パリの風景に思う

去年の冬に歩いたパリの共和国広場。
その２回前の春に訪ねたニースの海岸線。

そのいずれをも埋め尽くす人々の映像を見ながら、
しばらくフランスは休まないといけないかも…
との旅行業的発想が頭をよぎりました。

あらためて考えるまでもなく
「旅行」というのは、いろんな条件が揃わなければ行けません。

平和で、自分も家族も元気で、金銭的余裕もあって、初めて旅行に出ようとなる。
旅先に選ばれるのは、平和で、そこそこ快適に過ごせそうで、
見どころも多くて、安全なところ。

とくに海外を担当していて思うのですが、
この５年間で、その「条件」を満たす旅先は、少しずつ減っていきました。

実際にどうか、ということ以上に、
ニュースなどで不穏な光景が報道されると、お客様はまず二の足を踏まれますし、
私自身も　「ご案内するのは、落ち着くまでしばらくやめておこう」と
自らブレーキをかけてしまうのです。

国内では福島。
（今春は、何年かぶりに三春の滝桜に会いにいけそうですが）

海外では韓国、中国。
（つい何年か前まで数ヶ月ごとに訪ねていた両国に、もう３年も行っていません）

つくづく、平和あっての旅行業なのです。

でも本当は、どうなんでしょう。

今かろうじてある平和にのっかって、無難な旅先をぬりつぶしていくのは簡単です。
でも、旅にはもっと積極的に、平和を生み出す力もあるのではないでしょうか。

旅の力を、私自身がもっと信じたいと思います。

南仏の行く先々で見つけた、あの笑顔にまた出会えるように。


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