スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

年始の色々、雑記

2021-01-12 14:28:22 | 番外編

年末は、クリスマス動画撮影、ルシアコンサート、オンライン生配信、レコーディング、個人的なことでも忙しく、慣れないことが続きました。年明けには投資の見直し&勉強しなおしをして、一息ついたところです。

1年の終わりに番外編で無駄話を書いて終えていましたが、今年はバタバタして時間がとれなかったので今更ですが一つずつ。お暇な方は雑談にお付き合いください

それにしても日本のアニメはすごいことになっていたんですね。長いこと、幼児向けやディズニーばかり見ていたせいか、「鬼滅の刃」に逆カルチャーショック状態です。子どもが折り紙の裏に「きめつ、ぜったいみてね」と書かれたお手紙を持って帰ってきたのがきっかけで子どもと全話みました。静と動の緩急、カット割り、特に素晴らしく美しい構図、絶妙なタイミング(間合い、呼吸と言うのでしょうか)。原作の良さがあってこそですが、あんな巧の世界になっているとは。作品の完成度に息をのみました。世界からみた日本アニメの独特さ新鮮味もひしひしと感じます。

話は変わって、皆さんは投資はしていますか?音楽好きの投資好きってあまりいないような…?私は、家族の退職金が全額、自分で投資運用する制度に変わった時に、代わりに勉強&運用をして以来、自分でもほんの少しやっています。リスクは最小限に。株は勉強不足で怖いのでしてなくて、ETFと投資信託だけです。年に1回は見直します。少額で長期保有なのでボロ儲けとはいきませんが、おかげでハープが買えました。「人は欲深いので戦争や危機で大暴落しても経済は乗り越えてきた。親から子へ孫へと取り崩しながらも解約はせず長期保有で運用をしていく」という考え方がよく紹介されていて、人間が強欲という点になるほどな、と思います。興味がある方は、今年始めては?

話題が飛び続けていますが、12月に動画撮影をしました。

前回、10月は機材の問題でアップ中心の映像になってしまったので、今度こそ全体が映るような奥行きと広さがある映像にしたいと思っていました。ですが、巨大な業務用エアコンが映り込み背景をカット→人が大きくなる、という同じ結果になってしまいました。こうしたいという思いがあっても状況に対応する力はまだまだです…!

日本は外の風景も(電柱、看板、木々の隙間から雑居ビルなど)、室内も狭いせいか、いろんなものが映り込んでしまいます。音もそうです。バイクやトラックの音、飛行機、外遊びの子どもの声…良い会場があっても色んなものが近くて音が防げません。以前、ネットの記事で、海外の家は大きいので子どものもは子ども部屋にあり、リビングに子どもの気配のするものが置いていない(生活感がない)という内容を読みましたが、やはり家や収納もサイズが大きいからリビングはリビングと分けることが可能なのかなと思います。

今回は、教会の好意で、落ち着きがあり自然な反響音のある聖堂をお借りすることができました。参拝者の邪魔にならないよう手短に終えるつもりで、マイクセッティングもなしの簡易撮影。ですが、隣の幼稚園から太鼓が聞こえて中断、指先の感覚がなくなるほど寒く楽器のチューニングが落ちる、鳥が狂ったようにけたたましく鳴く、窓から人がのぞく姿が写る…等々、何度も撮りなおすと難しい…。慣れていけば完成度があがると思いますが、今のところの背一杯。結果はYoutubeでご覧ください。音は、教会の自然な響きに任せて音量以外さわっていません。

 ・スウェーデンのクリスマス曲 https://youtu.be/GsLUBBlVMRM

 ・ノルウェーのクリスマス曲 https://youtu.be/QkfS7sMCdE0

もう一つ12月には初めての経験でしたが、12月にオンラインの生配信をしました。

定期的に開催している東京北欧セッションが、コロナ禍でオンラインに切り替え活動を継続しています。スウェーデンからのゲストやお話、セッションなど内容も盛りだくさん。私は20分枠をいただいて、自宅から参加しました。家族がコロナで在宅勤務しているので、やたらパソコンやモニターが(モニター単体だけでも4台くらい)。いっぱい機材をつないだら見た目だけはスタジオっぽいです(笑)

20分の枠で、1曲「Polska efter Knuter Jon」を教えるワークショップをしました。

Magnus Stinnerbomに8年くらい前に習った曲なんです。実は、昔、間違えてSDデータを消去してしまい何を習ったか思い出せず、参加していた人に聞いても「さあ?」と言われて分からなくて。それから数年後、またやってしまいました。同じSDカードで今度はJosefinaとNiklas来日時のワークショップデータを消去してしまいました。SDってパソコンと違いゴミ箱にもいかないし、指が滑って消去を選んだ瞬間に消えてしいます。ほんとに残念。2回目の消去の時に、データ復元ソフトにかけてみたのですが、復活したのがなぜかMagnusのデータのみ、ほかのデータは戻らず、でした。おかげでMagnusに習った記憶が戻りました。

この曲はGmの曲ですが、Dmのようにも聞こえます。メロディも単純なのに覚えにくく(リズムが独特)、飽きない曲です。(古くて装飾音の多い曲なので奏者により細かい部分がかなり異なります)
みなさんも、ぜひ試してみてください。

こちらにズーム配信の動画が残っています。私は開始から32‐3分くらいで登場しますが、ちょうど曲を弾いているところあたり54分あたりのリンクを掲載しておきます。

https://youtu.be/1knIJ6TJofU?t=3270

ということで、皆様に良い1年となりますよう!

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年の瀬に本や動画の紹介(雑談)

2019-12-20 10:25:53 | 番外編

12月は一般向けではないクローズドの演奏がいくつか続きました。(クローズドではないけど)関西スウェーデン協会のルシア祭での演奏がとても印象的でした!グルッグにルシアのパン(ルッセカッテル)、スウェーデン料理もすばらしく、今年着任されたスウェーデン大使とも少しお話しできました。30代と若い大使で、スウェーデン協会の会長さんからは、北欧は実力主義で年齢は関係ない、どうやって昇給、昇進するかという具体的な話も聞けて興味深かったです。ルシア祭では演奏したくせに、実際のルシアのことはボンヤリしてて、前夜に突然「」と思い出し、あわててサフランを探したけどあるはずもなく。…白いルッセカッテルを焼きました。翌朝、無事にサンタルチアを歌ってパンを食べました。まあ、正確には…、ねぼけた家族がゾンビみたいな顔して私の指示に従った、ですね。

次回予告をしておくと、次は、レクチャー系ではいつも話していましたが、まだブログには書いてなかった「古楽器コントラバスハルパ」についてを予定しています。

年末はいつも本や音楽の紹介、雑談で終わるので今年も。

バッタの研究者の面白い本とか色々とありますが(本の感想だけで違うブログが書けそう)、今年一番と言われると、ごはんの本です。

日本の家庭料理は和洋中にB級メニューと食事のバライエティが広いですよね。反対に、ドイツだとメニューが豊富にないとか、イギリスの日常食は簡素だとか良く聞きます。私もイギリスにホームステイした時は、毎日毎日ポテトとホウレン草で、週末だけメニューが変わりました(夜ごはん、食パン…)。スウェーデンはメニュー豊富なほうですが、時代で途切れていないのが日本と違います。時代で途切れるというのは…この本を読むと、なるほど、です。

