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仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ナショナル・セキュリティ

2016年12月30日 | ムービー
『ナショナル・セキュリティ(原題National Security)』(2003年/デニス・デューガン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ロス市警の巡査ハンク・ラファティ(スティーヴ・ザーン)は、遭遇した強盗現場で相棒のチャーリー(ティモシー・バスフィールド)を目の前で射殺されてしまった。防弾ガラスとオートロックドアのせいとはいえ、何もできなかった自分を責めていたラファティは、捜査チームへの参加も拒まれて鬱憤がたまっていたのだった。ある日の巡回中、自動車泥棒の現行犯でアール・モンゴメリー(マーティン・ローレンス)という黒人を逮捕しようとするが、実は自分のクルマにキーを閉じ込めただけのモンゴメリーは何かとラファティの公務を妨害する。さらに、蜂に対するアレルギーを持っているモンゴメリーはまとわりつく蜂から逃れようとし、ラファティもまた蜂を追い払おうと警棒を持つ手を振り回す。遠目にはまるで白人警官が黒人を暴行しているように見えるその様子を、近くにいた市民がビデオカメラで撮影し・・・」という内容。
モンゴメリーの言うことはマッタク理解不能。
彼のおかげでどんどんと悪い方へ悪い方へと向かって行くラファティに同情したくなるほどだ。
(^_^)
裁判の陪審員は殆どが黒人だし、刑務所に護送されるバスの中でも、収容された刑務所でもバカでかい黒人がすぐにでも殴りかかろうと待ち構えている。
これは独居房の方がはるかに安全だろう。
看守を殴ってでも独居房に入ろうとする気持ちはよく分かる気がした。
(^。^)
ただ、(死刑囚等極刑の囚人は別として)独居房というのは、懲罰のために使用されるのだろうと思っていたので、独居房にいる期間は刑期に加算されるだけであり、ラファティは刑期6か月を丸々独居房で過ごすことなどできないのではないかと想像したのだが、どうやらそういうことではないらしい。
まぁ、その辺りの事情に詳しくなっても仕方がないのではあるが・・・。
刑期を終えたラファティは、物語の導入部分で相棒と共に馬鹿にしていた警備会社"ナショナル・セキュリティ"で警備員として働くことになるのだが、"2日間の厳しい研修"を終了した彼に会社から渡されるのは「警備灯」、「催涙スプレー」、そして、「最後の手段として警察に電話するための"小銭入れ"」といった支給品。
警備員は逮捕権など持ち合わせないし、拳銃を携帯しているわけでもないので、身の安全を確保するのが第一なのだろうが、"小銭入れ"には泣けてくる。
これだけ携帯電話が普及した世の中で、小銭が使える公衆電話がそう都合よく近くで見つかるとも思えないのだが、この作品が制作された2003年当時のアメリカ国内にはまだ公衆電話がそこそこあったのだろうか。
(^_^;)

仁左衛門賞 / 2016年

2016年12月28日 | 映画サークル
"ましけ映画サークル"の例会で1年間に取り上げた作品の中から一番面白かったと思われる作品に対して贈られる【仁左衛門賞】は今年で12回目。
干支も一回りである。
(^。^)
2016(平成28)年の例会で取り上げられた映画作品は、
【1月/中止】
【2月/中止】
【3月/長〇企画】『昭和残侠伝』(1965年/佐伯清監督)
【4月/仁左衛門企画】『麦子さんと』(2013年/吉田恵輔監督)
【5月/小〇企画】『バーバレラ(原題Barbarella)』(1968年/ロジェ・ヴァディム監督/イタリア・フランス)
【6月/忠〇企画】『キャリー(原題Carrie)』(1976年/ブライアン・デ・パルマ監督/アメリカ)
【7月/長〇企画】『トラック野郎 御意見無用』(1975年/鈴木則文監督)
【8月①/忠〇企画】『ミイラ再生(原題The Mummy)』(1932年/カール・フロイント監督/アメリカ)
【8月②/仁左衛門企画】『巨神兵東京に現わる 劇場版』(2012年/樋口真嗣監督)
【9月/小〇企画】『ピクセル』(2015年/クリス・コロンバス監督/アメリカ)
【10月/仁左衛門企画】『獣たちの熱い眠り』(1981年/村川透監督)
【11月/中止】
【12月/中止】
といった9作品だったが、この中から第1次選考を行うとなると、『昭和残侠伝』、『バーバレラ』、『キャリー』、『ピクセル』といった4作品が最終候補作品になるだろうか。
そして、その候補作品の中から栄えある【ましけ映画サークル・仁左衛門賞/2016年】に選ばれたのは、【3月/長〇企画】『昭和残侠伝』(1965年/佐伯清監督)だ。
おめでとう!!佐伯清監督!!
2016年の仁左衛門賞・灰色のモアイ像はあなたに進呈する!!
第2作以降は歌詞が変更になったようだが、大人気シリーズとなった『昭和残侠伝』の第1作で、主題歌の作詞を手掛けたのも素晴らしい。
機会があればシリーズの全作品を楽しむことにしよう。
(^_^)
さて、本年は1月に当サークルのメンバー・守○氏がご逝去された。
月日が経つのは早いもので、そろそろ1年になってしまう。
守〇氏がいなくなってしまったのは本当に残念でしかたがないのだが、"ましけ映画サークル"は、これからも守〇氏の分まで素晴らしい映画作品と出会っていきたいと思っている。

