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スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

国際理解セミナーを終えて

2025-01-22 09:41:54 | ニッケルハルパ

12月に明石市で国際理解セミナー「スウェーデンの伝統音楽とニッケルハルパの響き」を終えました。沢山の方にお越しいただきありがとうございます!

2023年にニッケルハルパ・ネットワークが世界遺産の無形文化遺産に登録されてから、きちんとした場でお話をする機会がなかったので良い機会になりました。今回の、継続して開催されている「国際理解セミナー」が音楽を扱うことが初めてとのこと。親しみやすい内容にしたほうが良いよなぁと思いつつ、このブログを前から読んでくださっている方は想像つきますよね?結局、今まで解説やお話をしてきた内容を全て一旦用意して、そこから削って削って、大分削ったけどそれでも割と濃い内容になってしまいました

参考に、今回のセミナーのトピックを紹介します。演奏は10曲です。


♪オープニング1曲

1.スウェーデンの概要(スライド動画)

2.伝統音楽とは。特徴3つ。

♪伝承曲の例として、湖に住む妖精にまつわる1曲

3.ニッケルハルパの簡単な紹介。

古いタイプのニッケルハルパ、歴史、製作過程について(スライド動画)

♪Byss-Kalle、♪Eric Sahlströmの曲、2曲

4.スウェーデンのダンス、ポルスカとは(動画)

♪ダーラナ地方のポルスカ・メドレー ♪ウップランド地方のBondpolska、2曲

ポルスカのバージョンとして、スレングポルスカ、メヌエットのダンス紹介(Youtube動画を再生)

5.個性的なダンスとして、Hallingの紹介(Youtube動画を再生)

♪Hallingの演奏

6.口伝の音楽と楽譜の音楽。スウェーデンに残る古い楽譜集とは

♪Magnus Teorin1曲

Gustav Blidstromの楽譜集について

♪Gustav Blidstrom1曲

♪最後に、ダーラナ地方のクリスマス曲


こんな濃い内容で大丈夫かな?と少し心配もありましたが、最後の質疑応答や終了後に感想を言ってくださった方から、いつまでも聞いていられる、ずっとこの活動を続けてください、という言葉をいただき本当に感謝です!

スウェーデンの伝統音楽は、水のよう。ごくごく飲んでも飽きることがなく、また飲みたくなる。「ずっと聞いていられる」と同じように感じる方がいて嬉しいです。

同じスウェーデンの伝統音楽でも、アレンジしたり着飾ったりすると、途端にフレーバー付きの飲み物のようになって...つまり、飽きたり目移りしてしまうように感じます(でも、たまに、そういうのも欲しくなります)。そのままの良さを伝えたい。ただの水じゃなく、山の湧き水のように生きている瑞々しさを伝えられたらいいなといつも思っています。

日本でスウェーデンの伝統音楽を扱う音楽活動というのは、技術面での評価がされにくく、演奏以外の魅力でファンを大勢ひきつけたりファンのための活動などをしていないと継続も難しく、私のように真面目にこつこつと地味に活動していると独りぼっちの気分になったり、自信を失ったりしてしまうのです。「ずっとこの活動を続けてください」という言葉に報われる思いがしました!

自分のしたいことをやりたいようにやっているだけだと思っていたけど、やはりこうして態度や言葉で支援をたくさんいただいてきたんだなって改めて思いました。この企画を提案くださった方々、そして今この記事を読んでいる方にも、感謝です!


ニッケルハルパのボーイングについての議論

2024-04-30 14:56:28 | ニッケルハルパ

ハレステンマ Hare Stämman 2024 7th北欧の森音楽会

今年も松阪行きます!

第7回ということは、2年目から毎年参加しているので私は6回目の参加です。昨年くらいから徐々に忙しくなり、ほとんどの演奏はお断りしていますが、こちらは外せません。というより、遊びのように気楽に参加させてもらえるので可能なのだと(ありがたい!)。そんなリラックスした北欧の本当のステンマ(伝統音楽イベント)のようです。現地でお会いしましょう!

猫のFIPのその後

前回のブログで触れた猫のFIP(数年前は致死率ほぼ100%の病気)。投薬はかなり早期に終えて観察期間中。再発しないか注意しています。数年前に薬ができた時は100万だとか、その後に60万だとか、高額費用がかかっていました。最近、お聞きした知り合いの例では20万くらいになったそう。でも、うちの猫は今のところ(再発しなければ)10万かからず、また保険で支払われます。地域によっては高額な薬をつかう病院しか近隣にない場合もあると思いますがが、ネットでは最新情報が追いつかないようで、新旧の情報であふれています。うちの実際の例です、とお伝えできたらと思ってここで少し触れました。※情報があまりにも少ないので、ネットで探せた論文、参考文献にある資料、海外で公開された医療記事には全て目を通しました。

 

今回のトピックはニッケルハルパのボーイングです。先日、FB(フェイスブック)で白熱議論が勃発していました。

ボーイングの議論:クラシックバイオリンのボーイング VS ニッケルハルパのボーイング

ボーイングについて尋ねる質問に対して、100件を超えるコメントがついていました。質問は「ニッケルハルパのボーイングはクラシックバイオリンでいう、どの持ち方をするべきか?バロック風か?」というもの。また読み進めると「バイオリンのボーイングは車のワイパーのようにカーブしてはいけない。ブリッジに平行に弾かなくてはいけない」ので、「ニッケルハルパではまっすぐ弾くことができない」悩みがある、とのこと。他にも爆弾発言した人がいて(クラシックの基礎がある人が良いミュージシャン的な)脱線したほうも白熱していましたが、この最初の質問に対して「ニッケルハルパはバイオリンではない」という答えがずらっと並びました。

「バイオリンを弾いているとニッケルハルパを早く弾けるようになる」という話はたまに聞きます。弓で弦をこする楽器なので、ギターやピアノより早く手になじむかもしれません。ただ、それは最初だけかなと思います。

ニッケルハルパの発音(音の出し方)とボーイング

私は「弓の毛で弦をつかんではなす」というのをスウェーデンで徹底して仕込まれました。違う表現では(FBでは)「attack」と言っていました。アタック。なぜかというと、触れもしない共鳴弦を最大限に鳴らす必要があるからです。でも、ビオラダガンバのような、柔らかい音は好まれません。なぜかというと、スウェーデンの伝統音楽を弾く場合、ダンス音楽なので独特のリズム感、ノリというのが必要で、それは柔らかくは弾けません。ニッケルハルパは、澄んだまっすぐな音が好まれます。ダンスの回転をぐっと押し出すようなスウィング感も重要でですが、そちらは曲によりますがニッケルハルパは苦手で、フィドル(バイオリン)のほうが得意かと思います。

こうした「共鳴弦を鳴らすために最初に弦をつかむ」「ダンスのノリ」を出すには、手首はリラックスして力は入っていないものの、バイオリンのように大きく手首を返しません。自然と少し返す程度です。

また、バイオリンでは「ブリッジ(駒)に平行に弓を動かす」と最初に徹底しますが、ニッケルハルパは肘を固定するので、ボーイングは自然とカーブします。以前、クラシックバイオリン奏者Aさんが私のニッケルハルパを試し弾きした時に「やっぱり弓は平行に弾くと音が一番美しいですね」と言ったので、私も「?」と思いつつ、まだ始めて間もないころだったので自信がなく、つい「そうですね」と返してしまいました。が、今言われたら「そんなことはない」と言えます。Aさんが平行に弾くと美しいと感じたのは、Aさんにとって接点をズレずに同じプレッシャーで弾くのに一番慣れた方法が「平行に弾く」ことだったのでは?と思います。

腕はカーブするけど、弓の毛と弦のコンタクトポイントはズレません。「肘を固定し、弓の動きは自然とカーブするけど、接点はずれない」この練習を徹底するのがニッケルハルパです。あまり平行ボーイングに固執すると、「手首を不自然に曲げないといけない」「肘が浮く」となってしまいます。

※カーブして内側に弓が入ると、体にあたり弾きにくいので、私は「アップボウでは左肩を狙う」と習いましたが、今はそう教えていないようです。

弓の持ち方

ニッケルハルパにも「弓の持ち方の基本」はあります。最初に習うことは習うのですが、弾きなれるうちに調整していって...結局、人によります。

それは楽器を体で受け止めて(何年も弾くと肋骨下付近に凹みできます)右ひじは楽器に固定するので、楽器の位置、肘の位置と、定点が体形で違います(背が高い、痩せている、腕や肘下が長い、肩幅が広い等々)。個人差があるので、「1.リラックスして弾ける状態で楽器を構える」の次は、「2.正しく弓を動かせるか」が重要です。その次に「3.1と2が上手くいくよう弓を持つ」となるため、弓の持ち方も人よるのです。ですので、正しく弓を動かすために、弓を短く持つ人もいます(フロッグ付近ではなく)。実際のところ、弓も自分の腕の長さにあわせてオーダーで作ってもらうのですが、たまたま長い弓を使う場合は短く持つ、ということです。

それと、ニッケルハルパでは、弓に置く人差し指の位置は、深く持ったほうが安定して弾けます。Emilia Amperは、人差し指は第一関節よりも下の部分を使うそうで、手首がリラックスして弓の角度もちょうど良いとFBで返答していました。私も曲によってそう持つかも、と分かる気がしました。

クラシックの基礎が必要か

FBで脇道にそれて盛り上がっていましたが、反対多数だけど正解はない、というところで落ち着いたようです。

音楽の基礎があれば理解が早いでしょう。ただ、スウェーデンの伝統音楽は、楽譜から生まれた音楽ではないので何のジャンルの基礎があっても、知識があればあるほど、演奏方法が固定しているほど、それが足枷になってその先に進めなくなるようです。困っている人をよく見ます。

例えば、スウェーデンの伝統音楽にありがちな不均等な拍やリズムいついて「各小節の頭は均等に来るのでは?」といったことを考えているうちは、生き生きとした演奏ではない、それでは踊りにくい、と言われ続けます。また、滑らかで美しい芸術的な音色や表現力を追求しても、ニッケルハルパらしい音ではない(やりたいならバイオリンですればいいのに)、とニッケルハルパ仲間に言われてしまいそうです(例えば、三味線でバッハを追求するような...。反対はしませんが、三味線には三味線のテイストがありますから)。

きっとこの記事を最後まで読んだ方はニッケルハルパを弾いていて興味がある方では?と思います。難しく考えすぎず、楽しいニッケルハルパ・ライフを!


