仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

おごろもち盗人 / 桂佐ん吉

2019年01月30日 | エンタメ
落語『おごろもち盗人』桂佐ん吉
噺は、「節季の前夜、遅くまで算盤をはじいている旦那。帳面と算盤は合うのだが、お金が足りない。どうにも合わないので奥さんに聞くと、銭函の中のお金で買い物をしたという。明日の支払いができないと揉めているその時、敷居の下にはもぐらが潜んでいて・・・」という内容。
上方の落語は題名からして難解だ。
(^_^;)
"おごろもち"とは大阪の言葉で、"もぐら"のことなのだそうだが、この"もぐら"というのも、動物のもぐらではなく、昼間に商人のふりをしてあたりをつけた盗人が、商家に忍び込むために敷居の下の土間を手で掘って桟や掛金を外そうとする手口のことを"もぐら"というのだそうだ。
ややこしい。
そして、"節季"。
これは、「盆・暮や節句前に商店が仕入れ・売上げ等の清算を行う時期」のことなのだそうだが、全国的に使うのか、大阪だけで使われるのか、江戸時代に使われた言葉なのか、現代でも使われている言葉なのか、その辺は不明だ。
(^_^)
さて、演者の桂佐ん吉師匠は、桂吉朝(1954年~2005年)師匠の弟子。
平成13年9月に入門し、平成14年3月に、"吉朝学習塾"で初舞台を経験した後、大師匠・桂米朝(1925年~2015年)師匠のもとで約三年間内弟子修業をしたとのこと。
伝統やしきたりなんてものがある世界に身を置くというのも大変なことのようだ。


大山詣り / 五街道雲助(六代目)

2019年01月28日 | エンタメ
落語『大山詣り五街道雲助(六代目)。
噺は、「恒例の大山詣りの時期が近づいて来たので先達さんの家に長屋の連中が集まった。男連中がみんな出掛けてしまって女子供しか残らないのが不用心だから、今年は熊さん一人だけ残って欲しいという。しかし、それは表向きの理由。実は毎年ケンカをして騒ぎを起こすのが熊さんなので、一人長屋に残ってもらい、無事に大山詣りを過ごしたいというのが先達さんの本音だった。"そんな仲間外れみたいのは嫌だ。どうしても行く"というので、腕を振り上げたら二分の科料、揉め事を起こした時は頭を丸めてもらうという決めを作ったのだが・・・」という内容。
荒っぽい連中の中でも特に荒々しいのが熊さんのようで、相手が変わろうとも、揉め事の中心はいつも熊さんだという。
行楽というよりは信心で山に登るのが大山詣りなので、何事もなく無事に帰って来たい一心での発案だったのだが、一年に一度の楽しみとあれば、一人だけ留守番だなんて了承するわけがない。
そして案の定・・・というわけなのだ。
(^。^)
さて、演者の六代目五街道雲助師匠は、昭和56(1981)年に真打昇進を果たしているが、その際に改名することはせず、昭和47(1972)年の二つ目昇進時からの五街道雲助の名をそのまま使っているようだ。
よほど気に入っている名前なのだろう。

牡丹灯籠 お札はがし / 入船亭扇遊

2019年01月26日 | エンタメ
落語『牡丹灯籠お札はがし入船亭扇遊
噺は、「根津の清水谷に萩原新三郎という内気な青年がいた。浪人ながら商才があった父親・新左衛門が残した蓄財で不自由無く暮らしていたが、あまりに外出しない様子を心配した医者の山本志丈が梅見に誘う。その帰り、用事があるからと牛込に屋敷がある旗本・飯島平左衛門の娘である露が住んでいる柳島の寮に立ち寄った。引き合わせてもらい意気投合した新三郎と露。二人共また会いたいと願ったのだが、露は死んでしまい・・・」という内容。
山本志丈によると、露の死因は、"恋こがれ死に"だという。
そんなに会いたいと願っていたのなら、互いにさっさと会いに行けばよかったと思うのだが、露は旗本家のお嬢様だし、そう簡単にはいかなかったのだろうか。
これは、初代三遊亭圓朝(1839年~1900年)師匠が創作した全22章から成る物語『牡丹灯籠』の中の一節だが、六代目三遊亭圓生(1900年~1979年)師匠は6章にまとめ、その中の露が新三郎に祟るくだりが、この『お札はがし』で、このあと『栗橋宿』へ物語は続いていく。
さて、演者の入船亭扇遊師匠は、平成30(2018)年3月に「平成29年度(第68回)芸術選奨文部科学大臣賞(大衆芸能部門)というのを受賞されているようだ。
素晴らしい。

