靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

子育ての目標、より具体的に

2011-11-27 00:57:50 | 子育てノート
昔知り合いと話していて、

「親が無くとも子は育つっていう諺があったりしてね、ははは」と言ったら、

「育つ?私たちは『単に育つ』なんていうことを目標としているんじゃないと思わない?」と言われたことがある。

ジューイッシュ・アメリカンの彼女のこの言葉がずっと心の深いところにある。



目標? 子育ての目標。

「いずれ一人で歩いていけるように」、そう思う。

ではそのために何が必要なのか。通信網交通網の発達で様々異なる価値観考え方に瞬時に触れることができめまぐるしく変化する世の中、少し前まで当たり前として拠り所にしていたものがしばらくしてもう崩れ去っているということもある。変化の渦の中ですっくと立ち上がり進み続けるためには何が必要なのか。

「強固な土台」と「実力」がますます必要となってくるのだと思う。「強固な土台」とはsecurity、内にどっしりとある安心感。「実力」はその土台の上に築かれていくしっかりとした知恵知識技術感性。

親の「無条件の受け入れ」、それが子供の内に強固な土台を築くことを助ける。その上に様々な条件を設け失敗を繰り返しながらも知恵知識技術感性を磨いていく。

親として具体的にどうしていけるのか。日々試行錯誤しつつ考え続けていきたい。


未来の世界を創るのは子ども達

子育ては日々未来の世界を創るということ


子供に向かう一瞬一瞬が世界に繋がっている、そう思いつつ。


何だかドカンと大きなことを言っているようですが、心の奥からの正直な気持ち考えです。上のようなテーマでブログに書いてきたこと今の時点で見えてきたことを少しずつまとめています。12年間のフィールドワーク。(笑) ちょっと更新が不定期になったり文体が少し変わるようなこともあるかもしれません。読んで下さる皆様に感謝を込めて。

兄弟姉妹間の葛藤

2011-11-27 00:57:20 | 子育てノート
兄弟姉妹間の葛藤、古くからの永遠のテーマといえるかもしれない。聖書を開くとカインとアベル、兄に奴隷に売られたジョセフ、古事記をみればアマテラスとスサノオ、兄を殺したヤマトタケル。ネイティブ・アメリカンのウェネボジョ族起源神話にも弟を殺す少年の話があったりする。世界各地の民話・伝説にも兄弟姉妹間の葛藤が表された話が多くある。

神話や伝説には何層もの解釈レベルがあり、何が良いとか悪いとかそういう問題でもないのだけれど、この現実的日常生活での葛藤、何とかできないものかと思いかれこれ11年近く。もちろん葛藤を通し互いに成長していくということも大いにあるのだけれど、妬みや憎しみや争いの絶えない空間よりは、よりハーモニーのある空間を創っていきたい。

親として何ができるのか、以下これまで気づいたことや見聞きしたことを実際に試してみて「これいいじゃない!」と思ったことなど:

・弟妹が生まれる場合、新しい家族を迎える準備に上の子達を含む。胎児の写真や検診の様子をシェアし、実際にお腹を触り胎動を感じさせたり。臨月近くなりお腹の皮を隔て明らかに手とか足とか分かる形がニョッキリと飛び出す様も、上の子と共に楽しむ。服や家具や小物などを揃えるのも上の子達に色や形の選択をさせたり。赤ちゃんが出てくるのが待ち遠しくてしょうがない状態にしておく。

誕生の感動を分かち合う。家は兄姉達に立ち合い出産はさせなかったけれど、産後すぐに会えるよう病室の外で待機していた。廊下に響いた妹弟の第一声を今でも興奮して話すことがある。生まれたての真っ赤な赤ちゃんを抱っこした瞬間、かけがえのない思い出のようだ。

赤ちゃんの世話にも上の子達を含む。「お腹すいてるかな?」「オムツ替えたほうがいいかな?」「もう少し着せた方がいいかな?」「何で泣いてるんだろう?」そんなことを聞いてみたり、オムツや服を持ってきてもらったり、少し大きな子にはオムツを替えてもらったり。「あなたの妹(弟)本当に気持ちよさそうね、ありがとう」、一緒に世話をした後ホッとした様子の赤ちゃんを見ながら声をかける。こうして子どもの「母性」を引き出していく。

・一人一人が尊重されているという自覚を持てるよう、その子自身に向き合う時間を大切にする。一人一人と出かける時間を作ったり。親のアテンション欲しさが動機という争いは随分と減る。

