スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

ブロール・ユート美術館

2007-02-28 03:48:53 | 授業 その他
今日は、学校からみんなでウプサラへ。

まずは、 ブロール・ユート美術館(Bror Hjorths hus)。
このブロール・ユートは、スウェーデンを代表する芸術家の一人で実際に住んでいた家を改造、増築している。(写真左上は、美術館の門)
作品は彫刻、絵画などなど。ウプサラ駅前の大きな像は彼の作品
テーマは音楽、愛、生活などで、とくに「愛」については、今も昔もかなり議論を呼んでいるらしい。ウプサラ駅前の像もそうだが、アソコの描写を誇張している。

ビングシュー(Bingsjö)を代表するバイオリンプレーヤー(もちろんフォーク・バイオリン)ユート・アンダシュ(Hjort Anders)、同じくウップランド地方を代表するヴィクスタ・ラッセ(Viksta Lasse)と、ブロール・ユートは交流が深かった。

その息子であるウーレ・ユート(Ole Hjort 1930年生れ 写真右上はGIGAから出ている彼のソロCD)は当然これらのプレーヤーと小さな頃から親しみ、現在はウップランドを代表するバイオリンプレーヤーだ。かつてはロイヤル・オペラ・オーケストラのバイオリニストでもあったので、腕前は確かだ。
このウーレの案内で今日は美術館を案内してもらった。

これらのプレーヤー、他にもフォークのジャンルでは有名なオーガスト・ボリン(August Bohlin 今ある形のクロマティックニッケルハルパを完成させた)などの絵もたくさんある。
美術館は、ブロールの展示と、その都度入れ替わる展示をしている。(写真左下は受付)
今はElsa Beskowという昔(友人は100年位前じゃない?と言っていた)の絵本作家。登場人物の服もアンティークでとても素晴らしい。友人達は口々にほめていた。教科書でもこのElsaの絵が未だに使われるらしい。

一通り、ウーレに案内してもらった後、数曲弾いてくれて後にした。年齢は結構いっているはずなのに、音色は衰えをしらず素晴らしい演奏だった。軽やかに情熱的に弾いてくれた。

その後は、すぐ近くのウプサラ大学のカフェテリアでランチ。
62krでメインを選べて、サラダバー、パン、飲み物、コーヒー。
パンとコーヒー抜きは55kr。
他にも色んなメニューがある。
やはりスウェーデンに特徴的な、明るい色の木をふんだんに取り入れ、トレイも明るい色の木で光もたっぷりそそぐ明るいカフェテリアだった。

その後は、歩いて15分ほどのところにあるSOFIという資料館へ。
ここには”folk life”についての資料が保管されている。
folkを日本語で"フォーク"とすると、”70年代フォークソング”かのような。
「民族」と訳すとこれまたピンと来ないと言われそう。
つまり、「伝統的な文化」についての資料が置いてあるということ。
例えば、「ゴットランド島の18世紀の結婚式で使われていた手袋について」など調べられる。もちろん「音楽」のジャンルも置いてある。

原始的なのだが、まずカタログ室へ入ると、地方、ジャンルなどカテゴリー別に分かれた小さな引き出しがたくさんあり、インターネットでキーワードを入力して検索するように、自分の調べたいキーワードを元に探していく。
小さな引き出しを開けると、小さな図書カードのようなカードがぎっしり入っている。そこに資料の名前が書いてあるので、それをメモして受付へ持っていく。
コピーはA4サイズで一枚3クローネ。コピーを頼む場合は、後日受け取りに再び行きます。

実際にどんな資料を保管しているのか見せてもらった。
百科事典のような分厚く古い本を開くと中は全て流れるような手書き!地方による衣装など詳細を絵でも書いてあった。
また、別の資料は、楽譜で5線も含めて全てカードのようなB5 ほどの紙に手書き。裏にはびっしりと文字がかかれていた。
そういった、古い資料ばかりなので貸出はしていません。
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人間工学?

2007-02-27 23:53:51 | 授業 その他
今日は、ergonomiskの専門家によるレクチャー。
辞書をひくと「人間工学の」というなんとも恐ろしげで不可解な日本語が出てきた。
要は筋肉とかエクササイズとかに詳しい人ってこと。

1ヶ月前に、姿勢を見てもらうため一人ずつ、演奏を4方向から映したDVDを送っていた。これを見た、

専門家先生による所感
注:ニッケルハルパのことはこのDVD以外、何も知らない。

--人の正しい姿勢を考えるとこの楽器は、立って弾くものだ。
座って弾くと、骨盤が傾き重い楽器で不均等な負担が体にかかる。
--椅子に座って弾くときは、角度(前下がり、後ろ上がり)を調整できるような椅子が好ましい。椅子の背に座って、半分立ったような姿勢もOK。
一番良くないのは、膝の上に置いたニッケルハルパを猫背で構え、顔を上げた状態。
せめて、首からバンドをかけまっすぐの姿勢で弾いたほうがいいとのこと。

その後、楽器をもった立ち姿を一人ずつチェックして行き(私は背中の筋肉が極端に少ないといわれた)、演奏の姿勢から分析した効果的なエクササイズをいくつか紹介してくれた。

全部は書ききれないので、二つ紹介。
1、椅子に座り、右手で椅子の右側を持ち、左に体を傾ける。左手は傾けた頭に添え、軽く左へ力を加える。(右の首から肩のストレッチ) →反対側も同様に
2、壁を両手で押し、腕立て伏せのような運動。これは平らな壁ではなく、コーナー(角)を使う。コーナーでやると、平らな壁や床よりも深く出来るので(平らな壁だと頭を打ちつける)。これは「筋トレ&肩甲骨部分のストレッチ」。
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ポルスカについての本