強情灸 / 古今亭文菊

2019年01月24日 | エンタメ
落語『強情灸古今亭文菊
噺は、「俺んちの前を素通りはねえだろう、寄ってけよ。と職人仲間に声を掛けた男。聞くと、最近調子が悪かったので、熱いと評判の"峰の灸"を据えてきたというのだが・・・」という内容。
俺がこの町内で、いの一番に据えようと思ってたと悔しがる男に「ピリッと来るどころの騒ぎじゃないよ。俺だから我慢できたようなものだ。気の弱い男じゃ駄目だろうな」と自慢話を始めたのだが、聞いているほうは面白くない。
江戸っ子同士の意地の張り合いが度を越してしまうのだが、熱いと思うから熱いんだと言っても物事には限度があるだろう。
江戸っ子気質というのはどうにも厄介なものらしい。
(^。^)
さて、演者の古今亭文菊師匠は、二代目古今亭圓菊(1928年~2012年)師匠の弟子。
二つ目時代の平成21(2009)年には、NHK新人演芸大賞落語部門の大賞を受賞している。
また、平成15(2003)年入門の落語協会同期10人(柳家小八三遊亭ときん鈴々舎馬るこ、五代目桂三木助柳亭こみち、二代目古今亭志ん五古今亭駒治柳家小平太柳家勧之助古今亭文菊)で、"TEN"というユニットを組んでいたようだが、平成29(2017)年に解散しているようだ。

擬宝珠 / 柳家喬太郎

2019年01月22日 | エンタメ
落語『擬宝珠(ぎぼし)』柳家喬太郎
噺は、「大旦那に呼び出された熊。せがれが患ってしまって何人もの医者にみせたんだが、身体のどこかが悪いというよりも心の問題だろうというので、何を思い悩んでいるのか、友達のお前さんから聞き出してもらえないかという。早速若旦那の病床を訪ねた熊だったが・・・」という内容。
熊と若旦那の徳は同い年の幼馴染とあって、熊は単刀直入に"恋わずらいでしょ?"と切り出すのだが、徳は違うよという。
「昔から金物を舐めるのが好きで、今は擬宝珠が舐めたくて仕方がないんだ」と言っても、熊には「煮干しが食べたい」としか聞こえない。
(^_^;)
あまりにも馬鹿馬鹿しくて、思わず「死んじゃえば」と言ってしまう熊が面白い。
大旦那へ報告する時にも「死なせちゃえば」と言う。
よほど呆れたのだろう。
(^。^)
さて、演者の柳家喬太郎師匠は、「この噺は短いので・・・」と、枕では自身の海外公演の際のデンマークやアイルランドでのエピソードを話されていたが、アイルランドのゴーストツアーの体験談が妙に面白かったのだった。

