内容紹介
その若者には、見たくないものが視えた。他人の「死」が。「運命」が――。幼い頃に両親と妹を亡くした木山慎一郎には、友人も恋人もいない。一日中働き夜寝るだけの日々。夢も自信も持てない孤独な人生だった。その日までは――。ミリオンセラーを連発する著者が、満を持して選んだテーマは「愛」と「死」と「選択」を巡る、人間の「運命」の物語。大切な人の「死」が見えたとき、あなたなら、どうしますか?
これも一日で読み終わる本、それは途中でページを捲る手が止められないから。『永遠の0』や『海賊とよばれた男』のように派手に泣かされるのかなという期待は、サラッとかわされるのだけど。
読後の感想は、これがまた微妙なのだなあw
事実「駄作」と断定するレビューも多い。ただそれでも興味深い題材であり読後様々に考えさせられることは間違いない。
まあSFのくせに科学的根拠には踏み込まず謎を謎のまま放置するタイプの作品なので、そりゃ考えないほうが難しい。結末はちょっと。。。
『永遠の0』にも共通する「自己犠牲」という重いテーマがのしかかってくるような。傑作か駄作かなんてどうでもよくて、ぼく好みの作風ではあるのでそんだけで十分か。
きっと「僕だったら…」「私だったら…」と多くの読者が想像したのだろう、想像せずにいられない。
ちなみにぼくの場合は、とても利己的で冷徹な判断をする気がしますw
実際そうなってみなくてはわからないけど。
ちなみに昨今著者・百田氏は「やしきたかじん」絡みの本も出版して派手に物議をかもしている。詳細は省くが、何が真偽か判断しにくいし、個人的にはさほど興味はない。
まあ、著者がどういう人間かは著作と別物と思っているので。
モーツァルトも言っている。
「僕はろくでなしだが、ぼくの作品はそうじゃない」