
もう先週になりますが。。週末に平○島で行われていた骨董市に行くつもりだったのが。。ついに行きそびれた。
ぬえは知る人ぞ知る「骨董屋の鬼」でして、もう20年間も各地で骨董屋を見つけては舞台に使える道具類を探しています。
もともと ぬえは一代目の能楽師なので、内弟子修行を始めた頃は、面やお装束は言うに及ばず、小道具類にいたっても本当になあんにも持っていませんでした。かと言って新しいものを買うのではとても生活が成り立たず。。それでも内弟子の頃から「毎年ひとつは必ず舞台に使えるものを買いそろえていく」という目標を立てて、それは今でも守っています。お金がない年は「鬘帯一本」って事もありましたが。。
そんなわけで東京都内はもちろん、地方に出かける場合でも時間があれば骨董屋には出来る限り立ち寄って物色する、もうこれはクセのような習慣ができました。骨董屋に行って名刺を渡して「なにか能に関係するものが出たら教えてください」と頼み込んで。。でも大概は「ええ? お能?。。。はあ、わかりました。何か出物があったらお知らせしますよ。。ふふん」なんて言われて鼻で笑われて。なんだよ その「ふふん」ってのは。(;_:)
ところが! これが時には大きな出物があるのですよ。本当に稀には、ですけども。。古い中啓。。新旧の作の面。。小刀や太刀。。先日の『鵜飼』でも前シテに使った中啓は以前に骨董屋で見つけたものの一つで、この曲では扇の地紙を持って向こうへ投げつけるようにバッと拡げる型があるので、扇の要が緩すぎても堅すぎてもダメなのです。だから中啓を選ぶのには時間を掛けました。たまたま所蔵の中啓の中に、図柄は平凡だけれど要がちょうど良いものがあって、これを使う事に決めました。
平○島の骨董市は都内でも最大規模で、年に四回程度開かれています。まあ、いつも同じ店舗が出店しているので、いつ行っても同じような物が並べられているのですが、中にはびっくりするような出物がある事も。
画像は前回の骨董市で見つけた「超!」掘り出し物の「床几(鬘桶)」です。これは「まず出る事はないだろう。。」と諦めつつも20年探していたものの一つ。なんと!3万円ちょっとで手に入れました。国立能楽堂が開場した時に新調された無地の鬘桶が「数十万円」という金額だった、と聞いた事があるので破格の掘り出し物です。見つけた時はびっくりして、値切るのさえ忘れた。(@_@;) ちょいと蒔絵が派手なので、狂言に向くかもしれないけれど、これは次回の『朝長』で使おう!
ぬえは知る人ぞ知る「骨董屋の鬼」でして、もう20年間も各地で骨董屋を見つけては舞台に使える道具類を探しています。
もともと ぬえは一代目の能楽師なので、内弟子修行を始めた頃は、面やお装束は言うに及ばず、小道具類にいたっても本当になあんにも持っていませんでした。かと言って新しいものを買うのではとても生活が成り立たず。。それでも内弟子の頃から「毎年ひとつは必ず舞台に使えるものを買いそろえていく」という目標を立てて、それは今でも守っています。お金がない年は「鬘帯一本」って事もありましたが。。
そんなわけで東京都内はもちろん、地方に出かける場合でも時間があれば骨董屋には出来る限り立ち寄って物色する、もうこれはクセのような習慣ができました。骨董屋に行って名刺を渡して「なにか能に関係するものが出たら教えてください」と頼み込んで。。でも大概は「ええ? お能?。。。はあ、わかりました。何か出物があったらお知らせしますよ。。ふふん」なんて言われて鼻で笑われて。なんだよ その「ふふん」ってのは。(;_:)
ところが! これが時には大きな出物があるのですよ。本当に稀には、ですけども。。古い中啓。。新旧の作の面。。小刀や太刀。。先日の『鵜飼』でも前シテに使った中啓は以前に骨董屋で見つけたものの一つで、この曲では扇の地紙を持って向こうへ投げつけるようにバッと拡げる型があるので、扇の要が緩すぎても堅すぎてもダメなのです。だから中啓を選ぶのには時間を掛けました。たまたま所蔵の中啓の中に、図柄は平凡だけれど要がちょうど良いものがあって、これを使う事に決めました。
平○島の骨董市は都内でも最大規模で、年に四回程度開かれています。まあ、いつも同じ店舗が出店しているので、いつ行っても同じような物が並べられているのですが、中にはびっくりするような出物がある事も。
画像は前回の骨董市で見つけた「超!」掘り出し物の「床几(鬘桶)」です。これは「まず出る事はないだろう。。」と諦めつつも20年探していたものの一つ。なんと!3万円ちょっとで手に入れました。国立能楽堂が開場した時に新調された無地の鬘桶が「数十万円」という金額だった、と聞いた事があるので破格の掘り出し物です。見つけた時はびっくりして、値切るのさえ忘れた。(@_@;) ちょいと蒔絵が派手なので、狂言に向くかもしれないけれど、これは次回の『朝長』で使おう!
鬘桶って苦手でした。
胴長短足のせいもあって・・・。
昨日国立能楽堂に『桜川』を拝見に行ったとき、楽屋にも挨拶したのですが、切戸口にもっと上品な、露芝のような蒔絵が入った鬘桶を発見!「あ、やっぱモノが違うな。。」と思いました。
国立能楽堂には蒔絵入りの鬘桶はないし、『桜川』では鬘桶そのものを使わないから、これは狂言方のものだったのでしょう。その日のご出演は大蔵宗家。。やっぱり出自から違ったようです。。(;_:)
>>鬘桶って苦手でした。
>>胴長短足のせいもあって・・・。
こういう着眼点もあったのか。。(^^;)
もっとも ぬえも、もう10年近く前に「ぬえ」とハンドルを決めたのですが、そのときには謡曲の『鵺』の「カシラは猿、尾はくちなわ、足手は虎の如くにて。。」という表現を思って「ををっ!カッコいいじゃん?」と単純に思ったのですが。。
これが定着してから、ふと『平家物語』を読み返すと、その描写には続きがありました。
「おなかはタヌキ」 。。。(ーー;)
くくっ。。何度も読み込んだ『平家』なのに。。気がつかなかった。
やっぱ世阿弥も「タヌキは幽玄にならんなあ」と思って能を作ったときにその部分だけ削除したんでしょうね。