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読書、音楽、雑学

小林泰三 短篇集いくつか

2014-09-05 | 読書

『目を擦る女』小林泰三

内容(「BOOK」データベースより)
「わたしが目を覚まさないように気をつけて」隣室に棲む土気色の肌の女は言った。指の付け根で目を擦りながら―この世界すべてを夢見ているという女の恐怖を描いた表題作、物理的に実行不可能な密室殺人を解明する驚天動地の推理劇「超限探偵Σ」、無数の算盤計算によって構築された仮想世界の陥穽「予め決定されている明日」ほか、冷徹な論理と呪われた奇想が時空間に仕掛ける邪悪な7つの罠。文庫オリジナル作品集。




『海を見る人』小林泰三

内容(「BOOK」データベースより)
「あの年の夏祭りの夜、浜から来た少女カムロミと恋に落ちたわたしは、1年後の再会というあまりにも儚い約束を交わしました。なぜなら浜の1年は、こちらの100年にあたるのですから」―場所によって時間の進行が異なる世界で哀しくも奇妙な恋を描いた表題作、円筒形世界を旅する少年の成長物語「時計の中のレンズ」など、冷徹な論理と奔放な想像力が生み出した驚愕の異世界七景。SF短篇の名手による珠玉の傑作集。


面白過ぎて困ってます。読むたびにどんどん現実から乖離しているようで、そのうち気がふれてしまうのではないかぼくは・・・

いずれも根底はハードSFであり、現代物理の理論的部分はちゃんと理解していない、だから読み飛ばしている部分も少なくない。それでも面白いのだから困るw

ちょうどここ数年興味を持っていた素粒子物理や最新天文学の要素が満載なことが惹きつけるのです。「事象の地平線」「量子テレポート」「波動関数」など聞きかじっていた言葉が物語の中で自在に操られている様子にときめいてしまうのでした。

『海を見る人』はちょっとぶっ飛んだ世界観なため、SF慣れしてないと読みにくいかな。『目を擦る女』のほうがやや現実世界を舞台にしてるだけましかな。

と、殆どの人に理解されないような、ストーリーに全く触らないような書評は書評として成り立っているのか?

だけど、なるたけネタバレしたくないので仕方ないです。