ニッポン無責任野郎

2019年01月20日 | ムービー
『ニッポン無責任野郎』(1962年/古澤憲吾監督)を見た。
物語は、「失業中の源等(植木等)は、とにかく調子がよくて無責任な男。自分の不注意から道でぶつかった見ず知らずの男、長谷川武(ハナ肇)を、"先輩!先輩!"と呼び、まんまと只酒にありついた。長谷川が営業部長として務めている明音楽器では、宮前社長(由利徹)が引退するにあたり王仁専務(犬塚弘)と幕田常務(人見明)が後釜を狙って派閥闘争を繰り広げているのだが、それを知った等はチャンスとばかりに両方の派閥をおだてて、なんと社員として採用されるのだった。同僚の丸山英子(団令子)に結婚を申し込み、バーTOKAGEのマダム・静子(草笛光子)と長谷川、中込晴夫(谷啓)と石沢厚子(藤山陽子)の仲も取り持つ。そして、図々しさを見込まれて、長谷川から未集金1000万円の回収担当に抜擢された等は・・・」という内容。
若手で一番早く出世した中込だが、常務が新社長になれば、専務派である中込の将来はないからと、石沢は彼を袖にして常務派の会津(世志凡太)になびく。
中込晴夫「今晩いつもの所でね」
石沢厚子「私、今夜は忙しいのよ」
中込晴夫「どうして」
石沢厚子「暇じゃないから忙しいのよ」
と、とりつく島もないのだが、「そりゃあ女の幸せは結婚で決まっちゃうんですもの。慎重なのは当たり前よね」と、厚子のルームメートである英子もそれにはすっかり同意だ。
本作は昭和37年劇場公開ということで、この辺りはズバリ昭和ど真ん中の感覚なのかもしれないが、「弱い人間の中で情熱と理性が争えば、情熱が勝つに決まってるよ」と言う等には、晴夫と厚子を結びつけるそれなりの勝算があったようだ。
(^_^)
ただ、結婚後に母親うめ(浦辺粂子)と同居を始めた厚子は、結婚退職したことをすぐに後悔する。
二人の洗濯物を洗われたことが気に入らなかったようで、「働いたのに文句を言われることはないと思うよ」と、ウメとの世代間ギャップは埋まらないのだった。
まぁ、こういったエピソードもどんどん利用して自分の利益を積み上げていく等のバイタリティーには驚くばかりなのだが。
(^。^)
これは昭和37年7月に公開された植木等主演『ニッポン無責任時代』(1962年/古澤憲吾監督)が大ヒットしたことを受けての第2作目らしいのだが、第1作の主人公・平均(植木等/二役)が登場するのも面白い。

武士の一分

2019年01月18日 | ムービー
『武士の一分』(2006年/山田洋次監督)を見た。
物語は、「幕末、海坂藩。藩主の毒見役を務める三村新之丞(木村拓哉)は祿高三十石の貧乏侍ながら、妻・加世(檀れい)と慎ましく暮らしていた。早く隠居して道場を開きたいと考える新之丞は毒見役という役目に関心がなく、ため息ばかりついていると加世から言われるほど。ある日、いつも通り毒見を終えた新之丞は身体の異常を訴え・・・」という内容。
藩主の命を狙った一大事とも思われたが、赤つぶ貝の毒による食中毒というのが真相のようで、調理人たちは一切の咎めを受けることはなかった。しかし、この時期に選ぶ食材ではないとの老中の意見があり、広式番の樋口作之助(小林稔侍)が切腹して責任をとることで事件は終息をみる。
職務中に居眠りばかりしている隠居間近の樋口だったが、部下の失態により切腹する羽目になってしまうだなんて、武士の世界とは何て厳しく、不条理なものだったのだろう。
役目とはいえ、貝毒で失明してしまった新之丞も可哀想だ。
家祿の三十石はそのままなのか?
家を出ていかなければならないのか?
今後の処遇についての正式な沙汰があるまで、夫婦はもちろん、使用人の徳平(笹野高史)も不安だったことだろう。
そして、そこにつけこむ海坂藩番頭の島田藤弥(坂東三津五郎)。
こういう最低な人間はいつの時代にもいるのだろう。
さて、これは藤沢周平原作の小説『盲目剣谺返し』が原作で、『たそがれ清兵衛』(2002年)、『隠し剣 鬼の爪』(2004年)に続く山田洋次監督作品。
三作品の中では『たそがれ清兵衛』が一番評価が高いようだが、興行的には本作のほうが成功を納めたようだ。
やはり、海坂藩が舞台の物語は面白い。

