に自国の伝統歌を聞いてショックを受け感動したのだそう。
それ以来、スウェーデンのフォークしか歌っていないといっていた。
さっそく中世からのバラッドの歌い手を尋ね400曲習うなど、積極的に地方の歌い手や演奏者を訪ねたのだそう。

そんな彼女はスコーネ地方出身。
ニクラスと同じで、とても訛りがはっきりしている。
レパートリーはスコーネからウップランドにかけ主に南部の歌だと言っていた。
スコーネ地方でない歌でもスコーネ訛りで習った。
ある意味おもしろい体験だ。

写真右上は彼女のCD。うち2枚を購入。左と中央のCD。
理由は、トルビョン・ネスボン(Torbjörn Näsbom)がバイオリンで参加していたから。
実は私、トルビョン隠れファン(隠れる必要もないけど)。
それから中央のCDの裏を見ていてどこかで見た顔だと思ったら、プーマ(ペーテル・ヘドルンド)の奥さん(笛)だ。
さらにどこかで見た顔...と思うと以前Viikの音楽学校のイベント前にブルースを教えにやってきたマッツ・アンデション
さらにエスビョン宅で見かけたお客さんの顔も...

彼女の進め方はウリカの時ともまた違い、かなり計画的に時間内に沢山の歌を紹介できるようにと考えたものだった。
時間配分から完璧で教えなれてるなぁ!と感じた。

ちなみに歌を習うとき、先生達は一様に同じジェスチャーをする。
全音、半音、トリルなど、まるで手話のように手で示す。
手話のようにと言っても、習わなくても意味が分かるようなサイン。

さて!
昼からは全員でウプサラへ移動。
今日は私達のコンサートinウプサラ。
場所は”Musik i Uppland”と呼ばれる会場。
写真左下は入口。写真右下は2階ロビー。やはり北欧風インテリア。

会場セッティングをし立ち位置などの通しリハをしたら、夕ご飯を食べに外にでた。
今日はやたらと人が多い。警察もたくさん。
天皇皇后両陛下がウプサラにいるからでしょう。

今日のコンサートは3回目ということもあり、みんなかなり調子がよかった。
お客さんも今日が一番反応とノリがいい。
そうして順調に進み...最後のナンバー。

私が楽器をもってステージ中央付近に立とうとした瞬間、先に立ち位置で楽器のストラップを調整していた友人L。
弓を持ったまま調整していた。その後ろを私が通った瞬間、弓が!
私の目を一突き!
おぉ!っとステージ中央でのけぞってしまった。目をおそるおそる開けると...
ない!コンタクトレンズがない!
どこかに飛んでったみたい。
友人Lに小声で事情を説明し「ともかく、一歩も動かないで」とお願いした。
あぁ、そんな。これで「レンズ無くしたので帰国します」と宣言して飛行機に乗る姿が脳裏をよぎる。

すると、キラキラってレンズがライトに照らされ光っている!
あった!と拾って、背後の楽器専用の椅子にレンズを置いて曲を弾いた。
ほんとはぺろっとなめて目にいれたかったけど、みんな見てるし、DVDもまわってるし。

コンサート終了後に客席にいたAに言われた。
「弓が目に当たった後、何か探してるなぁ...と思ったら床に光るレンズらしき物体が見えて、
そこ!そこ!落ちてるよ!って喉まででかかったけどコンサート中で客席から言えなかった」と。
まぁ、ふっとぶレンズ、DVDにしっかり写ってることでしょう。

コンサート中のハプニングといえば、hoven drovenというバンドのシェルエリック(kjell-erik)から聞いた話を思い出した。
友人のハーモニカ吹き、ステージでハーモニカをぶぅー!と吹いたつもりが、入れ歯が客席まで飛んでったんだって!
そして入れ歯を指して言ったセリフ
「My smile is there.」(僕の笑顔、そこに落っことしちゃった)
ツワモノ!
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昼食会で演奏

2007-05-22 23:07:42 | スウェーデン生活
今日は授業を休んでカイサ(Cajsa Ekstav 紹介は過去の記事参照)と演奏。
明日は天皇皇后両陛下がウプサラに来る関係で日本関連の行事が多い。
そのうちの一つ、研究者対象の昼食会で演奏した。