ニッケルハルパ・ネットワーク、世界遺産の無形文化財に登録!Nyckelharpa network UNESCO

2023-12-08 21:34:44 | ニッケルハルパ

感無量で言葉がありません。エスビョンと何年にわたりこの話をしてきたでしょう。(エスビョンが先導してこのプロジェクトを進めてきました)

以前あった動画は再編集されて、UNESCOのチャンネルで公開されています。

Nyckelharpa network, an innovative dissemination of a music and instrument-building tradition

この話についてはまた今度、時間がある時に書きなおそうと思います。

去年は、このブログでノミネートの話を書いています。その時の記事はこちら。

https://blog.goo.ne.jp/nyckelharpa/e/5000cef3dbae21a6f0a373474b3bc190


12/10(日)大東市のケイット 北欧クリスマスマーケット

ニッケルハルパとハーディングフェーレとのデュオfissで演奏します。クリスマス曲が中心です。11時~、14時~。他にも、suguriセッションハウスの皆さんの演奏やダンスなど楽しい企画がもりだくさん。

ハーディングフェーレはチューニングが複雑ということもあり、11時の回と14時の回ではチューニングを分けて、曲をガラッと入れ替えます!1

そして、12/16(土)は埼玉に行きます!数年ぶりのハンボヴェンネルナ。久々の皆さんに会えるのを楽しみにしています。都合により今回はニッケルハルパではなくフィドルで行きます。


スウェーデンの伝統音楽は明るい?暗い?

2023-09-27 16:24:00 | ニッケルハルパ

やっと!3か月ぶりに予定のない日がやってきました(朝と夕方以降は予定ありますが、日中フリー!)そういう日に限って眠くなってきて...いやいや、寝ると一瞬で夕方になるので耐えます!

9月に、LUFTのコンサートのゲスト出演を予定していてお知らせせねばと思っているうちに、都合により延期となってしまいました。3月頃の予定です。お楽しみに!

さて先日、小学校の音楽クラブでニッケルハルパを紹介しました。正課クラブなので授業の1時間枠。「3曲くらいで終わってもいいし、1時間やってもいいしお任せします」とのこと。私にとって小学生相手は初めて。何をするかちょっと悩みました。楽器紹介はいつもいつもやっているものの、「興味をもって聞きにきた大人向け」がほとんどです。特に興味があるかもわからない小学生向け...一人だとソロ演奏をしてもパッとしないし悩みます。

悩みながら、いくつかピックアップしてみました。(楽器紹介の機会がある方は参考にどうぞ)

・スウェーデンの紹介動画(地図や風景、ニッケルハルパの学校、楽器制作の様子やごはん等)

・口伝の村の曲とは?ダンス曲とは?そして、歌の曲や羊飼いの曲など。

・代表的な曲や、昔話がセットになった曲の演奏

・明るい曲か、暗い曲か分からない不思議メロディの紹介

・伝統音楽のドローン・ミュージックとは?

・ロングダンスを踊ってみる!

挙げるといっぱいですねでも、どれも捨てるにはおしい。

結局、整理してこうしました。

 0.1曲聞いてもらう(Dansa flickor)

 1.動画でスウェーデンの紹介

 2.代表的な曲、昔話がセットになった曲の演奏(Byss-Calleなど)

 3.口伝で村人が弾く説明。ダンスの紹介(回転するポルスカと、歩くメヌエット)。実際に私が伴奏した時のダンスの動画を見せて、ダンスをイメージして弾く場合と、ダンスをイメージせず楽譜通りを意識した弾き方を聞いてもらう。

 4.伝統音楽によくあるドローン・ミュージックとは?(歌で紹介)「私がメロディを弾くので、皆はドローンを弾いてみよう!」(Näs Ingars polska)

(5.時間があれば、ロングダンス)※結局、時間がなくて4の「みんなで~」で終わりました。

当日。いちばん最初に「スウェーデンってどこにあるか知ってる人~?」 →「…。」ゼロ!はじめてのゼロです(予想はしてた)この白紙状態の子どもたちに初めて紹介する人と思うと、ちゃんと魅力が伝えられるといいな~と思いながら進めました。小学校高学年はお行儀が良すぎて反応があまり分かりませんでした。楽しんでくれたらいいのですが。終わった後、校長室に呼ばれ、家に帰って「人生初の校長室~」と言うと、「友だち、3回くらい呼ばれてんで。親も一緒に。」あーいや、それは違う用事じゃない!?

北欧の伝統曲、明るいのか、暗いのか問題

今回、小学生には難しいかなと思って省いたのですが「明るい曲か、暗い曲か分からない不思議メロディの紹介」というもの。スウェーデンの伝統曲の特徴をよく表しています。曲がdur(メジャー)から途中でmoll(マイナー)に変わる分かりやすいものもあれば、メロディの中でメジャーとマイナーが入り混じった曲も多いです。はたまた、dorisk(ドリアン・スケール)、myxolydisk(ミクソリディアン・スケール)などメジャーでもマイナーでもない「モード」の話もあります。この世は明るい音楽と暗い音楽だけでできている訳じゃないって伝えたくて「不思議系のHallingを聞いてもらって『明るいと思う?暗いと思う?』と問いかけたるのはどうか」と思ったのですが、「小学生はメジャーやマイナーの存在をそもそも理解してないし、ドリアンとか聞いただけで脳がストップする」という家族のアドバイスに従って、この話題はやめたのでした。

ただ、これ、改めて考え始めると奥が深くて面白いのです。日本では語りあう相手もいなくて、一人で「深いな。沼だな。」と感心するばかりです。誰かと共有したいな~と思って、ここに書くことにしました。

neutral intervalとは?

少し昔に、伝統音楽奏者のAnders RosenがSNSで「neutral interval」について書いていたのを思い出しました。フィドルは音程がはっきりしないまま弾けることもあって、「どっちなんだろう」という思う音がよくあります。「本人もどちらにしようか弾く度に決めかねている」「忠実にこの音程と決めている」「適当に弾いているだけ」など色々と思うところがあります。(※伝統的にこの曲は間違いなくこの音程、という曲はちゃんとあります)

このニュートラル・インターバル、ニュートラル・サードneutral thirdという言葉もありますが、理論的に理解しようとすると難しくて、簡単に例えるとドミソ和音のミが「ミbとミの間の音(マイナーの音より高く、メジャーの音より低い)」ということです。だから、明るいと思えばそう聞こえるし、暗いと思えばそう聞こえます。

1オクターブを12音階ではなく24音階にすると、スウェーデン語でkvartstonクヴァッチ・トン(クオーター・トーン)、4分の1の音と言いますが、それでいうと「マイナーの音よりkavrtston一つ高く、メジャーの音よりkvartston一つ低い」と言えます。

そういう風に古くは演奏されていた曲を現代の一般人が演奏すると、上がると明るく、下がると暗く、のように、ミなのかミbなのかどちらかに決めて弾いていると思います。そうすると、dur(メジャー)とmoll(マイナー)が決まってしまい、両方が入り乱れる曲になります(それはそれで面白い)。もちろん、忠実にこのニュートラルな音程で演奏する人もいますが、かなりツウな人のイメージ。

(※さらに、フィドルはピアノのような平均律では演奏しないため、本当はもっと複雑な話になります。ですが、伝統的にはソロ演奏が主流だったので純正律を意識していたとも思えず...。ニッケルハルパもチューニング方法が独特で、フォークチューニングと呼ぶ人も。 →沼ですね。誰かと語りたい...

このSNSで話題にあがった中で、ノルウェーの歌をSNSであげている人がいました。明るいのか暗いのかはっきりしない曲だな~と、とても面白い曲だと思ったのでURLを載せておきます。

Aslak BrekkeのStåle Storli

https://youtu.be/dW-cmYEd24k?si=E1hv8tEfmIbgO-KI


Lirica&michikoの動画

2023-01-21 12:02:43 | ニッケルハルパ

今日で、東海大生涯講座のスウェーデン語講座が一旦終了になりました。前も書きましたが、すごくおすすめです。次回の開講までDuoLingoのアプリでスウェーデン語やろうかな~と思っているところです。

先日はnetflixの、ウィッチャーでニッケルハルパ演奏シーンの紹介をしましたが、また別のドラマでも使われたそうです。

Erik RydvallがSNSに書き込んでいました。こちらもNetflixで見れるドラマで、「ヴァイキング~海の覇者たち~」の続編、「ヴァイキング~ヴァルハラ(Vikings ~vallhala)」で、Erikがニッケルハルパとムーラハルパmoraharpaでレコーディングしたそうです。おそらくウィッチャーと違い、演奏シーンはなくBGM参加だと思います。(ニッケルハルパのファンには良いニュースですが、私はこのドラマ、実は苦手なんですよね~残念ですが、海の覇者のほうを2~3話みて脱落しました。この時代、本当にそのくらい残酷だったのでしょうが...

 

さて、Liricaさんとの先日の演奏、Liricaさんが一部アップしてくれました。音はPAなしでちょっと過酷な環境でしたが、デュオの雰囲気が伝わると思います次回の演奏は未定です。

Polonäs efter Gustav Blidström


海外ドラマでニッケルハルパの演奏シーン

2023-01-15 14:41:03 | ニッケルハルパ

Netflixのウィッチャー(The Witcher: Blood Origin)という海外ドラマにニッケルハルパが使われました

2022年12月、SNSで本人やその友人たちがアップしていました。本人というのは、イギリスのヴィッキー・スワンVicki Swanです。ソフィア・ブラウン扮するアイレÉileというエルフの戦士役の俳優に、楽器の持ち方、演奏方法などを指導したそうです。アイレが演奏しているシーンでは、ヴィッキーが演奏。演奏シーン以外でニッケルハルパの演奏が流れる時はエリック・リドヴァルErik Rydvallだそうです。

ニッケルハルパを検索すると、スウェーデンの伝統楽器なのに、ヨーロッパ他国のミュージシャンがたくさん出てきます。良く知らない人が検索して出てきたら上の方の動画は皆お手本のように見えるかもしれませんね。ですが、ヨーロッパ各国で演奏されるニッケルハルパは、音色、奏法、選曲や好み、どれにおいてもスウェーデンとは異なるんですよね。どんな楽器だろう?と検索すると、ちょっと本国のそれとは違うということも

ですが、このヴィッキーに関しては、スウェーデンの伝統曲やスウェーデンの奏法を基本として活動しているので、皆さんも参考になると思います。

もう一人名前の出たエリック・リドヴァルは、スウェーデン人です。私がスウェーデンにいた頃は、大学生か、院生か?でした。その頃からカリスマ性があって、目の前にいてオーラが違いました。今では、クラシックやその他色んなジャンルに取り組んでいて、幅広く活躍するミュージシャンという印象です。

今回はニッケルハルパが目立つ使い方をドラマでされたようですが、実はゲーム音楽などではCajsaなどベテランが演奏したものもあります。知らずに耳にしているかもしれませんね!

※ちなみに、私はまだそのドラマ見ていません!