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス

2019年01月16日 | ムービー
『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』(2015年/本広克行総監督・塩谷直義監督)を見た。
物語は、「"シビュラシステム"とは、人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測を可能とし、それを数値化する機能を持つプログラム。犯罪に関しての数値は"犯罪係数"として計測され、罪を犯していない者でも規定値を超えれば"潜在犯"として裁かれていた。2116年7月、シビュラシステムの監視体制をくぐり抜け、武装した集団が日本に侵入した。システムが導入されて以降、前代未聞の密入国事件に常守朱公安局刑事課一係監視官(花澤香菜/声)は・・・」という内容。
シビュラシステムには輸出プログラムがあり、長期内戦状態にある東南アジア連合SEAUn(シーアン)は、紛争中心部の首都シャンバラフロートにこれを導入したのだが、この運用がどうにも怪しい。
治安の維持は依然として国家憲兵隊に委ねられているというのだから、日本は内戦の片側にいる勢力に強力な武器となるシステムを提供したにすぎないのではないかと思える。
権力側が紛争の中心地を制圧しているので、一見平和に見えるというわけだ。
「良い機会だ。外の世界ではどれ程平和というものが希少な価値を持つものか、その目で確かめてくるといい」との禾生壌宗公安局局長(榊原良子/声)の台詞があったが、確かに平和というものは、リアル世界においても、日本国内にいるだけではその有り難みが分からないものなのかもしれない。
また、「ねぇ、シーアン政府はあなた達の正体を知っているの?」という禾生局長に対する茜の台詞があったが、劇場版以前にテレビシリーズ全33話(2012年~2014年)があったらしいので、それも見なければ、この物語の全体像は分からないようだ。
残念。

ナチュラル

2019年01月14日 | ムービー
『ナチュラル(原題The Natural)』(1984年/バリー・レヴィンソン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1939年。メジャー・リーグのナショナル・リーグに所属しているニューヨーク・ナイツに35歳のルーキー、ロイ・ハブス(ロバート・レッドフォード)が入団してきた。彼は16年前、サム・シンプソン(ジョン・フィネガン)にスカウトされ、シカゴ・カブスの入団テストを受けるはずだったのだが、謎の女ハリエット・バード(バーバラ・ハーシー)の銃弾に倒れ、メジャーリーグで活躍する夢を叶えられずにいたのだった。ナイツの株主でもある無能な監督ポップ・フィッシャー (ウィルフォード・ブリムリー)のせいもあって、ナイツは常に下位を低迷している弱小チーム。資金繰りのため、所有株式の一割を判事(ロバート・プロスキー)に売却したことから、判事が筆頭株主となっていたが、チームが優勝すれば株を買い戻し、それ以外の時は監督が解雇という契約になっていた。監督は、判事がロイを送り込んだと思い込み、ゲームへの出場どころか練習すら一切させなかったのだが・・・」という内容。
ロイがその素晴らしい才能と実力を発揮できるチャンスを得て、ナイツは連戦連勝するようになったのだが、自身を疫病神と称するポップと同様に姪のメモ・パリス(キム・ベイシンガー)も男の運を下げる疫病神のようだった。
伯父が自分の姪をそう言ってしまうのだからどうしようもない。
(^_^;)
野球選手としては超一流のロイの弱点は、そこだったのだろう。
かつてプロポーズしたアイリス・ゲインズ(グレン・クローズ)と疎遠になって、すっかり女性運が尽きたようなのだ。
そうでなければ、16年前にハリエットなどという犯罪者と知り合うこともなく、メジャーデビューを果たせていたはずだし、ナイツ連戦連勝後のスランプとも無縁だったはずだ。
「人込みがあるとあなたがいそうで、いつも捜したの」という再会時のアイリスの台詞と表情は切なかった。
呪いということではなく、"ワンダーボーイ"ではあったものの、天はそこを許さなかったのかもしれない。
しかも、マックス・マーシー(ロバート・デュヴァル)やガス・サンズ(ダーレン・マクギャヴィン)などという質の悪い新聞記者につきまとわれてしまったのも良い兆候ではなかった。
プロスポーツを題材にしてはいたが、何だか神秘的な展開で面白い作品だった。