ちなみに以前、学校を休んでイベント参加とはケシカラン!と書いたことがある。
矛盾してるのでは?と思われるかもしれないけど事情が少し違うのだ。
話を持って来たカイサはウップランド地方を代表する有名ミュージシャン。
その彼女が、うちの学校の先生や校長などに私を借りていいか?と事前に許可をとった上で私に振ってきた話なのだ。
(とはいえ、うちの校長はミュージシャン。カイサ達とジャズのCDなども出している。
実は今日その事実を知って驚いた)
ともかく彼女はベテランなのでなんでも進め方がプロなのだ。
今回も見ていて実感。

まずはカイサのアパートへ行き着替え。
彼女は2年前、日本に演奏で来たことがあり、その時に買ったという緑茶のコレクションを見せてくれた。
でも入れてくれたのは最近スウェーデンで買ったという緑茶。

今日はウップランド地方(ハーブローと言っていた)の衣装を借りた。
スウェーデンのアパートは外か見ると狭く見えたり、シンプルだったりする。
でも中に入るとやはり広々としている。
カイサのアパートもそんな感じ。ゆったりとした空間に見晴らしのよい明るい窓、
そしていかにも北欧風のインテリアで、ライトブラウンの床に白を基調にした落ち着く雰囲気の部屋だ。

さっそく入れてくれた緑茶を飲みながら、今日演奏予定の曲を通しリハ。

そういえば、プーマ(Peter Hedlund 有名ニッケルハルパプレーヤー)が過去にニッケルハルパを
盗まれた話をしていて、カイサが教えてくれた面白い話。
カイサのアコーディオン弾きの友人が車にアコーディオンを乗せて離れ、しばらくして戻ってくると
車の窓ガラスが割られていた。
「しまった!盗まれたか!?」と思い、確かめるとなんと
アコーディオンが2台に増えていたというのだ。
まぁ!なんとも不思議な!

さて、その後私達が向かった建物はウプサラ大聖堂すぐ側のGustavianumという大学付属の博物館。
上記リンクから見れる写真の建物中央に一部高くなった塔のような部分がある。
この部分は部屋があり、中央を囲んで見れるような上部へ続く座席の配置になっている。
ここで1600年代、学生が見守る中、人体解剖実験の授業が行われていたそう。
他にもエジプトからのものなど展示している。
カイサが合間に中をガイドしてくれた。
ちなみに、この人体解剖実習室で今週末、結婚式があるそう。
カイサはここで演奏するらしく、立ち位置などをついでに確認。

さて短い20分ほどの演奏を終えると、昼食会で余ったというご飯を食べさせてくれた!
ヴェステルボッテン地方のチーズ(特に強いクセがあるらしい)にスウェーデン産キャビアがのったもの
サーモンとポテト、デザートもごちそうになった。
この食事を担当したのは、ウプサラでも一番と評判の魚料理レストラン。
名前は忘れたけど、大聖堂近くの川沿いにあるお店。
ごちそうさまでした!

その後、ウプサラ大学の中で一番古いとされている建物に案内してくれた(写真右上)。
さっそく入るとカイサのお友達にばったり。

なんでも明日、天皇皇后両陛下がこの建物にやってくるそうで準備中の部屋にいれてくれたのだ。
中では数人の人がセッティング準備に追われていた。
当日、座る予定の椅子などがすでに並んでいた。
「まだ準備中だから今弾いてもいいよ」というので
部屋の中央で弾かせてもらった!

