仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

はなちゃんのみそ汁

2020年10月25日 | ムービー
『はなちゃんのみそ汁』(2015年/阿久根知昭監督)を見た。
物語は、「松永千恵(広末涼子)は乳癌を宣告され、腫瘍の摘出手術を受けた。担当の加山医師(鶴見辰吾)から将来の出産を諦めなければならないと説明を受けたが、安武信吾(滝藤賢一)は千恵との結婚を望み、千恵の父親・松永和則(平泉成)と自分の父親・信義(北見敏之)、そして子供が産めない千恵との結婚に大反対の母親・美登里(高畑淳子)の説得に成功する。抗癌剤治療の影響で卵巣機能が低下し、出産を諦めていた千恵だったが、妊娠していることが分かり・・・」という内容。
出産は癌の再発リスクを高め、ひいては自分の命にかかわることになるのだが、信吾は千恵の妊娠に大喜びだし、和則も「産め。お前は死んでもよかけん。死ぬ気で産め」と大興奮だ。
まぁ、最終的には加山医師も反対しなかったので千恵は出産を決意したのだが、これもなかなかにヘビーなエピソードだ。
はなと名付けられた女の子は、その成長の過程で千恵からみそ汁をはじめ、いろいろな料理を教わっていくのだが、まだまだ保育園児なのに凄い子供だ。
(^_^)
伊藤源十(古谷一行)という医師のエピソードは興味深かった。
自然食にすることだけで病気が完治することはないのだろうが、「36.5℃以上の体温を維持できれば自然治癒力も上がります。今まで好きなものばかりを食べてきたこと、不規則な生活とは決別してください。自然治癒力を最大限高めるために正しい食と心の持ち方で、元に戻る力を引き出すんです」との台詞には妙に説得力があったし(その甲斐があったのかは不明だが)、実際に腫瘍が無くなったようなのだから。
これは、実話を基にした作品とのことで、3人の生活を記録したブログ『早寝早起き玄米生活』を書籍化したものが原作らしい。
実際にあったことがどの程度脚色されているのかは分からないが、結末がハッキリしている物語を飽きさせずに見せるというのは、スタッフ、キャスト共に大変なことなのだろう。
コンサートの場面以外は、なかなかに良く出来ていた作品だったと思う。


クライマーズ・ハイ

2016年12月08日 | ムービー
『クライマーズ・ハイ』(2008年/原田眞人監督)を見た。
物語は、「1985(昭和60)年8月12日、羽田発伊丹行のジャンボジェット機が群馬県多野郡上野村の高天原山の尾根(御巣鷹の尾根)に墜落し、乗客乗員死者520人を出すという世界最大の航空機事故"日本航空123便墜落事故"が発生した。地元の地方紙"北関東新聞"の社長・白河頼三(山崎努)は、悠木和雅(堤真一)を事故の全権デスクに指名し、編集局挙げての紙面作りをさせる。県警キャップでありながら墜落現場での取材を希望した社会部・佐山達哉(堺雅人)は神沢周作(滝藤賢一)と共に事故翌日の凄惨な現場の様子を伝えるが、社会部部長・等々力庸平(遠藤憲一)の妨害により記事は握りつぶされてしまう。自身のかつての実績が霞んでしまう若手記者達の活躍を潰そうとする等々力と、全権・悠木の対立は日に日に深まっていき・・・」という内容。
自分の飼い犬の子供を部下にプレゼントすることで自身の派閥を作り上げ、拡大していったという白河社長の影響なのか、ほぼ誰もが社長の言いなりだ。
追村穣編集局次長(螢雪次朗)も酷いが、最も酷く描かれていたのは販売局長・伊東康男(皆川猿時)。
彼は部下の安西耿一郎(高嶋政宏)を使い、社長のスキャンダルを表ざたにされないよう握りつぶそうとするが、社長室での様子はまるで暴力団の事務所であるかのようだった。
また、白河社長と悠木には少なからず因縁があり、噂レベルではあるものの社内の殆どの人間がそれを知っていることから、彼ら2人の関係を良く思ってはいない。
等々力部長の若手潰しも相まって、北関東新聞社内部の人間関係は何とも酷い感じだった。
(^_^;)
事故関連記事は連日一面を賑わせるのだが、玉置千鶴子(尾野真千子)が嗅ぎ付けてきたスクープ記事は「チェック!!ダブルチェック!!」が信条である悠木を悩ませる。
緊迫感あふれる面白いエピソードの連続なのだが、一番印象に残ったのは、神沢が事故現場で見つけてしまった"スペードのエース"だっただろうか。
これは残念すぎた。