2007-02-26 23:21:00 | 授業 楽器
1週間のスポーツ休暇明け。

ダンスコースはもう一週間お休みなので、人数が少なく感じる。
さっそく、ソニアのレッスン。
今日はダーラナ地方のボーダ(Boda)という村の曲を。
ソニアはバイオリンも上手い。セッションになるとバイオリンのほうをよく弾く。
そして、ボーダやウッシャ(Orsa)の曲をよく弾き、結構くわしいと思う。
Aマイナーの暗くてゆっくりした曲だった。

それから、Solo spel(ソロ演奏)。
今日はクラスメートMと私の番。
ソニアは、コンサートで大勢いるよりも少人数のほうが緊張するらしい。そして、みんな同じジャンルの曲を弾く人達だともっと緊張するらしい。

私は誰の前で、何人の前で弾こうと、ソロだと緊張が全く解けない。
誰かと一緒だと平気なのでデュオからOK。
でもこの緊張、スウェーデンに来て日が経つにつれ悪化していく気がする。

見た目には普通だと思う。
聞いても緊張してるとは気づかないかも(普段の様子との違いなんて知らないだろうから)。
けど、弓を持つ手が固くなったり左指が血の気がひいて冷たくなるのを感じる。
目線も泳ぎ始める。
個人レッスンでさえ、一人で弾くと緊張する。
毎回毎回こうなので、今日は皆に待ったをかけて相談した。

そしたら、ソニア「みんな、誰だって緊張するのよ。私だって。あなた一人じゃないから」と。
みんなも「うん、うん」とうなずき私に微笑みかける。
まるでメンタルなセラピーの会にでも参加しているような、患者になった気分。
でも、見た目に分からない程度に歯が震えるのを感じる。指も冷たい。
いや、私って本当に病気なのかも。
いかん、いかん。人は追い詰められると、マイナス思考に拍車がかかる。

隣でじっとみつめるSが「私は深呼吸するよ」と。
でもね、Sちゃん。
あなたがそんな近くで見つめるから余計に緊張するのよ、と内心思いつつ、はぁーっと深呼吸。
そして一気に弾いた。Smultrongärds Idaのポルスカ。

緊張というには大げさだけど、力の抜けていない演奏だった。
「もっと弓を大きくつかいたかったけど、腕がこわばった」と言うと、ソニアが「じゃあ、ハーモニー弾くから一緒に弾いてみよう」と。で、一緒に弾くと、いつも通りに弾ける。
みんなも「あ、笑顔が戻ったよ!」なんて余計なことを言う。
他に気をそらせばいいんじゃないかと、ソニア。
弾く前に小話してみんなを笑わせたら?と、アメリカ人J。


Polish dance in Scandinavia and Poland」というタイトルの本を入手。

全編、英語。(おそらく英訳ではなく、英語で出版された本?)
写真右上は目次の一部。CD付。(Svenskt visarkiv出版)
多分、ストックホルムの音楽博物館でこの表紙をみかけたような…。(頂きものなので)
著者は一人ではなく、数人の人が色んなタイトルで書いています。
ポルスカの歴史の授業をしてくれたMagnus Gustafssonも”Transformation of melodies”というタイトルで書いています。
Introductionを今、読みかけですが、2001年にpolskaについて初の学術会議が開催されたそう。スウェーデンをはじめ、ノルウェイ、デンマーク、フィンランドの学者が集まったそうで、とても興味深い。
今までは主に収集が盛んだったけど、分析や研究がもっと深まっていくのではと期待。

それとは、なーんの関係もない写真。
左下:学校所有の自転車(自由に借りれる)。こんなに雪に埋もれてちゃあねぇ…。
右下:学校近くのガソリンスタンドと奥に売店(←トボで唯一のお店!) ガソリンの値段表示が見にくいですが、リッター10.95クローネ。(1kr=約17円)。おそろしく高いのは、車利用を減らすため?だとか聞いたことが。
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ストックホルム観光その2

2007-02-25 16:22:00 | スウェーデンのこと...
ヴァーサ号博物館(Vasamuseet)
現存する最古(1628年)の戦艦。1961年に海から引き上げられたそう。
全長62m。高さはマストまで入れると50m。
何も知らず、何も期待せずに入ったので、目の前の巨大な船に圧倒。
あまりのスケールに衝撃。
船は建物6階全てから見ることが出来ます。
発見された骸骨から顔を復元していて、あまりのリアルさに気持ち悪い。あんなマスクがつくれるのならスパイ大作戦みたいに他の人に化けることも可能でしょう。
水曜のみ17時以降も開いていて、しかも安くなります。

レストラン
数年前の「地球の歩き方」を頼りに。
音楽博物館から数ブロック歩いた先に、Per Olsson(スウェーデン料理)とStolen(イタリアン)が載っていて、Per Olssonは地図の場所には不動産屋さんが。つぶれたのか移転したのか。なのでStolenの方へ。(Sibyllegatan 47、日曜閉店)
こ、これが!ウマスギル。
まずは、グラスで一番安い赤ワインから。私の苦手な渋みや酸味がなく、まろやかで重く(という表現が的確なのかは分からないけどね!)おいしい。お水も水差しで持ってきてくれます。
サラダに頼んだ、バジルドレッシングのトマト&オニオン。うちの学校の調理師もよく作ってくれ、とてもおいしいからハズレはないだろうろと想像。そ、それが。想像以上。なんでこんなにおいしいんでしょう。ドレッシングの繊細さも気に入りました。
もちろん、ここでこんなにおいしいとメインも気になる(一緒に行った人とシェア)。
案の定、期待を裏切りません。子羊のステーキは日本人でも好きそうなくらい柔らかく、赤ワインとフルーツを煮込んだようなしっかりとしたソースもおいしい。
それと、トマトクリームパスタ。ごろごろしたチキンや小さく刻んだ野菜が入っていて、ソースがこれまた絶品!
デザートに、”Cold one, Hot one, Strong one”とあったので何だろう?とあえて中身を聞かず頼んでみると、アイスとエスプレッソとグルッパ(多分、そんな名前)という舌がぴりぴりする強いお酒が出てきた!この組み合わせに「?」と思ったものの、楽しませてもらった感のあるデザートでした。
その他、パンや付だしのようなものもあり、全部で二人で1万円くらいかな?
高いような(店員さんは気さく)、でも料理の味から言うと安いような。
平日な上、ひっそりとした通りなのに店内ほぼ満席。
非常に満足★★★
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ストックホルム観光その1