Polska efter Wilhelm Gelotte

さて、先月12/8の記事でWIlhelm Gelotteのポルスカについて触れ、その中で「Youtube動画アップします」宣言をしたのに全然できていませんでした

どんな風に撮りたいかとか、何にも考える余裕すらなく...。最後に弾いたのは、12月のリリカさんとの演奏が最後。年も明けると焦ってきました。やっぱりブログに先に宣言するって大事かも。そうじゃなければ、「まあ、いつか」となりそうです

それで、昨日の15時に突然、「撮る!」って家族に宣言しました。テーブルを動かしてカメラセットして...そしたら、撮影を頼んだ家族が歯医者の予約があると行ってしまい、帰りを待って慌ててとりました(この時期、日暮れが一瞬で。16時過ぎに始めたので本当に焦ってしまいました。せっかくセットしたので日を改めたり、夜もう一度セッティングするなら「またいつか」になりそうで)。慌てて撮ると、やりなおしたい箇所もいくつかあったりしたのですが、考えるのも面倒になってしまいそのままアップしました。(16分音符の粒がそろっていない箇所、最後若干はしっているところなど...)

音は未加工です。ニッケルハルパは自然のリバーブがあるので、ソロなら十分未編集でいけるかなと思います。ソロだと面白くないので、こちらも大慌てでステンマ(伴奏のこと)を撮って、それだけ重ねる編集をしました。音量バランスも触りませんでした(スウェーデンの伝統音楽で弦楽器デュオの場合は、伴奏をメロディより下げることはあまりしません)。

https://youtu.be/RKllkExwPXo

奏法

スウェーデンの伝統音楽をあまり知らない方に、音を短く切る、と勘違いされることがあります。基本的に、全てのダンス曲で、通称「8の字ストローク(オッタ・ストローク)」と呼ぶボーイングで演奏します。「短く切っている」ように聞こえますが、実は違います。速く弾くと分かりにくく、少し速度を落とすとはっきり分かると思います。この8の字ストロークで弾くと、スウィング感が出て、一音の中に強弱が生まれます。つまり音がブツ切りになりません。弓を止めたり、音を切ったりせず、弓を揺らすように弾いてみてください。動画は(焦って)少し速く弾いてしまったので、分かりにくいかも。

ただし、全ての音で、と書きましたが、ニッケルハルパの基本のボーイングは、まっすぐ、弓の毛を弦に引っかけてパーンと弾きます。この基本と、スウィング感を出す弾き方をここ、そこで、ミックスさせると丁度よいと思います。

Polska efter Wilhelm Gelotte (Byss-Calle #31)


Wilhelm Gelotteのポルスカ(Byss Calle nr. 31)

2022-12-08 17:13:36 | ニッケルハルパ

追記:やっと動画をとったのでリンクをはっておきます。この次の記事(2023/1/15)にも曲の奏法について書きました。https://youtu.be/RKllkExwPXo


前回は、お知らせ欄に「伝統音楽とオリジナリティのバランス」という割と濃い内容を書いてしまいました。

続きを書こうと思いましたが、どちらが優れているというものでもなく、誤解なく丁寧に書こうとすると長くなるしどうしようかな~と思って今回はやめておくことにします。書きかけたのですが説明ばかり続き、退屈に思う人が多いかも...と思いまして

さて、レッスンで生徒さんにByss-calleビス・カレの31番を弾きたいと言われました。たまにはYoutubeにあげてみようかなと思っています。(先延ばししないよう、先に宣言...)

この曲は、Wilhelm Gelotte ヴィルヘルム・イェロット(1859-1950)というフィドルとクラリネット奏者が弾いていた曲で、Byss-calleの曲と言われています。スウェーデンでは、WはVの古い形です。ヴァーサ王のヴァーサは、旧式ではWasa(最近だとVasa)とつづります。だからWilhelmはヴィルヘルムと読みます。スウェーデン人っぽくない印象ですよね。元は、Wallon(Vallon)ヴァルーンです。海外からの移民で、17世紀に現在のベルギーにあたる地域から、製鉄関係の労働者がたくさんウップランド地方にやってきました。その後の子孫も鍛冶屋や製鉄所の労働者が多いです。ヴィルヘルムもそうです。庶民ですが、子どもの頃からフィドルが上手で、10歳で結婚式での演奏デビューをしたそうです。軍隊にいた頃はクラリネットを演奏していました。

Byss-Calleの楽譜集では31番目ですが、Anders Liljeforsの楽譜集(1929年)に書かれている曲です。年代からすると、Liljeforsの楽譜からとってきてByss-Calleの楽譜集に入れたのだと思います。

この曲は、弾いていると、フレーズが前に進まずその場で周回しているような?あれ?という感じがしてビスカレらしいです。ビスカレが本当にそう弾いていたのかはわかりませんが、1800年代にオルガニストやピアニストが採譜したビスカレの曲はなぜかそういう感じのものが多いのです。

先に演奏ポイントを言うと、こんな感じです。

・16分音符の滑舌の良さ、ところどころのドゥブル・グレップ(ダブルストップ)

・しっとりめの曲と受け取る人がいるかもしれませんが、ダンスチューンなので「オッタ・ストローク(8の字ボーイング)」と呼ぶスウィング感を消さないこと。

・スレングポルスカのような均等な曲だと思っても「実はポルスカ」感あり。※この曲に限らず、本当に均等なケースはそんなに多くないです。

今、子どもに「オッタ・ストローク」を教えていて、「なんか難しいな、コレ」とぼやきながら頑張っています。PumaのDVDでFriar visaを見て練習中。まだマスターしていない方、一緒に頑張りましょう!

12月中旬まで忙しく、今月中に動画を撮れたらいいなと思っています。

その次にやろうと思っていることがあり、以前、「スウェーデン伝統音楽用語集」というのを作ってウェブにアップしていたのですが、覚えている方はいますか?ジオシティーズのサービス終了に伴い、そのウェブも閉鎖していました(このgooブログもいつかサービス終了するのか!?)。データはどこかに残しているはずなので、どこかでまた公開できたらなと思っています。


お知らせ

12/10(土)lirica&michiko 阪神梅田本店 クリスマスマーケット 催事場 11時30分、14時30分、17時00分(各回20分)

※予定は変更になる可能性があります。


再会、出会い(ノルディックウーマンの続き)

2022-11-27 17:48:00 | ニッケルハルパ

再会

スンニヴァに会ってきました。この直前のブログで書きましたが、留学先のクラスメートで、つい先日まで「ノルディックウーマン」で来日公演をしていました。ホテルまで行って、10数年ぶりの再会。開口一番「あの時は英語が下手でごめんねー!」って言われて。「は?」と思いましたが、「いやいや、私なんか英語は忘れていく一方だから」と言ってお茶にいきました。

カンテレのあらひろこさんもホテルのロビーでお話して(初対面ではないけど、お話するのは初めて!)一緒にお茶に行くことに。淀屋橋付近だったので川沿いを歩いて、「ウメオUmeåの夏みたいね~」と言います。11月中旬だけど、スウェーデンでだとそうかもね。私が、梅田の高層ビルを指さして「昔、ヴェーセン(私たちの先生)があそこでビルで、ガラス越しの夜景をバックにコンサートしたよ」「うそー!」とか言いながら、大阪府立図書館へ。明治時代からのレトロな建物です。ここに、Smørrebrød KITCHENというカフェがあり、そこでお茶しました。スンニは、そのカフェメニューを見てえらい爆笑してます。デンマーク語名のカフェなので、デンマーク風なのかな?私には爆笑のツボが分かりませんが、「パンにバナナがのってる」と言うので、日本人のなんでものせちゃえ精神あふれるオープンサンドってこと?そして、マシンガントークのスタート...。ああ、なんか、妙に腑に落ちました

当時、スンニヴァはじめ、みんな仲が良く話も良くしていたけど、スウェーデン人って実はそんなに英語が上手じゃないんです。アメリカのドラマ見て育った子は別として、最初はそうでもない。よくあるのは、大学が全部英語で講義とか、数か月のバックパックの旅や留学など経て上手くなっていって、社会人になると仕事で(EU圏で)英語使いネイティブ並みになるコースが多くて(その機会が欠けたり、機会が遅いと、しゃべれるのも後ろにずれていく。)確かに、スンニは、深い話好きや授業のフォローをしてくれる固定メンツには入ってなかったわー。英語トークをもしかして避けていたのかも。こんなにおしゃべり好きだったなんて、知らなかった!私こそ「スウェーデン語しゃべれなくてごめん!」です。年数たっても、こうやって再会して話ができて本当に良かった やっと、今になって、東海大のオンラインのスウェーデン語習っています。スウェーデン人の先生、むちゃくちゃ教え方が良いです

それで、東京公演の音のこと聞きました。各公演で音響は違っていたそうです。東京(上野)の場合は、東京在住のフィンランド人が音響スタッフとの間に入って伝えたり手伝ってくれたのだとか。それと、やはり鍵盤の音はわざと入れているそうです。入れたいところで鍵盤を強く、弱く、とコントロールしているそうです。鍵盤の音だけでなく、楽器から出る余分な音、全てが音楽の一部という考えなんだと。グースネックのクリップで高い位置のマイクで全体の音を拾っているそう。「マイク通してプラスチックみたいなピカピカの音になるの、あれ嫌よね?」と私が言うと、激しく同意。「単に演奏良かったね、と言われるより嬉しい」と言われて、私もヨミが当たって嬉しいです

私の肩こりがひどいのも覚えていてくれて。そこから練習の話になりました。「練習したら疲れない?肩こり無い?」と聞くと「無い」と。「じゃあ、練習ってどのくらいしてる?」と聞くと、「30分。それ以上はしない。疲れるからね。」「ええ?コンサート前も?30分を日に何回か?」と聞くと「ううん、一日で30分。」ああ、また、私はスウェーデン風の練習スタイルを忘れてしまっていたようです。カンテレのあらさんにも聞いたら「あんまり...」そう、そうなんですよ。才能あるミュージシャンは練習なんかしないんですよ

確かに「5分以上、練習しない」とか、長時間練習することがどれだけ悪いか、留学中も聞いたし、3年ほど前に来たダニエルからも言われていたのを思い出しました。「マインドセットよ~!」とスンニは言います。「働きすぎ日本人」、「残業が減らない日本人」、「苦行が好きな日本人」次々と頭に浮かびます💦以前書いた練習についての記事がありますが、そこにライブ前だと1~2時間を日に何度かすると書いていたのでその箇所は削除しました(皆さんが真似しないよう)。カフェをでて、タコ焼きたべる!というので法善寺横丁まで行こうとしたのですが、時間も過ぎたし疲れもあって、目の前の「はなまるうどん」で手を打つことに。うどんを食べながら、ウメオのステンマ(音楽祭)を担当しているらしく、ウメオで早いうちに会おうと再会を約束して別れました。

出会い

さてさて、少し時間を戻して9月の話です。ニッケルハルパの弓でとても有名なフランスのジャン・クロード・コンディJean Claude Condi。彼にとてもお世話になっているという、バイオリン職人の女性が遊びに来てくれました。まだ20代と若く、フランス育ちですが、片方の親は日本人だそうで、日本語は流暢で読み書きも上手です。

