本日観てきました。月組公演「カンパニー」。
原作は伊吹有喜さん著の小説「カンパニー」(新潮社刊)。
とっても素敵で面白い。
私が今まで見た宝塚作品は「るろうに剣心」、「こうもり」、「エリザベート」
「ME AND MY GIRL」、、、だけ!(少なっ)
いずれも海外や時代劇の作品で、現代日本(SNSやフラッシュモブなども普通に使われる)を
舞台にした今作品は何だか新鮮でした。
時代も舞台となる土地も現代もしくは現実、
ひょっとしたら今どこかでこんなストーリーが生まれているんじゃないか、
そんなリアルなドキュメンタリーを観ているような、、、。
タカラジェンヌさんが衣装でジャージやOL姿になるのも、見ものです(笑)。
妻を亡くして以来、坦々と仕事をこなす日々を送る面白みのない、
でも何より誠実な会社員・青柳誠二(珠城りょう)。
彼が勤める会社有明製薬とヘルシー・フーズが合併。
新会社「有明フーズ&ファーマシー」の設立が決まり、
新たな展開が始まります。
アイドルグループによるイメージソング・CM。
そしてイメージキャラクターである世界的プリンシパル・高野悠(美弥るりか)と
有明社長令嬢・有明紗良(早乙女わかば)を主演とする
記念公演・バレエ「白鳥の湖」が次々と決定。
が、そんな中ある事件が起こり、総務一筋だった青柳は責任をとらされる形で
失敗の許されない「白鳥の湖」のプロデューサーへ着任します。
バレエのことなど右も左もわからない、そんな彼は一癖も二癖もあるバレエダンサー達や
アイドル達を相手に四苦八苦。
ですが、公演準備を進める中で彼ら・彼女らが抱える覚悟や事情を知っていくことで
青柳の止まっていた時間が動き出します。
バレエの公演を成功させるために青柳が東奔西走することになるのですが、
登場人物の一人一人がとても生き生きしていました。
仕事よりも教え子の幸せ、持つべき自由を優先した結果、崖っぷちに立たされる女コーチ。
生まれながらに持つ環境と絶大な権力ゆえに、バレリーナとしての力を観てはもらえない社長令嬢。
完璧さを追求し、心身ともに酷使を続けた結果、踊れる時間を短くしたプリンシパル。
そして、才能はあるはずなのに本番で実力を発揮できないダンサー兼フリーターのヒロイン。
多くの登場人物がエピソードを持ち、物語を鮮やかに映し出します。
冒頭の青柳は器が空っぽの状態で、けれどだからこそここまで個性が溢れすぎる人々を
受け入れることができたのではないかと感じるほどでした。
ぱっと見、タイトルだけではストーリーがわからないのですが、わからないまま見た方が
絶対に楽しめる作品です。
始まったばかりの月組「カンパニー」。
物語そのものに引きこまれる現代劇の舞台、面白かったー
みなさんもぜひ、観劇ください!