靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

親同士の話し合い、Do not take it personal

2013-12-22 06:07:31 | 思うに
こちらの小学校、冬休み前と学年度終わりに、生徒側から先生へ何かプレゼントする光景というのがよくみられます。五十ドル(約五千円)以上になると、先生は学校側へ報告する義務があるので、それ以下のものを選ぶ方が多いようです。

といって家では、そんな高価なものをお渡ししたことはなく、いつもチョコレートやクッキーや切花やキャンドルなどに、子供達手作りのカードを添えて。子供達の感謝の気持ちを、少しでも形にできたらなという気持ちです。先生方、必ず欠かさず休み中の間にお礼の手紙を送ってくださいます。「何て美味しいチョコレートだったでしょう」「家族とシェアしていただきましたよ」「あのキャンドルの匂いとてもリラックスできました」などといった手書きの文を添えて。子供達、先生にプレゼントを渡すこの日を、毎年心待ちにしています。



今年、この時期を前に、娘のクラスの一人のお母さんから、「クラスの先生へ一緒にプレゼントしませんか?」というメールが回ってきた。クラス全体に向け提案をしたこのお母さん、他校から新しく入ってきて、また下の子が生まれたばかりでなかなかクラスのボランティアにも入れず、様子がわからないのですがと赤裸々にご自分の状況を説明されていて。

いいアイデア! あれがいいのじゃないかしら、これなら私買いにいけるわよと何人かが即座に返信しメールのやりとりが進む。

しばらく盛り上がっていたところ、一人の方からメール。プレゼントは、もう既に個人で買っている人も多いのじゃないか。こういう形で募ると、強制的に感じてしまう人もいるだろう。家は複数人がこの学校に通ってきたけれど、「一緒にプレゼント」なんていうのは聞いたことがない。毎年皆個人でプレゼントするものと。

それまでの活発なやり取りが一気に静まり。

習い事や他の集まりで指導者に皆でプレゼントというのは、よく聞き、実際に参加したことがありますが、私自身四人通わせてきて、クラスでこういった話が出たのは、確かに初めて。

まあそれでも、皆で購入することで、より実際に長い間有効に使ってもらえるものを渡すことができるだろうし、五十ドルを越え申告することになったとしても、グループならば学校側から「特定の個人への興味の偏り」を懸念されることもないだろうと、私自身は、「提案してくださってありがとう、私も喜んで参加します」とメールを送ったのですが。


こちらは「したい人がしたいことをする」という風潮が強く、グループでしたい人はそうする、個人でしたい人はそうする、とさっぱり進むかのかと思っていたのですが、提案を「強制的」と感じる人もいるのだと、まず驚きました。何だか親しみのある懐かしい感性だなあと思ったり。

結局、やりとりが静まった後、活発にやりとりしていたお母さんの一人から、今回はあまり時間もないので、もし興味がある人がいれば、学年末にもう一度企画しましょうという提案が出。

最初に提案したお母さんも、それがいいアイデアねと同意したところで、「強制的になってしまう」と言ったお母さんも、話し合いをスタートして下さってありがとう、皆さんいい冬休みをお送りくださいねと。

その後は冗談が飛び交い、翌日皆顔を合わせることになったクラスの集まりでも和気藹々な雰囲気。



人付き合いの要の一つに、「Do not Take it Personal(個人的なこととして取らない)」があるなあとつくづく思います。相手は自分のことをこう思ったからこんなことするんだ、ということではなく、全体の問題としてよりよい方向はどうなのかと話し合う。

感じること思うことを率直に言い合い、反対のことを言われたり、自分の意見が通らなくても、「Take Personal」することなく、ニコニコ堂々としている。それには周りに振り回されない、内面的な律や安定、インテグリティーが必要でしょう。

なるべく他を下げないような言い方言い回しを心がけつつ、もし自分が厳しい言い方で面と向かって否定されても、Take Personalしない。

心に留めていきたいです。



今年も、手作りカードに、

(by 次女)

クッキーを添えて!


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