ジャンクロードは、弓も作りますが、ニッケルハルパも作るし、色んな音楽関係のイベントも手掛けています。地元のバイオリン制作学校の学生の面倒も見ているんだそうです。特に、お金や色んな面で困っている学生に良くしてくれるそうで、またヨーロッパのニッケルハルパ職人のトップでEU圏の職人をまとめる存在でだったり(知りませんでした!)、話を聞いているとスウェーデンのエスビョンだなと思いました(職人のボス的存在で、面倒見も良い)。そのジャンクロードの家でミュージシャンが集まってよく演奏していて、そこで初めてニッケルハルパを見たそうです。バイオリン制作が専門ですが、日本に行ったら私に会えとなぜか言われたらしく(他の人の弓や、自分の分もいれて今まで10本くらいオーダーしたからかな)。そのフランス人の女性、自分が作ったというバイオリンを二つ見せてくれました。すごく軽くて、アンティークフィニッシュで、よく鳴るし良かったです。これからフランスに戻って自分の工房を開くところだと言っていました。SNSはしていないそうで、名前を出して良いのか聞かなかったのでまだ伏せておきます。

日本にルーツがあるので、ちょくちょく日本には来るようで、セッションなどにも顔をだしたそうでした。今回は時間がなく関西は私のところだけ(プラス観光)となったようです。北欧音楽をされている方は、彼女に近いうち会う機会があるかもしれませんね。ちなみに、彼女のバイオリンは、お店に置いてもらうと(お店の取り分で)値段がかなり高くなるので、もし気に入ったら直接買うほうがお得です。今、私ではありませんが大阪で預っている人がいて、知らない方には案内はしていませんが私と直接会う機会がある方で興味があれば声をかけてくださいね。


お知らせ

12/10 詳細後日。大阪梅田で、リリカさんと、数年ぶりのデュオです。20分 x 3回、クリスマスイベントでの演奏予定。

リハで数年ぶりに会いました。相変わらずの、これぞ、スウェディッシュ・フィドル、でした。すごく伝統的なフィドルです。数年前に来日したスウェーデン人のヨセフィーナとヨーナスにも聞いた「クラシックとは違う左手の使い方」というのも、多分りりかさんは無意識にやっていると思います(今度本人に聞いてみます)。

それはそうと、日本でスウェーデンの伝統音楽を演奏する方は、「伝統音楽<個人のスタイル」という方が多い印象です。日本だと、自己表現が主だったり、一般受けする要素をちりばめたり、聞く側のお客さんもそういう聞きやすさを求めていたり。もちろん正しいとか、悪いとか、そういう話ではありません。また、元々していた演奏スタイルに引きずられる場合も(例えば、ワルツをクラシック的に弾こうとするとか)。実は、最近のスウェーデンでも(他の演奏スタイルに引きずられるのはさすがにありませんが)似たような状況です。スウェーデンでは、ちょっと長くなりますが説明することこんな感じです。※個人的な意見です。

スウェーデンの王立音楽院で伝統音楽やニッケルハルパ奏者が卒業しはじめたのが15年ほど前。それ以降、すっかり伝統音楽の土臭さは消え、譜面で渡せば誰でも似たようなことができる(しっかりアレンジしてあり、ポルスカのリズムも分析され、クラシックの基礎練習を積んでいる)凝ったアレンジで、造りこんだ音が増えてきています。そのため最近のユニットは、伝統音楽ファン層はイマイチ盛り上がらないんですよね。という印象を私は持っています。その分、一般受けは良くなったのかもしれません。音大で学ぶこと自体が、伝統よりもオリジナリティを表現したいとか、遊びで入学した訳じゃないでしょうし、クリエイティブ志向を持った人は自然と増えていく気がします。伝統音楽ファンにいた若くて出来る子は王立音楽院を目指すようになり...。ある意味、生き残れる「持続可能な伝統音楽」という、時代に即した流れなのかもしれません。ただ、生き残っていけるのかは、まだ結果が見えず分かりません。

「15年ほど前~」と書きましたが、それ以前は「伝統音楽=個人スタイル」の絶妙なバランスがあり、楽器の基礎は別のところで習得し、伝統音楽は大学で学ぶものではなく伝統音楽奏者から学んだスタイルのミュージシャンが主流でした。自分の内面やオリジナリティを表現したいというより、伝統音楽がひたすら好き。アレンジするというより、それを仲間といじる、遊ぶ。突出して上手いユニットは、伝統音楽ファンの間でもすごく人気が出て...。そのアレンジを楽譜に書いて同じように演奏してと誰かに渡しても、全然同じように弾けない、となりそう(楽譜を使わない、楽譜から生まれたのではない音楽なので、そもそも書き表せない部分が多いため ←後で補足・追記しました)。伝統スタイルの土臭さや奏者の持ち味もちゃんとあり、黄金期だったのかなと思います。もちろん、15年以前/以降で、全員がそう、と言っている訳ではありません。傾向としての話です。※ちなみに、スウェーデンに限定した話で、フィンランドやノルウェーなど、他の北欧諸国については知りません。

70-80年代、村の奏者に習ったソロやデュオの伝統音楽奏者の時代 → 90ー2010年頃、その伝統音楽奏者から習ったバンド出現の時代

スウェーデンの音楽シーン、これからの方向性が見えないという話を時々聞きます。「伝統音楽をとりこんだ現代音楽」と「伝統的な音楽」の二手に分かれて分散していくか、やっぱり昔が良かったと原点回帰するか(してほしいな)、どちらでしょうね?

お知らせ欄に書き始めて大きな内容に膨らんだので、次回続きを書きます。


ノルディックウーマン行ってきました

2022-11-05 12:52:49 | ニッケルハルパ

メトロノームのこと、点でとらえないリズム

先日、ノルディックウーマンの公演見てきました。その前にメトロノームの話を。壊れないものだと思っていました。実家のメトロノームは何十年使ってもまだ健在。先日、木製の振り子式の高いメトロノームを買ったのですが2か月で鳴らなくなり、4千円ほど払ってメーカに修理依頼をしました。戻ってきたら...かっちん・かちん・かちん・かっちん...って一定のリズムに聞こえない!実家の父が人間メトロノームのような人なので、電話をして「ほら」と聞かせたけど「電話じゃ、わからんばい」と。電話通信も信号が安定しないのか...この世で絶対に正確なものって何なんでしょうね。他の電子メトロノームで確認したら、やっぱりズレます。あの修理代は何だったのかとメーカーに言おうと思っていたら、昨夜、家族が派手にガッシャンと落として再び鳴らなくなりました。あーあ。高かったのに。先ほど、ポチっと買いなおしました。

スウェーデンの伝統音楽は、「円運動」の緩急リズムなのでメトロノームはそのままでは使いにくいのですが、細かなフレーズを確認をする時や自分の弱点を確認する時などで使います。細かなフレーズの中で、わざと揺らして弾くことがあり、その揺らし幅の確認とか(逸脱しすぎると共演者が困るかな、とか)。走る曲があったら、走り出したくなるトリガーポイントを特定するために使うとか、そんな感じです。子どももバイオリン練習で使うことがあります(ゆっくりではじめて、慣れたら、どこまでテンポを楽譜通りに近づけられるか、とか)。

普段、スマホのメトロノーム・アプリを使っていたのですが(目でランプの動きを確認できるのが便利で)。たまに正確じゃないような気がする時があるんです。「私がおかしいのか?オマエじゃないのか、狂ってんのは」と。深夜が近づくほど思うので、狂ってるのは私の頭のネジかも。ですが、スマホアプリは、バックで色んなものが動いているので安定性に欠ける、と聞きます(やっぱり、狂ってんのはアイツだ)。単体の電子メトロームは正確というけど、ピッピッという電子音を聞き続けると疲れるので持っているけど使っていません。振り子式のメトロノームは、木製のものは響きが心地良いんです。コツコツと疲れない音がします。それに振り子は目で見ていても「ぐにゃ」という動きで、リズムを点でとらえすぎないのが使いやすいと思います。

ノルディックウーマン

関西公演は残念ながら行けないので、東京文化会館の公演に行ってきました。前も書きましたが、ニッケルハルパ奏者Sunnivaスンニヴァは留学中のクラスメートでした。メールのやりとりは続いていたけど、10数年ぶりに会える上に、それも日本に来るというのに「ごめん、用事でいけないわー」はあんまりだと思って。久々の東京行きがあまりにも嬉しくて、日帰りなのにデカいリュックで行きました。色んなもの買ってぎゅうぎゅうに詰めて帰るためです(笑)行きの京都駅で既にリュックの3分の1は埋まってしまいました(え?何を買ったか?和菓子、洋菓子、ほぼ食料…)。

ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、サーミ、それぞれの国のミュージシャンが順に演奏する構成です。自国の伝統音楽の紹介というよりモダンな音楽よりでしたが、初めての方にはその国の音楽を感じられるんじゃないかと思いました。それぞれの演奏も良いのですが、やっぱりSunnivaがサイコーですね。当時から繊細で滑らかで時が止まったかのような空気感があったのですが、さらにその道を進んでいってる。あー、私はこの同じ十数年の間、何をやってきたのか、と思ってしまいます。

ステージでは、「鍵盤のカタカタという音」、聞こえます。「足を踏む音」、聞こえます(というより、足踏みは聞かせるためにオリジナルに考えたもの)。「ニッケルハルパの毛をつかんで共鳴弦が鳴り始めるスタート」、はっきり聞こえます。「共鳴弦の鳴らし具合」、ほどよくて完璧。「ニッケルハルパで聞きたい音、聞こえてほしい音」が消されることなく、心地よいバランスで聞こえます。PA(音響)が入ったステージなのでその具合もあると思いますが、彼女のCDもそうなので考え方じゃないかと思います。例えていうなら「白米(きれいな音だけ残す)」と「玄米」みたいな。ステージではSunnnivaは歌も少し歌うのですが、留学当時からSunnivaの声っていかにもスウェーデンらしいよなって思っていました。私からすると、ケルトやノルウェーの歌声とスウェーデンは特徴が少し違うんですよね(声の違いか、歌い方?響かせ方?わかりませんが、その話はまた別の時に)。来日中にお茶する約束をしたので、色々聞いてみようと思っています。色んな音を消してしまうミュージシャンもいる中で、Sunnivaなりのニッケルハルパの音、考えや向き合い方とか聞きたいなって。→と言いつつ、食べ物の話で終わるかもな。


さてさて、私は最近ほとんど活動はしてないのですが...たまたま今月、来月と続きます。その後はまた当分ないので、機会があれば足を運んでみてください。

10/30 青空音楽サロン、桜井市立図書館 ※3年ぶりの音楽会、ニッケルハルパの生徒さんのサポートで行ってきました。皆さんの演奏もすばらしく、会場も木の香りですごく良い感じでした。

11/13 枚方T-site、11/9-15まで「北欧ライフスタイルフェア」があります。その中で13(日)に、30分x2回、野間さんと演奏します。野間さんは、フィドル、五弦フィドル、マンドーラと色々持ち替え予定。