2007-02-24 00:39:48 | スウェーデンのこと...
休みの間はあちこちと行きました(日帰りの範囲で)。

そのごくごく一部を紹介。

写真
左上:Lövstabrukにある教会の中のパイプオルガン。パイプオルガニストなら一度はこれを見たい、これを見ずには死ねない、と世界中から集まってくるほど有名らしい。が、理由は知りません…。

右上ストックホルム中世博物館(Medeltidsmuseum)。ガムラ・スタン(旧市街)のすぐ側、国会議事堂の向かい。橋から階段で降りるたところにあるので近づくまで姿は見えません。入場無料!
実はこの写真、幅20~30センチのミニチュア。
トルフタの教会にそっくり。
うろ覚えな説明書きでは、「典型的な中世の教会の作り。狭く小さい窓とカラフルな絵」と。
私の思う特徴は、絵本のような奥行きの無いかわいらしい絵、壁や天井に壁紙を貼ったようなかわいらしい模様画、細かく立体的な柱や天井。写真のミニチュアは、ウップランド地方に実際にある教会がモデル。
2/22のブログで載せた方の教会は、入口入ってすぐは同じような特徴。本体内部の方は形状は同じで絵は消されていた。古い造りの教会を補修する上で仕方なかったそう。

左下:ガムラ・スタン(ストックホルム旧市街)にある一番狭い通り。人一人の肩幅くらいの広さ。

右下:凍りつき、ひびの入った川面。ストックホルム。
(この日は特に寒く、頬や鼻が冷気で激痛!)
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冬景色

2007-02-22 23:45:14 | スウェーデン生活
引き続き、スポーツ休暇中…。

今日はエスビョンがあちこち車で連れてってくれました。
Forsmark(原子力発電所もあるエリア)にあるステキなレストランでランチの後、brukという製鉄などを行う村のような集落(実際にはÖsterbybrukと Lövstabruk)を見学。

1700年代後半から近年にかけて(現在は閉鎖)、世界の鉄の5割を供給し続けたのはこのウップランド地方のbrukなのだそう。

エスビョンは実はこのÖsterbybrukの製鉄所の修復プロジェクトのリーダー。なので、冬期で閉鎖されていたところ、鍵を借りてきて開けてくれた。
そしてDannemoraにある、鉄を掘っていた場所も訪ねました(数百メートルの深さ)。

写真
左上:エスビョンの車窓からの眺め。一面雪。この時、晴天でマイナス8度。
右上:目と鼻の先にムースが3頭も!非常に珍しいらしい。
左下:ToboとÖsterbybrukを結ぶ道の途中にある教会。1300年代からの古い教会。
冬期は閉鎖しているのか、近くにすむパイプオルガニストの家まで行き教会の鍵を借りて中へ。エントランスの天井画は非常にシンプルで独特な絵。これは修復していない当時のままの絵なのだそう。スウェーデンの古い教会は一見の価値あり。とても独特です。(2/25のブログ 写真説明-ストックホルム中世博物館)
右下:3~4歳用ニッケルハルパ。エスビョンの作。作りは細部まで丁寧で、音色も響きがよく、子供用にするにはもったいない気が…。
この日、私の、底をくっつけた(くっつけてもらった?)ニッケルハルパにも対面。いよいよ楽器っぽい姿になっていた!
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セームラのお店

2007-02-20 23:24:06 | おススメカフェ・ショップ
ショーウィンドウがいつもお菓子やケーキで飾り立てていて魅力的なお店。
ずっと前から気になっていた。
Landingsというお店で、ウプサラのおっきい広場からメインストリートをそのまま左へ(オーレンスを左とすると。)数百メートル進むと右手にあります。

セームラ(semlor)ミニは16クローネ。大きいのは22クローネ。
お店に入ったらまず番号札をとり、呼ばれるまで待ちましょう。

クリームは甘くなく、そのクリームの下に塗っているこっくりしたマロン色のクロームだけが甘く、全体としては甘さ控えめ。
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スポーツ休暇のお知らせ

2007-02-17 23:39:57 | 未分類
さて今日も引き続きエスビョン一家はインフルエンザの猛威で楽器製作はキャンセルの連絡。
でも電話で「このままだと、遅れちゃうから底板つけといたよ!」って。私がくっつけるよりはるかにイイワ!と喜ぶ反面、ほとんど手を出していない状況にがっかりも。
まだ、なんとかなるでしょ。製作工程を見るだけでも随分と違うし。

そうそう、今日はmelodifestivalというTVにニクラスが出ました。
このTV番組は、8人(8組)のミュージシャンが歌い、視聴者の電話による投票で決まる勝ち抜き戦。結果、8組中6位で残念!
このニクラスのグループ以外はみんなポップスだったので、ワールド・ミュージックのジャンルとしては頑張ったと思う。
曲は、ウリカ・ボーデンとあと知らない二人と一緒に中近東風の曲で、ウリカが「アフガニースタン」とか「アフリカーンスク」とインタビューに(もちろんスウェーデン語で)答えていた。ウリカの透明感があり、かつ伸びのある声にはぴったりな気がする。