スラップ・ショット

2019年01月12日 | ムービー
『スラップ・ショット(原題Slap Shot)』(1977年/ジョージ・ロイ・ヒル監督/アメリカ)を見た。
物語は、「プロのアイスホッケーリーグに所属しているチャールズタウン・チーフスはマイナーリーグの弱小チーム。マネージャーのジョー・マグラス(ストローザー・マーティン)は、コーチ兼任のレジー・ダンロップ(ポール・ニューマン)やネッド・ブレイドン(マイケル・オントキーン)等の選手をテレビ局やラジオ局の番組に出演させたり、モデルとしてファッションショーに無理矢理引っ張り出したり、ファン獲得に余念がないのだが、選手たちには不評だった。そんな折、地元企業が従業員1万人を解雇し、工場を閉鎖するとした。観客動員が見込めなくなったチームも今シーズン限りでの解散を発表し・・・」という内容。
地元の工場閉鎖は晴天の霹靂だった。
オーナーの意向を聞いたジョーは備品購入の注文を取り消し、反対にスケートの研磨機、マッサージ台、移動用のバス等の処分を始めなければならなかったし、選手も、移籍が出来ればいいが、出来なければ引退して就職先を探さなければならない。
それは選手もマネージャーも一緒だ。
しかし、そんな中に新しく加わったハンソン兄弟は強烈なインパクトを与えた。
まるで三つ児のようなその三人の荒々しいプレースタイルが観客を沸かせ、チームの人気が急上昇するのだが、それは、将来が見えなくなったチャールズタウンの人々の鬱憤を彼らが代わりに晴らしてくれていたからなのだろう。
(^_^;)
冒頭の場面で、「美味しい天然水をご自宅までお届けします」とのテレビCMの音声が流れていたが、水道水以外の水を買うだなんて、アメリカはともかく、本作公開当時の日本では考えられないことだったのではないかと思う。
お笑いコンビ、タカアンドトシの「欧米か!!」ではないが、何十年もかけて、日本はどんどん欧米化していってるんだろうなぁと、本筋と無関係なところで妙に感心してしまったのだった。
それにしても、ハンソン兄弟の存在感は圧倒的だった。
彼等のような、子供じみているのだけれど、実はとてつもない過激な行動をしてしまう存在というのも、リアル社会に登場して久しいのかもしれない。
妙な所がいろいろ気になった作品で、面白かった。

権助魚 / 桃月庵白酒(三代目)

2019年01月10日 | エンタメ
落語『権助魚桃月庵白酒(三代目)。
噺は、「旦那さんの浮気を疑った奥さんは、いつもお供につく権助に旦那さんの行動を教えて欲しいと小遣い銭を渡した。早速向島まで出掛ける旦那さん。お供の権助が奥さんに買収されていると気がつき・・・」という内容。
奥さんにもらったという小遣い銭の倍の額を権助に渡し、逆に買収した旦那さんだったが、少し考えが足りない権助は旦那さんの期待に応えられない。
(^。^)
出掛けて15分後には一人で帰宅してしまうのだから、旦那さんにどういう物語を授けられたとしてもバレバレなのだ。
まぁ憎めない正直者の代表みたいな男ではあるのだが。
(^_^)
さて、演者の桃月庵白酒師匠は、1992年に五街道雲助師匠に入門し、2005年に真打ちに昇進したそうなのだが、"新人賞"と名の付く賞を受賞したのは2018年3月の"芸術選奨文部科学大臣新人賞"というものらしい。
新人賞受賞まで入門から26年、真打ち昇進から13年が必要とは、落語家の世界も大変なようだ。
(^_^;)

