スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

鍵盤部分の作り始め

2007-04-11 22:22:03 | 楽器製作
今日はニッケルハルパの鍵盤(nyckel)部分を作り始めた。
楽器や設計図の話をしたり演奏をしているとあっという間に時間がたち、
取りかかり始めたのは実は夕方。

今日聞いた一番ショッキングなニュースは、エスビョンが85年に何かの演奏のコンテストで一度だけ、
かの有名なプーマ(ペーテル・ヘドルンド) に勝ったことがあるという話。
その時の審査員はエリック・サルストレム(学校の名前にもなっている偉大な人)。
はぁー、それを聞いたら、ぐぅの音もでません。

まずは一番下の列から作り始めます。
なれているエスビョンはテンプレートをそれぞれの列で作っているので、これを借りて鉛筆で印をつけていく。
ちなみに、本体はスプルース
硬さがいる部分はスウェディッシュメープル(普通のメープルより硬い)。
そしてキーは、柔らかさと硬さの中間であるバーチを使用。

写真1:木は木目を見ながら。カーブした木目を見つけるとポイっと捨ててしまう。
キー(nyckel)は一本ずつ測り、カンナをかけてサイズ調整。
テンプレートを使って、切り落としの目印をつけているところ。
(キーの動きが湿気でにぶった時の対処方、4/5のコメント参照)

写真2:キーヘッドの装飾部分。エスビョンはもちろんナイフにて(左)。
これより簡単にできる棒状のヤスリを使う人も(右)。
仕上がりは当然、ナイフのほうがエッジがきいていてシャープで美しい。

写真3:シャープなナイフ使いは木目を美しく惹きたてる。

写真4:今日も例にもれずお客さんが。
なのでfika(ティータイム)にはハロンのケーキが出てきた。

このお客さん、エスビョンの楽器製作の生徒中で群をぬいてトップだというマグヌスという人。
作ったばかりの楽器を持って意見を聞きにきたみたい。
とても美しい仕上がりで、音色はエスビョンのものに似ている。
4/5にミカエルの楽器がエスビョンに似ていると書いたけどそれは見た目のことで、音色はもっとソフトだった。
今日のマグヌスが持ってきた楽器は逆で、見た目の塗装はオリジナル感があり、音色がエスビョンのに似ている印象。
売っていないのか尋ねると、ノーだった。

さて、写真の装飾部分。
まずナイフで向こうにグッと力を入れ、そしてこっちにもグッと力を。
で、ふぅーっと息で木屑を吹き飛ばす。

うーむ。
見れば見るほどお手本とはほど遠い。
しかも斜めになったのは何で??
見かねたエスビョンは、私から取り上げてしまった。
違う木を渡し「これで練習しなさい」と。
道は険しいのだ。

お知らせ
明日、frifot(フリーフット)のコンサートに行ってきます!
彼らのホームページにはこのコンサートが出ていないので、何で?と思いつつ。
感想は、明後日以降。
コメント
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