5月30日(土)、寸時の晴れ間に友とドライブ。
車を北へ走らせる。
「いい時を選んだな」と友の勘の良さを褒め称える。
浦添バイパスを抜け、宜野湾市中を北へ抜ける。
普天間宮を右折し、沖縄市へ。
梅雨の中休みの晴れ間は清々しい。窓を開け涼風を入れる。
「今度のコロナの影響で、ライカムから30店舗近く撤退したらしいよ」
「そんなに!」
人が集まって商売になるところ、人が来なけりゃ、たちまち窮地に陥ってしまう。
「野菜も売れなくて捨ててるらしいよ」
「俺も見た。大間だったか、マグロの値段が3分の1になってるって、云ってたな」
きょうは東海岸を走り、宜野座道の駅に行ってみようということだ。
米軍相手に、嘗ては賑わった嘉手納ゲートに通じる通称「空港通り」を過ぎ、コザ十字路を左折して329号線に入る。
沖縄市を抜ければうるま市だ。
うるま市のバイパスに入る。
石川の中心街を避け、石川の北の端に出た。
石川を過ぎると建物が少なくなる。
「やんばるの329号線は長い間走ってないな」独り懐かしむ。
町並みや、見慣れた海の景色が妙に懐かしかった。
「写真に収めるには自転車あたりで来ないと駄目だな」
金武町の基地を通り抜けると宜野座だ。
「ぬぶい くだい(=上り 下り)」の名残が残る329号線を北上する。
「ここ、宜野座道の駅っ?」
車窓の左手に、丸っこい建物が目に飛び込んできた。
建物を廻り込むようにして駐車場に入る。
左手の3階建ての円形の建物が、先程、車窓から見えた建物である。
コロナ禍で行き場を失った家族連れであろうか、329号線の車の流れも、駐車場の車の数も多かった。
ポツポツ落ち始めた雨を避けるように、急ぎ足で店内に入った。
店内は活気がなく、商品も少ない。
どことなく寂れて見えた。
「他の道の駅とは、随分、違うね。やる気がなさそう」
友人がボソリと独り言を云った。
何も買うものもなかったが、珍しいので「マンゴージャム」だけを買った。
コロナの影響かもしれないが、これじゃ、遠来の客には申し訳ないだろう。
他の「道の駅」で頑張っている人たちに対しても失礼だ。
「おにぎりを持って来た」
「晴れたらお天道様の下で食べよう」ということにした。
3階建てのこの建物は、新しく増築したらしい。
2階がレストランになっているということだったので、お茶でも飲んでいこうということになった。
レストランは開放的で、広く、新築の匂いがした。
客は若い男女3人一組だけ。
大きい窓側の隅の席にいるだけで、ガランとしていた。
ベランダは広く、建物を取り囲み、屋根が大きく突き出ていた。
「外にするか」
雨足が強くなった。
南西方向、今来た329号線が見える。
この道を右に行けば漢那ダムに向かうのだが、結局、雨が止まずに断念した。
南の方向。
遠方に霞んで見えるのが宮城島の石油基地。その右に海中道路があるのだが、霞んでしまって見えない。
宮城島の左方向の先端が伊計島だ。
東の方向。
この岬の向こう側には辺野古がある。
辺野古問題を考えるとき、ウチナンチュウの気持ちが痛いほどわかる。
大東亜戦争の時、沖縄県民は懸命に戦った。
年端も行かぬ15歳の少年が鉄血金皇隊として動員され、戦った。
その時から基地のある風景は変わっていないのである。
理屈を捏ね回しても、県民の感情は癒やされることはないだろう。
帰り際にみた道の駅の外観。
外観はは変わってなかった。
雨がひどくなっていた。
雨は止みそうになかった。
取り敢えず、329号線を北上する。
「東海岸が太平洋側だよね」
「今更、可笑しいよ」
「西海岸が表のような気がして、西海岸が太平洋で、東海岸が東シナ海と錯覚してしまうんだ」
雨が激しくなったので、帰ることにした。
329号線を左折して西海岸に向かった。
名護に出て、ひたすら58号線を南下する。
恩納村道の駅で車を止め、お茶を買って、車内で握り飯だ。
「ビールを買ったら、『敷地内で飲まないでくだい。コロナ対策です』と言われた。
仕方ないからお茶と交換したよ」
「待てよ、車の中で飲むならよかったんだ」
ふたり、大笑いした。
<余録>
先日、一輪咲いた朝顔は、毎朝10輪を超えるほど咲く。
繰り返し種を採取して栽培しているので、当初より、花は小さくなった。
この花が終わったら新しい種を蒔かねばなるまい。
簾の反対側は台所である。
朝顔の蔓は簾の裏側に回り込んで、毎朝、台所の窓を開けると「おはよう」と語り掛けて来る。
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車を北へ走らせる。