・「あの子はこれができるのに何であなたはできないの?」などという兄弟姉妹間の比較は絶対口に出さない。あの子の方が多い少ないという考え方をさせないよう。一人一人がそれぞれかけがえのない特別な存在という態度で接する。

普段から「個別性」でなく「繋がり」を自覚させるような言葉を使う。「名前」でなく「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」「あなたの妹(弟)」(これは日本語では不自然かな、Your little brother, Your little sister)というような言葉を使う。「お兄ちゃん今どうしてるんだろうね」「あれどこにいるんだろう、お姉ちゃん探してきて」などなど。

・辛いこと悲しいこと嬉しいこと、兄弟姉妹が体験したこと気持ちを一緒に共有する。「お姉ちゃんあんなことになって辛かっただろうね」「お兄ちゃん本当に嬉しかっただろうね」と言葉をかけ共に感情を共有。兄弟姉妹が喜んでいるのなら妬むのでなく一緒に喜べるよう。

喧嘩はどちらが悪いとか良いとか裁定するのでなく、どう解決していけるのかをゴールに据える。「正しい間違っている」よりも、「どう親切であれるか」を優先するよう教える。両者がハッピーにwin-winとなるにはどうしたらよいか、創造的な解決策を出し合えるよう。相手が自身の言葉や態度にどんな気持ちになっているか共感するよう促しつつ。

身体を傷つけるようなことは強く戒めるようにする。どれほど身体も心も痛いかを想像共感させる。

できる子に教えさせる。往々にして上の子の方が年が上な分何でもできるものだけれど、できる子にできない子を教えさせる。できないことをからかうのでなく、徐々にできるようになる過程を共に楽しめるよう。

一緒に協力してできる手伝いやプロジェクトを与える。「30分間でこの部屋2人できれいにできるかな」「夏に撮った草花の写真、アルバムに張ってどんな名前や特徴なのか書き入れてオリジナル草花辞典作ってみようか」などなど。共に同じゴールに向かいアイデアを出し合い力を合わせていけるよう。

葛藤が起こったときだけ動くのでなく、うまく仲良く尊重し合えている時に「皆仲良くできて楽しいね気持ちいいね」などという声をかけてみる。和の溢れる空間を自覚できるよう。

許すことの尊さを教える。「よく許してあげられたね」「許すことでどんどん心が開いてきれいになっていくんだよ」などと、許したときの「軽さ」を自覚させる。どれほど自身が許されてきたかと感謝の気持ちを思い出させもしつつ。


私には2つ上の兄が1人いるのだけれど、子供の頃よく喧嘩したと思う。口でかなわないからと私からよく手を出した、蹴りやパンチや。(笑)「もう一生口も聞きたくない!」と思っても10分後には仲良く遊んでいたもの。兄がいじめられたりしたら、私が仕返ししてやる!といきり立っていた。

兄弟姉妹、本気で喧嘩し共に笑い転げ、濃く密な他者との体験ができる貴い関係。

「楽しいときも悔しいときもあるけれど、色々な体験を共有することで共に成長していくためにこうして縁あってね、兄弟姉妹に生まれてきたんだよ。助け合っていきたいね」そんな言葉を今日も子ども達にかけつつ。

感謝祭

2011-11-27 00:56:43 | 出来事や雑感や (行事)
一晩ハーブに無事漬け込んだ七面鳥、

バターに再びローズマリー、セージ、タイム、ガーリックを混ぜたものを、塗り込む。


皮の中にも、お腹の中にも塗って塗って。


野菜を添えてオーブンで湯せん。七面鳥、パサパサしないには湯せんがいい、と今年友人から聞き早速試す。

インゲンとクリームとドライオニオン、オイスターとコーンとグリンピースとパンを揚げたもの、ヤム芋とスイートポテト煮、感謝祭の定番もオーブンへ。

芋を剥く次女。

来客前に雪かいて。

しかしよく降ります。

4時間後。七面鳥こんがり!

確かに湯せん、驚くほどしっとりでした。ネットのレシピにあった皮の下までバターもよかったよう。かなり好評。

七面鳥からの油でグレイビー・ソースを作り、友人達がパイやマッシュポテトや寿司やシャンパンやワインなどもってきてくれて、

シャンパンでかんぱ~い!



楽しく美味しくいただきました。感謝を込めて。