スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

カニの横歩き(鍵盤)

2018-05-18 12:47:51 | ニッケルハルパ

良い季節になりましたね!窓を閉め切った日々を過ごしています。なんじゃ、そりゃ?ですよねぇ。私は虫が嫌いなんです。生命が皆、平等に、空を仰いで活力がみなぎる季節とでもいうのでしょうか。先日も窓を開けていたら、窓辺の白いデスクの上を黒いクモがやってきました。そして、あろうことか私の使っているマウス内部に潜り込み…。窓はしめましょう。開けたのが間違いでした。ちなみに、スウェーデンは虫の人口(変な言い方ですが)は絶対に少ないと確信しております!!だれか国際統計をとったらいいのに。スウェーデンの森は虫嫌いの私もすがすがしく歩けます。日本の森は、おそるおそる歩きます(関西は特にじめっとしている)。以前、スウェーデンから来日したアーティストに珍しく虫嫌いがいて、日本の「凍殺ジェット」を教えたらいたく感心していました。でも、あれ、時々、生き返るんですよね。

元々、ニッケルハルパのレッスンはリクエストがあれば相談して受けるという形でしかしていませんが、最近続いたレッスンで楽器の特徴や奏法をあらためて考える良い機会になりました。

そのうちの一つは、鍵盤のカニ歩き奏法です。(今思いついたネーミング)

ニッケルハルパは、木でできた鍵盤を押して音程をとる楽器です。「押す」といっても、ギターやバイオリンのように力で押さず、カタカタと「触れる」程度です。手のひらを上にして横向きに、ぐーっと押しながら弾けばすぐに疲れてしまいます。そこが、上から指をおろすピアノとも、上から弦を押さえるギターやバイオリンとも違うところです。(音程の調整、フレーズの運び等で力を入れて押さえることもありますが、楽器の消耗パーツに負担がかかるのでやりすぎないよう)そして指は鍵盤上をスライドさせたり、入れ替えたりして弾くので、指や手に力が入るとうまくいきません。なので、ニッケルハルパの場合、左手も脱力していないと初級から中級くらいの段階で(割と早いうちに)壁にぶつかることになります。

脱力と言えば、関係ないですけど、中山式快癒器というのを使っています。腰から背中用の4球と、首肩用の2球を持っています。その上に寝て、自分の体重を楽しみます(む!変なニホンゴ!)指圧でぐーっと押してもらうアレを、自分の体重でできるってことです。写真はamazonから。

地元・福岡はどこでも売っていて(真偽不明、父親談)、子供のころから実家に一つあったんです。私が一つ持っていったので、両親は近所のドラッグストアでまた買ったようです。指圧は苦手とか、人により好みにより、だと思いますが、どうにもならないガチガチの辛い日に使うと私はスッキリします。一番良いのは日々のストレッチを欠かさないことです(特に演奏前、演奏後)。他に演奏の体を整えるに、知り合いのハーディングフェーレ奏者がすすめるジャイロキネシス、謎のアレクサンダーテクニーク(効果テキメンらしいのに、詳細がミステリー)などあります。

鍵盤上の動きに戻って、ニッケルハルパは、ピアノのように親指をくぐらせたら、どこまでも右に左に行けるということはありません。ニッケルハルパの鍵盤を知らない方へイメージとして伝えるなら、例えば、1-6までの数字が書いてあり、数字一つずつに右手の指(親指以外の4本)をおいて6までいくとします。1に人差し指、2に中指、3に薬指で、4までいくと指が足りなくなりますね。ニッケルハルパの指の入れ替えでは、3を薬指で押さえたままの状態で人差し指を3に持ってきて、薬指をあげます。そしたら6の小指まで順番に指がおけます。(音が途切れるので指の入れ替え完了まで、薬指は上げてはいけない)他にも「指の入れ替え」以外に「ジャンプ」「スライド」もあって、自分のやりやすさ、メロディの場所(わずかな空白が出来て良いか)で選びます。