さらに通りかかったカイサの友人のために、屋外内でも何曲か演奏。
その後、カイサの車でウップランド地方を代表する花の由来となった場所などに連れて行ってくれた。
写真下はその場所。

そして再び着替えにカイサのアパートへ。
お茶や食事、デザートにチリ・チョコなどよばれながら、興味深い新聞記事のスクラップを見せてくれた。

カイサとヴェーセンのウロフ・ヨハンソンは1歳違い。
同じ高校だったらしく、昔は演奏活動も国内外と一緒にしていたらしい。
そしてカイサと若かりし頃のウロフの写真の載った新聞記事を見せてくれたのだ。
見てびっくり!え!?って感じ。
言われなければ本人と分からないかも...。

他にもErika&CeciliaのErikaが12歳の時に教えるカイサの記事など...面白い!
ちなみに私が数年前この学校のサマーコースをとったときの新聞記事(田舎は平和すぎてそのくらいでも記事にする)
までスクラップしていた。

そして彼女の出身地、ヴェンデル(vendel)について少し教えてもらった。
vendelはウップランドにある単なる小さな村だと思っていたら大間違いだった。
スウェーデンのバイキング時代よりも前、ヴェンデル時代とよばれる時代があり(西暦500-800年)、
この時代の首都だったそう。
当時はバイキングの王は船に入れられ動物や食べ物などと一緒に埋葬されたそう。
ヴェンデルではたくさんのこうした船のお墓?が発見されたのだとか。
(ヴェンデル時代に触れたwebページを発見
英語のウィキピディアならこちら)

何気なく行ったことはあったけど、そんな歴史のある村だとは知らなかった。
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特別講師ウリカ

2007-05-21 23:19:01 | 授業 その他
今日は特別講師にウリカ・ボデーン(Ulrika Boden)がやってきた。

彼女は、日本ではラーナリム(Ranarim)のボーカルとして有名。
来日コンサートは2回?か3回?になる。
特徴は透明感があり伸びのある声。
まさに北欧のイメージたっぷり!
歌モノが苦手という人も、彼女なら聞きやすいと思います

久々に見る彼女は、大きなお腹を抱えて車にのって颯爽と現れた。

先生によって授業の進め方はいろいろ。
自分のバックグラウンドを語る人、私達に自己紹介を求める人など。
今日は彼女は、名前と出身以外は多くを語らず主に曲を教えることを中心に進めていった。

まずは、体の柔軟、発声練習などを1時間ちょっとかけて。
見ているとハラハラする。
お腹の大きな人が立ちっ放しで体を動かしているのだから。
私達は立ちっ放しに疲れて椅子に座ったりしているというのに。

さて、スウェーデンの歌い方の特徴として「よく通る声」というものが挙げられる。
これは「大声」ではない。息の束を細く強く前に前にと出す。
何度か書いたように柔らかな教会の歌唱法とも違う。
そしてアグネタ・ストルペから何度も言われた「アーティキュラふーン」。
英語ではariticulation。はっきりした明瞭な発音のこと。
これが重要で、これがあるから「透明感」や「リズム感」が出る。
tやkだけでなく、mやnの音もとても明瞭に、大げさなくらいに発音する。

今日は6曲習い、おまけと言って3曲録音した。
歌詞は教えてくれても結構大変。
隣に座っていたCが即座にノートに書いてくれたのでなんとか乗り切れた!
感謝。

それからmajvisaと言う、5月(夏の到来)を祝う歌のCDを聞かせてくれた。
このmajvisaの伝統は、南の地方(スコーネ、スモーランド、ブレッキンゲ)しかない。

写真右上はウリカのソロCD
実は左側のCDはコピーで持っていた。
そんなことしちゃ、だめよねぇ!と思い今日はちゃんと購入した。
なのでCDの内容は知っている。とってもおススメ。
Droneのweb pageで試聴可。
他にも最近出した中近東風のCDも持ってきていた。

今日は、学校で3人も誕生日がいて(日にちは全員今日ではないけど)、学校の調理師が
オメデトウ!とさくさくアップルパイのバニラソースかけを用意してくれていた。

さて話はさらに飛び...
Björn björnに注文していたミニチュア・ニッケルハルパのアクセサリーが届いた。
(このページから、左のメニューにあるSilver miniaturesをクリック)
写真はサイズ比較のためにマッチ棒と一緒にパチリ。
他にも、ハーディンフェーレハーディガーディフルートなどもあり。
楽器は何でもできますよーと注文に応じる風のコメントも書いてある。