「小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代」 阿古真理

人気の料理家の名前がタイトルについていますが、日本の家庭の食事について興味深い話です。本格的でセレブ風の西洋料理の紹介がされた時代(3日煮込むとか、フルーコースとか)、初めて自分のキッチンを持った核家族・専業主婦が登場しはじめた時代は、ウスターソースやケチャップ、マヨネーズが販売されメーカーがレシピを広め始めた時代でもあります。その親の世代は、戦中、戦後に育ったので自分自身が豊かな食生活(いわゆる家庭料理)を経験していない等。また、現在、和食とされていても割烹料理で、元々は庶民の家庭料理でなかったりします。軽い読み物という口調で書かれていませんが、内容が面白く読みやすかったです。

 

「英国一家、日本を食べる」 マイケル・ブース

先ほどの本とは違い、外国人の目を通してみる日本の料理は、こういう風になるんだなという本です。異なる食感の組み合わせを楽しむのは和食独特なんだとか、ひき算の料理(フランス料理は足し算の料理)、季節を料理に入れる、苦みを味わうのも日本の特徴だそうで、着眼点が面白いです。B級グルメから、ちゃんこ鍋に、割烹料理まで日本中を食べてまわった旅の本です。ただ、著者がアクの強いキャラで…そこだけ個人的には読みにくかったです。

 

「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」「東京の空の下オムレツのにおいは流れる」 石井好子

五感に訴える本!ミュージシャンで料理好きって多いですが、やはり食べ歩きではないところが面白いです。シャンソン歌手石井さんの本で、「メリケン粉」など昭和の言葉が出てきますが、全体が読みやすく気になりません。フランスを中心に外国の料理ばかりでかなり妄想かきたてられます!「○○という料理を食べました。これは、ニンニクを刻んで、バタをおとし、じゅっとなったら…」と作り方が続くので、匂い、刻む音、とろける映像が浮かぶんです。それと作り手(ロシア系マダムとか)とのエピソード。いまだに売れ続けているベストセセラーという書評を見て読んでみたら、納得でした。

さてさて、次は、よく見た動画。「オモシロ系クラシック」が一番見たかな。クラシック音楽をお笑いにできる、それで客席が埋まる、それなりに弾ける人が笑いの道に進む…!!本場ってこういうことなんだなって思いました。いくつか紹介します。

リモコンでCDを操作(実際にはオーケストラ)。この二人組、掃除機でバイオリンの弓を吸いこむとか、他にもたくさんオモシロイことしてます(ピアニスト&バイオリニスト)。

Where is the Remote Control?

 

うわーー!手がいっぱい!

Salut Salon "Wettstreit zu viert" | "Competitive Foursome"

 

このグループはいつも安定していて、隠し芸的な技がベテラン級です。

Grupa MoCarta / MozART Group - Wyścigi skrzypcowe / The Race - HD

 

大阪なんばのショーっぽい…?

ESTILOS del espectáculo PAgagNINI de YLLANA y ARA MALIKIAN

 

疲れたり色々あっても、笑って過ごしたいものです。では、良いお年を。

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子どもの習い事でバイオリン?スウェーデンのニッケルハルパ事情(加筆修正あり)

2018-03-16 16:11:01 | 番外編

昨日キックボードで転びました。片足接地してるから乗り物に乗っていない気がして。でも、私は物理の自然の法則が分かっていないようです。急に降りたらすごいGがかかって止まらない!両手をつく瞬間に大人って色んなことを考えるんですよね。うわー痛そう!血がでたらイヤ!演奏が!とか、コンマ数秒に色んな思いが渦巻き、そうっと手をつくから顔も接地。ああ、残念。ユニクロジーンズも膝が破けてしまいました。

今日は、最近思った「雑談ネタ」です。

子どもの習い事、バイオリンで思うこと(よく検索であがるようなので、内容を読み返し加筆修正しました。2021/3/24)

バイオリンを習うというのは、日本ではお金持ちのイメージが根強いようで子どもを習わせているというと「うわー、どこのオボッチャン?!」というコメントが帰ってきます。内心「バイオリンは基礎だけやったらフィドルさせたい。スウェーデンのフィドルとか、ブルーグラスとか。」と思いますが、フィドルなんて言ったら、私が変人だと思われそうなので言いません。※フィドルはバイオリンのことで、クラシック以外の音楽、特に欧米の民俗音楽などで使われる俗称です。

スウェーデンで人気のスズキメソッド(鈴木メソード)

スウェーデンで伝統音楽を弾く方で、私が知り合ったり尋ねたりした方は、皆さんスズキメソッドの出身でした。スズキメソッドは、教則本にCDがついていて、CDもレッスンでもお手本を「よく聞くこと」を重視します。日本では、スズキメソッドをやっていたら楽譜が読めなくなるという話も聞きます(音符のドを見てドの音を弾くのではなく、先生が弾いた音と同じ音を弾くイメージ)。スウェーデンの、伝統文化で有名なダーラナ地方に、スズキメソッド出身の伝統音楽奏者がいて若手を指導してきたこともあり、特に伝統音楽奏者にスズキメソッドが多いのかもしれません。あるスウェーデン人に話を聞くと、あれしなさい、これしなさい、宿題をやってないと叱る、というのは古い指導法だと言っていました。今は、スズキだけでなく、新しい色んなアプローチ法を取り入れているようです。特に、間違える=叱られる(ネガティブ)というサイクルを断ち切ることも指導の中で重視しているようです。間違えても、間違えなくて、演奏が素晴らしければ良い、とミスタッチで委縮したりつまずかないこと(ポジティブ)が大事だという指導がスウェーデンの今の指導スタイルのようです。

日本の、スズキではない一般的なバイオリン教室では、ひらがなが読めない年齢でも「譜読み」の読み、書き、リズムの練習を始め、レッスン中も先生と一緒に譜面を読みます。全ては教室の方針によるので、ひとくくりに「一般的」とはいえないのですが。特に小さい子はお手本を聞く機会は、スズキメソッド比べれば少ない気がします。(自分の子どもを見ていると、どういう曲か分かっていないまま音を出しているような印象があります。)ですが、早くから楽譜に親しむことで理解も深まりますし、特に読み書きが得意なお子さんは、演奏も楽譜を読む力もどんどん伸びると思います。読む力が元々苦手、集中力が続かないお子さんには、このやり方では苦行のように感じるかもしれません。

本人の個性、取り組む音楽のジャンルによってもアプローチ法は異なると思いますが、日本で、北欧の伝承音楽を演奏するのが難しいという方にお聞きすると、どのように理屈で理解したらいいのか戸惑うのだそうです。楽譜ありきで音楽を学んできた方によく言われます。スウェーデンの伝承音楽は、楽譜や理屈で作られた音楽ではないので譜面に書き起こして理解すると難しく、聞いてまねるスズキメソッドとの相性が良いように思えます。