12/10 詳細後日。リリカさんと、数年ぶりのデュオです。20分、3回、クリスマスイベントでの演奏予定。リハもこれからなので、会うのも数年ぶり。どんな形になるのか楽しみです。


中古ニッケルハルパ買取希望の方へ(募集終了しました)

2022-10-01 21:10:22 | ニッケルハルパ

追記:10/1 お問合せいただいた方と買取が成立したそうです。良かったです この取引は終了しましたが、記事は参考として残しておきます。お読みいただいた方、情報を頂いた方、皆様ありがとうございました。

 

ニッケルハルパを手放したいという方から連絡があったので紹介します。(追記・訂正しました。9/29)

サイズ:3/4で、フルサイズではありません。少し小さいサイズです。身長150㎝台の方に程よい気がします。追記・訂正鍵盤もボディも、3/4サイズです(鍵盤は普通サイズと書いたので訂正しました)。

制作者、制作年:制作者はElov Jansson。2015年の作。

弓、ソフトケース:あります。(下に続く写真の通り)

価格:応相談

状態:演奏可能。※長期保管していたものではなく、割と弾いていたそうです。

お渡し方法:応相談(関東の方です)

追記:同じ製作者の楽器を使っている方(日本に仕入れている方)に聞きました。日本人女性にお勧めだそうです。重量が軽くなる分、持ち運びも楽で弾いていても疲れにくいとか。「響きもよく、きちんとつくってありますが、ボディが小さい分、音量は小さい」とのことです。

 

購入希望の方は下記までご連絡いただければ楽器所有者のメールアドレスをお伝えします。その後は当人同士でお話を進めていただきます。※10/1、お問合せいただいた方と買取が成立したとのこと。この募集は停止しています。

私は実物を見ていないのでこの楽器の質問についてはお答えできません。一般的なニッケルハルパの質問でしたら遠慮なくお尋ねください。

nyckelharpa あっとfolkishproject.com ※あっとは@マークに変えておおくりください。

ニッケルハルパは相変わらず簡単には購入できないので、少し小さいサイズですが探している方にはとても良いお話だと思います。

参考までに…新しくニッケルハルパを購入するには、基本は、職人さんへ直接やりとりをして注文し、制作に1年程待たないといけません。支払いは銀行振込(海外送金)です。
東京のレソノサウンドでは在庫を実際に触って買え、神奈川のダルシクラフトではお付き合いのある特定の職人さんへの注文販売を手掛けているので、以前より少し買いやすくなりましたが、あの職人のあの楽器がほしいという場合は、やはり職人本人へ直接注文することになります。


10/9は、滋賀のヘムスロイド村で開村30周年のイベントの一環で、コンサートを予定しています。

フルート、歌、マンドーラ、フィドル、ニッケルハルパと楽器は多いですが、3人+ダンスのコンサートです。

先日、ダンス合わせのリハをしました。その時の感想が面白かったので紹介したいと思います。

フルートのミキさん:「ダンスの伴奏には弦楽器のほうが合うなーと思いながら演奏していました

フィドルの野間さん:「ダンサーと合わせると、弓はこうしたほうが良い、こんな風に弾こうか、と弾き方を変えたくなります

私:「普段、メロディやリズムを意識しながら弾くのに、ダンスの伴奏をすると無意識の領域に入っていけるから、すごく面白い

三者三様の感想が面白かったです。


ノルディックウーマン

2022-08-03 17:46:38 | ニッケルハルパ

Youtubeでアメリカの食事1週間やってみた、フランスの食事1週間やってみた、というのを面白いなーと見てました。フライドポテトが毎食だと重かったり、水分がコーラとかワインとか...留学でその食事に慣れた人やその国の食事で育った人だと平気で、それ以外の人は辛くなってくる、という内容です。私は、カナダとイギリス、マルタ、スウェーデンが留学やホームステイなど旅行以外で滞在していた国ですが、イギリス以外特に問題なかったです。旅行も入れると他にも色々行っていますが、毎回、帰ってくると逆に日本食が、醤油の匂い、塩分のきつい味付け、甘辛い味(醤油と砂糖)に食欲がなくなってしまいます。しばらく経つとまた慣れて、海外に行って戻るとまた匂いと濃さにやられ...を繰り返していました。よく、日本の食事はヘルシーだけと塩分が多いといいますが、やっぱり塩分多いんだろうなと思います。ケーキも日本のほうが甘くて、スウェーデン人には実は日本のケーキは不評なんですよね。

海外の行き来もコロナ禍で止まっていたのが最近動き始めました!

ESI留学時代のクラスメイトや北欧通の知人からのお知らせで知ったのですが、ノルディックウーマンというコンサートが秋にあるようです。その留学時の友人もニッケルハルパ奏者として来日します。以前、彼女のソロCDや、TradpunktというトリオのCD(超おすすめ)を紹介した時にも書きましたが、彼女、Sunnivaの演奏は留学当時から繊細で群を抜いていました。私がスウェーデンに行って会うならまだしも、彼女が日本に来て会える日が来るなんて思いもせず、とても嬉しいニュースです。ノルディックということで、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークからミュージシャンが集結するそうです。

ノルディックウーマン 2022年秋の公演 https://www.min-on.or.jp/special/2022/nordicwomen/


私の方は最近は忙しく、演奏依頼のお話も少しずつ戻ってきていますが、リハの時間がとれないので演奏はほとんどお断りしている状況です。(余裕をもって取り組めるものに絞っています。でも、いただく依頼は、割と重なったり急だったりするので、残念ですが調整が難しく…)

次の演奏予定は、10月9日(日)レトヴィックと姉妹都市の東近江市にあるヘムスロイド村での演奏です。また日が近づいたらお知らせをしようと思います。

日程が難しい場合は動画をアップするのがベストかも?と思ったりもしますが、動画は反応も感想も何もほとんど手ごたえがないので、どうしようかなと思ったりしています継続すればそのうち、と言ってくれる方もいますが、反応もないと継続する気になれず。レッスン動画をアップしているので、せめてその続きはやろうと思っています!


ニッケルハルパ・ネットワーク、世界遺産の無形文化財にノミネート!

2022-04-01 22:09:19 | ニッケルハルパ

ここ最近、様々なことで忙しく、久々の投稿になってしまいました。

今やブログの時代でもないし「誰か読むのか?」と思うこともありますが、色んな情報があふれて消えていく中で、スウェーデンの伝統音楽やニッケルハルパについて「日本に入ってきていない、きちんとまとまっていない情報を伝える場」として、これからも書き続けたいと思っています(ブログは情報整理に向いていない上に、雑談やお知らせも多々ありますが)。

この春は色々な整理をしていて、楽譜もここ数日、沢山処分しました。私が今まで教えたりワークショップで配った余りが結構たまっていて。地図や地方の説明、その地方の伝統的な奏者の一覧、ダンスの一覧など、割とちゃんと資料として残るものを作っているなーと我ながら眺めていました。好きな曲を楽しく演奏できればお勉強やスウェーデンらしく弾くテクニック等も不要という方が割と多く(それ自体悪いことではありませんが…)、こうして余った資料を捨てることになるとちょっと寂しい気持ちになります…が、今後も頑張ります。

ユネスコ世界遺産の無形文化財にノミネート!

さて、以前からブログでも触れていましたが、ユネスコ世界遺産の無形文化財の話。スウェーデンの候補リストに入り、そこから何年もかけて、やっとノミネートという段階に進みました。ノミネートは、「ニッケルハルパ」ではなく、「ニッケルハルパ・ネットワーク」です。エスビョンからは都度都度、話を聞いていましたが、本当に個人の情熱と努力で成し遂げました。

エスビョンは、このブログ初期から登場しますが、この記事から読む方のために紹介すると、ニッケルハルパ制作者のトップで(国王から楽器製作者として初めてのメダル授与)、ニッケルハルパ関係の組織の立ち上げ、セミナー運営など活動は多岐にわたります。伝説的なニッケルハルパ奏者エリック・サルストレムの演奏スタイル、制作スタイルを直接受け継いでいます。

そのエスビョンが、今回のユネスコ無形文化財ノミネートに関わる資料一式を送ってくれました。ノミネートを受けてシャンパンで乾杯したそうです。私も、日本から乾杯!!

無形文化財にノミネート「ニッケルハルパのネットワーク」

ーNyckelharpa Network ニッケルハルパのネットワーク:スウェーデンにルーツのあるニッケルハルパの、音楽と楽器制作の伝統を革新的な方法で普及させていったもの

ニッケルハルパの伝統を保護する取り組みや、そのためのネットワークが、2022年3月にスウェーデン政府より世界遺産無形文化財としてノミネートされました。もし認定されれば、Sagobygden(伝説の口承文化の保護)に続きスウェーデンで2例目となります。(2022年3月25日発表ISOFのスウェーデン語のプレスリリース記事 ※時期期が過ぎると読めなくなります)。この無形文化財、日本では「和食の文化」が登録されています。

ニッケルハルパのネットワークは、演奏者、伝統音楽の組織、学術機関、研究者、主催者などから成り、エリック・サルストレム・インスティテュートが中心となり進めてきた結果、存続の危機にあった伝統を復活へと導いたものです。時代合わせ形を変えてゆきながらも、伝統の核心自体は守り抜くという、伝統と革新が融合することで発展していった点が重要とされました。

主催者(producer, organizer)というとピンとこないかもしれませんが、例えば40年以上続くニッケルハルパのサマーコースを普段仕事がある人たちが熱意をもって毎年開催するなど、継続して世代のバトンを渡して開催するには相当の努力が必要です。

 

Nyckelharpa Network(Youtube動画): https://youtu.be/lr8hVcI43s0

このニッケルハルパ・ネットワークを紹介する動画について、補足を加えながら紹介していきます(動画の対訳ではありません)。

※印がつくものが、動画にはないけれど、私が個人的に補足した内容です。

(動画オープニングは、Erik Rydvallのヴィヴァルディの演奏で始まります)

ニッケルハルパはスウェーデンで、350年の演奏と楽器制作の歴史がある楽器です。17世紀、ウップランド地方の北東部で、ニッケルハルパを制作し演奏していたのは、農民や職人でした。19世紀の終わり頃まで、この地域でよく演奏されていた楽器です。葬式、結婚式、洗礼式などで演奏されていました。

※ 「ニッケルハルパは350年の歴史」と動画で紹介されています。起源についていえば、12世紀、13世紀、また他国でも、ニッケルハルパらしき痕跡がみられますが、中世のこうした楽器は庶民に広がっていたかどうか、楽器制作方法や演奏曲など何も分かっていません。この「350年」というのは、スウェーデンのウップランド地方で一般に普及し、継続性のある伝統文化としての歴史についてです。

※ 当時、教会の中や儀式の際に演奏することはありませんでした。演奏やダンスは、式が終わった後のパーティや集まりの際に、マーチは式を終えて教会から自宅まで歩く際に演奏されました。