「いい時を選んだな」と友の勘の良さを褒め称える。
浦添バイパスを抜け、宜野湾市中を北へ抜ける。
普天間宮を右折し、沖縄市へ。
梅雨の中休みの晴れ間は清々しい。窓を開け涼風を入れる。
「今度のコロナの影響で、ライカムから30店舗近く撤退したらしいよ」
「そんなに!」
人が集まって商売になるところ、人が来なけりゃ、たちまち窮地に陥ってしまう。
「野菜も売れなくて捨ててるらしいよ」
「俺も見た。大間だったか、マグロの値段が3分の1になってるって、云ってたな」
きょうは東海岸を走り、宜野座道の駅に行ってみようということだ。
米軍相手に、嘗ては賑わった嘉手納ゲートに通じる通称「空港通り」を過ぎ、コザ十字路を左折して329号線に入る。
沖縄市を抜ければうるま市だ。
うるま市のバイパスに入る。
石川の中心街を避け、石川の北の端に出た。
石川を過ぎると建物が少なくなる。
「やんばるの329号線は長い間走ってないな」独り懐かしむ。
町並みや、見慣れた海の景色が妙に懐かしかった。
「写真に収めるには自転車あたりで来ないと駄目だな」
金武町の基地を通り抜けると宜野座だ。
「ぬぶい くだい(=上り 下り)」の名残が残る329号線を北上する。
「ここ、宜野座道の駅っ?」
車窓の左手に、丸っこい建物が目に飛び込んできた。
建物を廻り込むようにして駐車場に入る。
左手の3階建ての円形の建物が、先程、車窓から見えた建物である。
コロナ禍で行き場を失った家族連れであろうか、329号線の車の流れも、駐車場の車の数も多かった。
ポツポツ落ち始めた雨を避けるように、急ぎ足で店内に入った。
店内は活気がなく、商品も少ない。
どことなく寂れて見えた。
「他の道の駅とは、随分、違うね。やる気がなさそう」
友人がボソリと独り言を云った。
何も買うものもなかったが、珍しいので「マンゴージャム」だけを買った。
コロナの影響かもしれないが、これじゃ、遠来の客には申し訳ないだろう。
他の「道の駅」で頑張っている人たちに対しても失礼だ。
「おにぎりを持って来た」
「晴れたらお天道様の下で食べよう」ということにした。
3階建てのこの建物は、新しく増築したらしい。
2階がレストランになっているということだったので、お茶でも飲んでいこうということになった。
レストランは開放的で、広く、新築の匂いがした。
客は若い男女3人一組だけ。
大きい窓側の隅の席にいるだけで、ガランとしていた。
ベランダは広く、建物を取り囲み、屋根が大きく突き出ていた。
「外にするか」
雨足が強くなった。
南西方向、今来た329号線が見える。
この道を右に行けば漢那ダムに向かうのだが、結局、雨が止まずに断念した。
南の方向。
遠方に霞んで見えるのが宮城島の石油基地。その右に海中道路があるのだが、霞んでしまって見えない。
宮城島の左方向の先端が伊計島だ。
東の方向。
この岬の向こう側には辺野古がある。
辺野古問題を考えるとき、ウチナンチュウの気持ちが痛いほどわかる。
大東亜戦争の時、沖縄県民は懸命に戦った。
年端も行かぬ15歳の少年が鉄血金皇隊として動員され、戦った。
その時から基地のある風景は変わっていないのである。
理屈を捏ね回しても、県民の感情は癒やされることはないだろう。
帰り際にみた道の駅の外観。
外観はは変わってなかった。
雨がひどくなっていた。
雨は止みそうになかった。
取り敢えず、329号線を北上する。
「東海岸が太平洋側だよね」
「今更、可笑しいよ」
「西海岸が表のような気がして、西海岸が太平洋で、東海岸が東シナ海と錯覚してしまうんだ」
雨が激しくなったので、帰ることにした。
329号線を左折して西海岸に向かった。
名護に出て、ひたすら58号線を南下する。
恩納村道の駅で車を止め、お茶を買って、車内で握り飯だ。
「ビールを買ったら、『敷地内で飲まないでくだい。コロナ対策です』と言われた。
仕方ないからお茶と交換したよ」
「待てよ、車の中で飲むならよかったんだ」
ふたり、大笑いした。
<余録>
先日、一輪咲いた朝顔は、毎朝10輪を超えるほど咲く。
繰り返し種を採取して栽培しているので、当初より、花は小さくなった。
この花が終わったら新しい種を蒔かねばなるまい。
簾の反対側は台所である。
朝顔の蔓は簾の裏側に回り込んで、毎朝、台所の窓を開けると「おはよう」と語り掛けて来る。
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