子どものバイオリンは高価な習い事なのか

※音大を目指す方、上質なクラシック音楽教育を望む方、またそうした教室の方針によっては、以下の内容はお勧めしません。気軽に楽しく趣味でしたいと思う方向けです。

バイオリン=本気の音楽教育、敷居が高い、と思われがちです。でも、スウェーデンのように気軽に習っていいじゃないか、楽しく演奏する楽器の一つであってほしいと思うのです。バイオリンを習えば、クラシックはもちろん、それ以外では、ジャズ、ブルーグラス、また、伝統的に弦楽器を使う民俗音楽(北欧やケルト音楽などなど)と幅広くあります。民俗音楽は、元々、庶民による庶民のための音楽ですので、あまり難しく構える必要はないのでは、と思います。

レッスン代で見ると、私の住まいの地方都市エリアで良くみかける子ども向け月謝は、ピアノ6千円、バイオリン個人教室8千円、大手教室で1万円~です。比較参考に、同じエリアで子ども英会話が、日本人講師6千円、外国人講師8千ー1万円くらいです。発表会は教室によりますが、別途アンサンブルの練習、写真、ピアノ伴奏代などかかり1-2万はします。お金持ち!と言われるほど、レッスン代に差はないかな、と思います。

楽器の値段でいえばピアノは何十万~、電子ピアノでも鍵盤のタッチにこだわると10万~。初期投資としては高いですよね。子どものバイオリンは分数楽器といって1/8、1/4、1/2~と何度も成長に合わせて買う必要があるので高くつくと思われていますが、教室により、消耗品の実費のみで楽器レンタルというところもあります。バイオリンの価値観は様々ですが、何度も買い替えるし、ぶつけて傷を作るので子どものうちは高価なものでなくて良いという考えもあります。それだと、スズキのセット(日本メーカーで、基準が明確な安心感がある)を買えば6万~10万。その中古をネット探すと2万円前後くらいです(弓と本体、古いケースのセットの相場)。

私は子供のサイズ違いを4台、いずれも中古でヤフオクで購入しました(1万、2.2万、1.6万、3万)。サイズアウトしたら売っているので、最終的に赤字はあまり出ない予定です(現在、サイズアウトした3台とも売却処分しました)。

探す時のポイントは、メルカリやヤフオクであれば、購入対象で考えるのは、工場の量産品であってもメーカー品(スズキ、カールヘフナーなど基準が明確)で且つ、たった今まで使っていましたとか、調整済み(弦と毛が交換済み)というもの。避けるのは、ジャンク品(楽器店ではない出品)、自宅で10年以上といった長期保管品は検討しません。弓の毛替え&弦交換が必要であればそれだけで1万円ほどかかりますし、見えないヒビ、駒や魂柱の調整が必要だと数万円かかる可能性があるからです。

中学生になっても続けるなら、まあまあの楽器を探すことになります(大人と同じフルサイズは小学校5年~中学で買うことになるでしょう)。弦楽器店で雑談すると、中高生のオーケストラの部活向けにメーカー品(工場のあるスズキやカールヘフナー)で30万の価格帯がよく出ていると聞きます(それ以上もそれ以下もいます)。中古でそのクラスだと、10万円代でネットで見かけます。

高校、大学、大人でも続けるとさらに高価な楽器を持ちたいでしょうが、音大やコンクルール狙いじゃなければ、お金のかかる趣味という感じかなと思います。バイトや就職してから本人が買っても良いでしょう。あるバイオリンメーカーの価格表を見ると、40万くらいまでは「高品質のスプルース」で、80-100万に近づくと「最高級のスプルース」になっていました。この辺りから、音色が本格的になるんだと思います。私の子どもが通う教室の先生は「30万円くらいまでの楽器は、本人が買い換えたいと思う時期が割と早く来る(高校、大学とか)。50万以上の楽器だとその点、少し安心」と言っていました。ちなみに、信頼できるお店であれば欧米から直接買うのも手です(日本は仕入れにかかる費用分、高い場合があるので)。中国製は最近よく話題になりますが、信頼できる工房かどうかが重要で中国製だから良い/悪いということではないと思います。

考え方はそれぞれですが、本物のピアノを買う、高級クラスの電子ピアノを買う値段と比べて、大きくは違わないかなと思います。

本当に安い楽器でいいのか?

と、ここまで、子どもの習い事で高価なバイオリンは不要ではないか、という意見を書きましたが…。ですが、実際には良い楽器は良い音がします。良い弓は扱いやすいです。つまり、安い楽器では先生のような音色に近づけないし、安い弓は練習してもコツをつかむのに多少苦労する、ということです。どこかの年齢で、楽器のランクを上げたり高価なものを試奏した時に、子ども自身が「なんだ、これは!」と感激するようであれば、楽器ランクを上げる時期かもしれません。我が家の例では、スズキのセットの中くらいの中古楽器を弾いてきて、小学5年生で大人のフルサイズになりました。その買い替え時に、私の持っていた高価な弓を貸してあげました。すると「なんだ、これは!」と本人が違いが分かったようなので、今まで安物でごめんね、と、弓を買いました。日本メーカーのアルシェという、材質にこだわったものにしました。

※30-50万以上のバイオリンの場合、弓は10万円以上がおすすめです。日本で10万円をきる弓は部材に代替品を使っていると聞きます。ただし、クラシック音楽以外では、速弾きしやすい、軽いほうが良い、カーボン素材が丈夫、など、個性や好み、相性のほうが重要で、10万以下の弓でも十分選択肢に入ります。

クラシックを弾きたいか、クラシック以外の音楽を弾きたいかで求める楽器が異なる

私の知り合いの範囲ですが、子どもの頃からではなく、大人になって趣味でバイオリンを始めたという方は、弓・ケース・本体セットで10~20万という方が多く、みなさん品質にも満足されています。無名のオールドバイオリンなど一台ずつ木目や音色に個性があり、値段とは関係ない楽しみ方もあります。またクラシックを弾きたいか、クラシック以外の音楽を弾きたいか(求める音量がソロステージ用ではない、暖かい音が良い、はっきりした音が良いなど)で求めるものが変わるので、高ければ好きな楽器とは限りません。ですが、一般的に「良い楽器」は良く鳴ります。先生が「もっと小さく美しい音を」、「もっと大きく響く音を」、「もっと歯切れよく」など言う時に、鳴りの悪い楽器でコツを覚えるのは時間がかかるのです。(逆を言えば、良い楽器でコツをつかんだ人は、安い楽器でも上手に音を鳴らせると思います。)

スウェーデンで、子どもの習い事としてのニッケルハルパ事情

次はニッケルハルパの話で、大人ではなく子どもの話です。スウェーデンではニッケルハルパ人口が少なく、特に昔は子どもが習う環境はなかったようです。今、30歳前後で活躍するニッケルハルパ奏者は、子供の頃にPuma(Peter Hudlund)に習ったという人をちらほら聞きます(他にも近所に上手な先生がたまたまいたというケースも)。そうした中で育ったニッケルハルパ奏者の多くは、最初はバイオリンではじめて、10-13歳で自分の意志でニッケルハルパを始めたというパターンをよく聞きます。子供用楽器がなかったので体格など成長の度合いとの兼ね合いもあるようです。

