スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

ヨハン・ヘディン(Johan Hedin)

2007-02-14 23:59:04 | 授業 楽器

今日は雪の中、ヨハン・ヘディン(Johan Hedin)が特別講師に来てくれた。
Bazar Blåというバンド、ソロ、他のプレーヤーとのデュオ、新しくニッケルハルパを作る、などなど活躍は多岐にわたり書ききれないくらい。
日本では2006年の秋にソロ・コンサート。
私は、ヨハンはCDでしか知らないので今回が初対面。

去年、日本に来日したときの宣伝か何か忘れたけど「ニッケルハルパの貴公子」という日本語を目にした。会ったことが無いのでイメージが先走ってしまった。
だって「貴公子」って言葉に"イマドキの特定のイメージ"を持ってしまうのは私だけ
"イマドキの"とは「韓流」とか「王子キャラ」のことで、よく貴公子という表現をする。
ともかく私の勝手な思い込みで()さぞかしスマしたミュージシャンがやってくるのだろうと、私も負けじとスマして構えていたら、Hej!(こんちわ!)と言って入ってきたヨハンを見てひっくりこけた。なんだ、何のイヤミもない気さくで、あったかいお兄ちゃんって感じだ。
口を開くと、スモーランド出身のHとそっくりのイントネーションで素朴で暖かい印象(本当にスモーランド訛りで話しているか分からないけど、Hの話し方にそっくり)。
持ってきたPCを開いて「見て、見て。これ日本行ったときの写真」と楽しそうに見せてくれた。

写真の説明(写真は本人許可済みです)
、左からオクターブ・ハルパ、クロマティック・ハルパ、テノール・ハルパ
ちなみにテノール以外は、お父さんが作ってくれたそう。
、ヨハンのニッケルハルパは、通常のものよりニッケル(鍵盤部分)の数が多い
より多くの音を求めて増やす人は最近多い。もちろん押える部分は小さくなるので演奏はそれだけ難しくなる。
、このテノールハルパは、一部、クバッチトーン(Kvartston、クウォータートーン、俗称はブルー・ノートを意味するBlå ton。具体例を挙げるとドとド#の間にもう一音ある)がある。
、今日はバレンタインです。FIKA(ティータイム)は、ハートのチョコ、グミ、それとこのケーキでした。ごちそうさま。

ランチをはさんで、音楽を学んでいた頃の話からミュージシャンとしての現在に至るまでの話を2時間ほどしてくれた。(ランチの時、見たことがないCDを購入)

話の合間には、持参のノートPCとケーブルを接続し、過去のプロジェクトや最近の作品までPCファイルから聞かせてくれたり、写真1の3つのニッケルハルパをつかって演奏してくれた。

現在に至るまで
もともとバイオリン(もちろん、フォーク)をずっと習っていたそうで、6時間かけてストックホルムまでバロック音楽も習いに行ったこともあり、一時はオーケストラにも所属していたのだそう。
バロックを習っている時の話で、電車に乗ったとたんバイオリンを持ってくるのを忘れたことを思い出して慌てたことがあったらしい。修理中とかなんとか先生にウソつこうと思ってそのまま向かい、先生のいる部屋に入ると真っ先に「君、バイオリン忘れてきたの!」と先生に言われ、思わず素直に「ハイ。」と言ってしまったそう。
結局、先生のバイオリンも修理中で貸してもらえず無駄に往復12時間かかった!と笑っていた。
そんな雰囲気でいろいろと話をしてくれた。
無銭音楽旅行を自転車で決行、次は自転車はやめバスで(やはり貧乏旅行...)パリに向かった話、ミラ・ジョヴォヴィッチのバンド(The divine comedy, HPの写真, HPでJohanのつづりが間違っている...)にスカウトされロンドンやアメリカにも渡った話(かわいい曲だった)、帰国後ミュージシャンになることを決意した経緯やBazar Blå結成の話などなど。

新しい楽器ができるまで
ロンドンでのバンド活動中、もっとディープなサウンドが欲しいという思いがきっかけでオクターブ・ハルパ(oktavharpa)が生まれた。
その後、通常タイプとバカでかいオクターブハルパの中間があるといいなという思いがきっかけでテノールハルパができた。
現在のテノールハルパは、沢山の新しい試みがしてある。
クバッチトン(写真3)などもそうだけどバイオリンと同じ4弦4列、重量を減らすための細いキーボックス薄いニッケル、横向きにした糸巻きペグ(縦向きは古楽器特有)、フレキシブルに固定したストリングホルダー、角度をつけるための高めのブリッジ...書くときりがない。(お金があったら、もっと改良したいといっていた。また、現在進行中の新しいハルパもある)
音を追求する姿勢が楽器の改良、新たなものを生みだしているのでしょう。

そうそう。ちなみにヨハンのハルパはバイオリンチューニングに近い(3種のハルパともチューニングが異なる)。理由は、普段よく弾くスモーランドの曲がバイオリン用でDやGの曲が多いから。(ブログで紹介したヨン・オルソン・チューニング、ヨハンのtemperatureのチューニング、弓、弦などについても聞いたけど、長くなるのでまた次回)

授業の内容
スモーランド地方のSven DonatとAndreas Dahlgrenという人の18世紀頃のノートブックからの2曲(polska)。丸一日の割りに曲数は少ないけど、ヨハンの授業の目的は曲を教えることとは別のところにあった。

ヨハンの主張は「音楽は会話だ」ということ。
「同じことを2回言うとき、同じ声の調子で同じアクセントで、全く同じこと言ったら、なんか変でしょ?」と。
内容が同じでも話すたびに言い方は変わる。何を伝えたいかでその繰り返し方は決まる。
それを表現しようというテーマ。

その方法は、
オーナメント(装飾音)、ボーイング(弓)、リズムを変える...などなど。
実際に試してみる。

そして、次に即興で自由に動く伴奏の練習
まずはベース音のみ。次に5度の音を加えてみる。次は3度...など。
文字にすると”こ難しい”印象になるけど、コード進行はあらかじめ与えてくれたので難しい話ではない。
そして二人一組になり、メロディのバリエーションとフリー伴奏の"会話"を試してみた。むずかしかったけど、この"会話"の練習、面白い。

日本でもワークショップをしたと聞いたけど、どんな内容だったのでしょう興味シンシン。

脱線話
ヨハンの話で、ミラ・ジョヴォヴィッチの名前が挙がった。
ミラは私のお気に入りモデル(現在は女優業メインだけどモデルとして好き)。
ミラが雑誌の表紙に載っているだけでつい買いたくなる。どの国だったか東欧の出身で、それはそれはエキゾチックな顔立ち。そして、表情豊かでチャーミング。(インタビュー記事によると、小さい頃はみんなと顔が違うと外見でいじめられたらしい)
そんなミラとニッケルハルパとの関連を聞くとなんだかうれしい。

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2 コメント

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ラ? (のりねぇ)
2007-02-15 23:29:11
よぉ!久しぶり~元気?

なんかいぃね~やっと寒い国ならではの感じで

スウェーデンでもバレンタインあるんだ

ところでなんでミラ・ジョボビッチがラ・ジョボビッチになってるの?

あ、昨日ディパーテッド観たよ

ディカプリオ、嫌いだったけどちょっとだけ

好きになった
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「ミラ」ね! (管理人)
2007-02-16 16:43:24
久しぶり
はい~!失敬!
このブログはコピー&ペーストのみで更新してるもので、つい。
「ミ」をコピペ損じてしまった。
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