スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

オンラインあれこれ

2020-06-12 14:42:31 | 未分類

「実力の差は、金の差じゃないかー!」と本日の一言。
下品ですみません。

この度のコロナ禍で、図書館の本を常に40冊ほど借りていました。1人12冊、4人で48冊借りられます。
返却期限がきて、借りっぱなしで読んでいなかったな、とやっと開いた本があります。

「CDでわかる ヴァイオリンの名器と名曲」
内容は、名器について、名曲の解説、ヴァイオリニストの紹介と続き、最後に、ストラディバリウス、モダンバイオリンでガッダ作(おそらく500万クラス)、ヴィットリオ作(価格帯不明)、この三挺の聞き比べ4問が付いていました。演奏は漆原啓子さん。

結果、全問正解。そして本を閉じて、思わず叫んだのが冒頭のセリフです。

モダンバイオリンは平坦な音で、同じ人が弾いていると思えませんでした。
もし自分が頑張って500万だして楽器を買って、ある日、ストラディバリウス持っている人と同じステージに立つと想像して… 絶望的な気持ちになりました。


今日の話題はオンラインあれこれ。
・音楽のレッスン
・オンラインのコンサート
・古い楽譜集のID番号、楽譜のスキャン画像をオンラインで閲覧(長くなるのでこれは次回)

ところで、その前にニッケルハルパを演奏する方へ伝えたいお話しがあります。
対策をとらなければ頸椎ヘルニアになりますよ」ということです。

先日、肩と手が痛くてかかりつけの整形外科に行ったのですが、レントゲンを見ながら「首のここが潰れて中身が飛び出してトゲになっています」と言われました。「10年前のレントゲンではこの部分が潰れかけてましたが、今日のレントゲンで見るとその箇所が完全に潰れています。」と。え?10年前、異常はないと言ったのは、あなたですけど…?

昔、フィドルで首を痛め指がしびれ飲みこむのも辛く、いくつか整形外科や耳鼻咽喉科で見てもらいましたが、レントゲンやCT(MRIかも?)では異常が写らず、痛みは気のせい、ストレスでは?とまで言われました。西洋医学は、科学的根拠がなければ治療はできないという考えです。
今回も結局、「レントゲンでは神経を圧迫していないので、今ある痛みの原因は不明です。」とのこと。
病院では以前も今回も楽器の話をしているので、潰れかけていますよとか何か助言があれば改善できたかもしれないのに…今回も楽器を弾いて良いと言われましたが本当に?神経を圧迫する画が撮れたら対応が変わるのかも。

ストレートネックや頸椎ヘルニアの治し方をネットで探すと、タオルを首にかけて〇秒引っ張るといった方法が紹介されています(効果は不明です)。
つまり、2-3kgあるニッケルハルパのバンドを首にかけて、〇秒どころか何時間も演奏することは、骨の矯正以上の力が首や骨にかかるということです。

最近よく聞く、スマホ首やストレートネックのことは知っていましたが、セルフチェックでひっかからないので自分は違うと思っていました。
レントゲンでは、私の首はストレートどころか歯並びの悪い感じの骨がゴロゴロ、古い遺跡の石が散らばったらこんなかな、みたいに見えました。お医者さんからは、普段の姿勢が悪いのでしょうというコメントのみで、今後どうすべきという話はありませんでした。

スウェーデンでは楽器の演奏と体作りはセットで、言われた通り、ストレッチなど続けていました。
思い返すと、「首や腰を痛めることが多い」という漠然とした理解では、具体的な腰や頸椎のヘルニア(仕組みや予防含めて)へ考えが及んでいませんでした。背中のS字カーブが大事だと分かっていても、明確な理由や目的なければ、そのストレッチは本当の意味では機能しないと思います。

皆さんも、頸椎ヘルニア防止を具体的に意識したストレッチ、そして演奏していない時の日常生活での頭の位置や姿勢等、お気を付けください。
サックス奏者も頸椎ヘルニアの方が多いようで、ストラップ含め、参考になる情報が多そうです。
試して効果があったものは紹介していきたいと思います。

さて、オンラインの話題といいながら違う話ばかりで詐欺みたいですね!
レッスンやコンサートなど思うことをつらつらと書いていきます。

<音楽のオンラインレッスン>
ダニエル、トルビョン、ウロフなど、リアルタイムの個人レッスンや、レッスン動画の再生まで、オンラインレッスンの機会がどんどん広がっています。