ニクラスはものすごいさわやかスマイルでカメラ目線!
最後は、”フィーバー!”よろしく弓を天に向かって突き上げてフィニッシュ。
うひゃうひゃとみんなで楽しく笑いながら見ました。

実は今日から1週間「スポーツ休暇」です。
なんなんでしょうね…、一体、スポーツ休暇って。

というわけで、この1週間は何か思いついた日は書く、という程度にします。
授業再開は2/26
ニッケルハルパやスウェーデンの音楽のことなど、何か質問や取り上げてほしい話題等あるかたはコメント欄かnyckelharpa@mail.goo.ne.jp までどうぞ。
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散歩はスキー

2007-02-16 22:24:03 | 授業 楽器
今日は、ウロフと個人レッスン
今日は、風邪でお休みしている4歳の子を連れてきていた。
「コンニチワって言ってごらん」とお父さんが言うと、氷のように固まってじっと私のことを見つめていた。

さてさて。今日は何か取り組みたいことある?と聞かれた。
「Vikでの交流イベントで弾いたLappkungens polskaの出だしを私のニッケルハルパで弾いて欲しい」とお願い。

実は、あまりにもひどい音のため、選曲を間違ったと思ってしまったたほど。以前にも書いたけど、私の楽器はC線上の音に問題がある。
で、このLappkungenは出だしがC線上でスローに始まるので、下手に弾くと本当に聞いていられない音がする。上手く弾くとどんな音がするのか聞いてみたかったのだ。

ウロフが弾いてくれたのを聞くと、ふぅむ。
楽器の問題は別にして、やはり上手い。

さっそくウロフは楽器の別の箇所の問題を発見。
löv(弦に触れるぽちぽち)の位置が弦に近すぎるらしい。
ノイズが出ることには私も気づいていたけど、だからといってどうしたらいいかは分からなかった。
「今日は道具もってきてないんだよね」といいながら、油性マジックペンを握り締めた腕をおもいっきり振り下ろし、ガツっ、ガツっ!と何度もネック部分を叩いた。
相手がウロフだから何の不安もないけど、知らない人がみたらびっくりすると思う。
その部分は接着してあるのかと思っていた。
弾いみては叩き、を何度か繰り返す。
ウロフの連れてきたチビっこは、ヘッドフォンをつけられPCで何かアニメを見ている。何も聞こえないみたいで、時々、興奮気味に画面に向かって何か話しかけていた。

それから、ペグの弦の巻く方向がよろしくないとこれも巻きなおし。(4弦4つのペグとも同一方向に力が加わっていた)
それから、何度もボーイングの練習をした。
C線上の問題とは別に、やはりもっと注意深い弓運びが必要。難しい曲や速い曲は練習すれば弾けるようになるけど、やはり音色は本当に注意してコツをつかまないとどれだけ弾いても同じなのだ。
そして、より客観的になるために、時々他の人の楽器を数分弾いては自分の楽器に戻って確認したほうがいいかもしれないと言われた。

話は変わって、写真はスキー靴を履いたクラスメート。
みんな、散歩はスキー板をはいて行く。
こちらで何の前置きもせず「スキー」というと、クロスカントリーのこと(歩くスキー)。雪が降った頃から、みんな散歩にはスキー板を履いて出かける。
日本ではクロスカントリースキーは一般的じゃないので、あまりピンとこない。斜面を滑るスキーだって、日本では近くにスキー場がなければリッチなリゾートっぽいイメージ。
でもスウェーデンではスキーは日常。斜面じゃないから、いい運動になる上に危険も少ないといっていた。骨折なんてまずしないと。
これなら、スピードや転ぶのが怖い私にでも出来そう!日本でも出来るとこ(コースとか)あるのかな?

もう一枚の写真は久々にご飯ネタ。
スウェーデン・ハンバーグです。肉の中にはヤギのチーズがゴロゴロと入っていた。上にかかっているのは、クリームチーズソース。さすがスウェーデン。
ちなみに、今頃、最年少のクラスメートEが肉を食べないことに気づいた。
(最年長は50歳台と幅広い)
私がそう言うと、Eは「肉はエルクなら食べるよ」と。?
理由を聞くと、「エルクは狩で殺されるまで自由だから」。
食肉用の家畜は自由がなく、ひどい扱いを受けているから、ポリシーとしてそういう肉は口にしないのだそう。彼女は19歳。
ここでも、またスウェーデン的なものを感じた。
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知人にばったりでびっくり

2007-02-15 23:48:02 | スウェーデン生活
午前はダンス、午後は演奏の授業。
ダンスはエンゲルスカとワルツ。

ワルツでは、先生のアンドレアスに「トップが重いから、もっと地面からのパワーを感じて」。
なんとも抽象的なアドバイス。
言ってる意味わかる?と聞かれても、なんとなく分かったような、分からないような。
言われたイメージを頭に浮かべて踊ってみると............
「Bra!」(いいねー!)とアンドレアス。
ふぅーむ。うーん。頭ではピンとこない...。

さて午後の演奏の授業。
レッスン前は必ずストレッチなど柔軟運動をします。
最近は、担当を決めて二人ずつ、ウォーミングアップの運動(体とボーイング練習)と音楽(CD)を考えて用意してくる。
今日は私とCの担当。
二人で考えているときに、Cが床にうつぶせになって「スーパーマン」(床にお腹をつけ両手両足を宙に)をやりたいと主張。私が「床は汚いからヤダ」と主張。それでもCはやりたいらしく丸め込まれてしまった...。が、やはり、やりたくない!と訴え最後に逆転勝訴。よかった。
授業の終わりには、次回やる数曲を録音。うち一つはタンゴ。