 

時代を経て、低音のドローン弦がなく、美しい音色でメロディを奏でる楽器、クラリネット、アコーディオン、バイオリン等が好まれるようになると、ニッケルハルパのようなドローン楽器の人気は急速に落ちていきました。

20世紀の初めに、2人の優れた伝統音楽奏者かつ伝統楽器の作り手でもある、August Bohlin(アウグスト・ボリン)、Eric Sahlström(エリック・サルストレム)が現れます。二人はその時代に求められる音楽を演奏できるように、ニッケルハルパに手を加えました。ここで無形の文化遺産として重要なのは、楽器制作の伝統を保持し続けたことです。ニッケルハルパ制作は、ウッド・クラフト(木工の伝統手工芸)であり、その美しさも求められるのです。

※ 20世紀前半、ニッケルハルパの奏者は10人程度まで減り、存続の危機にさらされていました。

※ 初期の古いニッケルハルパは、ドローン弦(低音のベース弦)とメロディ弦を一緒に鳴らすため、ワイルドな響きがありました(雑味のある音、とも言います)。また、演奏する調が固定されるというデメリットがありました。2人が楽器を改良した点は、メロディだけを弾けるようにした、他の調の曲も弾けるようにした、等があります。「バイオリンのように」作り変えたと言われることがありますが、形、音色、制作方法が「バイオリンを目指したのではない」点はとても重要です。伝統的なスウェーデンのニッケルハルパの特徴からは離れていないのです。

※ ニッケルハルパの手工芸としての美しさとは、ピカピカに磨き上げた洗練された物ではなく、機能的で、且つ、ナイフの動きが感じられ、自然の美しさが感じられる、例えて言うと、温度が感じられるようなぬくもりある美しさのことです。

 

1960年代、フォークミュージック(伝統音楽)のリバイバル・ブームがあり、ニッケルハルパの需要も急速に高まります。そうして、ニッケルハルパ制作を教える夜間コースが多数、開催されました。オステルビブルックに始まり、そしてスウェーデン全土へと広がります。

1970年代初頭、ニッケルハルパの伝統は、プロ、アマチュア、プロのミュージシャンや楽器製作者へと広がりました。そうして、そのネットワークは、小さな地元のグループから、大きな組織へと大きくなっていくのです。

21世紀の初めになると、ますます高品質の楽器が求められ、中心的な役割を担う組織の必要性が出てきました。

 1960-70年代には、独特なデザインのニッケルハルパも作られました。今では使われていないデザインで、音色、強度、様々な面で問題のあるモデルも多くありました。

 

そうした需要の中、エリック・サルストレム・インスティテュートは、セミナーやニッケルハルパ制作コースなどを開催し始めました。演奏家、楽器製作者が定期的に集い協力する中で楽器を改良し、技術を磨き、スウェーデン全土の、世界のネットワークへと貢献していきました。

エスビョンのインタビュー:今では、2年のニッケルハルパ制作コースが開催されており、1年目が古いタイプのニッケルハルパ、2年目がエリック・サルストレム・モデルの現代のクロマチック・ニッケルハルパの制作を学びます。

続いて、Louise Bylund(日本でも活動していてお馴染みですね)、Matteo Carone、何度も来日コンサートとしているOlov Johanssonへのインタビューでそれぞれの体験を語ります。Olovは、地域の伝統音楽奏者の家を訪ねて伝統音楽を学んだ経験を話します。

 演奏の教育や普及には、それを叶えるためのクオリティの高い楽器と、良質な楽器の数が必要です。「ニッケルハルパの普及活動」は常に「演奏」と「楽器制作」の両輪で動き、両方ともが重要なのです。特に、職人はすぐには育たず、また60-70年代のように品質の劣る楽器がたくさん出回った時代もありました。

※ 1986年にエリック・サルストレムは亡くなりました。直後、エリック・サルストレム・メモリアルファンドが設立され、95年ロビー活動を経て、98年にエリック・サルストレム・インスティテュート開校となりました。これまで、およそ200名の学生がこの学校で学び、4割ほどがスウェーデン以外からの留学生です。

 エリック・サルストレム・インスティテュートは「国籍、年齢、性別を問わずオープンな場で、対等な関係で議論でき、活発な交流ができる」、そうした理念で運営されています。実際に留学した経験からも、強くその印象を持ちました。指導だけでなく、地元との交流の場としてイベントの定期的な開催(毎週)、10代向けのサマーコース、北欧各国から職人/演奏家を集めたセミナー、コンサート様々な活動をしています。

 

伝統の普及の上で重要なものとして、スウェーデン各地で、プロ、アマ、問わず伝統音楽奏者(フィドラー)が集う「スペルマンス・ステンマSpelmansstämmor」の開催が挙げられます。
ニッケルハルパでは、毎年この3つのステンマがあり、それぞれこの無形の文化遺産を守る役割を果たしてきました。

・Nyckelharpstämman i Österbybruk

・Eric Sahlström stämma i Vendel

・Oktober-stämman i Uppsala

ステンマでは、ステージ・パフォーマンス、セミナー、ワークショップ、楽器の展示会などがあります。1つ目に挙げたÖsterbyrukのステンマでは、作ったニッケルハルパを審査し、楽器ごとに評価がつけられる展示会も開催されます。こうしたステンマの重要な部分は、ステージ外でのセッションを通してミュージシャン達が出会い、活発な交流(演奏)の場だということです。

 スウェーデンの伝統音楽は、9割くらいがフィドル(バイオリン)の曲を占めています。そうしたフィドル曲を、現在では、ギター、アコーディオンなど様々な楽器で弾く人たちが大勢います。また、ステンマでは、プロ、地域の有名奏者、アマチュア、外国人、様々な人がいて、対等に純粋に音楽を楽しみ、交流する活気あふれる場となっています。

※ ステージ外でのセッションは、Busk-spelブスク・スペルと言われ、スウェーデン語の「busk」は、「低木の茂み」のことで、「外のその辺の木の所に集まって、寄り合いか立ち話するかようにカジュアルに弾く」という意味が強く感じられる言葉です。英語の「セッション」や「ジャム」も同じように「自由に弾く」という意味ですが、スウェーデン語の「buskspel」のほうが、ほっこりした感じがします。

 

今日ではニッケルハルパは、スウェーデンの小学校、高校、大学と様々な場で習うことができます。王立音楽院(KMH)では90年代より、先生になるための指導やニッケルハルパの修士課程も提供しています。

現在、アメリカや日本でも演奏されるほどに広がり、ヨーロッパには3つの組織があります。その中でも、スウェーデンのエリック・サルストレム・インスティテュートは、ニッケルハルパを無形文化財としてニッケルハルパを保存、発展、普及させる国内外のネットワークの中心的な存在です。

2009年から2011年にかけて、この3つの機関のパートナーシップ(Learning Partnership)により、CADENCEというプロジェクトが発足し、EUでのニッケルハルパ・ネットワークの確立に寄与しました。

・Scuola di Musica Popolare di Forlimpopoli, Italy

・Akadmie Burg Fürsteneck, Eiterfeld, Germany

・Eric Sahlström Institute, Tobo, Sweden

動画の最後は、Olov Johanssonの30年にわたるVäsenヴェーセン(トリオ・グループ)の世界的な音楽活動、Erik Rydvallのクラシック音楽の演奏、Emilia Amperのエネルギッシュなオリジナル曲の演奏を紹介し終わります。ニッケルハルパは、今も、世界へ、あらゆるジャンルへと、広がっていきます。

 1967年に、ニッケルハルパについて論文をJan Lingが初めて書き、様々な方面へ影響を与えました。

 


私がスウェーデンで出会ったニッケルハルパの修士課程にいた大学院生は、2021年、エリック・サルストレム・インスティテュートの校長になりました。

この動画に登場する、ほとんど全ての方と知り合い、関わり、本当に伝統がネットワークとなり、脈々と受け継がれ世界へ広がるのを目の当たりにしてきました。伝統は人が支えて人が伝えるものですが、そこに工夫がないと崩れていくこともあります。伝統だけにとらわれず新しいことも取り入れていく、努力とアイデアで広げていった結果だと思います。

ノミネートの結果が待ち遠しいです。結果は2023年に発表です!

 

お知らせ

日本でのステンマ(参加型の伝統音楽奏者の集まり)の先駆けでもある、ホクモリ(北欧の森音楽祭)はコロナで休止中でしたが、今年は久々の復活。2022年はホクモリではなく「ハル・ステンマ」です。先導するトリタニさんも2年ぶりにスウェーデンよりパワーアップして帰国しました。私もちょこっと出演します。


コンサート演奏曲の裏話。手を離したら飛んでいく曲の謎。(生駒市で演奏のお知らせ)

2021-12-02 11:31:44 | ニッケルハルパ

先日のノルウェーのハーディングフェーレとのデュオコンサート、無事終了しました。ご来場の皆様ありがとうございました!右肩の故障は半分くらい治りましたが、まだ半分くらい不自由しています。

次回は12/19(日)生駒市で、ソロ演奏の予定です。広報「いこまち」令和3年12月号にお知らせが掲載されました。

「生駒民俗会の講座」12/19、10-12時、同会理事による「明治維新と生駒」の学びと、ニッケルハルパの演奏(1時間弱)を予定しています。定員先着順24人、500円、同会050-3332-5626まで)

 

今日は先日のコンサートで、演奏曲をどんな風に決めたかのお話です。終了したプログラムの紹介も兼ねて。

1.リハーサルの2~3か月前くらいからやりたい曲を考え始める。

2.デュオ向けの曲を考えて提案(リズムがシンプルでデュオで弾きやすそうな曲、ソロより2人で弾くと広がりそうな曲など)。

私が出したスウェーデンの候補曲

・Polska efter Per Munkberg(前回も弾いて、さとこさんの伴奏が素晴らしく好きだったので定番曲にしたいと再リクエストしました)

・Båtsman Däck storpolska efter Ceylon Wallin(ウップランド地方のゴムの伸び縮みのようなリズムの特徴がよく出たポルスカ)

・Pollones efter Mattis Kollberg i F-dur i C-dur(Karin Wallin, Jeanette Erikssonの演奏を聞いて前から弾いてみたかった曲。シンプルなメロディで古いノートブックからの曲。出典は、M137:008 Nr.16)

さと子さんが提案のデュオ候補曲(詳細は聞いていないので簡単に)

・Bruremarsj(結婚行進曲)

・Springar set(ノルウェーのスプリンガル2曲)

・Kivlemøyane(シブレ谷の娘たち、ガンガル、と言っていました)

一緒に弾きやすいように調を変えてくれることが多いのですが、kivle~はオリジナルのh-dur(ロ長調)。すごい脳トレになりました。

さとこさんは普段ハーディングフェーレのレッスンもしていますが、貸し出し用の楽器が2つあるそうです。興味のある方はいかがですか

 

