美浜原発事故

2011年12月08日 | 防災と琵琶湖

 

関西電力は7日、運転中の美浜原子力発電所
2号機(福井県美浜町、加圧水型軽水炉、出
力50万キロ・ワット)で、原子炉格納容器
内にある加圧器の圧力を調整する装置から1
次冷却水が漏れるトラブルがあり、8日未明
に原子炉を手動停止すると発表。トラブルに
よる環境への放射能の影響はないという。関
電によると、11月9日頃に装置内の弁の一部
から、水漏れを想定して設けている配管内に
漏れ始め、11月18日に1時間あたり30リッ
トルの漏れを確認した。その後、漏えい量は
12月7日に同230リットルにまで増え、今
後、液体廃棄物の処理能力を超える可能性が
あるため手動停止を決めたという。 関電の
全11基の原発のうち稼働しているのは7日
時点で3基。美浜2号機は11月29日に定期検
査に入る予定だったが、冬の電力需要に備え
るため12月18日まで定期検査入りを延ばして
運転していた。関電は、原因究明と修理に時
間がかかることから、再稼働せずにこのまま
定期検査に入る方針(2011年12月7日  読売
新聞)。

【美浜地区】 空間線量率連続測定結果

【急がれる原発事故災害避難体制】

原子力災害時における住民避難などの基準を
定めた国の「原子力防災指針」の見直しが進
んでいる。東京電力福島第1原発事故で約14
万人が長期の屋内退避を強いられるなど現行
指針の問題点が明らかになった。内閣府の原
子力安全委員会は防災区域の拡大を決めたが、
具体的な対応策の議論はこれから、防災指針
の見直しを含む原子力の安全規制は、来年4
月に新設予定の原子力安全庁に移管される。
このため安全委は3月末までに中間報告をま
とめる計画だが、事務局は「全部はやりきれ
ない。多くは原子力安全庁に引き継ぐことに
なるだろう」としている。

原子力防災指針は1979年の米スリーマイル島
原発事故を契機に翌年、決定された。原子力
事故で放射性物質が放出されるなどした場合、
住民の被曝を低減する防災対策を重点的に充
実させる区域(EPZ)や、避難住民の支援
など応急対策を行う拠点施設「オフサイトセ
ンター」の整備、緊急時医療などを定めてい
る。住民の避難に直結するEPZは、現行指
針では原発から半径8~10キロ圏。福島
第1
原発事故では指針を超える同20キロ圏を避難
区域、同20~30キロ圏を屋内退避区域とする
措置が取られたが
、指針で「屋内退避や避難
の必要はない」とされ、計画が未整備だった
EPZ圏外の自治体は、独自の判断で避難指
示の発令を迫られた。原発がある全国の自治
体では、現行指針に基づき策定した地域防災
計画に対して住民の不安が広がり、EPZを
半径約50キロ圏に拡大することを検討する自
治体も出始めている。

作業部会は11月1日、事故後直ちに避難する
「予防防護措置準備区域」(PAZ)を半径
5キロ圏内に、避難場所の設定や放射線測定
(モニタリング)を行う「緊急防護措置区域
」(UPZ)を同30キロ圏内に新設すること
で合意した。UPZは従来のEPZに相当す
るもので、原発から放出された放射性物質の
雲が事故後7日間で到達する範囲は平均で同
約30キロ圏内との試算や、国際原子力機関(
IAEA)の基準に沿って設定した。放射性
ヨウ素による被曝を防ぐ安定ヨウ素剤を配備
する「放射性ヨウ素対策地域」(PPA)も
、同50キロ圏内に新設された。現行指針は毎
時10~50ミリシーベルトの被曝の可能性があ
る場合は屋内退避、同50ミリシーベルト以上
で避難と規定しているが、国は地震による通
信途絶などで放射線量を十分に把握できない
状態に陥り、明確な根拠のない「政治判断」
で避難や屋内退避の区域を決めた。SPEE
DIが稼働していれば、
適切に区域を設定す
ることができ、住民の不安を解消できた可能
性がある。

国の現地対策本部が置かれたオフサイトセン
タは停電で通信が途絶。安定ヨウ素剤の配布・
服用の指示を自治体に円滑に伝達できず、混
乱を招いた。こうした反省を踏まえ作業部会
では引き続き、住民避難やヨウ素剤服用など
の具体的な対応について規定する「緊急時対
応基準」の検討に着手したが、残された課題
は多い。SPEEDIやオフサイトセンタの
活用見直しのほか、住民の健康に直結する緊
急被曝医療や、土壌に沈着した放射性物質の
除染、廃棄処分のあり方についても議論を尽
さなくてはならないという。



【エピソード】


このように各地域自治体までブレークダウン
し実動運用までのマイルストーンを考えると
2012年度末まではかかりそうに思えるがそん
な体制で良いのか今回の「美浜原発事故」は
厳しく問うているかのようだ。

 

【脚注及びリンク】
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1.「美浜の会

2.「海外移住の国選び

3.「原発震災と緊急避難
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