つやのよる

2016年12月26日 | ムービー
『つやのよる/ある愛に関わった、女たちの物語』(2013年/行定勲監督)を見た。
物語は、「伊豆大島。ペンションを経営している松生春二(阿部寛)の妻・艶は、島の病院で人生を終えようとしていた。春二は家から持ち出した包丁で意識がない状況の艶を刺そうとするができない。帰宅後、義母に電話を入れ、艶の従兄・石田行彦(羽場裕一)の連絡先を聞き、艶が危篤であることを知らせる。その後も、離婚後24年経つという元夫・太田(岸谷五朗)など、縁のある男達に艶の危篤を連絡し続けるのだが・・・」という内容。
痩せこけて無精ひげが伸び、尋常ではない表情の春二が自転車で病院へと向かうのだが、着いた病院の廊下は照明が消され、どうしようもなく寂しい雰囲気で、看護婦・芳泉杏子(田畑智子)も恐る恐る春二に声をかける。
楳図かずお(1936年~)の漫画を実写化すると、こういう描写になるのではないかと思える、何だかおどろおどろしい演出だ。
(^_^;)
春二が家で電話を掛ける際の話し方も、まるで何かに憑りつかれたかのようで、この雰囲気も尋常ではない。
艶が亡くなってしまうことへの恐れが、彼をそうさせるのか。
しかし、電話を受けた側にとって艶の存在はすでに過去の人だったり、行彦の妻・環希(小泉今日子)など(家族にとって)は初めて聞く名前。
死にゆく艶の存在を知って、そこから新たな展開が生まれることになるのだが、それが春二の目的だったのか!?
それほど面白いと思える物語ではなかったので、オカルトチックに演出したほうが面白かったのではないかと思う。
「昏睡状態にある艶の思念がそうさせるのか!?」等というふうに。
(^_^)
アパート経営をしているという太田の風変わりな容姿だけでは、退屈さを払しょくできなかった、少しばかり残念な作品。

戦場のメリークリスマス

2016年12月24日 | ムービー
『戦場のメリークリスマス』(1983年/大島渚監督/日本・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド)を見た。
物語は、「1942年。日本の統治下にあるジャワ島の日本軍俘虜収容所。朝鮮人軍属カネモト(ジョニー大倉)がオランダ軍の男性デ・ヨンを強姦するという事件が起きた。早朝、ハラ軍曹(ビートたけし)が事件処理にあたり、日本語が堪能なイギリス陸軍ジョン・ロレンス中佐(トム・コンティ)が立ちあわされた。そこへ、軍律会議出席のためバビヤダへ向かう所長のヨノイ陸軍大尉(坂本龍一)が現れる。状況を察した彼は、ハラに後の報告を命じて出発した。バビヤダではイギリス陸軍ジャック・セリアズ少佐(デヴィッド・ボウイ)の軍律会議が開廷された。異様な眼差しでセリアズを凝視するヨノイは・・・」という内容。
セリアズはヨノイが所長であるレバクセンバタの俘虜収容所に移送される。
俘虜に様々な情報の提供を求めるヨノイだが、俘虜のリーダーであるヒックスリー(ジャック・トンプソン)やロレンスは一切協力しようとはしないし、セリアズも反抗的で、ヨノイの怒りを買う。
収容所内において支配する側とされる側の人間が登場する物語だが、ヨノイはセリアズに強く魅かれ、ハラはロレンスに対して友情めいた感情が生まれる。
このハラという人は、典型的な日本軍人だったのだろうが、ガチガチに凝り固まった考えの持ち主というわけでもないようだった。
冒頭の事件処理の場面ではカネモトには切腹を求めながらも、遺族への年金のことを口にしていたし、クリスマスの夜、ハラは独房に入れられていたロレンスとセリアズの2人への"クリスマスプレゼント"として、独断で独房から解放してしまう。
サンタクロースからのクリスマスプレゼントというわけだが、相手が自分と違う信条や価値観の持ち主だからといって真っ向から否定するという人ではないようだった。
随分と粗野な男に描かれてはいたけれども、好奇心にあふれる人ではなかったのかと想像した。
ハラを演じたビートたけしが、その後、北野武監督としてカンヌ映画祭など世界中から称賛されることになるとは、この作品の公開当時、一体誰が想像しえただろうか。
メリークリスマス。
酒はいいねぇ。
そういう話。