最近は、ニッケルハルパの子どもサイズを作って(2サイズあります)子供に教えるプロジェクトがあります。ウップランド地方の子どもは週に何時間か、小学校で習うと聞きました。聞いていると、小学校のピアニカとかリコーダーのことを思い出しました。10年後にはニッケルハルパに触ったことがある大人がいっぱいいるんでしょうね。教育機関へ子どもサイズのニッケルハルパの貸し出しがあるという話も聞いたことがあります(ToboのESIのプロジェクト)。今では、Toboのニッケルハルパの学校を出て活躍するミュージシャンが子どもの教育にも関わっていて、少しずつニッケルハルパ人口が増えていっています。

ニッケルハルパの中古事情

バイオリンの話では、中古のセットがおすすめ、お買い得!と連呼しましたが、ニッケルハルパになると、う~ん…。ニッケルハルパは、中古、特にネットで買うのは危険です。楽器の板は古ければ古いほど良いのは間違いありませんが、構造が複雑で消耗パーツがあり(日本で修理する人がいない)、プロと呼べる職人は数名しかいない世界で誰が作った楽器なのか、他にも様々な理由があります。ちなみに、ニッケルハルパの良い音色は(好みがありますが)、音量が十分あること、共鳴弦が負けないくらい良く鳴ること、音程がとれること(楽器によって、正しい音程がとれない鍵盤が何本かあったりします)、軽いことです。


思い出せないくらい久々に関東に行きます!珍しく4月以降は遠方が続きます。他は追って掲載します。

4月7日(土)13:30-(開場13:00)スウェーデンの響き 長浜ホール(横浜) 2000円

スウェーデンのトボで出会い、その後、楽器工房を開いたDulciCraft主催です。ダンスあり(ポルスクダンス東京)、講演あり(アトラスコプコ代表取締役、日本在住30年のトーマス・オスタグレンさん)、ニッケルハルパとマンドーラのトリオ(東京ヨハンソン)など、盛りだくさんの中、演奏させていただきます。

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昔々、スペルマンスステンマの始まりのお話

2017-09-29 18:06:11 | 番外編

今日の話は、スペルマンスステンマ、その始まりについてのマニアックなお話しです。

1年ほど前に、「フォークミュージック・フェス(民俗音楽祭)」と「スペルマン・ステンマ(演奏家の集まり)」の違いの話を書きましたが、前書いたのは実際に参加する人をイメージした内容でした。(どちらも参加型の伝統音楽のお祭ですが、「フォークフェス」は、よりショー的でステージにお金もかかっていて、一言でいうと、参加型ライブ・イベント。「ステンマ」も規模が大きいとステージ・プログラムは同じくらい充実しますが、「ステンマ」という言葉は音楽は関係なく単に「集まり」という意味で、プロもアマチュアも関係なく伝統音楽を楽しむために人が集まったという感じ、と書きました。)

スペルマンス・ステンマspelmansstämmaを最初に始めた人

スウェーデンで最も有名な画家と言われるアンデシュ・ソーンAnders Zorn1860-1920が始めました。絵画は詳しくないのですが、ソーンの絵は、はっと息をのむ美しさがあります。透明感と北欧の光、品のある眩い色。Sommarnöjeと言う作品はスウェーデン史上最も高値で取引されたそうです。Midsommardansも美しいシーンを切り取っています。勝手な印象ですが、ソーンの絵を見ていると、同じ時代を生きたペテション・ベリイェルのピアノが聞こえてきそうです。

きっかけは1905年

ダーラナ地方ムーラMora出身のソーンは、子どもの頃、牛の角笛を吹いていた羊飼いの女性達の記憶がありました。しかし、1905年のある日、大人になったソーンが友人の狩りについて行った時、牛の角笛や柳の笛など吹ける人などもういないということを知ったのです。当時のスウェーデンは、外国から文化、音楽が一気に押し寄せていました。一般庶民には特にアコーディオンが人気でコード進行もはっきりしたモダンな音楽が流行り始めていたのです。元々村に根付いてた庶民の音楽は、楽譜や作曲者がいる訳でもなく、流行曲でもありません。当然、時代の波にのまれ消えていく一方です。そして、ダーラナの伝統文化の中で育ったアンデシュ・ソーンは、この危機感を肌ではっきりと感じたのでした。伝統音楽の保存、普及、継承を実現するためにどうしたらいいか、考えたソーンは、伝統音楽のコンテストを計画したのでした。賞金は50クローネ。ソーンによる出資です。

そして、1906年

アンデシュ・ソーンが、伝統音楽のコンテストをすると、スペルマン・ステンマ(演奏者の集まり)を呼びかけました。対象は笛とフィドル(バイオリン)で、当時の賞金としては高額で大変注目を集めたそうです。これが第一回、ステンマのはじまりです(出身のMoraの南、SollerönのGesundaで開催)。その時の写真が、Sollerö hembygdsföreningで見れます。有名な話ですがステージは荷台でした。そうして、コンテストを兼ねたステンマは続くのですが、お金で注目を集めるという劇薬は当然、副作用も生むのです。当時、審査員もした、スウェーデンの著名なクラシックの作曲家、指揮者でもあるHugo Alfvenが長い手紙を書いて思いをつづったそうです。「注目を浴びたい人が利用する場になっている。若者や技術のある者よりも、年長の奏者ばかりが賞金を得ている。賞を獲得する者はわずかで、大半はがっかりして故郷へ戻り、中には二度と楽器を弾かなくなった者までいる」と。元々、注目を集めるためにコンテストを始めたものの、進む道を迷っていたソーンは、コンテストから一切身を引きます。

1910年、スカンセン(ストックホルム最古の野外博物館)にてリク・スペルマンス・ステンマ riksspelamansstämma

ソーンは、友人ニルス・アンデションNils Andersson(地方の曲を採譜し、スヴェンスカ・ロータルSvenska Låtarを出版)に託しました。そこで、初めて全国から奏者を集め、全員(約60名)に参加の記念としてソーンがデザインしソーンの資金で作った銀メダルを渡したのだそうです。これが本当の意味でのスペルマンス・ステンマの始まりだと言われています。「リクス riks-」というスウェーデン語は、ここでは"nationwide" 全国の~、という意味です。全国から集まった奏者が、演奏や曲を通して交流し、話をする場を設けたのです。その後、ステンマは各地に広がり、夏のフォーク・フェスとしても数多く開催されています。アンデシュ・ソーンの芸術家としての伝統に対する思い、人脈、そして既に財を成して資金を提供できたことがその後の伝統音楽の普及に大きく影響したのです。

1933年 ソーン・バッジ(ソーン・メルケZornmärket)と、リクスペルマンの称号

現在のsvenska folkdansringenにあたる組織が、ソーン亡き後、残された妻の了承を得て、1910年と同じデザインのソーン・バッジ(ソーン・メルケ)を始めました。ソーンの理念と同じく、伝統音楽の普及や継承を目的に、(伝統音楽の)知識や技術を兼ね備えた人にメダルを与えるというものです。審査は演奏だけですが、知識もなく弾くとすぐにバレてしまいます。またクラシック教育を受けて熟練の技を聞かせても何のプラスポイントにもなりません。現在では、diplom - brons(銅) - diplom efter brons - silver(銀)と4段階あり、審査員の前で演奏し一つずつ合格して上がっていきます。guld(金メダル)のみ、審査員の前で弾くことなく、伝統音楽に貢献した人が選ばれます。開催地は毎年変わり、金メダル受賞者はその開催地の奏者が選ばれます。そして、銀メダルか金メダルを獲得すると、「リクスペルマンriksspelman」の称号を名乗れるのです。