夜は、恒例のトボトシュダグ(Tobotorsdag, 訳すと「トボの木曜日」。月に2回ほど音楽イベントがある)。
Tenstaというところからスペルマンスラーグ(演奏グループ)がきてダンスと演奏。(写真右)
うち一人どこかでみた顔だと思ったら、知った人、Jだった。
びっくり。こんな外地で知人にばったりなんて、しかも日本で知り合った人にばったりって、そうあるものじゃない。
このJは、2年前?愛知万博のときに北欧館で何度か一緒に演奏したのだ。
当時は、また会うことはないだろうくらいにしか思ってなくて、連絡先を交換しなかった。(実際は、そんなこと思いつくヒマもなかった)
さっそく休憩で話しかけるとフルネームで覚えていてくれた。

向こうも、こんなスウェーデンの田舎で私にばったりなんて思ってもみなかったようでびっくりしていた。

ニッケルハルパの世界は狭い!
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ヨハン・ヘディン(Johan Hedin)

2007-02-14 23:59:04 | 授業 楽器

今日は雪の中、ヨハン・ヘディン(Johan Hedin)が特別講師に来てくれた。
Bazar Blåというバンド、ソロ、他のプレーヤーとのデュオ、新しくニッケルハルパを作る、などなど活躍は多岐にわたり書ききれないくらい。
日本では2006年の秋にソロ・コンサート。
私は、ヨハンはCDでしか知らないので今回が初対面。

去年、日本に来日したときの宣伝か何か忘れたけど「ニッケルハルパの貴公子」という日本語を目にした。会ったことが無いのでイメージが先走ってしまった。
だって「貴公子」って言葉に"イマドキの特定のイメージ"を持ってしまうのは私だけ
"イマドキの"とは「韓流」とか「王子キャラ」のことで、よく貴公子という表現をする。
ともかく私の勝手な思い込みで()さぞかしスマしたミュージシャンがやってくるのだろうと、私も負けじとスマして構えていたら、Hej!(こんちわ!)と言って入ってきたヨハンを見てひっくりこけた。なんだ、何のイヤミもない気さくで、あったかいお兄ちゃんって感じだ。
口を開くと、スモーランド出身のHとそっくりのイントネーションで素朴で暖かい印象(本当にスモーランド訛りで話しているか分からないけど、Hの話し方にそっくり)。
持ってきたPCを開いて「見て、見て。これ日本行ったときの写真」と楽しそうに見せてくれた。

写真の説明(写真は本人許可済みです)
、左からオクターブ・ハルパ、クロマティック・ハルパ、テノール・ハルパ
ちなみにテノール以外は、お父さんが作ってくれたそう。
、ヨハンのニッケルハルパは、通常のものよりニッケル(鍵盤部分)の数が多い
より多くの音を求めて増やす人は最近多い。もちろん押える部分は小さくなるので演奏はそれだけ難しくなる。
、このテノールハルパは、一部、クバッチトーン(Kvartston、クウォータートーン、俗称はブルー・ノートを意味するBlå ton。具体例を挙げるとドとド#の間にもう一音ある)がある。
、今日はバレンタインです。FIKA(ティータイム)は、ハートのチョコ、グミ、それとこのケーキでした。ごちそうさま。

ランチをはさんで、音楽を学んでいた頃の話からミュージシャンとしての現在に至るまでの話を2時間ほどしてくれた。(ランチの時、見たことがないCDを購入)

話の合間には、持参のノートPCとケーブルを接続し、過去のプロジェクトや最近の作品までPCファイルから聞かせてくれたり、写真1の3つのニッケルハルパをつかって演奏してくれた。

現在に至るまで
もともとバイオリン(もちろん、フォーク)をずっと習っていたそうで、6時間かけてストックホルムまでバロック音楽も習いに行ったこともあり、一時はオーケストラにも所属していたのだそう。
バロックを習っている時の話で、電車に乗ったとたんバイオリンを持ってくるのを忘れたことを思い出して慌てたことがあったらしい。修理中とかなんとか先生にウソつこうと思ってそのまま向かい、先生のいる部屋に入ると真っ先に「君、バイオリン忘れてきたの!」と先生に言われ、思わず素直に「ハイ。」と言ってしまったそう。
結局、先生のバイオリンも修理中で貸してもらえず無駄に往復12時間かかった!と笑っていた。
そんな雰囲気でいろいろと話をしてくれた。
無銭音楽旅行を自転車で決行、次は自転車はやめバスで(やはり貧乏旅行...)パリに向かった話、ミラ・ジョヴォヴィッチのバンド(The divine comedy, HPの写真, HPでJohanのつづりが間違っている...)にスカウトされロンドンやアメリカにも渡った話(かわいい曲だった)、帰国後ミュージシャンになることを決意した経緯やBazar Blå結成の話などなど。

新しい楽器ができるまで
ロンドンでのバンド活動中、もっとディープなサウンドが欲しいという思いがきっかけでオクターブ・ハルパ(oktavharpa)が生まれた。
その後、通常タイプとバカでかいオクターブハルパの中間があるといいなという思いがきっかけでテノールハルパができた。
現在のテノールハルパは、沢山の新しい試みがしてある。
クバッチトン(写真3)などもそうだけどバイオリンと同じ4弦4列、重量を減らすための細いキーボックス薄いニッケル、横向きにした糸巻きペグ(縦向きは古楽器特有)、フレキシブルに固定したストリングホルダー、角度をつけるための高めのブリッジ...書くときりがない。(お金があったら、もっと改良したいといっていた。また、現在進行中の新しいハルパもある)
音を追求する姿勢が楽器の改良、新たなものを生みだしているのでしょう。