ハッピー・クリスマス

2016年12月22日 | ムービー
『ハッピー・クリスマス(原題HAPPY CHRISTMAS)』(2014年/ジョー・スワンバーグ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「アメリカ合衆国シカゴ。ジェフ(ジョー・スワンバーグ)は映画監督をしていて、家のことや2歳の息子ジュードの世話はほぼ妻のケリー(メラニー・リンスキー)任せ。ケリーには余裕というものがなかった。クリスマスが迫った12月のある日、27歳になるジェフの妹ジェニー(アナ・ケンドリック)がそんな2人の家に居候しにやって来た。到着した日の夜、女友達カーソン(レナ・ダナム)と一緒に出掛けたジェニーはホームパーティーで泥酔し、電話でたたき起こされたジェフが深夜に迎えに行く羽目になる。頼まれていた翌日の子守りなどできるわけもなく、けだるさの中で遅く目覚めると、ベビーシッターのケビン(マーク・ウェバー)がジュードと遊んでいて・・・」という内容。
ジェニーはジェフの妹とあって、ケリーもそれなりに気を使っているようだったし、ジェニーも最初は殊勝なことを言ってはいたが、やはりケリーは義妹との同居に困惑しているようだった。
"事件"を起こした当人はまったく悪びれることなく、一切謝らないのが彼女の人間としての未熟さを現していたが、兄妹とあってジェフはジェニーに寛大な様子だった。
この作品を見ているこっちのほうが、いつも口が半開きのジェニーの顔を見てると腹が立ってくる。
(^。^)
まだ赤ん坊のジュードを連れて公園に行く場面では、ジュードをブランコで遊ばせるのだが、初めのうちは大きく揺られてはしゃいでいた赤ん坊も、そのうち無言になってきた。
あれは具合が悪くなりつつあったのではないだろうか。
(^_^;)
撮影はカメラを固定せず、まるでホームムービーカメラで撮影したかのようで、いつも画面が小刻みに揺れていたし、繋がりを無視したかのような編集もドキュメンタリーか素人っぽさを演出しているようだった。
作品は『ハッピー・クリスマス』というタイトルだったが、登場人物は誰一人としてハッピーに見えなかったし、見ているほうとしても全然ハッピーな時間ではなかった。
ハッピーだったのは、ジェフ役で出演もしていた監督本人だけだったのかもしれない。

ルパン三世

2016年12月20日 | ムービー
『ルパン三世』(2014年/北村龍平監督)を見た。
物語は、「かつてアルセーヌ・ルパンとチームを組んでいたトーマス・ドーソン(ニック・テイト坂口芳貞/声)は高齢のため引退を決め、盗賊集団"ザ・ワークス"のメンバーであるルパン三世(小栗旬)、峰不二子(黒木メイサ)、ピエール(キム・ジュン小野賢章/声)、ジロー(山口祥行)、マイケル・リー(ジェリー・イェン加瀬康之/声)ら若手に、シンガポール現代美術館に所蔵されている古代オリンピックのメダル強盗を競わせ、新しいリーダーを決定しようとしていた。一方、インターポールの銭形警部(浅野忠信)は、盗賊達を一網打尽にできるチャンスと考え、ドーソンの邸宅に張り込んでいたのだが、かねてからドーソンを恨んでいたマイケルが仲間を裏切って、彼のコレクションの中からアントニウスがクレオパトラに贈ったというジュエリー"クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ"の一部である"光の首飾り"を奪い、さらには、マイケルの傭兵ロイヤル、マリア、サーベルが邸宅を襲撃した挙句、ドーソンはロイヤルに射殺されてしまった。そして、それから1年が経ち・・・」という内容。
モンキー・パンチ(1937年~)の同名漫画を原作とした作品で、アニメはテレビ・映画ともに何作品も作られているが、実写映画としては『ルパン三世/念力珍作戦』(1974年/坪島孝監督)以来2作目とのことである。
ルパン三世、次元大介(玉山鉄二)、石川五ェ門(綾野剛)、峰不二子、銭形警部という主要登場人物達の活躍を描いているわけだが、次元と五ェ門はこの実写作品では初対面。
随分と時代を遡った物語なので、いうなれば"エピソード・ゼロ"という感じだろうか。
(^_^)
アニメと変わらなかったのは「あの女は信用できない」という次元に対して、「裏切りは女のアクセサリーのようなものさ」と言うルパン。
おそらくこれは、原作漫画が連載開始になった1967(昭和42)年以来、まったく変わらない部分なのだろう。