これは別の記事でも書いた気がしますが、リク riks-は、"national","country's"という意味なので、リクスペルマンは単純に訳すと「national musician 国の奏者」となってしまい、国民栄誉賞か、国が与えたメダルかのように誤解をされることがあります。ですが、「1910年、スカンセン」の上記の内容の通り、「全国規模の、全国大会」のような意味合いの言葉です。あまり直訳にこだわらず「伝統音楽認定奏者」くらいにするとちょうど良いのかもしれません。私がソーンバッジのことを柔道の茶帯、黒帯の例えで言うと「まさにそう」と言われます。(ちなみに、私はdiplom, bronsと取りました。早くsilverが取りたいと思うものの、審査のための準備が出来ずトライできていません。)

レベル的にどんなものか?興味がある方もいるかと思います。私の個人的な印象ですが…音楽学校のクラスで優秀な生徒はbrons、その学校で講師になれるくらいの人がsilverというイメージを持っています。もちろんsilverで認定されてもそれ以上の実力は測る術もなく、例えるなら「名誉教授レベル」から「頑張って先生レベルになった人」、「職人肌」や「芸術家風」まで様々な奏者がいます。ですがsilverの意味するところは、特定の地域の伝統音楽を後世に継承していける実力を認定された人、です。ソーンメルケの公式サイトでは、1933-2005年の間に銀メダル740名、金メダルが107名と発表されています。

ステンマのスピリット

つまり、伝統音楽を演奏する人が一同に会し、演奏、意見、曲など音楽を介して交流する、社交の場です。演奏すれば、子どもも大人も老人も、プロもアマチュアも、ステンマでは皆、対等です。社交といえば堅苦しいですが、コンサートを聞いて感動して家に帰る自己完結ではなく、音楽の楽しみを人と分かち合う場がステンマなんだと思います。元々セッションの文化がある欧米では、ジャズ、ブルーグラス、アイリッシュ音楽などなど、自由にセッションをする音楽フェスは各地にありますが、ステンマではステージで演奏する奏者と、ステンマ参加者の一人一人は全員が対等で隔たりがなく、それぞれが主役です。このスウェーデン発祥のステンマの精神は参加すれば肌で感じると思います。実際に、ステンマではステージを終えた著名ミュージシャンも、今回はステージ演奏のない著名ミュージシャンも、朝まで弾いてしゃべって遊んで帰ります。busk spel(茂みで弾く=自由なセッション)こそがステンマの醍醐味です。

終わりに

日本では人が集まっても、楽器は習うもの、練習するもの、それを披露するもの、というイメージが強い気がします。セッションといってもメロディを皆で弾くだけです。楽譜を脇に置いて、相手を見ながら演奏をする交流の場が増えていくときっと楽しいと思います。スウェーデンスタイルのステンマ、北欧の音楽祭が今年も三田市で開催されるので楽器を持って遊びに来る人が増えるといいなと思います。

ここまで書くと、日本の地域の伝統曲(祭事の、笛や太鼓の曲)につていも、存続、継承が気になることを最後に触れたいと思います。私の父は長年そうした曲を収集、採譜していて話を時々聞くので、奏者が亡くなった時がその曲も終わりというのをなんとなく感じてきました。日本にも多様な曲が地域に伝わっています。私が子供の頃に聞いた獅子舞の曲と、同じ市内でも違う地域の違う曲、現在の実家がある10kmほど離れた地もまた違うメロディがあります。今挙げたうち、1つだけが無形文化財に指定されていて、残る曲はこの先どうなるのでしょう。民謡や歌を発掘、保存、普及活動する方はいますが、全国をカバーするには足りていません。

実家近くの盆踊りの曲も、スピード感があってかっこいいんです!でもルーツ不明。ちょっと前まで歌い手と太鼓がいましたが、高齢のためか数年前から録音に変わりました(録音といってもCDではありません)。小さな町内は高齢化で盆踊り自体も年々縮小されています。

また、歌一つとっても奥深いです。少し前に「子守と子守唄」(右田 伊佐雄)という本を読みました。子守という仕事をしていた労働歌としての側面や、竹田の子守唄も「実は~」という話が多々ありますが、この本で紹介されていた内容が興味深かったです。この曲の歌い手が、出稼ぎで(❓記憶が曖昧)各地を回っていたことと関連し、そうした異なる土地の特徴がメロディの中にみられるという話。著者の推測ではありますが。スウェーデンのメロディや曲の混ざり具合の例を沢山見てきたので、そんなことはよくあるだろうなと思いました。

 

掲載したステンマの話は、知っていた内容と、改めてネットで検索した情報(下記)とで書きました。

http://www.sollero-hembygd.se/artiklar/sveriges-forsta-spelmansstamma/

http://www.zornmarket.se/index.php/om-zornmaerket-2/historik-3

https://www.svd.se/zorn-ville-radda-en-utdoende-kulturform

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スウェーデンに行ってきました(北欧の音楽祭、楽譜掲載のお知らせも)

2017-09-04 18:59:19 | 番外編

掲載曲のコメントを追記しました。(一番下のほう)

タイトルの通り、先月スウェーデンに行ってきました。日本の8月は猛暑、スウェーデンは最低気温10度を下回っています。…と、出発前に友達に話すと「南半球行くんかい!」とツッコミが。(南半球は、夏なら冬、真逆ですからねぇ。)

旅の話は別の記事で書くとして、雑談ネタ。あと、重要なお知らせも。北欧の音楽祭の楽譜掲載の件を最後に書いています。

今回の旅では、スウェーデンで好きだったものを久しぶりに食べれて嬉しかったです!

  • 嬉しかったもの、その1:全粒粉ビスケット

何もスウェーデンで食べなくても、日本にだってあるじゃないか、とツッコミが聞こえそうですが。でも、違うんです。輸入物は詳しくないのですが、イギリスのMcVitiesとも違う。スウェーデンの全粒粉ビスケットは、ザクうま、ザクザクしてホロホロ。甘味と塩分も強め。昔、これにバター(発酵バターがベスト)をぬって、チーズをのせて食べていました、と言うと「不健康きわまりない」とツッコミが。やたらツッコミの声が聞こえます。

  • 嬉しかったもの、その2:黒パン 

これも日本ではドイツパンで我慢していました。それはそれでおいしいです。しかし…似て非なるもの!!スウェーデンのライ麦パンはすっぱくないし、コクがあるし、ほんのり甘くて、もっちりもふんわり固すぎないし、ほんとにほんとにウマイ!!ドイツパンのお店が日本でぽつりぽつりとあるなら、スウェーデンパンのお店が日本にあったっていいじゃないかと思うのですが。どこかにありますか?(デニッシュとか、シナモンロールとかじゃなく、本格スウェーデンの食事パン、黒パンの店です)。乾パンのクネッケブルードにしても甘味があるもの、サクホロのもの、スカスカのパリパリと色々ありますが日本では割とパリパリ系ばかり見るような。黒パンは、自分で作ればと思うのですが、レシピサイトが手加減したライ麦パン(比率30%未満)や、ドイツパン(スウェーデンタイプと明らかに違う)しか見つからず…。とりあえずサワー種と、粗びきライ麦を買ったので研究します。