そうそう。ちなみにヨハンのハルパはバイオリンチューニングに近い(3種のハルパともチューニングが異なる)。理由は、普段よく弾くスモーランドの曲がバイオリン用でDやGの曲が多いから。(ブログで紹介したヨン・オルソン・チューニング、ヨハンのtemperatureのチューニング、弓、弦などについても聞いたけど、長くなるのでまた次回)

授業の内容
スモーランド地方のSven DonatとAndreas Dahlgrenという人の18世紀頃のノートブックからの2曲(polska)。丸一日の割りに曲数は少ないけど、ヨハンの授業の目的は曲を教えることとは別のところにあった。

ヨハンの主張は「音楽は会話だ」ということ。
「同じことを2回言うとき、同じ声の調子で同じアクセントで、全く同じこと言ったら、なんか変でしょ?」と。
内容が同じでも話すたびに言い方は変わる。何を伝えたいかでその繰り返し方は決まる。
それを表現しようというテーマ。

その方法は、
オーナメント(装飾音)、ボーイング(弓)、リズムを変える...などなど。
実際に試してみる。

そして、次に即興で自由に動く伴奏の練習
まずはベース音のみ。次に5度の音を加えてみる。次は3度...など。
文字にすると”こ難しい”印象になるけど、コード進行はあらかじめ与えてくれたので難しい話ではない。
そして二人一組になり、メロディのバリエーションとフリー伴奏の"会話"を試してみた。むずかしかったけど、この"会話"の練習、面白い。

日本でもワークショップをしたと聞いたけど、どんな内容だったのでしょう興味シンシン。

脱線話
ヨハンの話で、ミラ・ジョヴォヴィッチの名前が挙がった。
ミラは私のお気に入りモデル(現在は女優業メインだけどモデルとして好き)。
ミラが雑誌の表紙に載っているだけでつい買いたくなる。どの国だったか東欧の出身で、それはそれはエキゾチックな顔立ち。そして、表情豊かでチャーミング。(インタビュー記事によると、小さい頃はみんなと顔が違うと外見でいじめられたらしい)
そんなミラとニッケルハルパとの関連を聞くとなんだかうれしい。
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歌の話を少しだけ

2007-02-13 23:29:04 | 授業 その他
予告
興味のある人もいるかもしれないので予告すると、明日(2/14)はヨハン・ヘディン(Johan Hedin)が特別講師で来ます。
ちなみにこのブログは一日遅れで更新しています。(日付や時間は後で操作したもの)

音楽理論の授業は、いつも「授業+演奏/歌」という構成。
演奏か歌かは毎回選べるけど、今日は歌の楽譜しかなかったので、とうとう避けてきた歌をうたうことに。
避けていた理由は、
1、スウェーデン語の歌詞が覚えられない 2、つられる(ハモリのこと)
という訳で、つられまくって散々。歌詞もあきらめて♪Trala...と歌った。

ちなみにこの授業、「譜面を見て楽器なしで歌えるか」という基準で2グループに分かれている。
2グループとも参加していたと以前書いたけど、その後の演奏に参加できなくなるので、結局「楽器なしで歌える」ほうのグループに今はいる。
そんなに難しいことはやっていないので、音大出身者など数名この授業自体全く参加しない人もいる。

次回はレトヴィックのvallåt(ヴァロート)を歌う予定。
ちなみにこのヴァロートとは、英語では一般的にherding tuneと訳される。
人里はなれた山などで放牧などしていた人達が歌っていた(または角笛などで演奏していた)曲。
放牧の間、一人寂しくヒマをもてあまして弾いていた曲、なんてのも聞いたことあるけど。大体においては、そういう人々の間でのコミュニケーション・ツールだったらしい。
例えば「行方不明だったうちのヤギは見つかったよぉー!もう大丈夫だよぉ!」と、遠くのAさんまで歌って伝えたりするらしい。それが聞こえたBさんはが、「そっか、よかったね」と安心、といった具合。「携帯電話が無かった時代の話」という例えをよく聞く。

これと別にkulning(クルニング、クゥラ)というのがある。
このクルニングも上記と同じような人々の間で歌われたけど、目的が違う。ヴァロートが「対・人間」なら、こちらは「対・家畜」。
特別な発声法を使い遠くまで届く、するどい金切り声のようなもの。
これを歌う人に尋ねると、実際に家畜はよく言うことを聞いてくれると言っていた。
でも別の人からクルニングの説明として、上に書いたヴァロートと同じ説明を受けたことがあり、本当に対家畜だけ?と思うふしもある。
これについて、再びアグネタ・ストルペ(Agneta Stolpe)を講師に迎え授業があるので、もう少し詳しくかけると思います。
でも、私に「ひーっっ!!」って声、出せるのかな。
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ニッケルハルパの左手

2007-02-12 23:16:17 | ニッケルハルパ
今日は授業の後にティエルプ(Tierp)まで行った。
ニッケルハルパを弾く人なら、聞いたことあるなぁと思うかも。
この地方の定番の曲にティエルプスポルスカン(Tierpspolskan)というのがあり、その曲はつまりこのティエルプに伝わる曲ということ。

話題を戻すと、ティエルプに行った理由はDAUMに支払うため。
DAUMはウメオ(Umeå)にあるアーカイブで、ここからヴェステルボッテンの楽譜集を買ったのでその支払い。写真はその本で415曲!!入ってます。
ネットで注文したけど、振込み用紙(ネット決済不可)と肝心の本が2週間まっても送られて来ず。どのくらいかかるのか尋ねると1日で送ってきた。
やっぱり。
忘れられていたか。