ミドルメン

2016年12月18日 | ムービー
『ミドルメン / アダルト業界でネットを変えた男たち(原題Middle Men)』(2010年/ジョージ・ギャロ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1997年、アメリカ合衆国。テキサス州ヒューストン在住のジャック・ハリス(ルーク・ウィルソン)は、弁護士ジェリー・ハガティ(ジェームズ・カーン)からの連絡により、倒れた友人のクラブ経営を助けるため、妻子を残して単身カリフォルニア州ロサンゼルスに向かった。難題の解決が自身の才能だと自負するハリスは、店を地域の評判店に育て上げる。一方、かつて授業を受け持つほどの優秀な獣医だったが睡眠薬を手に入れるために不要な手術をしたとして獣医師の資格をはく奪された過去を持つウェイン(ジョヴァンニ・リビシ)の元に、NASAをクビになった幼馴染のバック(ガブリエル・マクト)が訪ねてきて居候を始めた。酒とドラッグとエロサイトに溺れるどうしようもない2人だったが、ふと偶然に、ポルノ画像をインターネットにアップロードして公開し、カード決済システムを使って課金していくというシステムを思いつき・・・」という内容で、実話を基にしているらしい。
どれだけ脚色されているのか不明ではあるのだが、特徴ある登場人物が多くて面白い。
(^_^)
まだ世界中のカード会社や金融機関がインターネット上でのクレジットカード決済など行っていない時に、「15分間だけ邪魔をしないでくれ」と言ってそのプログラムをささっと構築してしまうバックは、"IQ187"だという。
凄い男なんだけれど、ハリスと組んだのがそもそもの間違いか、ロシア人マフィアのイワン・ソコロフ(グレアム・マクタヴィッシュ)にビジネスを持ち掛けてしまう。
アダルトサイトのためにストリッパーの画像が必要とはいえ、マフィアに話を持ち掛けるなど、どう考えても大間違いだ。
しかも、約束の分け前を2か月間も支払わなかった理由が「ラスベガスでラリって遊んで忘れてた」というのだから、これでは2人とも命がいくつあっても足りないだろう。
(^_^;)
彼等とハリスを引き合わせたのは「訴訟もネクタイもしない」と話し、FBIに目をつけられているというどうにも怪しい弁護士のハガティ。
彼に恩義を感じているハリスは、当初、「ポルノ産業に関わりたくない。話を聞くだけ」と思っていたものの、当然ながら"世紀の大ビジネスチャンス"であることに気がつき、事業化を進めていくのだが、マフィアが絡んでしまっているし、難問が山積みだ。
1980年代に登場したVHSビデオレコーダーも、1990年代に登場したインターネットも、"アダルトビデオ"や"アダルトサイト"の存在を抜きにしては、その爆発的なヒットを語れないのではないかと思うほどに"ポルノ産業"が大きく関わったのだろう。
目を背ける人も多かったのかもしれないが、ビジネスとしては大きなチャンスが隠れていたということだ。
さて、ソコロフはその後、祖国ロシアに帰ったとのことであるが、おそらく今でも莫大な"分け前"を手にし続けているのだろう。
(^。^)