  • 嬉しかったもの、以降まとめて:プリンセストルタなどのケーキ類、スウェーデンのチーズ、KEXのチョコ、ニィポン・ソッパ(ローズヒップのどろどろドリンク)、フィルミョルク、クネッケブルード食べ放題、エスビョンちのコーヒーなどなど。ちなみに、このカエルはプリンセスではありません。damsugare(掃除機ケーキの変形版)です。

食べ物の話はいい加減おいといて、そろそろ、お知らせを。

<三田市で開催の北欧の音楽祭、アルスペル曲が決まりました>

アルスペルは、皆で弾くというスウェーデン語。10/22の北欧の音楽祭では、自由参加で皆で一緒に弾く機会があります。

15年以上、もっと前に日本にスウェーデンの伝統音楽を広めた人がいます。Evaです。これを読んでいる中に実際に当時、Evaから曲を習った人もいるのでは?私もEvaがいたから始めた人です。そのEvaが本当に久しぶりに来日します。あの頃なつかしいなぁという方、噂だけは聞いていた方、 誰かしらないけど楽しそうという方、ぜひEvaと一緒に弾きましょう。そして、友達のFalu SpelmanslagからLasseとMiaも来日。そんなEvaが皆と弾こうと選んだダーラナ地方中心の曲、今日、楽譜を公開しました。

その前に、9/23に大阪で練習会をしますので、気の向く方はいらっしゃませ!(※10月の参加に、練習会の参加は必須ではありません)練習会、当日、どちらもレッスンなど、曲を教える場であhないので、事前に曲をチェックしておいてくださいね。

練習会お知らせと楽譜は、Spel och dansのウェブサイトで。楽譜と音源は、北欧の音楽祭ページでも告知されました。※楽譜、音源、それぞれ参考です。実際に弾く時は、細かく色々と違います。(そういうものなので…)

前半が練習会、後半はダンスです。どちらかのみ参加希望の方はその旨ご連絡ください。

<<追記 2017.09.11>> 掲載曲についてコメント。

ローゲヴァルス Rouge valss:ニッケルハルパで演奏する場合、初めのメロディ「ラソ#-ミレ-ド#シ」と上から降りてくる場所が弾きにくいです。私の場合、ラを薬指、ソ#を小指で押さえています。(普通なら、ラが小指、ソ#が薬指)

ヨセヘシュポルスカ Jössehärspolska:アルスペル8番目の掲載曲。「低いラ」で始まっています。本当は、empty first beat、一拍目がお休みという変わった曲です。(2拍目が、メロディの1拍目のように聞こえます)最初の拍がお休みで二拍目始まりというのは皆で弾くとバラけて弾きにくいので、低音のラを合図代わりに弾いています。フィドルの人はA-basといって、一番低い弦をGからAに変えるチューニングだと弾きやすいです。メロディの一部ではなく合図なので、弾きにくい人は、きっと誰かが「ラ」を弾いてくれるのでその1拍は待っていましょう。

<iframe style="border: none; min-width: 400px; min-height: 325px;" src="https://tackk.com/mgj4fy/embed-canvas" frameborder="0" scrolling="auto" width="480" height="400"></iframe>

 

 

 

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だから世界はおもしろい

2016-12-21 22:55:59 | 番外編

いつもコテコテのスウェーデンの伝統音楽の話を書いていますが、今日は雑談です。お時間ある方はどうぞおつきあください。

前から、時間ができたら読みたかった本を読んだり、レッグウォーマー編んだり、ダラダラと好きなことをして過ごそうと決めていました。

服も作りたくって。間に合えば↓このライブで来たいなと思いますがまだ型紙も作ってないし、そんなに時間をとれるかな?


1月7日(大阪)8日(金沢) 「北欧の教室vol.8」 ハープの奈未さん、ハーディングダモーレの野間さん、そしてニッケルハルパで「北欧伝統音楽の美しさ」をテーマにスペシャル・トリオ結成です。https://tackk.com/hokuonokyoshitsu8


読書のほうですが、スウェーデンの作家ヨハン・テオリンが書いたミステリを2冊読んでみました。

フィクションはあまり好きじゃないのですが、垣間見えるスウェーデン文化や価値観の違いなどを期待して。(権利を侵害せず写真がのせられるのでamazonアフィリエイトを利用しています)

期待通り、とても良い本でした。さすが受賞するよなー!という読み応えがありました。面白いと言ってもいいのか、というほど遺族の喪失感を描き切っていて読んでいて辛くなりますが、それだけではない人間の力強さ、逞しさも感じます。今思うとその逞しさがスウェーデンの国民性なのかもしれません。時間があれば「春」と「夏」も読んでみたいです。

2冊目の「冬」も喪失感や暗く寒い北欧を描いていて、でもストーリーに動きがあり、クリスマスの様子、吹雪など描かれていてぐいぐい引き込まれました。

それにしても、なんで日本の冬はこんなに秋晴れのように明るいのでしょう。この本のようにどんよりと薄暗い、雰囲気のあるスウェーデンの冬のほうが好きです。

そしてこちらの一冊。たまたま図書館でみつけました。スウェーデン人が書いた絵本で、サーミの女の子の生活の話。細部までかかれた絵が素晴らしい!

内容も、オブラートに包まず(トナカイの骨の髄とか)そのままの生活が描かれています。文化を知るための本格的な本といえるかもしれません。欲しいな~と思って探すと、もう中古しかないようです。興味のある方、ぜひ図書館で探してみてください。

中古しかないといえば、「おばけのラーバン」も好きで、これはスウェーデン語、日本語どちらも持っているのですが、これも中古しかありません。

絵本って、元々、部数が少ないので売り切れると増刷されず入手困難になることって意外に多い気がします。

 

入手困難といえば、便利な世の中とは言え買うのが難しいものって、他にも色々ありますよね。

これも最近手にした本で「作家のお菓子」。今は亡き作家達が愛したお菓子を紹介するだけの本なんですがお菓子好きには意外に楽しい本でした。そして、水木しげるさんがよくつまんでいた「ハッカ餅」。食べてみたーい!でも、ローカルでしか手に入らないようです。残念。

もう一つ、入手困難なものにスウェーデンのCDがあります。

最近はダウンロードのデジタルミュージックに置き換わりつつありますが、伝統音楽に関してはブックレットを読まないと気が済まないのです。CDを見つけたらできるだけ買うようにしています。ところが、先日、スウェーデンでもかなりレアなGigaレーベルのCD、amazonをみていたら突然、中古が出ていて買ってしまいました。東京から届いたのですが、誰かが日本で手放したんだな~と思うと、遠くに仲間がいるような気がしてしまいます(気に入らなかったから手放したんでしょうが)。どなかた分からないけど、Kungs LeviのCD、うちで大事にしますよ~。

話題はころころと変わりますが、ポリフォニーを調べていて、たまたまキーワードにひっかかってジョージア(旧名称グルジア)の伝統曲の動画を見つけました。結婚式やパーティなどで歌われるような曲がたくさんあって、無形文化財に登録されているんだそうです。

そして、この、たまたま見つけた動画ですが、なんなんでしょう、このインパクト。

イスラム風かと思うとそうでもなく、意外に明るい。そして画面右の二人。あの無表情がなんか良い。再生しはじめたら最後まで釘付けです。

やっぱり世界って面白い。やっぱり音楽って面白い。それも日常の中にあるから面白い。

Acapella Georgian Polyphonic Singing

それでは、皆さま、良いお年を。

 

 

 

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MD崩壊の危機!誰かー!