演奏では、実際には鍵盤を弾く手は右ではなく左手で、そして行ったり戻ったりして弾きます。

人によると思いますが、私はほんとに今も鍵盤の指使いに泣かされています。音のほうに集中していると自然にできるんです。でも、ふと指を意識すると途端にどの音の時にどの指をだっけ!?と混乱してしまうことが。最近のライブで、私の鍵盤の先の視線に、スマホをさわって聴いている方がいまして。(元々、村の伝統音楽は鑑賞用ではなく日常生活に根付いたもので、飲んだりしゃべったり周囲の雰囲気次第ですが自由に聞いてもらって構わないと思っています)。ともかく、その方のラインの画面が丸見えだったんです。「あ、返事きた」「そうそう、即返事よね!」と鍵盤の先の視線の画面が気になって気になって…そして、泣きそうになりました。指がもつれそうで、もつれそうで。意識を「指」ではなく「メロディ」に戻そうとするのですが、四苦八苦。以降、意識がぶっとんでも、後ろから「わっ!」と驚かされても弾けるよう、どの音で何をするか「入れ替え、スライド、ジャンプ」はっきり決めて暗記しなきゃ、暗記、暗記と受験生みたいに反省しきりの今日この頃です。


ずっとお知らせができていませんでした。終わってしまったものもあり、残念。

5月26日 北欧の森音楽会 リンク先のページは、パソコンでは右側に詳細情報が掲載されています。ワークショップやアルスペル(皆で弾く)機会もあり、去年も北欧的のんびり音楽イベントが心地よく、今年も楽しみです!場所:松阪市嬉野ふるさと会館前広場 三重県松阪市嬉野権現前町423-88 前売・予約1,500円(小学生以下無料)当日2,000円

6月1日(金)、3日(日) 阪急百貨店で、夏の北欧フェアが5/30-6/4まで開催されます。スウェーデンから来日したダンサー(伝統舞踊)がほぼ毎日、そして色んな方の演奏もあります。私の出番は金曜、北欧第一人者の大森ヒデノリさん、私、各1回ずつ(13時-、15時-)、日曜はLirica&michikoで17時-にちょっとだけ演奏します。他にも、エアギターチャンピョン、トーク、ニッケルハルパアンサンブル、ハープアンサンブルなど毎日もりだくさんです。

6月16日(土) Spel och dans 1曲覚えて、覚えた曲で踊ってみるワークショップです。15:00- 参加費:1500円、ダンス、演奏どちらか一方参加(一方は見学)の場合1000円。

6月22日(金) keitto Ruokala 北欧食堂ケイットルオカラ 19:30- 3800円(ディナー・1ドリンク付き)ハープの奈未さん、ダンスのhiromiさんも一緒に。演奏とダンスで北欧の夏至祭の雰囲気を!ハープの奈未さんとの共演は1年以上ぶりです!ルオカラも楽しみです。

7月1日 東京 レソノサウンド(巣鴨駅徒歩3分)13:30open 14:00start 予約2800円 当日3000円 野間さんとのデュオで、初・東京です!ニッケルハルパの聖地、噂のレソノサウンドも初で楽しみ!

7月21日 Allihop!Sommarfest ♫ 〜夏の北欧音楽パーティ〜 とき:2018年7月21日(土) 箕面市西南生涯学習センター内 ホール 大阪府箕面市瀬川3丁目2−5 時間:11:00 open 12:00start※18:30終了予定 20:00までフリーセッション予定 参加費:1500円 小学生以下無料 中高生800円 北欧スープ食堂ケイット・ルオカラ提供、スペシャル北欧スープランチ1500円(要予約) 会場で、ルオカラのパンやドリンクの販売有・持ち込みもOK。チケット発売日:6月1日 

7/21は、関西の北欧音楽好きが一堂に会す、交流パーティを開きたいというハープの奈未さんの熱い想いで実現しました。私は実行委員のような形で関わっています。詳細は6月以降です。

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