影狩り / ほえろ大砲

2016年12月16日 | ムービー
『影狩り ほえろ大砲』(1972年/舛田利雄監督)を見た。
物語は、「徳川幕府が末期にさしかかった頃。財政破綻に悩む幕府は、"影"と称する隠密や忍者を各地に派遣して諸大名の落ち度を暴き、その領地を没収して窮乏から脱しようとした。狙われた大名は、"影狩り"を名乗る室戸十兵衛(石原裕次郎)、日光(内田良平)、月光(成田三樹夫)の3人組を雇い入れ、影をせん滅しようとした。3人を雇った豊後(ぶんご)の佐伯藩は、かつての大阪の戦で天守閣に大砲を撃ち込んだ功績を認められて以来150年、公儀より特に認められて"大筒・四海波"の所有を許されていた"大砲の伊勢守"という異名を持つ小藩だが、砲術方の独断で、もはや使い物にならない大砲を鋳潰し、禁じられている新しい大砲を作り始めていた」という内容。
これは、さいとうたかを原作による『影狩り』(1972年/舛田利雄監督)の続編で、基本的な設定は前作のままなのだが、老中・田沼意次役だった丹波哲郎は、影目付役に降格(!?)になっていた。
(^。^)
刀で斬り合う場面がとても多いのだが、殺陣によっては着物も切断され、大量の血のりが噴き出すような悲壮感あふれる演出があるかと思いきや、何とも適当な、ただ倒れるだけの場面もあったりする。
一番酷かったのは、日光が何人もの忍者を斬ったあと、何事もなかったかのように傘を射して行ってしまう場面。
斬られて倒れている役者が動き出してしまったのだ。
(^_^;)
あれは画面を見ていれば、気がつかないわけがないので(撮影中に気がついていれば撮り直したのだろうに)、知っていながらも編集できなかった場面なのだろう。
良くできた作品だっただけに、何とも残念な場面だった。
また、石原裕次郎といえば、昭和を代表するような格好良い俳優の一人だったのだろうと思うのだが、「死ねー、死ねー!!」と言いながら、逃げている忍者達を追いかけまわす演出には少しばかり驚いた。
大スターといえども自分のイメージに固執することなく、この登場人物(室戸十兵衛)の心情を大胆に演じていたわけだ。
芝辻道斉(加藤嘉)と芝辻美也(夏純子)は可哀想な登場人物だったが、これを演じた2人の役者さんのギラギラした演技もとても良かった。
(^_^)
同じ配役で第3作目が作られなかったのが、少しばかり残念だ。

キャスト・アウェイ

2016年12月14日 | ムービー
『キャスト・アウェイ(原題Cast Away)』(2000年/ロバート・ゼメキス監督/アメリカ)を見た。
物語は、「国際的な運送会社フェデックスの管理職チャック・ノーランド(トム・ハンクス)は、貨物を運ぶ自社の飛行機で世界を飛び回り、各国の拠点で運営指導をしていた。帰国後、恋人ケリー(ヘレン・ハント)と久しぶりに時間を過ごし、婚約指輪を渡した後、またすぐに南米行きの飛行機へ乗り込んだのだが、嵐によって航路から随分と流された挙句に飛行機は太平洋上に墜落してしまう。奇跡的に無傷であったものの、流れ着いた南太平洋の無人島で、ただ一人絶望的な時間を過ごすノーランドだったが・・・」という内容。
嵐の中をゴムボートで流され、たどり着いた無人島の波打ち際で気がついたノーランド。
状況をよく理解できないままに、ふらふらと歩き始めるのだが、砂浜に打ち上げられていた宅配荷物を拾いながらというのが、プロフェッショナル魂を感じさせる。
(^。^)
明け方、奇跡的に船影を発見するものの、さすがにあれは遠すぎる。
櫂もないゴムボートで水平線辺りを航行しているらしい船までたどり着けるわけがない。
そして、それからがさらに悲惨だ。
小さな島ゆえに川が流れていないことから、淡水がない。
ヤシの実の殻を破って中のジュースを飲むのにも一苦労だ。
しかし、一番つらいのは"無人島で一人きり"という状況なのだろう。
唯一の友人(!?)は、バレーボールの"ウィルソン"だけ。
「ウィルソーン!!」という場面には少し笑ってしまったのだが、あの状況になれば、誰しもがそうなってしまうのかもしれないとも思った。
(^_^;)