以前は金や金メッキもあったけど、現在はシルバーのみ。
(今後のゴールドの予定は聞いてません)
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ストックホルムでコンサート

2007-05-20 23:26:24 | 授業 その他
今日はストックホルムの音楽博物館(musikmuseet)でコンサート。
朝は9:11の電車でみんなで移動。
ベース(コントラバス)やオクターブハルパ、アルトハルパなどは車部隊が運んだ。
でも音楽博物館は12時からしか開かないので持って来たサンドイッチやりんごを表で食べながらしばし待つ...。

音楽博物館の外観は写真左上のように地味。
さらに入口は裏側に回った奥(写真右上)なので、初めて来ると「これって裏口じゃないよね?」と
ドキドキする。
でもこれが入口なのです。
ストックホルム中央駅から、サクサク早歩きで15分。
地下鉄なら一駅(Östermalmstorg)で下車。
Svenska Låtar、略してSvLと呼ばれる地方ごとの分かれた楽譜集はこの中のブティックで販売。
表に出ていないものでも尋ねると在庫確認して持ってきてくれる。

博物館の中は、ニッケルハルパを始め色んな楽器が展示してある。
それぞれサンプル音楽を聞けるようヘッドセットがついている。
おススメ度は...好みによるでしょう。
ガラス越しで触れられないのは手がムズムズする!という人は消化不良をおこすかも??

さて、12時になりさっそく中へ。
博物館からは二人のスタッフにお世話になった。
コンサートホール(写真左下)は展示スペースとは別に上階にある。
そして楽屋は階下。

着替えや楽器のチェンジが多いので工夫が必要。
私は外人で持ち服が少ないということで勘弁してもらい着替えは1度のみ。
みんなは曲ごとのイメージにあわせた服や靴を履く。
ダンサー達はもっと頻繁に衣装や靴を変える。
(ちなみに男女同じ部屋でみんな堂々と下着一枚になって着替えます)
も一つついでに言うと、このコンサートでは私の出番は最小限にしてもらった。
他にも色々とやっていて、あっちやこっちのいろんなリハや打ち合わせにさける時間がつくれないのだ。
私が週末に楽器製作を習いに行くのでさえ、いい顔されない(週末もリハがある)。

配置や備品など確認し、まずは私達のプログラムに沿うよう動線などを皆で考える。

ステージ準備が完了すると、ひとまず動線のみの通しリハ。
やはり学校でやった時と動線が全く異なるので時間がかかる。

結局、今回、楽器は全て表(ステージ横)に並べて置くことにした。
今までは裏で楽器をスタンバイしたりチューニングできたのに、表に出て楽器をつかんでからステージに上がるとタイミングが難しい。
でも階下の楽屋に置くと、温度差や移動でチューニングが狂う危険性が高くなるのだ。

それが終わると楽屋にFIKA(ティーブレイク)の準備を博物館側がしてくれていた。
サンドイッチ、クネッケブロード(スウェーデンのぱりぱり薄乾パン)、飴やバナナチップにコーヒーなどなど。

私の今日の気がかりは、昨日のトラウマ(?)で再び突如、緊張が襲って弓を持つ手が震えるのでは、と。
昨日の手の震えは学校の記録用のビデオにしっかり残ってしまったし。
大体、理由は分かる。
この曲が私の最初の出番なのだ。
で、曲の紹介をうろ覚えのスウェーデン語で言い、私のソロ・イントロで始まる。
「最初」で「しゃべって」、「一発目の音が自分」ってとこがどうもダメみたい。
まぁ、一言でいえば、ステージ慣れしていない...。

そう分析すると、何も考えないように頭を空っぽにした。
それでも波がやってき来そうな気がしたので、ここはカフェインの力を借りよう!と
階下の楽屋へ走って降り、コーヒーをがぷっと飲んだ。
そして走って階段を駆け上がると一緒にイントロで掛け合いをする友人Kをつかまえ、
「今日も手が震えたら、例のイントロ、変更するから!」と事前に伝えた。
ここまでやるとさすがに大丈夫!
いざ、ステージに出ても緊張度が昨日が10なら今日は4.5くらいだった。
結局、イントロも変更なし。

