スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

ニッケルハルパのケースや雑談など

2018-07-13 11:29:52 | ニッケルハルパ

10数年ぶりに東京に行きました!日本のニッケルハルパ愛好家が集うレソノサウンド(なんと、ニッケルハルパを触って選んで買えます!)にもやっと行けました。その前日はハンボヴェンネルナ(スウェーデンのダンスグループ25周年イベント)で踊って弾いて…。たくさんの温かい笑顔の方々と過ごし、この世界にどっぷりつかってて良かったーと思いました。

今日は、ニッケルハルパのハードケースの話、そして東京での話や、デニカル Danish Strign quartetのコンサートの感想など雑談をあれこれ書いています。

楽器ケース

最近は地震も多いので、保管だけでなく弾いている時も意識するようにしています。

・練習時は楽器はテーブルではなく床に置く

・置く時は倒れてくるものが周囲にない場所に

・自分と一緒にテーブルの下に引っ張り込めるよう動線確保(テーブルに椅子があれば一つよけておく)

・休憩など、楽器を置く時は必ず蓋をしめる(ガラス片やチューナーやスマホが飛んでくることもある)

それでもダメな時はダメだと思います。でも、普段の心がけで防げる些細なアクシデントもあるので習慣って大事かなと思います。

家での保管は、縁にメタル補強のあるケースにソフトケースごと入れて保管しています。台車がいるくらい重くて…仕方なく保管用になったというのがホントのところです。出先で移動の時はソフトケースなので強度が心配です。新幹線でスーツケースが滑ってきて楽器にドーンとぶつかったこともあれば、さほど混んでない地下鉄でも後ろからぐいぐい押されたり。先日は楽器を手で持っていると、転びそうになった人が私をつかもうと手をだして、反射的によけたので、その人は転んでしまいました(酔っぱらって半眠りだったようで、罪悪感も半減しましたが)。場合によっては、楽器をさっと手放して助けたいところです。今回の東京行きも、人から聞いたハードケースが気になっていく前に買ってみました。残念ながらサイズが合わず返品しましたが、サイズさえあえば良いケースだと思います。

SKB H3611という2万円くらいの持ち手とコロコロ付きで、ソフトケース丸ごと入って、飛行機で預けても大丈夫のようです。ケース内寸が約93cm、私の楽器は約92cm。私のソフトケース外寸が97cm。普通に考えるとサイズオーバーですが、入れ方にコツがあるというのと、ニッケルハルパ用に使っている人を3人も聞いたので買ってみました。※ヘッドのデザインや特注品など、楽器により全長は差があります

入れた方のコツとは、ケース下部(コロコロ側)に置いた楽器は浮いたような引っかかった状態で、つまりケースに楽器を斜めに入れるそうです。はみ出し気味のソフトケースをぎゅうっと詰めるとピッタリ入るんだそうです。

入れてみると、まず、私のアメリカ製のソフトケースが外枠が硬く、はみ出た部分をぎゅうっと詰めることができません。昔使っていたスウェーデン製のソフトケースを出してきて、ぎゅうっと入れてみたら…入りません。こちらは枠はポヨポヨですが、ぽよよん部分が縦も横も多い、ふとっちょさんで横も縦もはみ出てた部分が多すぎます。ケースの緩衝材をとって、ソフトケースの布一枚状態なら入るかも?

気になる点が3つありました(入らなかったので検証できていませんが)。単にフライトケースとしてなら、神経質にならなくて良いかもしれません。

1. 緩衝材がほぼない場合、アスファルトをコロコロと引っ張ると、衝撃が楽器にダイレクトに伝わる。

2. 横置きする時の鍵盤の固定。ケース内で動かなければ大丈夫です。動く場合は、横置きすると鍵盤が下向きになるので固定する何かが必要です。(横置きでは鍵盤が上を向のが普通)

3. 縦置きで使う場合、ケース下部にあたり楽器の重量がかかる箇所が、肘押さえの先端なのか、楽器本体なのか、それとも厚いクッション部分か?(肘押さえなら割れの原因になる)。

※楽器の向きを上下逆さにすれば2と3は解決しますが、結局、中で動くようなら鍵盤部分の固定、逆さにすることで今度はペグに楽器重量がかからないかが気になります。

私は思いがけず返品に1万円近くかかったので買ってから試す場合は要注意です。(サウンドハウスで開封済み返品は、30%+送料。※テープ留めもなくビニールがかかっていただけですが、自動的に開封済み処理されました)

この品番より大きいサイズもありますが、ケース重量10kg超。運搬はきつそうで、私の保管用ケースと同じ運命になりそうです。

追加情報としては、イタリアのバイオリン職人の伊藤さんが特注で作ってもらったというニッケルハルパのハードケース、野間さんに聞いた愛知メーカーの特注ケースが、そんなに高くないなと思いました(マンドーラ特注ケースで4万前後)。詳細が分かればまた書きます。


話は変わって、関東初日のハンボヴェンネルナのイベントでは、あまり弾きすぎないよう気を付けていました。実は、左手の指が腱鞘炎のようになって…。左の指って重いもの持つ訳でもなく、この数か月、疲れたかな?程度で意識してなかったのですが。動きが悪く、痛みと、朝の症状がきついです。皆さんもお気を付けください!!それと、テノールハルパで腰を痛めてずっと悪いのですが、先日の北欧フェアで悪化して足のしびれが2週間続きました。踊ったり歩いたりは大丈夫で、楽器をもって立った状態が2時間くらい続くと悪化します。ですので、初日は下手で迷惑かけっぱなしでしたがダンス中心に楽しみました!下手でもまわれたら楽しいです。特にこの日はStegvalsが踊ってみて目からウロコ、言葉になりませんが、うわーって思いました☆