デッド・ハング

2016年12月12日 | ムービー
『デッド・ハング(原題FREE FALL)』(2014年/マレク・アッカド監督/アメリカ)を見た。
物語は、「証券会社ゴールト・キャピタル社に勤めているジェーン(サラ・バトラー)は、出社してすぐに、同僚の財務担当マイク(ビル・リーマン)が同社ビルの屋上から飛び降り自殺したと聞き、ショックを受けた。しかし、"自殺するようなタイプじゃない"と、彼の死を受け入れられない。マイクの妻パム(クリスティーナ・クリーブ)から電話で頼まれ、マイクの机に飾られている家族の写真を片づけている際、机に隠されるようにしてあったメモリーカードを偶然見つけるジェーン。食事をとるのも忘れ、夢中になってメモリーに記録されていた財務資料を調べているうち、何者かに大金を横領され年金用の口座が空になっていることに気がついてしまった。早速、上司ロナルド・タフト(イアン・ゴメス)に報告したジェーンだったが・・・」という内容。
業務を開始してすぐの時間らしいのに、マイクの執務室はすでに片づけられていて、同社の社長サディアス・ゴールト(マルコム・マクダウェル)がヘリコプターで駆けつけ、タフトと何やら打ち合わせをしている。
その前にはすでに「マイクの後継者は君だ」とジェーンに告げていたのだから、後任者についての打ち合わせではないし、マイクを嫌っていたというタフトがマイクの部屋でたたずんでいるのも怪しすぎる。
(^_^;)
この辺りはどうにも予想通りの展開過ぎてつまらないのだが、内部調査官だというフランク(D・B・スウィーニー)が登場してからは俄然面白くなる。
この男、顔つきも服装も、とにかくまともな感じがしないのだ。
(^。^)
さほど期待をしていなかったからかもしれないが、これはそこそこ面白い作品だと思った。
悪役というのは、とことん悪の限りを尽くしてこそ面白いのだ。

そろばんずく

2016年12月10日 | ムービー
『そろばんずく』(1986年/森田芳光監督)を見た。
物語は、「広告代理店"ト社"勤務の春日野八千男(石橋貴明)と時津風わたる(木梨憲武)の2人は、パブで梅づくしのり子(安田成美)と知り合うが、なんと翌日彼女がト社に入社し、3人でチームを組むことになった。俄然張り切る2人。しかし、ライバル会社"ラ社"の天敵雄(渡辺徹)の横やりで芸能プロダクションの社長が寝返り、進行中の案件"え食品"の広告に予定していた女優を奪われてしまう。その後も桜宮天神(小林薫)の企てにより、"M食品"の契約まで"ラ社"に奪われ、さらには、暴力による営業を仕立てあげられて自宅待機に追い込まれてしまい・・・」という内容。
演出はコメディータッチなのだけれども、内容はエグイ。
「梅づくしのり子は桜宮天神とつきあって妊娠したが、出世願望が強い桜宮天神は"ラ社"の社長令嬢と結婚し、梅づくしのり子は捨てられ、人工妊娠中絶。梅づくしのり子はライバル会社の"ト社"に勤め、復讐のチャンスを狙った」ということなのだが、その復讐劇に巻き込まれてしまうの春日野八千男と時津風わたるは、濡れ衣を着せられ自宅待機にされてしまうのだから、若手社員のこの2人にとっては何とも迷惑な話だ。
(^_^;)
冒頭の天敵雄の登場の仕方は意味不明だったものの、「営業は血だ!!男性社員は仕事の役に立たない相手と結婚するな!!」と言う桜宮天神は分かりやすく強烈なキャラクターだった。
自宅に『姓氏家系辞書』、『種牡馬年鑑』などという本が並んでいたりして、家柄、出身校、財産を第一に考える嫌みな男だが、筋金入り。
天敵雄が「どけよ、邪魔だよ。行け!!行け!!」とひたすら両手を振り回している場面、出席者全員が円の外側を向いて座る不思議な営業会議、社員全員が何故か学生服やセーラー服を着た姿で研修を受けているなど、よく分からない場面が続いたが、ヘンテコな固有名詞を使ったり突飛な演出をしなくても、そこそこ面白くできた物語なのにと、少しもったいない気がした。
演技は下手だが、(当時)人気が出てきた"とんねるず"のイメージを利用したということだったのだろうか。

