スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

3拍子と一般的スウェーデン人の関係

2007-02-01 23:53:56 | 授業 その他
Wik, Wiik, Vik(ヴィーク)などのスペルを見かけますが、バス停はVik
今日はWikの学校との音楽交流の日。

今までVikのお城でイベントするのだと誤解をしていた。
「Wikにはお城がある」「そこにある学校と交流する」
確かにそう言われた。
ただ、「そこにある」とは”Wikにある”という意味で、”お城にある”ではなかった…。とりあえず、その学校の目の前にお城があるのでその写真。
写真左は朝、右は夕方
前に書いたけど、このお城、建物は修復を重ねているのでさほど古くないけど1200年代から始まる歴史を持つ(ウプサラの果てのディフェンス塔だった)。

相手の学校について、まずはグループごとに分かれた。
相手は、ドラム、ベース、ギターと歌。相手側の用意した曲は、Åsa Jinderというニッケルハルパも弾くポップスシンガーの曲。気を遣ってくれたようで、それもワルツだった。
(ちなみに、スウェーデンでもニッケルハルパを知っている人は少なく、「ほら、Åsa Jinderが弾いているアレ」と言うと何となく分かるという場合が多いらしい)
かわいらしいワルツをかわいらしく弾いた。
歌がメロディを歌う上に、私たちニッケルハルパにも「メロディで」と言われたので、いたってシンプル。
でも、事前に指導を受けたマッツ先生によると、「人数が増えれば増えるほどアレンジはシンプルにしなさい」とのことだったのでこんなもんなのかな。

次に、私たちが持ってきた「Lappkungens polska」も試してみた。
この曲は「ラップランド(地方)の王」という意味。
友人による個人的な解釈では、ラップランドの王とは一般的に「山の王」を指すことが多く、トロールなどの怪物をイメージするというのだ。
言葉の意味はさておき、確かに荒々しい古代の王がゆっくりどっしりと歩いている雰囲気の曲だ。だから、あえてこの曲をチョイスした。スローテンポのへヴィメタ風にできそうだと感じたのだ。
出だしは、歌(歌詞はないので♪Tralaと歌う)とベース、ニッケルハルパのカチカチ音(弓を使わない)のみで始まる。
次に、ニッケルハルパが静かに入ってきて、激しいドラムソロ。
で、一斉に荒々しくジャカジャーン!という風に。
最後は初め同様、静かに終わる。コードも一生懸命考えたわりに、ギタリストは独自のコードを付けていたので口出ししなかった。

最後はグループごとに演奏。一グループ、ガルマルナ(Garmarna)のような怪しげな雰囲気を持つロックに仕上げていて秀逸なものがあった。
そのグループの友人とランチで話していたら、相手側のメンバーはフォーク音楽で使うbordun(英語ではdrone/ドローン)が理解しにくいと言っていたらしい。そのbordunを駆使して怪しげな雰囲気に成功していたので、最終的には相手側メンバーも楽しめたんじゃないかな。

ちなみにうちのグループのシンガーは「1と3拍目にアクセントがあるのが歌いにくい」と言っていた。(これがポルスカの基本。ロックやポップスにはない)
それでも3拍子自体に違和感がないというのはやはり国民性。

以前、私は日本で最後の一曲だけをロックギタリストと合わせたことがあって、その時に「3拍子!?弾いたことない!わからない!」と言われた。まぁ、1曲くらい何とかなるだろうと思って強行。すると強行作戦失敗でリズムがぐちゃぐちゃ。「あーあ…」と思っていたら終了後、聞いていた人に「ギターがあった方が良かった」と言われてショックを受けた。
ひょっとして、お客さんはギターの2拍子のリズムが正しくて私の3拍子のほうがズレてたと思ってたりして。
それか、2拍子の23拍子の3のどちらでも割り切れる12小節のフレーズだったから案外気づかれてないとか!?

話を戻して、心配した私がマッツ先生に「3拍子と一般的スウェーデン人の関係」を質問したところ、「サンタの歌をはじめ子供の歌、ピッピなどアニメの歌、なんでも3拍子の歌で育ってきたスウェーデン人は、3拍子を体で理解できる」と言われた。
日本の童謡となると「♪ずいずいずっころばし・・・」「♪しょ、しょ、しょじょーじ」「♪ゆーきーやコンコン」。3拍子がなかなか出てこない…。

追伸:昨日(1/31)のFolkhögskolanについて追記しています。
コメント
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