今日は、みんなも昨日より調子が出ていて順調にすすんだ。

ステージも後半になり、Sが「客席にニクラスがいるみたい?」と言いはじめた。
そんなの、私は一曲目から気づいていたけど。
頭がくりくり坊主になっていたので、ひょっとして見間違い?とも思ったけど、やはり本人だった。
みんなは全然、気づいてなかったらしい。
ニクラス作曲の曲とか弾いた人は「ひぇー!」とおののいていた。
私達のために作ったという曲で最後のレッスンの時に教えてくれた曲。
ニクラスの姓(Niklas Roswall)のRoswallとHalling(ハリングという種類の曲)にかけて、
Roswallingと名づけたナンバー。
コンサートで弾くとも本人に言ってなかったし、勝手にアレンジ加えたのも言っていないから
どぎまぎしたみたい。
(著作権支払いについては5/9に書いたように音楽の学生には発生しない)

最後は博物館の人からロココ調ニッケルハルパのポスターをもらって終了!

写真右下:帰りの電車(外は19時くらい)。車窓からスウェーデンの典型的な白樺の木々が見えます。
そして車窓の上部には、リンネ(リネア)生誕300周年のポスターが。

おつかれさまでした!
次はウプサラです。

でも、明日は特別講師ウリカ・ボーデンによる歌のレッスン。
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楽器が完成!

2007-05-19 23:42:08 | 授業 その他
今日は私達のコンサート初日。

朝は、立ち位置や進行の確認のため、演奏抜きで動きだけのリハーサル。

16:30にはストレッチと発声練習、17:00にチューニングをすますとあっという間に18時の本番がやってきた。

写真左は、今回の飾りつけ。イメージは「夏」。

今日は4回のうちの一つということで、お客さんの入りもほどよくまぁまぁといった感じ。
今日が一番ゆっくり見れると知っているためか、エスビョンや私の現在の楽器の製作者ウッレ、
レコード会社社長兼ニッケルハルパ研究家のペール・ウルフ、それにウロフ親子に、
その他先生、卒業生と勢ぞろい。
多分そういう意味では、今日が一番緊張する。
私は過去のコンサートで緊張しなかった。
なのに!なぜか今日はとっても緊張。
あるまじきことに、出だしでかなり手も音も震えてしまった...←こんな気持ち

さて、コンサート休憩の合間のこと。

まずは、ウッレ・プランに頼んでいたニッケルハルパ用フライト・ケースが出来上がって持ってきてくれた。
約800クローネ。
ラーナリムのニクラスが使っているものと同じもの。
頑丈そう!

そしてエスビョンに呼ばれた。
行って見ると...

な、なんと楽器が完成
今週はずっとかかりっきりで作業してくれたらしい。
びっくりするやら、うれしいやら!
(でも仕上げの作業を見れなかったのはちょっと残念)
ブリッジが、置いたばかりだと数日間は動くらしく、またA線の弦も変えたいと言って
ひとまず受け取りは後日。
写真は明かりがあまりないところで撮ったものなので、次回きれいに撮って掲載するつもり。

それから今日はもう一つ。
受ける予定のオーディションの日取りが決まり通知が届いたのだ。
うーん、困ったなぁ。
今日のコンサート、ソロでもないのにあんなに手が震えたし...。
困難な道が予想されます。
自分と他人からの期待とプレッシャーで、ぺしゃっとつぶれるかもね。

コンサートの最後は一人ずつバラをもらっておわった。
前回は渡されたとき、とげの部分を握りイタタ!と飛び上がったけど今回はトゲは処理してあった。ほっ。

コンサート終了するとウロフの子供達が走る、走る、走る。
上の子は私にスウェーデン語が通じないのもおかまいなしに、ニカっと笑って話かけてくる。
ニカっとしたまま固まっていて、何かと思ったら抜けた歯を見せびらかしたかっただけみたい。

とりあえず1回目終了。
明日はストックホルムの音楽博物館です。
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新緑と花