クライマーズ・ハイ

2016年12月08日 | ムービー
『クライマーズ・ハイ』(2008年/原田眞人監督)を見た。
物語は、「1985(昭和60)年8月12日、羽田発伊丹行のジャンボジェット機が群馬県多野郡上野村の高天原山の尾根(御巣鷹の尾根)に墜落し、乗客乗員死者520人を出すという世界最大の航空機事故"日本航空123便墜落事故"が発生した。地元の地方紙"北関東新聞"の社長・白河頼三(山崎努)は、悠木和雅(堤真一)を事故の全権デスクに指名し、編集局挙げての紙面作りをさせる。県警キャップでありながら墜落現場での取材を希望した社会部・佐山達哉(堺雅人)は神沢周作(滝藤賢一)と共に事故翌日の凄惨な現場の様子を伝えるが、社会部部長・等々力庸平(遠藤憲一)の妨害により記事は握りつぶされてしまう。自身のかつての実績が霞んでしまう若手記者達の活躍を潰そうとする等々力と、全権・悠木の対立は日に日に深まっていき・・・」という内容。
自分の飼い犬の子供を部下にプレゼントすることで自身の派閥を作り上げ、拡大していったという白河社長の影響なのか、ほぼ誰もが社長の言いなりだ。
追村穣編集局次長(螢雪次朗)も酷いが、最も酷く描かれていたのは販売局長・伊東康男(皆川猿時)。
彼は部下の安西耿一郎(高嶋政宏)を使い、社長のスキャンダルを表ざたにされないよう握りつぶそうとするが、社長室での様子はまるで暴力団の事務所であるかのようだった。
また、白河社長と悠木には少なからず因縁があり、噂レベルではあるものの社内の殆どの人間がそれを知っていることから、彼ら2人の関係を良く思ってはいない。
等々力部長の若手潰しも相まって、北関東新聞社内部の人間関係は何とも酷い感じだった。
(^_^;)
事故関連記事は連日一面を賑わせるのだが、玉置千鶴子(尾野真千子)が嗅ぎ付けてきたスクープ記事は「チェック!!ダブルチェック!!」が信条である悠木を悩ませる。
緊迫感あふれる面白いエピソードの連続なのだが、一番印象に残ったのは、神沢が事故現場で見つけてしまった"スペードのエース"だっただろうか。
これは残念すぎた。

エンド・オブ・ザ・ワールド

2016年12月06日 | ムービー
『エンド・オブ・ザ・ワールド(原題Seeking a Friend for the End of the World)』(2012年/ローリーン・スカファリア監督/アメリカ)を見た。
物語は、「幅約113kmの小惑星マチルダが3週間後に地球を直撃することが分かった。カーラジオから、"スペースシャトルによる小惑星破壊作戦が失敗した。人類の滅亡は避けられない"とのニュースが流れてきた数秒後、保険セールスマンのドッジ・ピーターソン(スティーヴ・カレル)の妻リンダ(ナンシー・カレル)がクルマを飛び出し、それきり帰ってこなかった。周囲の人間が酒やドラックに溺れる中、友人ウォレン(ロブ・コードリー)の妻は"私はもう誰のものでもない"と言う。一方、ドッジは無気力に普段と変わらない生活を送っていたが、ある夜、今まで顔も合わせたことがなかった隣人ペネロープ・ロックハート(ペニー/キーラ・ナイトレイ)が泣いているのを見て話しかけてみた。イギリスへ向かう最後の飛行機に乗り遅れたという彼女と話しているうち、次第に2人は打ち解けていき・・・」という内容。
3週間後に世界が終わってしまうということが確実になった瞬間に、人々の価値観はすっかり変わってしまったようだ。
塀には「殺し屋やります」とか「一緒に最期を迎える友達募集中」等という個人広告が沢山張られるようになる。
ドッジは今までと同じように定時に出勤していたが、ほとんどの社員は辞めてしまった(来なくなった!?)ようで、「会社の役員を募集します。CEOです。誰かやりませんか」と、まだ出社を続ける数名の社員が呼びかけられるという場面には笑ってしまった。
(^_^)
ドッジもどうしていいのか分からなかったのだろう。
今さら体を鍛えても仕方がないと思うのだが(ほとんど誰も来るはずもない)ジムに通ったり、普段の通りに過ごそうとするものの、顧客との電話中には突然、嘔吐する。
かなり精神的にまいっていたようだ。
週一で掃除にやってくるメキシコ人の家政婦エルサ(トニータ・カストロ)は面白い存在。
ドッジが再三「もう来なくてもいいんだよ」と言っても「どうして!?」と聞き、また掃除をしに来ては「窓拭き用の洗剤がないから買ってきておいて」という。
数日後には世界が滅びてしまうというのに、窓拭きでもないだろうにと思うのだが・・・。
(^_^;)
しかし、一番笑えたのは、ドッジとペニーが食事のために寄ったレストラン"フレンディーズ"だろう。
何だか凄い店だったが、ちょっと行ってみたい。
(^。^)
これはナカナカに面白い作品だった。

