ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

伊豆の国市子ども創作能「鎌倉まつり」公演(その2)

2015-04-14 23:24:12 | 能楽
そして いよいよ子ども創作能『伊豆の頼朝』です。ぬえが書いた子ども能の台本としては3作目で、まさに伊豆で頼朝が挙兵した事件を扱っています。

頼朝(コウミ=6年)が北条政子(あっこ=6年)と北条時政(ケイゴ=5年)を従えて登場、後白河法皇の院宣を受けて挙兵を決意します。





政子は戦勝を祈願して八幡神に舞を奉納。一同は勇んで平家追討に立ち上がります。





地謡は4年生のタカラをはじめ子どもたちのみ。ちゃんとプロの囃子方の演奏に合わせて謡います。



一方こちらは平家の伊豆目代・山木兼隆の屋敷。ちょうど8月の三島大社の祭礼の日にあたり、兼隆(ソオ=6年)は わずかな郎党(きっぺ、たかのり=4年、まさと=4年)とともに屋敷に居残っていました。





兼隆の屋敷を急襲した頼朝軍。郎党も奮戦します。





頼朝と兼隆の一騎打ち。ちょっと史実とは違いますが。ついに兼隆は捕らえられます。こうして源氏の世が花開いたのでした。







終わってみて。。そうだなあ、良い舞台ではあったけれど、あの子どもたちにとって、全員がベストな演技だったか、と問われれば、ぬえは否と答えるでしょう。

終了後のミーティングでも彼らにそのことは伝えたし、鎌倉市観光協会の方から成果を問われて、同じことを答えました。観光協会の方は「厳しいですねー。。」と驚かれたようですが、彼らの実力はあんなものではない。一生懸命に与えられたお役を勤めた子も多かったし、ちょっとしたアクシデントがあってもすぐに克服した子など個人的には称賛したい子もあったのだけれど、雰囲気に呑まれたのかな、実力を出し切れなかった子もいたように ぬえには思えます。

まあ、そりゃ、小学生にそこまで要求するのは酷、という意見もあるでしょうが、何度も最高の舞台を ぬえに見せた彼らだからこそ、ぬえはまだ余地が残された舞台だったと感じました。彼らはもっと出来るのです。そうして ぬえに言われたことは彼らにもわかっていると思います。

1回だけしかない本番に賭ける。。能は良いシステムを持っていますね。彼らの次の舞台は真夏の花火大会のイベントです。そのときにはまた ぬえは大喜びで彼らを誉めてあげられるよう願っています。


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2 コメント

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子ども創作に感動しました (ミズモト)
2015-04-15 11:50:44
鎌倉まつりで伊豆の国市子ども創作能拝見しました

鎌倉宮拝殿という厳かな会場、子どもたちの真剣な表情と舞、生の演奏…素晴らしかったです
長い演目を舞うにはお稽古をたくさん積み重ねてこられたのだろうなと思うとさらに感動しました

小学3年の娘も、「私も鎌倉宮で踊ってみたい。扇子や弓や着物がかっこよかった」と夢を抱いたようです。鎌倉市の子どもも鎌倉宮での能や舞に参加するチャンスはあるのでしょうか


来年も伊豆の国市子ども創作能の公演を楽しみにしております
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見たかったです~ (緑さん)
2015-05-06 17:34:32
この日は誉めてあげらなかったんですね。
伊豆で見た時は
あんなに誉めてたのに…

子供達緊張したんだね~

舞台は一回きり
その時の為に
厳しい練習を乗り越えてきている子供達です。

次回、花火大会では先生を泣かすほどの舞台をきっと見せてくれるはずです。

誉め言葉を用意してた方が良いかも…
その為には
又厳しいお稽古が始まりますね。
頑張れ~
子供達ニッ


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