2007-05-18 23:43:02 | スウェーデン生活
写真は最近の新緑の様子。

写真右上は、学校の裏にある、りんごの木のつぼみ。
もう、今にも花が咲きそう。

今日は最終リハの後、自転車でスーパーへ。
その途中で遭遇した、ヤギの放牧(写真左下)。

写真右下は友人のバイオリン。ストリング・ホルダー部分に花が!
1940年代に流行ったらしい。

明日から1週間やるコンサートを前に今夜はみんなで、中庭でソーセージを焼いてリラックス。
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打ち合わせ

2007-05-17 23:16:38 | 授業 その他
今日と明日は祝日だけど、土曜がコンサート初日なので先生のディッテがきてリハーサル。
練習、リハと連日続いてまだやるの?と思う人もいるかもしれない。
でも、個別の練習と全体を通すリハはまたやることが違うのだ。

「椅子ないよ!」とか、
出番を勘違いして「Eがいない!どこいったの!」とか
「私の立ち位置ってここだっけ?」とか
「譜面台、誰がスタンバイするんだっけ?」とか
退場する人と入場する人のタイミングが悪かったり
問題は次から次へときりがない。

写真はリハの様子。
左は、ヘルシングランド地方の曲にあわせてスモーランドのスレングポルスカを踊る様子。
右は、ハリング。演奏している人も最後ステージから降りてダンサーの間へ。
写真片隅に写っているのは、PC片手にリハをチェックするディッテ。

通しリハ、ディッテからのコメントをもらうと15時。
皆で遅いランチを作った。
今日は祝日なので調理師はお休みなのだ。

でも、私はここからがまた大変。
昨日のブログで書いた「演奏するかも」は、演奏することになったのだ。
本番は来週の火曜なので、さっそく一緒に弾くカイサが15時過ぎに打ち合わせにやってきた。

カイサは去年、日本に招待(ミュージシャンとして)されたことがあり、日本の話に花がさいた。
和式のしゃがむトイレ、水洗トイレについている「音姫」など、えらく驚いたと言っていた。
バス停でバスを待つおばちゃんがヤンキー座りしているのも驚いたらしい。
あんなポーズ、足がぷるぷるして出来ない!って。
私もスウェーデンのどっきりトイレの話をすると「ありえない!」とカイサ。
いや、ありえたのです。まぁ、運が悪かったのかな。

さて、曲を決めていきます。
来日時に誰からか日本の童謡を習ったそうで、そこから一曲。
それと「さくらさくら」のあわせて2曲を演奏プログラムに入れた。

私からみると先生のような存在のカイサと一緒にプログラムを考えるって!?
と、どぎまぎしていたけど、そこはさすがプロ。手馴れたもの。
「これ弾ける?」「これは?」とセッションのように次々と一緒に弾いて試しては、
いい感じだと「じゃあ、これ弾こうね」と書きとめていく。
書きとめなかった曲については「イケテないね」とは決して言わないのである。
そのフレンドリーなすすめ方がまたプロだなぁと感心
そして「当日、楽器や歴史の説明などもするから日本語に通訳をして欲しい。
今、試しにちょっとやってみよう!」と。
英語では簡単な表現でも日本語だとさら説明が必要な箇所があり、練習してみてよかった。
やはり、そういうとこに気がまわるカイサってさすが。
その日、私にも民族衣装を貸してくれるらしい。
孫にも衣装...違った、馬子にも衣装で、少しは似合うといいけど。

それが終わると夕ご飯を口に入れる暇もなく、18時からコンサートのリハを2時間。
はー、さすがに疲れますぅ。
私達が「B.O.B.」と名づけたダンス(伴奏)で、今日はダンサーがもめ始めた。
踊り始めを2小節目と決めると、一人いやがった。不自然だと。
踊り終わりは、ニッケルハルパの残響が消えるまで固まったまま待つと決めると、やはり一人が嫌がった。
いかにも振り付けたみたいで嫌だ、と。
「でも、これは振り付けなんだから」と誰かが言い始めると「振り付け」論と「自然っぽく」論が勃発。

という訳で、今日も疲れました。
でもコンサート初日まで後わずか!
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