スイートプールサイド

2016年12月04日 | ムービー
『スイートプールサイド』(2014年/押見修造監督)を見た。
物語は、「クラスメートの坂下麻衣(荒井萌)が"触らせて!"としつこく言ってくるほどに肌が綺麗でツルツルな太田年彦(須賀健太)は、高校1年生になってもまだ陰毛が生えないことに強いコンプレックスを感じており、水泳部の先輩・中山(井之脇海)からは"ツル彦"とからかわていた。一方、同じ水泳部員の後藤綾子(刈谷友衣子)は、小学生の頃から体毛の濃さに悩んでいて、夏でも長袖で過ごすほどだった。ある日、お互いの悩みを知った部室で、綾子は自分ではどうしても上手に剃れないことから腕の毛を剃ってほしいと年彦に頼み込む。練習の終了後、一緒に近くの河原に向かい、誰からも見えないだろう橋の下で・・・」という内容。
どんなに大きかろうが小さかろうが、誰でも"悩み"の一つくらいは持っている。
それはカノジョと上手くやっているように見える兄・太田光彦(松田翔太)でも同じだったが、水泳部の中山は年彦の悩みを悩みと理解できず、部員達の前でからかい続ける。
高校3年生程度ではまだまだ人間が成長しきれていないようだ。
まぁ、その辺りは個人差があるのだろうが。
綾子の境遇は少しばかり可哀想にも思えた。
母親がいれば思春期の女性の悩みごとを一番身近な存在として相談できただろうに、綾子には父・重雄(利重剛)しかいなかった。
重雄が口ずさむ♪季節のない街に生まれ~♪という歌を綾子も口ずさみ、年彦に教えていたくらいだから、綾子は父親が好きだったのだろうし、父も一人娘のことを大事に思っているようだった。
それでも、父親には相談しずらい悩みというのもあるのだろう。
年彦の親は存在が示されたのみで、最後まで姿を現すことはなかったが、部屋の掃除の際に机の引き出しに入っているペンケースの中まで片づけてしまう人のようで、それはそれで困った感覚の人のようだった。
年彦はちょっと間違った方向に行っちゃいそうで少しドキドキしたのだが、おおごとにならなくて良かったという感じだ。
「好きになってやるから」と言ってしまうのは良くないけれど、切羽詰まった中での言葉のやり取りだから仕方がなかったかもしれない。
何事も経験だ。
(^_^;)
毛を剃る時の押見修造監督の演出はなかなかに面白くて、年彦のドキドキ感が充分すぎるほどに伝わってきて面白かった。

ザ・バンク 堕ちた巨像

2016年12月02日 | ムービー
『ザ・バンク 堕ちた巨像(原題The International)』(2009年/トム・ティクヴァ監督/アメリカ・ドイツ・イギリス)を見た。
物語は、「ルクセンブルグに本社がある国際メガバンクIBBCの違法行為を捜査しているインターポール捜査官ルイ・サリンジャー(クライヴ・オーウェン)の目の前で捜査員トーマス・シューマー(イアン・バーフィールド)が死んでしまった。当初は急性心筋梗塞と診断されたが、それは巧妙な手口で実行された殺人だと判断したサリンジャーは、共同で捜査に当たっていたニューヨーク地方検事局検事補エレノア・ホイットマン(ナオミ・ワッツ)を呼び寄せ、ドイツ連邦警察の捜査官達に事情説明をするが、ドイツ国内での活動を禁じられてしまう。間もなくして、IBBC・M&A部門統括責任者アンドレ・クレマンが不審な交通事故で死亡する。フランス・リヨンの本部に戻ったサリンジャーはクレマンの死に関する憲兵隊の予備報告書に矛盾を発見し、頭取ジョナス・スカルセン(ウルリク・トムセン)との面会を求め、IBBC本部に乗り込んだのだが・・・」という内容。
IBBCの取引相手とみられたヨーロッパ最大の武器開発メーカー社長で次期イタリア首相と目されるカルビーニ氏(ルカ・バルバレスキー)から、「IBBCは中国から途上国へ流れる武器を独占して仲介することを狙っている。武器取引での儲けはなく、紛争が生む借金を支配することを目的としている。借金を支配すればすべてが支配できるからだ」(確かそんな台詞)という情報を得るのだが、メガバンクもなかなかエグい。
しかも、中国製のミサイルが不良品だと知っているのに、金だけ払わせようとして、そりゃぁ酷いぜという感じだ。
(^_^;)
全編にわたってサリンジャーらの緻密な捜査が続くのだが、ニューヨークに舞台を移してからは、それにド派手な銃撃戦が加わってさらに事件は緊迫する。
殺し屋のコンサルタント(ブライアン・F・オバーン)を探し出す過程で、ドクター・アイザクソン(ティボー・フェルドマン)に捜査協力を求める場面は面白かったし、何かと機転が利くホイットマンは妙に格好良かった。
(^_^)
これはとても面白い作品だった。