翌日は、木をふんだんに使った内装もステキなレソノサウンドでライブ。野間さんとのライブはできるだけシンプルに、といいつつ、野間さんは作曲編曲をたくさんやっているので大分加減をしているのかもしれませんが、私の中では結構つくり上げる感があります。「哀愁があってスモーキーな出だしがいいな」というと、それをあらわす単音を探して、あれかな、これかな、と音探しが始まり、そういう過程がすごく楽しいです。

ライブ終了後は東京の皆さんとセッションになりました!この感じ、関西ではできないです。すごいうれしい☆そこで、気になる曲を色々と皆さん弾いてたのですが、一つだけ記憶をたよりに帰ってから探してみました。伝統曲にもヒット曲ってあるんです。有名なミュージシャンがワークショップで教えた感染力高めのメロディとか(すると、その年に行くと誰もが弾いていたりします)。その時聞いた曲も、イギリスでヒットした曲っていう話でした。「スタジウムと呼んでいるけど、ほんとは、シーラス・フェーデルスダーグ(シーラさんの誕生日の意味)という曲」だそう。誰かが作った曲かなー、スタジウム?スタジアム?スポーツか!?と思ったので覚えてました。とっても穏やかで繊細なメロディですね。私には東京を思い出す曲になりそうです。感染力高いですねー。弾いてみようっと。

動画にも出ているCarina Klein作曲だそうです。子供向けサマーコースの先生もしたようです。動画で一緒に弾いているのはDavidですね!

Cillas födelsedagspolska

話があちこち飛びますが、ライブで演奏すると、ダイナミックとかアグレッシブとか言われることがあって、今回の東京でもチラホラ言われました。ニッケルハルパとしては個性的だなという印象を持つ方もいると思いますが、そうだと思います。会って話す機会があるとよく言うのですが、リズムや特徴をデフォルメしています(日本だと特徴を伝えたい気持ちが全面に出る)。一番最初はフィドルでダーラナ地方の曲を習っていたのでその影響もあると思います。私は、バンド演奏というとFrifotの音(ダイナミクス大きめ)が最初に浮かぶので、ニッケルハルパとは違う感じですよね。エスビョンの楽器が音がよく出るというのもあります。

これとは違い、レクチャーコンサートやソロ演奏の時は、ニッケルハルパらしい音色やその音色が映える選曲を意識しています。まっすぐで素直な音を目指しています。聞いた感じ地味でも、やはりこちらのほうがすごく難しいです。ソロじゃなくても、Liricaさんとやる時は、同じ学校で学んだせいか、彼女もニッケルハルパを弾くからか、ソロの時のような素直なニッケルハルパの演奏がしやすいです。

今月はじめようと思っているのですが、昔から弾いている素朴な曲を4-5曲弾いた簡単なCDを作る予定です。マイクはOlovに聞いたニッケルハルパ向きのものを使いますが、音は一切さわらず、息や足音が入ってもそのままというもの。ありのままというとカッコいいですが、単に簡易レコーディングなので、ライブで対面販売のみのつもりです。

すごーくマニアックな差ですが、自分では、アグレッシブなほうも、音に素直に向き合うほうも、どちらも好きです。機会があれば聞き比べてみてください。


さて、先日、待望のデニカル来日しコンサートに行ってきました(Danish String Quartet)。感想ですが…、一言でいえば、素晴らしかったのにガッカリした、です。

モーツアルトとベートーベン、間で北欧伝統曲を数曲はさむプログラムでした。クラシックのほうは、息も合い、目も合い、密度も濃く、北欧らしい濃密な音の束を感じました。着席スタイルで譜面台あり、です。

北欧の伝統音楽で求めるものとは、譜面をとっぱらって息使い、表情、目や足や指先や全身を使って相手とぶつかって会話して重ねてリズムを作っていくところに醍醐味があります(譜面でアレンジしたものであっても、ライブ感、アドリブ感という"空気"がほしい)。4人が着席し、譜面を見つめ、お互いに目も合わせず弾く様子は、盛り上がっても全て予定通りという、いわばシラケた空気を感じてしまったのです。モーツアルトのほうが生き生きとして聞こえ、ベートーベンのほうが気迫を感じたのですが、なぜ…(ここでは、作曲家が偉大だからという話ではなく)。

家に帰って動画をまた見てみました。やっぱりスバラシイ。でも、動画では立って弾いているではないですか。譜面台なし。譜面台あって着席している動画も多いですが、カメラワークで細かな表情をうつしていますね。

異ジャンルを混ぜる、特定の客層を狙う、演奏技術だけでは難しいことなんだなって思いました。そうはいっても、好みの問題を別にして、そして、クラシックスタイルでの伝統音楽という視点でみれば、間違いなく最高レベルのカルテットです。

次回があれば、フォーク(伝統音楽)だと思わず、クラシックだと思って聞いてみたい。逆の視点で聞くと、また新鮮に感じる気がしてなりません…!

Danish String Quartet – Shine You no More (Last Leaf)

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2 コメント

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Unknown (josan)
2018-08-03 01:28:38
ご無沙汰しております。せっかく東京に来てくださったのに全くのすれ違いで残念でした。

デニカル、ほぼほぼ同じ感想です。こちらもちょっと残念でした。

そして7月の関西でのイベント、本当なら何をおいても駆けつけるところが、さすがにスンズヴァルは遠かったです。残念。

残念続きですみません。また近い内にお会いできればと思います。
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Unknown (管理人)
2018-08-03 21:39:16
お帰りなさい!北欧の旅、満喫されたようですね!
デニカルは期待が大きかっただけにちょっと残念でしたね…。7月のイベント、お気持ちだけで嬉しいです♪また機会がある時に旅の話も聞かせてください!
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