2015-06-01 14:40:04 | 番外編

昨日は、万博記念公園での蛍の夕べミニコンサートに来ていただいてありがとうございました☆

一緒に演奏した岡崎さんのギターも心地よく刻む中、ビール飲んだらおいしいだろうな~という気温と心地よい風、夕暮れの光、ほんっとに気持ちよい空間の中の演奏でした。
北欧音楽ですけど、日本庭園前ですけど、ハワイの気分でした~
蛍の夕べに来たついでに聞いてくれていると思っていたら、チラシをみて聞きたくて来たという方も何人か話しかけていただいて、めっちゃうれしいです。

次は、福岡の箱崎水族館喫茶室で「スウェーデン音楽を弾こう!+ぷち・スウェーデン語」を開催します。

2015年8月9日(日)18時~20時 ※詳細は後日。

ところで、以前、アメリカのCrooked stillってめちゃかっこいクールなバンド(ブルーグラス系)を紹介しましたが、そのフィドラーでカリフォルニア出身のBrittanny haas、ずっと注目してました。
すると、ここ最近、スウェーデンのLena Jonssonとデュオでオールド・タイムなど弾くようになり、今ではニッケルハルパのエリック・リドヴァル Erik RydvallやノルウェーのハーディングフェーレプレーヤーのMjelvaと4人で組んでますね。曲の雰囲気はどっちつかずで個人的には好みから外れるのですが面白いサウンドです。

気づいたら好きなプレーヤーが北欧と重なっていってるって、なんか面白いです。
そうそう、なぜBrittanyに注目してるかというと、とにかくかっこいい。
音もかっこよくて、でも、なにより立ち姿!立って弾くクールな姿はダントツ。
理由をずっと考えてるけど、よく分からないんです。
体幹がしっかりしてるのかな?楽器を中心に体をあまり動かしていないように思います。
普通は上半身もっとゆらゆらするか、じっとしている人なら、ほんとにじっと固まってます。
彼女の師匠、Darol Angerも、動いていても中心の軸がみえるかのような弾き方です。
そしてニッケルハルパをはじめポルスカを弾く北欧プレーヤーは、1拍目と3拍目を両足で交互に取る人が多く足を開き気味。
そこに膝の動きを加え、腰を落とすとヨッコイショ・ガニ股になるのです。
要は、足を閉じろってことでしょーか。
皆さん、どう思いますか?

北欧ではありませんが、クールなブリタニーをぜひ鑑賞してください。

BRITTANY HAAS & FRIENDS: Bill Malley's Barndance & E-B-E Reel

 

https://www.youtube.com/watch?v=XMf4IjPoJJY


さて、やっと本題。
ドラマチックな記事のタイトルをつけましたが、ほんとにほんとに大変なことが
緊急事態発生です!
留学中に録音したLP(ロングプレイモード)のMDに傷がついて再生できなくなりました。
パソコンのようなデータクラッシュではなく、物理的に目に見える傷がついたのです
小さなカバーが外れ、その時に傷が入り、読み込みエラーになりました。
データ復旧サービスを調べると10万とか15万とかするらしく…
残念ながら予算オーバー。それも復旧可能であればの話です。
もう泣きそうです

中に入っていたのは、
◎Markus Svensson マルクス・スベンソンの1日講習
-Slangpolska e. Karl Aron Hakberg fr. Shovde
-Polska fr. Gradda garden/Vevlirepolska
-Svanpolska fr. Gotland
-Langdans e. Puxon fr. Kristinehamn
-Akermans polska fr Gotland
-Polska e. Zakarias Jansson, Dalsland
-Dalsland polska
-Polska e. Jonas Aberg och Joans Gunter, Dalsland
-Polska e. Alfred Lundberg fr. Bohuslan (Kort trean)
-テクニカルな話。ボーイング・トレーニングについてなど。

そして、
◎Sonia SahlstromによるAkedemipolskanの個人レッスン
◎Olov Johansoonによるヴェルムランド地方のリズムのレッスン
◎Ditteによる歌のレッスンで、クリスマスソング数曲
◎Karolinermarshの隠されたCパート
◎OlovによるJariJariボーイング
◎スウェーデンの三大結婚行進曲(Gotland, Delsbo, Jamtland)
他にもブルガリアの7拍子のレッスンなど多数。

CD用の修復剤を使って、捨てていいMDに同じような傷をつけて試しましたが読み込めませんでした

MDデータ復旧サービスでお勧めの会社をご存知の方、または上記曲をお持ちの方(曲名では曲を思い出せないので)ぜひご一報ください!!
誰かたすけてー!
nyckelharpa@folkishproject.com

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Sunao marche

2008-07-27 12:00:25 | 番外編
帰国直後、つくばへ行ってきました。

スナオマルシェで、ノルウェイのハーディングフェーレとのデュオ、fiss(フィス)で演奏。

沢山お店が出ていたけど見てまわる余裕がなかったのが残念。
ハンドヴェルクさんのお店だけ唯一見れました。(写真)
塩・コショウ入れを購入し満足!ノルウェイ製だそう。

演奏は屋外と、ロイヤルフォートスウェーデン・モデルハウス内にて(写真右上)。

スナオマルシェ自体は、場所や内容を変えながらまた開催するそうです。
次回が楽しみ!
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典型的な弓(番外編)

2008-02-28 15:17:59 | 番外編
浜松楽器博物館へおさめる弓がスウェーデンから届いた。

留学話からはずれるし、そろそろスウェーデン伝統音楽のサイトを1年以上放置しているから
ちゃんと整理して、そこに掲載しようと思った。
でも、それは夏くらいになりそうなので・・・、ひとまずこちらで。

そうそう、展示用の弓を探していて、最近はいろんな亜種(私のフランス製も含めて)が出回っているので、
「いいもの」よりも「いかにも」な典型的なスウェーデンの弓がいい!とEsbjornへ相談していた。

で、届いたのがコレ。相談しただけで、Esbjornの作品ではありません。
見た瞬間「うわー!!」と思った。
「なつかしいー!!
そうそう、これこれ。一番よくみるタイプ。
先がカーブしててちょっと太くなってるやつ。
フロッグ(持ち手側)はバイオリン風ではあるけど、あの味気ない黒いやつではない。隅々まで手で作りましたって風。
このデザインが、ガツっガツっというウップランド的ボドゥンのリズムを刻めるのだ。

ちなみに、Esbjornに弓を頼むとこんな感じ(写真左)のように届きます。
バルサのように軽い木(グランの端材)に紙テープで固定。
分厚いダンボールをぐるっとかなり密に巻いていた。