3.オープニング向きの曲、最後の曲向けに数曲あたる。(軽く聞ける、派手目のもの、など)

・Svängrumpa från Skåne i A-dur i D-dur(2拍子のような3拍子の、古くて楽しい曲。Youtube動画もアップしているので丁度よさそう)

・エンディング曲は、デュオ曲から選ぶことに。

 

4.ソロ曲をお互い3曲づつ考える。

ここはいつも、ただ好きな曲を弾くべきか、伝統的な地域や奏者やテーマに沿うか、悩んで抜け出せなくなるところです

・まず1曲目を、Vandringen efter Byss-Calleにしました。これは好きだけど毎回、消去法で消される曲です。そろそろ日の目を見てもいいのではないか、と。

ですが、Byss-Calleはニッケルハルパを代表する人だけど、ニッケルハルパの特徴的な曲ではない気がします

「そもそも、ニッケルハルパの特徴的な曲って何?」

ああ、何年も弾いていて、ここに戻ってくるか、という感じです。

ニッケルハルパは300年の間に2回モデルチェンジをし、大きく分けると3つのタイプのニッケルハルパがあります。最初は、鍵盤1列で、割と高音のメロディで、演奏弦がほぼ1本で弾ける曲が多いです(演奏弦2本あるので中音域の曲もありますが)。そして1800年代にCとF(とG)しか弾けない楽器に変りました。その代わり豊かな響きがあり、今のニッケルハルパで弾けてもあの響きは真似できません。1900年代に入って、フィドルの曲や色んな曲が弾けるようにと1音ずつ弾ける楽器になりました。

ですが、現代のモデルのニッケルハルパは、ネガティブになりますが、こういうことなのです。

フィドルの曲は弾けるけど、演奏弦3本ということもあり、どんな曲でも弾きやすい訳ではない。

コントラバスハルパ(鍵盤1列の時代のニッケルハルパ)の曲は、高音で指ジャンプしまくる曲が割と多く、美しくソロで聞かせようと思うとジャンプの達人になる修行がいる。当時の楽器は、ガットのドローン弦が一緒に鳴るのでワイルドな感じで弾くのに、現代のニッケルハルパで弾くとメロディのみでちょっと上品な雰囲気になってしまう。

・シルベルバスハルパ(モデルチェンジ後の和音がよく鳴る楽器)の曲の真似をして弾くと、高音のメロディと、ドローン弦の替わりの演奏弦を弾くと、深みがなくキンキンした音になって疲れる。

現代のニッケルハルパで作った曲は、エリック・サルストレムが有名で、大きな手(元々アコーディオンを弾いていた)の特徴が出ていて、上級者向けの曲が多い。

今では「ニッケルハルパらしい」曲とは、地方色が濃く出たリズムの曲(bondpolska)、1900年代初頭まで主流だった昔の楽器の重音を真似た弾き方とされています(だと、思います)。

逆にそれを説明して紹介しよう、ということにしました。そうすると、スッキリ。

ソロ1:Vandringen efter Byss-Calle(鍵盤1列のコントラバスハルパの曲)

ソロ2:Polska efter Johan Bodin(重音が特徴のシルベルバスハルパの曲。Byss-Calleの弟子の弟子で前の曲からのつながりも)または、Polska efter Mats Wesslen(Byss-Calleの大ファンだった人)

ソロ3:Hem från Gesunda av Eric Sahlström(現代のニッケルハルパで作曲された曲)または、Polska av Ivar Tallroth(ウップランド地方の有名なフィドル曲)

「または~」と書いた曲は、今回は弾きませんでした。こうして、お蔵入りする曲がまた増えて、たまっていくんですよね…。

リズムが特徴的な曲はデュオ曲で挙げたので、これで今回はニッケルハルパの特徴を存分に網羅できたのでは、と思いました。

 

リズムが特徴的…

余談ですが、ノルウェーの3拍子のスプリンガルも不均一なリズムで地方色も豊かですが、スウェーデンも同じです。ウップランドの特徴的なリズムも個性的ですが、分かりやすく、不均一というほどでもないなと思っていました。今までは。今回、デュオの候補でそういう曲を挙げて、初めて一緒に弾いた時、

「どういう3拍子ですか?」と聞かれ、「普通のです。」「普通…???」「え?普通じゃありませんでした?」という会話を経て、まさか普通じゃないと思っていなかったので上手く説明できず。

「ウップランドの曲は、エネルギッシュで、ゴムの伸び縮みのようとよく言われます。ダンスで手を離したら、飛ばされて転びます。特に、ウップランドの曲は飛んで行ってしまうと思います。」と言うのが精一杯。「参考に、他の人の演奏聞いてみますか?」と同じ曲で2人ほど聞かせると、確かに2人とも「普通」ではありませんでした。冷静に聞いてみるとすごく変です!

お蔵入り...

これも余談ですが、コンサートの候補で挙がって消えたり、弾きたいなと思っているのに何年も候補リストにはまらない曲。いつも、胸の内なので、せめてここで書いておきます!

Vandringen(数年の補欠から、やっと今回、日の目を見ました)

Polska från Lofthammar(印象が薄い曲と言われて毎回消える)

Polska efter Mats Wesslen(他の曲が決まると、はじかれる)

Polska av Ivar Tallroth(きれいな曲なのに、他の曲に負ける)

Polska efter Frost Mats, Mora(変わりすぎて、いつ弾いたらいいのやら)

Polkett efter Kristian Oskarsson(かわいらしすぎて浮く)

Polska från Vrigstad(演奏相手に断られる率が高い曲)

などなど、他、多数あります。いつか弾く機会がありますよう


日本でニッケルハルパを弾く人は何人いるのか?(北欧フェア演奏のお知らせ)

2021-08-27 14:25:28 | ニッケルハルパ
今日の話題は3つ。
1.日本のニッケルハルパの人数
2.Grind Hans Jässpôdspolskaとは
3.9月の北欧フェア、演奏のお知らせ
 
1.日本のニッケルハルパの人数
よく日本でどのくらい普及しているのか人数を聞かれるのですが、適当に100人くらいと答えていました
 
たまたまニッケルハルパ協会(関東)の会長さんから私の知る範囲で何人いるかを聞かれ、他の人にも聞きながら1人、2人...と、数えてみました
 
ただし、一人で趣味で弾いている人(北欧音楽のコミュニティに参加せず)、専門の職人以外が作った楽器を所有してる人(無名の作家だと噂が入ってこない)など、そういう場合はカウントから漏れてしまいます。ニッケルハルパの特殊性から(専門の職人が10名くらいしかない、独特の演奏法、メンテナンス面など)、漏れがあっても少ないのでは?と思います。
 
フォークダンス関係者は人脈から入手しやすく、ダンス関係者が多くて、西日本では約28名です。
(兵庫、大阪、奈良、京都、和歌山、滋賀、三重、福岡)
 
※引っ越した場合、私が知っている居住地でカウントしています。(数字としては同じ)
※手放して他の方が所有している可能性もあります。(数字は同じ)
※一人で2-3台持っている、使わないから貸している等、カウントに迷うものは状況で振り分けています。
 
会長さんによると、東日本は48-50名とのこと。
全国トータルで、およそ78名。
でも...そうはいっても...
 
私の周辺ではライブをしたり、ワークショップ、セッションに参加される方は10名くらい。
東京でダニエルが指導した時は20数名の参加者だったかと。
弾く機会がなく保管しているという話もチラホラ聞くので、実際にアクティブに演奏を楽しんでいる方は、半分以下、35名くらいかもしれません。
 
それでも、日本でよく増えたなーと思いました
よくビジネスでは、ニッチを狙え!と言いますが、この規模の人数では、大きなイベントを開催したり、マーケットと捉えるにはまだまだ難しそうです。
もちろん、ニッケルハルパに限定せず、フィドルや笛など色んな楽器による北欧音楽の愛好家だと、何倍もの人数がいます。
 
2.Grind Hans Jässpôdspolskaとは
今日は、もう一つ、マニアックな小ネタを書きたいと思います。
「Grind Hans Jässpôdspolska グリンド・ハンス・イェスポズポルスカ」という曲を知っていますか?
日本でスウェーデンの曲を弾く方には割と有名な曲で、「C i G セー・イ・ゲー」とも呼ばれています。
 
Keyが「C」の曲ですが、フィドルで弾きやすいよう「G」で演奏するスウェーデンのグループがいます。
そのグループの一人が日本でこの曲を教えたのがきっかけで「C i G セー・イ・ゲー(Cの曲をGで)」というニックネームで広まりました。
セーイゲーは曲名ではありませんので、曲紹介の時には注意が必要です。
 
本当の曲の名前は、見ただけでクラクラしそうになりますが、「Grind Hans Jässpôdspolska グリンド・ハンス(人名)のイェスポズ・ポルスカ」です。
 
Triptykというトリオの演奏リンク(Youtube)を貼っておきます。初めて聞く方のために、イントロ50秒カットした位置からにしています。
https://youtu.be/T6hrS1eMxm4?t=51
 
曲名の言葉が辞書にない!
どういう曲なのかを調べると、結婚式のダンス曲、結婚式のパーティのダンス曲、と書かれています。
ですが、「Jässpôds」という言葉は辞書を引いても出てきません。
以前、スウェーデン語の先生(ヨーテボリ出身のスウェーデン人)に聞いてみましたが、分からないと言われたんですよね。
方言や古い言葉ではないか?と。
「Jäss(イェス )と聞くと、gäst (イェスト)という言葉(英語のguest。ゲスト、お客さん)が浮かぶ」とだけ。
 
そのまま忘れていたのですが、ダーラナ地方のフィドルを弾く方に会った時に、尋ねてみました。
やっぱり、方言なのだそうです。
jäss(イェス )は、 gäst (イェスト)、英語のguest(ゲスト)のこと。
pôd(ポッド)は、bord(ボード)、そのままだとテーブルのことですが、smörgåsbord スモーガスボード料理(テーブルにごちそうが並んだビュッフェスタイル)というように、料理が並べられた食卓のことでもあります。
つまり、この曲名は「結婚式の宴会、披露宴パーティ(英語なら、ウェディング・バンケット)」という意味です。
 
結婚式の宴会とは?
ちなみに、昔のダーラナ地方の村の結婚式の宴会というのは、自宅で2週間~1か月ほど続いたそうです。
1950-60年くらいまでは、Orsaあたりではまだ風習が残っていたと聞いたことがあります。
ですので、豪華な会場やお祭りのイメージではなく、田舎の伝統的な赤い家で土地の民俗衣装を着て集まり、毎夜、大勢集まり食べて飲んで踊る、というものです。
ちなみに、昔は教会の中で伝統曲が演奏されることはなかったので、brudmarschブルドマルシュ(ウェディングマーチ)といえば、教会で式を終えて自宅まで歩く際に演奏される行進曲のことです。

