あれやらこれやら いろいろ沖縄

沖縄に住み30数年の県外居住者が見た沖縄の生活や人情・自然や文化、観光。「あれやらこれやら」気ままに。

いよいよ沖縄は梅雨入り。

2007年05月15日 10時35分39秒 | Weblog
 先週、時期外れの高熱を発し、ひたすらに暑さを堪え布団を被って寝ていました。どうにか今朝は平常に戻り、パソコンに向かっています。若い時分から「生きとし生けるもの」自癒能力があると名医から教えられ、七転八倒するまでお医者様の門は叩かぬといった信念を貫いていますが、今年もお医者様や薬の世話にならずに済みました。39℃が2日間も続いたときは少々気になりましたが、昨日からはすっかり良くなり、完治間違いなしといったところです。
 20年前までは風邪かなと思ったら玉子酒を一気に飲み干してひたすら寝るだけでした。沖縄では、「ちむしんじ」という味噌汁を幼児から老人に至るまで飲ませます。食欲のないとき、体力が弱っているときなどよく飲みます(食べます)。調理法を簡単にお知らせしましょう。カツオ節(削り節)で良く出汁をとり、豚のレバーに豚の赤肉、それに人参、大根、ゴボー等好きな野菜をたっぷり入れ、味噌を加えて弱火で煮込みます。栄養たっぷりの味噌汁が出来上がります。私などはコンニャクを入れたのが好きです。食欲のないときは汁だけをのみますが、食欲が出てくると中身も十分おいしくいただけます。沖縄のスーパーでは「レバーと赤肉」セットで売られています。何はともあれ、先ずはお試しを。
「ちむしんじ」。まるで外国語ですね。以前、このブログ「沖縄の母音はアイウ」の中でお話しました。沖縄方言を知らないあなたでも分かります。
「も」は「む」、「しんじ」は「せんじ」又は「せんず」でしょう。沖縄方言では「き」を「ち」と読み変えることがしばしばあります。「肝」の事を「ちむ」といいます。「ちむしんじ」を標準語の漢字に直してみると「肝煎じ」となります。

 話がとんでもない方向に行ってしまいました。今日は入梅の事でした。
今週、梅雨入り宣言があるでしょう。少し、遅いなと思いますが、万事、旧暦で進める沖縄基準で考えると例年並みです。気象庁の言う例年とは違います。沖縄では旧暦が脈々と生き続いています。もう、梅雨に入ったのではないかと錯覚した時もありましたが、菜種梅雨だったのだと気づきました。
梅雨に入るとヤンバル(山原)の木々は一斉に若葉で包まれます。「うりずん」の季節です。あちこちに「いじゅう」の樹に白い可憐な花が咲きます。
うりずんの季節は語感といい、季節といい、わたしはとても好きです。
美智子妃殿下が「うりずん」という語を入れた短歌を詠まれていました。ずいぶん前のことですが、新聞紙上でお見かけしました。そのときは注釈に「若葉の季節」とありました。
「糸満ハーリー」が終わったらそろそろ梅雨明けで灼熱の南国の太陽が照り付けます。「ハーリー」は元来、旧暦5月4日に行われます。今年は6月18日が糸満ハーリーの日。沖縄に来られる方はこの糸満ハーリーもご覧下さい。那覇空港から車で20分ほどです。因みに、「那覇ハーリー」はゴールデンウイークに特別設定されたお祭りです。
 デイゴの花の時期も盛りとなりました。デイゴは県花ですが、デイゴに出会った頃はあまり好きになれませんでした。肉厚の南国特有の真紅の花です。
那覇市街を流れる久茂地川沿いにデイゴの並木がありました。この久茂地川の上を「モノレール」が通るようになり、見事だったデイゴの樹がどこかに持ち去られてしまいました。無機質なモノレールなど沖縄にふさわしくないと息巻いていた私の持論は、更に拍車がかかりました。
この川は汚泥がひどく悪臭を放っていましたが、ある時改修工事をやり、しばらくの間、匂いも消え、テラピアの群れをたくさん見るようになりました。街中の川にイゴそしてテラピアと好きな風景になったなと、毎朝、川面に出てみるのが楽しみになりました。ところが、モノレールの工事が始まるや否やデイゴの樹はおろか向い側の川岸に連なっていた昔ながらの品種改良されていない野生種のハイビスカまで持ち去ってしまったのです。落胆筆舌に尽くし難しでした。今は移転しましたが、その川の畔に私が勤めていた会社の事務所があったのです。

現在、モノレールも走り、デイゴは植え戻され、川面にはたくさんのテラピアが群れをつくってたくさん泳いでいますが、昔日の風情はなくなりました。
デイゴの花が咲くとあの日あの時の事などが蘇えり、デイゴの季節を待つようになっている自分に気づきました。
デイゴにまつわる土地の言い伝えによりますとデイゴの花が少ない年は台風が少ないといいます。そういえば、近年、沖縄にくる台風が少くなったような気がします。

この日曜日にでもデイゴの咲き具合でも見に出かけてみましょう。


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