かぼちゃ屋 / 春風亭一之輔

2019年01月08日 | エンタメ
落語『かぼちゃ屋春風亭一之輔
噺は、「二十歳になってもぶらぶらしている与太郎。叔父さんが仕入れてくれたかぼちゃを売ることになった。売り声を出さずにぶつぶつ呟きながら歩いているものだから、まったく売れない。道行く人に、"とーなす屋でござい" とでも声を出しながら売って歩けと助言を受け、さらには・・・」という内容。
叔父さんに言われた通り路地に入って行ったはいいものの、行き止まりで方向転換が出来なくなった。
まぁ簡単に何とでもなることなのだが、与太郎には、ここで生涯を過ごさなくてはならないかもしれない程の一大事で、「路地を広げろ~!!」と大騒ぎ。
とにかく面白い。
(^。^)
さて、演者の春風亭一之輔師匠は、平成13(2001)年に春風亭一朝師匠に入門し、平成24(2012)年に真打に昇進したらしいのだが、真打昇進の際はなんと21人抜きだったという。
凄い。


置泥 / 三遊亭小遊三

2019年01月06日 | エンタメ
落語『置泥三遊亭小遊三
噺は、「ある夜、長屋に忍び込んだ泥棒。家人に気づかれたので、"やい!!静かにしろ!! 静かにしないと匕首(あいくち)を土手っ腹におみまいするぞ!! "と凄んだものの、大工だという男はまったく動じないばかりか、いっそのことその匕首でぶすっと突き刺してくれという。よく見ると裸に風呂敷を巻き付けただけの姿。服は屋質さんが持って行ってしまったのでと・・・」という内容。
親方から教わってから初めて入った長屋がなんとも酷い貧乏をしている家だった。
あまりの酷さに、服を質屋から出すための二円余りを恵み、さらには道具箱を出すための五円も恵む泥棒。
優しいんだか間抜けなんだかよく分からない。
(^。^)
さて、この落語の枕では、「今日の客席を見渡してみて、泥棒の噺でもしてみようかと思いますが・・・」などと話していた演者の小遊三師匠だが、テレビ番組『笑点』の大喜利では、すっかり泥棒キャラが出来上がっているのも面白い。
(^_^)

粗忽長屋 / 柳家小三治(十代目)

2019年01月04日 | エンタメ
落語『粗忽長屋柳家小三治(十代目)。
噺は、「浅草観音詣での帰り。何の人だかりだろうと、何人もの股ぐらをくぐって一番前に出た八五郎。身元不明の行き倒れの死体を見せられ、これは隣に住んでいる兄弟同様の熊五郎だと証言する。あいつは今朝もぼんやり考え込んでいたと話すと、この死体はゆうべから倒れていたから、それは別人だと言われたので、それじゃ本人を連れてくるからと長屋に帰るのだが・・・」という内容。
何とも間抜けな噺だ。
(^。^)
枕では、粗忽には二種類あって、マメな粗忽とズボラな粗忽があると話されていた小三治師匠だが、さて、この噺に登場する八五郎と熊五郎はどっちだろうかと考えた。
八五郎はマメな粗忽者で、熊五郎がズボラな粗忽者のような気がするのだが、どうだろうか。
(^_^)

ホラの種 / 桂文雀(三代目)

2019年01月02日 | エンタメ
落語『ホラの種桂文雀(三代目)。
噺は、「仕事が暇で仕方がなかったので旅に出ていたという八が久しぶりにご隠居さんを訪ねてきた。出先の神戸の浜辺で大きな牛を見たのだが、どれくらい大きかったかというと、餌を食べようと首を持ち上げたその牛が食べたのが、海の向こうに見える淡路島の草だったという。一方のご隠居さんは、出掛けた新潟で大きな人を見た話を始めるが・・・」という内容。
そのあまりに大きな人は、海の向こうに見える佐渡島に太鼓を据えて、それを叩くのだという。
どうしようもないホラ話だが、まぁ、どっちもどっちだ。
(^。^)
さて、演者の三代目桂文雀師匠は、平成8(1996)年に春風亭小朝師匠に師事したが、平成12(2000)年に三代目桂文生師匠門下に移籍しているようだ。
文雀師匠が所属している落語協会のウェブページによると、師匠は図書館通いが趣味なのだそうで、これからも色々と蘊蓄あるホラ噺が聞けそうだ。
(^_^)