靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

カルチャーショック、オークションに無礼講に

2013-03-03 01:45:08 | 思うに
水曜日の夜、長男の学校で「演奏会&ケーキオークション」がありました。


中学校では、数学英語社会科学のコア授業の他に、三つ授業を選択することになっているのですが、長男が選んでいるのが、体育とビジネス技術とジャズバンド(トロンボーン担当)。この日は、オーケストラ、コーラスのクラスとこのジャズバンドクラスとの合同演奏会でした。長男の通う中学校にはスペイン語やロシア語のイマージョンなどもあり、様々なバックグラウンドを持った子供達が一緒に演奏。

ジムに入ると熱気。クラッシックやジャズの調べ、その演奏の間に行われるケーキ・オークション。父母親戚や料理学校から寄付されたケーキがその場で父母親戚により落札されていきます。

こんなケーキセットや、


こんなケーキセット。


近くで見るとこんな感じ。


確かに「おおっと」思わず声をあげたくなる美しさではありますが、これら三つほどのセットが五百ドル、六百ドル(五・六万円程)という値段で次々と落札されていきます。中には三つのケーキを1500ドル(15万円程)で落とした夫婦も!(しかもその夫婦、毎朝学校への送り迎えを交代でしている知り合いだと分かり、私椅子から転げ落ちそうに)。

またそのオークションの司会者達のしゃべりもDJ並みの上手さ。よく見ると、えっ、あれって、普段あの物静かな○○先生?! 数学の先生や英語の先生だったり・・・。長髪のロッカーなウィグなんかつけて分かりやしません、別人格。

8年生からの選りすぐりメンバーともなるとジャズも結構よくて、合間の滑らかなしゃべりとで、一瞬ホテル会場でのオークションパーティーか何かに参加している気分に(参加したことないですが)。

そして最後に、PTAの方がクリームいっぱいのパイを片手に持っていらして、司会者に渡します。大歓声の中、次々と落札しようと躍起になる父母親戚。そのパイ、五百ドルで落札! 何の変哲もないパイに五万円強! すると校長先生が真ん中に進み出て、「今日は本当にありがとうございます!」とお礼を言い始め、

その挨拶が終わると、会場中ざわざわと総立ち。

何が起こるかと思いきや、その落札した夫婦の娘さんにパイが渡され、その女の子、嬉々として至近距離から校長先生の顔面にそのパイを投げつけたああああ! 大歓声。顔からシャツからクリームまみれの校長。Iフォン片手にその様子を写真に取りまくる生徒達!(すぐにフェイスブックにソーシャルネットにと写真掲載する中学生。一昔前からは考えられない!)。


校長の顔に投げつけさせるために五万で娘にパイを買う・・・、呆然としながらも、普段ルールも厳しく、セキュリティーガード(生徒だけ集めた演奏会では校長だけでなくガードさんにも顔面パイをしたそう!)なんかも廊下に立ちまくり、かなりきちきちしたシステムの中、山積みの課題に取り組む中学生、こうしてお祭りドンちゃん騒ぎで上下構造むちゃくちゃ無礼講になる時があるのもいいのかもしれないなあと。中学生にもなれば、こんなジョークもちゃんと理解できるでしょ、そんな雰囲気もなかなか悪くない、そう感じました。

この日のファンドレイジング額、ケーキ以外にもベークセールや寄付などで19000ドル(200万近く!)だそうです。全て来年度の音楽授業に用いられるそう。

それにしても、日本の公立学校で育った私には、何から何まで、かなりのカルチャーショックでした。


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