お知らせ まだ未計画ですが夏に1ヶ月ほど行く予定。
また日記をつづります。

※ちなみに弓は私の手元にしばらくあるので博物館へ問い合わせないようお願いします

※送金にともない、カテゴリ「留学準備」の送金方法について更新しました。
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楽器が届いた! ~番外編

2007-10-29 22:31:10 | 番外編
楽器ができるまでの様子を日記に書いていた。
その楽器が昨日届いたのだ!
発送からちょうど一週間。

エスビョンと一緒に作った楽器は最終調整をするとエスビョンが言ったのと、
私が2台も持って帰れない!!と言ったのとで、スウェーデンから
送られてくるのを首をながーくして待っていた。
その間、スウェーデンからの便りで、「弾いてみたよ!いい音色だね!」というコメントが
あちこちから聞こえ、私も早く触りたい!と待ちに待っていた。
でも完成直後に日本の猛暑を過ごさず、エスビョン宅で過ごしたは正解だったかもしれない。

届いた楽器は、鍵盤部分の動きも完璧(日本に着くとよく湿気で動きが悪くなる)。
音は・・・デカイ!よく響く!エコー音というより残音というのか、かなり長い間共鳴音が残る。
すごいなぁ。
これは弾き方をかえないと、前のような加減で弾くと響きすぎて楽器がいうことを聞かない。
しばらくは研究です!

さて写真左上。これはスウェーデンで友人に「棺おけ!?」と呼ばれた、ニッケルハルパのフライトケース。
とっても頑丈。私のときは800クローネほど。
ソフトケースごと入れるとぴったりジャスト。
Ranarimのニクラスが使っているものと同じモノ。

そしてフタをあけてみると・・・
クネッケブロード(乾パンのようなもの)!!やったね!Tack,エスビョン!
私が日本に持って帰えったものは、早速、小麦につくあの虫がわいて食べれなかったのだ。
Leksand(村の名前)産のがいい!なんて贅沢はいいません。
スーパーで売っているWASAのブランドで十分おいしい!

そして、最後に参加したセミナーの内容のかなり詳しい冊子が。
飛び入りだと言うのに私の名前や写真もある。いい想い出だ。
ほんの数ヶ月前というのが信じられない。

そして中には、コントラバスハルパのA4カラー写真。
フフフ。そうなのです。現在、注文中。
日本初をねらう気はないけど、おそらくこの楽器は日本初上陸になるのでは!?
実は、今、スウェーデンで出回っているコントラバスハルパは、実は伝統的な作りと違うのだ。
今回は、その伝統的手法で作ってもらう予定。
つまり、スウェーデン本国でも珍しいものになるでしょう。
エスビョンにとっても、コントラバスハルパは一台目の作品となる。
(とはいえ、先生として伝統的な手法でコントラバスハルパの作り方自体は教えてはいる)
完成まで、頑張ってお金を貯めます~

さてさて、万一、地震でもきたらアレもコレもかついで逃げれるかな!?
コメント (12)
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トルビョンのレッスン ~番外編

2007-10-08 01:19:53 | 番外編
「イベントお知らせ」カテゴリでも書いた、トルビョン・ネスボム(Torbjörn Näsbom)のニッケルハルパとチェンバロのコンサートに行ってきた。
(東京公演はロバハウスでこれから)

以前、「おススメCD」でもVattenというアルバムを紹介したことがある。
友人Eの先生だったのがきっかけでCDを聞き、一発ノックアウト。
上手すぎる!

来日なので場所は日本。
このブログは一応「留学日記」なので、どうしようか迷いましたが、
特別に受けたレッスンの話もあるので、今回は番外編として書きます。

曲目は、新作CDの曲目中心。
民族音楽と表にあっても、中身はクラシック。
ただ、トルビョンの腕前で(本業はクラシック・バイオリニスト)、かつニッケルハルパでバッハ!?
それは、どんな音色なのか興味しんしんなところ。

コンサートに行って納得。
ラストのラフォリアは特に圧巻。
開いた口がふさがらないというか、弓さばきも軽やかで人間ワザとはとても思えない...

弦楽器を奏でるネッケンは、水の精(06年9/2に書いた、悪魔みたいな精)。
そしてトルビョンはVatten(水)という曲を作曲し、代表曲だ。
私が書道と弦楽器の演奏は同じものを感じると、お寺のお坊さんに話したら、
音楽も書道も、東洋思想では「土」とか「火」とか5大要素の中では「水」になるそう。

なんだか、水つながりだ。

さて、なんとまあラッキーなことに、翌朝はトルビョン直々のレッスンを受けることができた。
トルビョン、「和紙のキレイな折り紙が欲しいな。子供にあげたいんだよね」。
そんなこと言われたらあげたいでしょ!
早速レッスン受けてる間に人に頼んで買ってきてもらった。

レッスンは、いろんな曲を習いたかったけど、テクニックのみにしぼった。
(トラッドでレッスンというと、通常は曲を学ぶ。「伝承曲」というジャンルだからね。)

トルビョンの弾き方はウップランド、または伝統的なニッケルハルパの奏法とは異なる。
クラシックバイオリンをニッケルハルパにあてはめるのだ。
これには賛否両論ある。
(あのヴェーセンのウロフでさえ、バイオリンのような手首の返しは重要でないと考える)
トルビョンの楽器の音色も典型的なものとは違い、バイオリン的というのか、それこ例えるならピアノとチェンバロくらいの違いを感じる。

「好きか嫌いかは自分で判断して。でも自分はこういう奏法だから」というトルビョン。
いやいや、好きだからレッスンを頼んだのです。
優れたプレーヤーの良い面は積極的に取り入れたい。

さっそく立って、椅子にすわる私の手のひらをつかんで引っ張りあげる。
「力ぬいて。もっと、もっと!」と。

「体が水になって床に崩れ落ちるくらいリラックスして!口半開きになるくらい力抜いて」と、白目をむいて弾くトルビョン。
は!ネッケンにとりつかれた!?
いえいえ。

左手の鍵盤部分を押さえる手も力を抜くようにって。
そして完全にリラックスができるよう、最適な楽器を持つ角度を探さないとだめって。
私は高いキーを押さえるときに、左手の形が変わる。これは×なんだそう。

「リラックスすればするほど、音量もおおきくなるよ。もっと"in the string"で弾いて。」
これもバイオリンではよく言われるけど、ニッケルハルパではあまり聞かなかったことだ。
どちらかというと、ノリ、アクセント、パーンとで出しをはじくように弾く弾き方などを中心に練習してきた。
ただ、この"in the string"って、日本語では何というのか分からない。
スウェーデンでも、バイオリン出身者の同級生がよく"in the string"で弾くという表現をよくしていた。
イメージするに、ねちっこく、「水」っぽく、いかにも弓で弾くよいう音を出すことじゃないかな。

レッスンは、とってもエネルギッシュかつ怒涛のトークで(ものすごい勢いでしゃべっていた)あっという間に終わった。
貴重な時間でした。
「移動が多くてお花持って行けないから」と昨夜のコンサートのお花をいただいてしまった。
お花を用意した関係者のみなさま、うちに飾ってしまってごめんなさい~!!

皆様にもおすそわけということで、写真でどうぞ。
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