良い面もありますが、弦楽器は特に音質面で課題があります。
音色や運弓、音圧など、見て学ぶ、聞いて学ぶ、そのための情報が動画ではごっそり抜け落ちます。
目の粗い写真を拡大して本を読むような感じで、無い情報は見えないし、聞こえない。
小さな音で弾けば「小さい」と視覚からも気づきますが「どのくらい小さいのか」、また講師が体を使って大きな音で演奏しても「どのくらい大きい音なのか」もよく分からないのです。
できる対策としては、できるだけ実際のサイズに近づけ(スマホよりタブレット、タブレットより大きなテレビ画面)、そして、できるだけ実際の音量まで上げることでしょうか。
※イヤホンで大音量は、耳を傷めるので気を付けてください。

ニッケルハルパの共鳴弦、バイオリンの倍音、豊かな響きも電子的な音に変換されれば聞こえません。
では、良いマイクだと、どうでしょう?
高価なマイクは「良い」音になりますが、言い換えると、フィルターを通したような音。
冒頭で紹介したバイオリンの名器の本でも、録音の音は「蒸留水のよう」と書かれていました。「本来の音色は、清流でノイズなど色んな音の成分が含まれている」と。目の前で聞くと、弦を弓がこする時のサーッという音にならない摩擦音も聞こえます。特にレッスンでは、そうした余計な情報があるからこそ、演奏のヒントにつながるのだと思います。
生音に近くなるような撮り方の工夫はあると思いますが、オンラインレッスンであれば、リアルタイムよりも「レッスン動画や録音の再生」のほうが音の劣化が少ないかもしれません。

音色が気にならない場合は、活用例は沢山!色々と学べます。
・レパートリーを増やす。
・リズム、指使い、伴奏など技術習得。
・コツ、ノウハウなどの質疑応答も出来て、海外の講師からも手軽に習える、等。

<オンラインのライブ>
レッスンとは違い、ライブは音質がまあまあでも途切れなければ楽しめますよね!
リアルタイム配信で世界中の人とその瞬間を共有できてる実感もあります。

ただ、私は細切れ時間しかないので、先日見たオンラインライブでは、「私は外出して家にいないと思って」「夜ご飯ができらた呼んで」「お風呂はいったら一声よろしく」と言い残して2階へ引きこもり。でも…外出よりも不評です。何回もやったら家庭内暴動が起きそうです。

次に見たのは、Dreamers circusのガーデン・ライブ。約2時間。午前中2時間ちゃんと予定を開けていたのに中断。続きをみれたのは、午後と夜です。
映画は途中で止めてもストーリーや世界観に引き戻す強い力があるけど、コンサートは中断したら、同じ感覚、同じ気分、同じ空気には中々戻れなません。

「気軽に、いつでも、スマホやPCで一人で」という楽しみ方は、私には合わないようです。

それと、演奏する側として気になることの一つに、収益面があります。
ライブ配信は、配信トラブルや個々の機器のクオリティ差を考慮して、金額を自由に決めて払ってもらう寄付や投げ銭制が多いようです。でも、払う側が金額を決める、パフォーマンスに値付けをするというのは、日本で一般になじむのかな?どうでしょう?普段からチップや金額自由の寄付に慣れていないせいか(日本は、ご祝儀でも妥当金額があり、寄付も一口いくら~が多いと思いません?)、チラホラ聞こえるのは「何円だと妥当か」「相手に名前と金額が分かるのか」「周囲がいくら払ったか分からないから不安」、という声です。

集金方法は色々ありますが、最近はPaypalを多く見ます。
paypal.me/○○というリンク先に行くと、金額を入力する画面になるシンプルな仕組みで、要はクレジットカード払いです。

さて、次回ブログの内容ですが、Folkmusikkommissionen(伝統音楽を収集する委員会)はご存知でしょうか?以前はこのFMKが集めた1700年代の楽譜を見るには出向かないと行けませんでしたが、現在ではオンラインで閲覧できるようになっています。また楽譜にはIDがつけられていて、CD解説でも見かけます。近いうちに、この話の続きを書きたいと思います。


お知らせ
北欧の音楽ピクニック2020に参加しています。

過去3回行われ大人気のイベント、オンラインで復活です。演奏の配信は6/21ですが、夏至のコラムなどコンテンツも充実。

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