スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

特別講師プーマ

2007-04-17 23:06:35 | 授業 楽器
今日は特別講師にプーマことペーテル・ヘドルンド(Puma, Peter Hedlund)が来た。
彼はニッケルハルパのチャンピョンに確か2回なったことがある、かなりのツワモノだ。

来日経験もあり、2003年だったと思う。
東京のスウェーデン大使館でコンサートをし、その時私は東京でプーマからプライベートレッスンを受けた。
翌年は数人でプーマのスウェーデンのおうちまで訪ね、一日講習を受けたことがある。
(彼は地図にもないような田舎に住んでいて、私達は途中で道が分からなくなり彼のCDジャケットの写真を頼りに家を探した。)

なので私は2,3年ぶりの再会。
(といってもDVDを3巻とも持っている私はもっと頻繁にPCの画面でお目にかかっている)
プーマはとっても記憶がいい。朝食時に車で颯爽とあらわれ、ちゃんと私のことも覚えてくれていた。
何と名前まで覚えていてくれた。それはあやしい。
さてはその辺で誰かにこっそり聞いた?とつい疑ってしまう。ごめんなさい。

プーマはソーレン・オーケル(Sören Ahker)の楽器を使っていたが、新しい楽器を手にしていた。
Martin Westermarkという職人さんの楽器。(写真左)
名前を聞いてふと思い出した。プーマの家に行った時に来てたおじちゃんだ。
あの時、楽器の競技会で賞を取ったと言っていたので、きっと腕ききだ。

ちなみに写真右は、FIKA(ティーブレイク)で出された野ばらの実のスープ(ローズヒップ?)。
写真のように砂糖菓子やクリーム、ハロンは普通は入れないそう。
ちなみに1口目「オエッ!薬っぽい」
2口目「グェッ!」
3口目「気持ち悪い…」
4口目「そこまで悪くないけど、背筋がゾーッ」
5口目「おいしいかも・・・?」
という訳で結局好きになりました。また飲みたい。

さて話を戻してプーマの演奏スタイル。私の印象ではとても特徴的。
音色
ひんやりした砂がさらさら風に舞うように、とっても繊細で優雅な音。
(例えば私のイメージするニクラスの音は、さらりとしたハチミツ)
指使い
カチカチ音を嫌う彼は先を考えた工夫した指使いで弾く。(カチカチ音は好みによる)
楽器のニッケル(鍵盤)部分に弱いバネを入れている。
慣れないと押える感触が気持ち悪いけど「バイオリンでも弦をぐっと押えるでしょ?」と言われると、
「なるほど、そうかな」とも思える。
ビブラート
フォークミュージックでは使用しないので、ビブラートがかかる度に思わず注目してしまった。
以前もあんなにかけていたっけ??今日は特に気がついた。
控えめに小さくかける人はいても、はっきりかける人は珍しいと思う。

さてさて。今日はエクササイズと、曲は3曲習った。
エクササイズは、オクターブ・グリップ。
そして各スケールをカチカチ音が最小限になるような指使いで弾く練習法。とっても難しい!
習った曲のうち一つはアイルランド・ポルスカと呼んでいた。
なぜかアイリッシュのマーチなのに、ボンドポルスカに聞こえるのだ。

午後からは恒例の録音タイム。20曲近くは録音したと思う。
コンサート状態で、優雅な音色にみんなうっとり。
拍手!

話は変わって、夕食後。
今日はプーマが来ただけでもかなりビッグイベントな日だったのに、夜は夜でとても興味深いプランがあった。
ニッケルハルパの歴史」の研究家でもあり、レコード会社Tongångの社長でもあるPer-Ulfが会いに来てくれたのだ。

以前から彼の書いた本のことで質問していて、近くで用事があったからとわざわざ寄ってくれたのだ。
食事がまだということで近くのピザ屋さん集合。
他にも話を聞きたいという友人3人と共に彼を囲んだ。
食事を終えていた私達はビールだけ注文し、Per-Ulfの興味深い研究内容に耳を傾け、21時近くまで熱く語った。

彼の研究内容は非常に面白い。
証拠に基づく推論で(証拠不十分により推論の域をでないのだが)、
本当だとすると私がこのブログで書いたこと、つまり授業で習ったこと、
それから現在ある定説は覆されてしまう。私がブログで書いたニッケルハルパ・タイプすら書き直さないといけなくなる。

この話は改めてこのブログで書きたい。いつになるかな?
明日はニクラスがきて、翌日は私のプレゼン、明後日はゲスト講師によるフォークミュージックの歴史の授業と、
午後からはアグネタ・ストルペを講師に歌の授業で週末に突入するのだ。
早くて週末、もしくはもう少し先で。
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