スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

クルニングでパオー!

2007-04-20 23:39:08 | 授業 その他
スウェーデンに来て何度も思ったことがあるのだけど
金髪や白髪でブルーの服を着ると、顔がぱぁっと華やかにひきたつ。
目がブルーだとなおさら。

白金髪で緑色の目の友人は、グリーンの大きなピアスをすると
アクセサリーと目の両方がひきたってさらに顔写りが鮮やかになる。
そういう意味で、黒髪にこげ茶のアジア人が顔色が華やかにひきたつ色って
何色なのかな?研究価値アリ!

ところで、今日はそんな白髪にブルーのタートルニット姿の優雅な女性が
フォークミュージック(民族音楽)の歴史の授業に来てくれた。
なんとも優雅で知的な雰囲気をかもし出す女性で、聞くとウプサラ大学で
音楽学の研究をしていて退職したそう。
関係ないけど、Ivarsdotterというファミリーネームも興味をひいた。
Ericssonは、知っての通り元々は「Ericのson(息子)」という意味だった。
dotterは「娘」という意味なので「Ivarの娘」という意味だ。
Johansson、Jonssonなど「-son」はよく聞くけど、「-dotter」には初めて出会った。

さて、フォークの歴史。
今まで先生を変え、何度か授業があったので何でまた?と思ったら
今日は分野が違っていた。
スウェーデン語ではFäbodmusik。英語ではPastoral music
つまり、放牧などで暮らしていた人達の音楽で
クルニング(後に説明)、笛などを含むスウェーデン西部に伝わる伝統。

その昔、家畜に十分に食べさせるため、夏に人里はなれた森までいって
そこに暮らしながら家畜の世話をしなければならなかった。
そんな中使われていたクルニング(kulning)とは、
家畜とのコミュニケーション
(実際のCDを聞いた。答えるかのように?牛がモーっと言っていた)
遠方の人とのコミュニケーション
(対人間なので、決まったメロディやフレーズがある/互いに決めている)
クマや狼を追い払う手段で独特な発声法
で、するどい金切り声をつかう。
高い声、低い声、お話モードなどあるので「イコール金切り声」ではない。
また伝統的に女性だけど、子供の頃からやっていたという
男性のクルニングのCDを聞かせてくれた。
男性は無理ということはないらしい。

人から聞いたクルニングとヴァルロートの話を書いたことがあるけど
今日の授業のほうが正しい。
その時のブログでヴァルロート(Vallåt)は対人間と書いたのは間違い。
"ヴァルロートはそんな人々から生まれた、もっとメロディがある「曲」だ"と言っていた。
また特定のスケールを使うのでヴァルロート・スケールを指す場合もあるそう。
クルニングは発声法自体を指している場合が多いらしい。

写真左:最近あちこちで咲いている花。
写真右:授業では、クルニングの周波数を読み取った機械の用紙やグラフ
喉の状態のレントゲンまで見せてくれた。
例は、CDや、今日はアグネタ・ストルペ(Agneta Stolpe フォーク・シンガー 9/29参照)も
一緒に授業をしてくれたので沢山歌ってくれた。
(Nordic Notesの"Ola Bäckström ソロ関連"にアグネタのCDあり)
クルニングも聞かせてくれたけど、数キロ先まで届くというからには
すごい音量でアグネタは教室を出て行きオフィスなどにも断りを入れ
廊下からクルニングを聞かせてくれた。

午後からは実践編!
私達もクルニングをアグネタのもと挑戦!
クルニングは、上体、喉をリラックスさせ、腹筋、腰にぐっと力を入れて声を出す。
なのでまずはストレッチから。
続いて発声練習。複式呼吸(息を吐くときに腹筋を使うのでお腹はへこむ)の練習。
複式呼吸に合わせて、両腕を振り下ろす。

「ヴァーサ・ロペットの要領でね」とアグネタ。
クロスカントリースキーのように両腕を一気に振ります。
その時に複式ではく息に合わせ、徐々に声を出していく。
もちろん喉は使わない。お腹から出た息を吐き出す要領。

スキー以外にも弓を放つマネなど、取り入れながら徐々にクルニングの発声練習をしていく。
結構、ひっくり返ったような裏声で恥ずかしいのだけど
言われた通りにやるとちゃんとそれなりの声が出るから不思議だ。
喉や肩、胸周りのリラックスが重要で、恥ずかしいと思ううちは固くなって難しいかもしれない。
(ここにきて一人、ヤダ!ヤダ!と言いだしソファに座って見学していた)

まずはPaoooo!(パオー)という一番簡単な発声から試す。
あっちもこっちも「パオー!」「パオー!」の大合唱でここはジャングルかのよう...。
私も負けずに「パオーーーー!

そしていくつか典型的なものを教えてくれ、それを使って二人ずつペアで会話してみることに。
部屋の端と端に別れ、相手が何か言い(クルニングで)こちらが何か返すというもの。
アグネタが一人ずつチェックを入れてくれる。
そして簡単なヴァルロートを習っておしまい。
あれだけ声をだしたのに不思議と喉は疲れていない。

今度、牛を見たら試してみるか!
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