ニッケルハルパの左手について
話は変わって、ニッケルハルパの左手。ギターでいうとフレット部分を押さえる手。
ニッケルハルパは右手の弓が難しいと言われている。

でも、左手は左手なりに乗り越えないといけない壁がある。ウマイ人の演奏を間近でみると、左手(指)がとてもなめらかに動く。
今日ならった曲がまさにこの滑らかな動きを必要とする曲だった。指をジャンプさせないように、と言われ、ジャンプしないためには滑らかに指を広げないといけない。
Jは上手い人を見るといつも「見ろよ!あの左手!クモみたい!」と言う。(的確な表現だけど...私はその表現はキライ)
まるで赤ちゃんの手のように本当に柔らかく見える。押えているという感じがしない。
始めて間もない人や、自称”あまり練習してません”という人の左指はカクカク動く印象。

曲を練習するうちに柔らかくなるでしょうが、体のストレッチならぬ指のストレッチも効果的かもしれないと思って日々、実践中。
効果のほどは...様子をみて報告します。

次は弓を持つ右手と書道の話(!?)をいつか書きます。
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おフランス製?

2007-02-11 20:50:21 | スウェーデン生活
昨日は一昨日の話を書いたので、今日は昨日の話。

楽器製作はエスビョンの家族でインフルエンザが流行っているらしく今日はキャンセルの連絡。
一度に10台作っているエスビョンが「他のニッケルハルパは進んでるけど、君のだけ遅れてるから、なんとかしないとねぇ…」と言われて、”いっそのことエスビョンが作ってくれたら”、なーんて言いそうになってしまった。
いかん、いかん。
でも、聞いた話では、エスビョン・チョイスの材料を使い、エスビョン監督のもとで作った楽器は、音色は他の職人が作ったものよりも良いか、ひけをとらないか、くらいのレベルなのだそう。
ともかく、タイムリミットの時間だけはどんどん過ぎていく。友人に3月のシンフォニーオーケストラのコンサートでシベリウスを弾かないかと誘われ(バイオリンでね)、とっても魅力的だけどお断りせざるを得なかった。週に2回もストックホルムでリハをやるんだそう。週末は明けとかないと楽器が作れない。(それ以前に、私にシベリウスでなんて弾けるのか)

Erika&Ceciliaのライブの話を書いたとき、フランスの職人、ジャンクロードコンディが流行っていると書いた件。
誤解の無いように補足すると、流行っているのは彼の弓
ウロフ、ディッテ、昨日のErik(Erika & Ceciliaではない)をはじめ、楽器にうるさい人達の間で人気。
このフランス人はニッケルハルパも作っていてデザインがとても美しい。(ちなみに英語のメールは無視られます)
でも、音色は昨日書いたようにライブのとき、ほとんど聞こえなかったので私の感想はまだ書けません。
(3月3日に追記)

その話を学校関係者にすると、「フランス製のニッケルハルパに買い替える前は、彼女はいい音を出していた」と言われた。その人によると「ニッケルハルパ的な音色じゃない」そう。これは、”フランス人なんかに!”というライバル視からか、本当に本場の音とは違う音色になってしまっているのか?判断するのはまだ早い。ただ、装飾部分のデザインが豪華でいかにもフランス風の雰囲気に仕上げているので、この点だけみるとスウェーデン製と意図的に区別している気がする。
外国製の話で思い出したけど、日本では浜松楽器博物館オーストリア製のニッケルハルパが展示してある。
スウェーデン土着の民族楽器なのにオーストリア製??
購入の経緯を何も知らない私が言うのも変だけど、入手困難な楽器ではないから不思議...。

昨日の話に戻して、この週末はDistance course(普段仕事している人向けのコース)が開催されている(年間4-5回の泊まりがけコース)。ハッセ・イッレ(Hasse Gille)というこのブログにも何度か登場しているおじいちゃん先生が夜遊びに来てくれ、私達もどうぞと言われたので参加。ミニ・ライブをしてくれた後は、ハッセを交えみんな週末コースの人たちとセッション。
久々に楽しいセッションができた!
やはり大人と弾くほうが楽しい。

あごひげがおへそまで届きそうな(しかも一部みつあみにしていた)おじいちゃん、指先もなめらかに動きめちゃめちゃウマイ!この人がとっても美しいスモーランド地方の曲を弾きだしたので、みんなで教えてくれー!と言って習った。
一人また一人と帰り、私ともう一人、最後は二人だけに。

頭が働かないし、指先もなんだかやけに重いと思って時計を見ると午前3時。
飛んで帰ったのは言うまでもありません。
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Erika & Ceciliaのライブ

2007-02-10 21:23:15 | スウェーデン生活
昨日の続き。
授業の後は、Erika & Cecilia( おススメCDで紹介した女性デュオ)のライブにストックホルムまで行った。3月10日に新作が出るので盛んにライブをしているみたい。
一人はバイオリン、もう一人はニッケルハルパ。

授業の後にストックホルムというのは可能だけど、結構しんどくて夜ご飯無しで向かわないといけない。
そんなの一人じゃ行きたいくないので何人か声をかけ、4人で行くことに。
すると、調理師スティーナは何と親切なことに、焼きたてのピザをひとりづつ冷えないようアルミでくるんでバナナと一緒に渡してくれた。ありがとう!


