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『愛国心、反対』?

2006-07-16 | 社会・出来事
このコラムの6/17(土)に『「国を愛する」評価』というのを書いたら率直に反対する意見が寄せられた。

というのは嘘で、このコラムに関係なくもっと有名で実力も伴ったネットコラム上で持ち上がった話題だ。
榊原烋一という人の「榊原ストリート」というネットコラムがある。とてもためになるお話が満載、実はしばしばネタをもらっている。
そこ以外にもいくつかネタ元はあるがこの榊原さんの文章はとても鋭くてウィットに富んでいて面白い。さながら現代の吉田兼好と言っても言いすぎじゃない。いささか文章が長くて難しいのでたまにしか覗かないが。

そこで表題の件になる。「むむ?これは見過ごせん!」と、息巻いて読んでみた。
前半は経済問題でそこから展開。うーん、ちょっと尻切れトンボ感もあったけど、要するに
「愛国心という言葉が為政者権力者に利用された過去があるから絶対反対」ってことかな?

いまいち納得いかない。言葉はそれ自体には力はない、それを利用する側の心の問題だし、国を愛するという概念なしに育った我々にはむしろ必要なのではないかなあ。
確かこの榊原さんは御歳80余歳だったかな、そういう意味では「愛国心」という言葉を肌で感じて生きてこられたのだろう。その言葉の陰に多くの犠牲が生み出された歴史があることは事実。とはいっても個人主義に走りすぎた現代に何らかの歯止めを講じないわけには行かないと思う。

国を愛するということは地域を愛する・隣人を愛する・家族を愛すると同じことになると思っている、で、行き着くところは「己を愛する」ともつながると。
問題は言葉ではなくそれを悪用しようとする人をいかに見抜くか、間違った方向性をどのように正すかだ。日本国民が愚民といわれて久しいが、ぼくは最後には信じたい、日本人のDNAには「卑怯を許さない心」つまり純粋な武士道精神が眠っていると

あ、ただ断っておくけど、この人はいわゆるサヨクではない、ほかの文章も読めばわかるがリベラル派ってやつかな、優れたバランス感覚をお持ちだと見受けた。ぼくが右に寄り過ぎてるから時たま異議を唱えたくなるのかもしれない。

それにしても、若干右に傾きつつある昨今の世相において、左と思われかねない文章を堂々と掲げるこの人の志は評価に値すると思う。そして80を超えてこれだけ達者な文章が書ける榊原さんに憧れる。