シアターキノ(札幌市中央区)で、『さよなら、人類(原題En duva satt på en gren och funderade på tillvaron)』(2014年/
ロイ・アンダーソン監督/スウェーデン・ノルウェー・フランス・ドイツ)を見た。
物語は、「ジョークグッズを売り歩いているセールスマンのサム(
ニルス・ウェストロブロム)とヨナタン(
ホルガー・アンダーソン)の2人。商品はなかなか売れず、また、納めた商品の代金も回収できずにいた。体調を崩して営業セールスできずにいると、上司達が2人の住まいに押しかけてきて・・・」という内容。
上映開始早々、「なかなか抜けないワインのコルクと格闘していて心臓発作で絶命してしまう男」、「病院のベッドで生死をさ迷っていながらも宝石入りのバッグを手放さない女」、「沢山の料理を皿に盛り、代金を払いながらも突然死してしまった男」等、残念な人達の姿が映し出される。
ゆくゆく、それらの登場人物とサム&ヨナタンの2人が絡むエピソードが出てくるのかと思いきや、直接に彼等との関わりはなく、どうやらこの2人は"ストーリーテラー"とでもいうべき役割も持たされている存在のようだった。
調べてみると、この作品の監督、ロイ・アンダーソン氏は、1970年に映画監督としてデビューしたものの、2作目(1975年)が大失敗したそうで、その後は25年間にわたって長編映画を製作しなかったとのこと。
その久々の『散歩する惑星(原題Sånger från andra våningen)』(2000年)と次作『愛おしき隣人(原題Du levande)』(2007年)、そして、この『さよなら、人類』が3部作になっているのだそうで、前2作品を見ないままにこれを見た仁左衛門はちんぷんかんぷん。
戦争に向かう騎馬隊のあまりに長い行列の場面に笑っちゃったものの、全体的にはマッタク面白いとは思えなかった。
ただ、開始時刻が遅い映画は通常料金(1,800円)ではなく、1,000円で見られるという"日曜レイト割引"のおかげで気持ちは救われた。
(^_^;)
ちなみに、第27回東京国際映画祭(2014年10月23日~10月31日)で上映された際には、『実存を省みる枝の上の鳩』という別の題名で上映されていたらしい。