ブルーノート(半音の半音、微分音)が特徴的
スウェーデン、ダーラナ地方のレトヴィック Rättvikに伝わる伝統曲です。
さらに曲名をさらに詳しく、「Grind Hans Jässpôdspolska efter Petters Erik」とも書けます。
efter~の後に人の名前が来て、その人が弾いていた、という意味です(作曲者ではありません)。
この場合、ペテシュ・エリックが弾いていた、ペテシュ・エリックが伝えた、という意味になります。
 
Petters Erik ペテシュ・エリックは、1899-1976年のレトヴィックの有名な伝統音楽奏者です。
※調べると複数のバージョンがありそうです。
このPetters Erikが弾くこの曲は、「ゆっくり、リズムをはっきり出さず」弾いていたそうで、「F(ファ)の音がブルーノート(微分音、半音の半分)で、メランコリックなトーンに聞こえる」のが特徴です。
残念ながら、YoutubeやCDで探して聞けるのは、ブルーノートを使わない「普通のCメジャー」の曲です。
完璧に、ブルーノートで弾きこなしているのはPer Gudmundsonだけじゃないかなと思います。
Perは、現役の凄腕、伝統音楽奏者です。
 
3.9月の北欧フェア、演奏のお知らせ
さて、私の近況ですが、肩関節の調子が悪くハードそうな演奏はお断りしたり、コロナ禍でキャンセルとなったりが続いています。
生駒で始めたセッション会も再開の見通しはたっていません。
 
そんな中ですが、博多阪急の北欧フェアで、感染対策をした上で、ニッケルハルパのソロ演奏をすることになりました。
先の読めない状況のため、急に変更となる場合もあります。
 
9/11(土)、9/12(日) 13時~、15時~
博多阪急 催事サイト https://www.hankyu-dept.co.jp/hakata/h/event_schedule/index.html
 
北欧フェアは、9/9~9/14です。
演奏は土日の2日間のみ、各日2ステージです。
 
共鳴音の響きを静かに楽しんでいただけたらと思います。

「ニッケルハルパ演奏の基本」動画3/3 -マイクの聞き比べ

2021-05-21 17:53:41 | ニッケルハルパ

前回の予告から時間があいてしまいました。撮影の都合を合わせたり、ミスが判明して撮り直して…、やっと動画をYoutubeにアップしました。

コロナの流行も2年目になり、皆さんはいかがお過ごしですか?

私の姉は、コロナ禍で転職し、皆がマスクだから顔が覚えられない!と嘆いていました。私は春に演奏の予定がありましたが、この状況なので中止に...。そんな中、知り合いが仕事を回してくれているのですが、私が最近手伝ったのは、いろんな国の参加者がいるオンライン会議の議事録作成とその翻訳というものでした。英語ネイティブではない人たちが自由に発言する英語って…ホントに、ホントに無茶苦茶でびっくり。単語の羅列、主語や目的語なし!時制もない…とにかく思いつく順に単語の羅列で発言するんです。割と専門的な内容なのですが、単語だけのマシンガントークで、しかもお互いに分かりあってるんですよね、不思議。そして、よくしゃべる!!タンゴ・マシンガンなので、どこがピリオドなのかもわかりゃしない。日本人は英語が下手と言いますが、「発言量の差」であって、「英語レベル」とは無関係なんだなーと実感。苦手意識あっても関係ない、単語で叫べー!ってことですね。

さて、今日の話題に戻り、ニッケルハルパのマイク比較です。

「良い音とは何?」

・ステレオだと良い音?モノラルだと劣る?

・リアルに近い音ほどいい?それとも、編集でバランスを整え人工的に完成された音がいい音?

・「リアルな音」「臨場感」とは、演奏者の立場での音?、客席側の音?、さらにホールなど音が立体的に包む空間で聞く音…?

こう挙げていくと、良い音とは好みに左右されます。私は、ステレオであっても、右からこちらの奏者、左からあちらの奏者の音がよく聞こえるというステレオ音は好きではありません。ホールで聞く弦楽器の音も柔らか過ぎてちょっと苦手。カーテン越しのような、自分の耳が遠くなった気がしてしまいます。弦楽器なら、よく響く小さめの部屋で弓が弦をつかむ音が分かるような音が好きです。私の祖父がオーディオ機器が好きで(オーディオシステムのために家まで改造するほど)子どもの頃から聞き比べについて行っていたので、マイクによる違いは割と昔から気になっていました。また祖父はコンサートもよく連れていってくれ、ブラスのフルバンドでも最前列中央~3列目までくらいの爆音の席を好んでいたので…それも影響していそうです。

<ニッケルハルパはどんな音?>ニッケルハルパを知らないという方のために...

その前にニッケルハルパってどういう音?という方のために説明すると、鍵盤があり、バイオリンのように弓で弾ます。鍵盤のカタカタ音や振動するザーっというノイズも聞こえます。メロディ弦とは別に、ベース弦(ドローン)がついていて低音もよく響きます。短い弓で弾くので、バイオリンのように(長い弓で)艶っぽい滑らかな表現はできません。はっきりしたクリアな音に、共鳴弦の音が絡みつきます。マイクを通すと高音がナイフのよう、とよく言われ、高音をカットします。

<手持ちマイクの聞き比べ>

マイクを買う時、ニッケルハルパ用マイクというレビューや記事はないので、他の楽器のレビューやサンプル音源を参考にしました。ちなみに、ピアノ、ギター、バイオリンでは、クラシックギターが一番参考になりました。

・5~10万円くらいのマイク(安い、中くらい、高価、でいう真ん中レベル)

・20畳ほどの部屋で収録

・DPAとリボンマイクは接近して、それ以外は1m離してマイク設置。

・マイクスタンドが足りないので、何回かに分けて収録

・音は原音のまま未編集

それぞれのマイクの簡単な特徴と、なぜそれを買ったのかも下に書いています。周辺機器、音の編集、演奏場所、マイク位置でも劇的に音は変わりますが、今回のテーマは同じ環境下でのマイクの音の違いです。

Youtubeにアップする前の動画はもう少し違いが聞いて分かるのですが、Youtube上で音が劣化するのか?違いが分かりにくくなってしまっています。

マイクを通した音は生の音とは違いますし、機会があればニッケルハルパの生の音を目の前で聞いてみてくださいね。(ヘッドフォン推奨)

Mic for nyckelharpa -DPA 4061, Golden Age Project, Soyuz 013 FET, Neumann KM183, KM183 Stereo Pair

1.DPA4061(低感度、無指向性、楽器に付けるミニチュアマイク)※4061は廃盤で、今は後継機種が出ています。

スウェーデンで、講師やミュージシャンに勧められたステージ用マイクがDPAです。DPAはデンマークの会社で、色付けなく原音を忠実に再現してくれると言われています。どのライブ会場に持っていっても、やっぱりDPAはいいね、と現場の方に言われ、いじっても音の芯が崩れない安心感があります。よくステージで使われるのは「高感度、指向性マイク」。私が使うのは「低感度、無指向性」です。高感度マイクは少し音がきついという話も聞きますが、私は試したことがなく分かりません。無指向性マイクはハウリングを心配する人もいますが、楽器編成(ドラムやエレキギターはいない)、立ち位置、他の人は指向性マイク、といった調整で問題なく使えています。ただ、レコーディングで使う場合は、すっきりサウンドで好みがある気がします。

DPA公式Youtubeで、バイオリンのセッティング方法が見れます。動画の最初のセッティングがグースネックです。私の使うタイプは、動画の後ろのほうで登場する弦の上にのせるタイプです。

2.Golden Age Project(低感度、双指向性、リボンマイク)

留学中の先生でもあり、数多くのライブをしてきたウロヴ・ヨハンソンのおすすめマイクです。ウロヴは、一度気に入ったら廃盤になっても浮気せずずーっと使い続けるタイプの人で、このウロヴがベストと言うのだから失敗はないだろう、と買いました。なぜ低感度?と尋ねたると「そのほうが良い音だと思ったから」とのこと。リボンマイクは10万を超すものが多いですが、これは5万円以下で買えます。音色は温かみがあり、今まで試し撮りの感想を人に聞くと、このマイクがベストだと言う人が多いです。ただ、実際の音より温かみを感じるので、自分の楽器の音じゃないような気がしてしまいます。また、リボンマイク自体の特性でもありますが、リボンが繊細で保管や使用に気を使うこと。それと、ホワイトノイズがかなりあり、機器との相性?編集でどうにかできるのか?頭を悩ませています。

ウロヴ・ヨハンソンがこのGAPのマイクを使用している動画があります。

3.Soyuz 013FET(指向性、ペンシル型コンデンサーマイク)

ロシアのハンドメイドマイクです。真空管マイクに興味があり前から試したかったのですが、どの記事を読んでも「あたたかみ」「色づき」「シルクのような」というのを強調していて、一つ前にあげたリボンマイクのように、「みんなは好きと言うけど本当の音とは違って聞こえる」かもしれない、と思っていました。この「真空管」と「FET」はよく比較されていて(FETは真空管に代わるものと開発された技術)、「FET」は真空管のようなあたたかみがあり、且つ、真空管よりも正確に音を捉えると聞き、気になっていました。無指向が欲しかったのですが予算オーバー。指向性マイクを買ってみました。使ってみて、中音域の音色が良いなと思いました。指向性だから共鳴弦の音が物足りない、とも感じません。ちなみに、アメリカのVintage Kingでセールで日本より安く購入できました。2日で届いたので国内の買い物のよう…。

バイオリンのサンプルですが、Soyuz公式リンクを貼っておきます。

Soyuz 013FET(モノラル)、 Soyuz 013FET(ステレオ)、ちなみにFETではなく真空管TUBEはこちらSoyuz 013Tube(ステレオ)

4.Neumann  KM183(ノイマン、無指向性、ペンシル型コンデンサーマイク)

Neumannノイマンは高価な定番マイクがありますが、10万円クラスでは「KM184、指向性マイク」がよく知られています(艶感、ふっくら、と聞いて気になっていました)。ですが、私が買ったのは「無指向性、KM183」です。前にも書きましたが、ニッケルハルパは、無指向性の音のほうがふくよかに録れる気がして…個人的に好きです。指向性マイクにある近接効果もなく使いやすいと思います。でも、無指向性マイク自体が日本では人気がないのでしょうか。レビュー記事もあまりなく、店舗在庫もなく…。海外では、弦楽器やコーラスで無指向をよく使うので英語ではレビューが色々と出てきます。比較したマイクでは、Neumannの高音が良いように感じます。Thomannというドイツのサイトで、こちらもセールで日本より安く買えました。(同じく注文後2日で到着。早い!)

5.Neumann  KM183 ステレオ・ペア(ノイマン、無指向性、ペンシル型コンデンサーマイク)

動画では、ノイマンのマイク2本でステレオ録音も撮影しました。2本になると豊かな音色です(ヘッドフォン必須)。ですが、鍵盤ノイズも増幅して聞こえます。録音方法など違う工夫が必要だったのかも。

皆さんの好みのマイクはどれでしょうか?