電車(11/19に紹介した、SJ(国鉄)ではなくペンデルトーグで行くので激安で行ける)は途中まで、ニクラスと一緒だったので、ニクラスが降りた後さっそくピザを食べた。でも、電車でピザってすごいなぁ。日本だったら超ヒンシュクもの。

電車の中では、「クラスで誰が一番フォーキーな服装か」という話題で盛り上った。
フォーキーという英語があるのか分からないが私たちの中では通じる。
カタカナではフォルクローレとか、フォルクロアと言ったほうが雰囲気が伝わりそう。
つまり、スウェーデンの民族衣装で使われるようなデザインの刺繍の入った服や、民族衣装風デザインのスカーフ、アクセサリ、色使いなどのこと。(民族衣装ってスウェーデンのね。メキシカン・ポンチョとか多国籍なものは含まない)
それで、私がフォーキーな格好をしたい!というと、ストックホルムの南、Slussenという駅の次の駅(名前を忘れた)で降りると、セカンド・ハンド・ショップヴィンテージ・ショップがあるので少しは見つかるだろうとのこと。

ライブはStalletで行われた。お酒や軽食も食べられる。ブルーノートみたいに広くなく、パブみたいに汚くなく、いかにも北欧風の落ち着いた雰囲気。よくフォーク・ライブしているので(今月はTriakelもある、行くべきか迷い中)、旅行のついでにいかが?

まずは7時からKMH(王立音楽院)の学生によるライブ。とってもさわやかな女性4人でアカペラ(もちろんフォーク)。かなり良かった。

8時からは、メインのErika & Cecilia
Erika(バイオリン)の弾き方は、とても情熱的でまさにステージ向け。
日本で発売されているCDには「ビブラートたっぷり」とあるけど、あれは間違い彼女は一切ビブラートはかけません
ものすごく細かなdrill(トリル)を多用。
キメの細かさと多用っぷりでは、DRAUPNER(同じく日本で発売されている)のフィドラーGörgen(最速drillと言われている)といい勝負。
今回のレパートリーは、ウップランド地方、ダーラナ地方、ヘルシングランド地方の曲をバランスよく弾いていた。ウップランドの曲は知らないものが多く、ダーラナとヘルシングランドは知っているものばかり。一緒に来た友人達も同じことを言っていた。
つまり、彼女たちのルーツはやはりウップランドで他の地方の曲はあとから習ったものなのでしょう。

Ceciliaのニッケルハルパはなんと4列(普通は3列)。
今、スウェーデンで人気のフランス人、ジャンクロードコンディの作品(実は私もこの人に弓を注文中)。デザインも見えないところまで凝っていて、さすがフランス人のデザインだとこうなるか!という感じがする。
(補足:人気は弓。本体については…2/11の日記で)
まるでルーブル美術館にある螺旋階段のような優雅で美しい彫刻がほどこしてあった。
Erikaの演奏は今日のライブでは、完全に伴奏に回っていた。メロディーを取ることはワンフレーズあったかなかったかくらい。今度のCDではどうなんでしょう。
ちなみに、Cecilia、私たちが今ニクラスに習っているように以前うちの学校でメインではない講師として教えていたそう。

二人は歌も歌う。Erikaはロー・ヴォイス(ハスキーではない)で固く透明感のある声。ジャズを歌わせたくなる。Ceciliaは、対照的にハイ・キーで透き通った声。もちろん、歌でリードをとるのはCecilia。

さぁて、ライブの後は、もちろんErikaとCeciliaによる"spel till dans"。
ダンスの伴奏をしてくれます。お店の人が椅子を半分片付けダンスフロアに早変わり。
Toboの田舎からやってきた私たちは、ごっついブーツ。とても踊りにくかった。
ボンドポルスカを弾いてくれるのでさっそく踊ったけど、ここはストックホルムだから?
だれもボンドポルスカを踊る人はいず、みんな通常のポルスカステップで踊っていた。
(ボンドポルスカは、うちの学校がある辺りの地方のもの)
なんだか、地方色というものをストックホルムで感じてしまった。

日本人が踊りたそうにしていても、こういう場で「踊ろう」と誘ってくれる人(友人を除く)は、よほどの物好きでない限りあまりいない。
フォークをやってるの?言葉通じるの?と思うから当然。
でも、この時、私は友人とボンドポルスカやワルツを踊った後だったので、「こいつはフォークをやっている」との認識を周囲が持ってくれたらしい。何人か知らない人とも踊った。うち一人は、1/26に上昇株かも?と書いたニッケルハルパプレーヤーだった(まだKMHの学生)。
なので、やっと今回Erikだと名前が分かった。ダンスも詳しいみたいで、ショティシュでは、何も言わずに急にもう一回転多い(元の位置に戻ってこれず場所が入れ替わる)ターンをヤツは強行した。ごっついブーツで踊ったのでいっぱい足を蹴飛ばしてしまった。
彼はかなり意欲的で、ダンスの伴奏は延々続いてしんどいのでしょっちゅう休憩が入るのだけど、その休憩中、Ceciliaから楽器を弾かしてくれと受け取るとステージに上がり「Erikです。休憩の間、僕が演奏します」と勝手にに弾き始めてしまった。多分、長いこと弾いていたと思う。そのままErikaとCeciliaは友人達とテーブルについて飲み始めてしまった。

ダンスも後半になってくると「ダンサーが帰るまで弾く」みたいな感じになって、いつが「オヒラキ」かはっきりしなくなるので特に問題はないと思う。
ともかく、私たちは田舎の住人なので、終電に間に合うように11時には会場を後にしないといけなかった。

写真は、カメラを持っていくのを忘れたのでビラを写したもの。
左は、ストックホルムの音楽博物館で、ニッケルハルパを実際に弾かせてくれる体験イベントがあるので興味のある方はいかが?当日、やってくる(先生役?)のプレーヤーはマグヌス。この学校の卒業生で、ニッケルハルパチャンピョン、KMH(王立音楽院)も卒業、すばらしいプレーヤーです。
コメント (4)
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