仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

フォレスト・ガンプ 一期一会

2017年11月26日 | ムービー
『フォレスト・ガンプ 一期一会(原題Forrest Gump)』(1994年/ロバート・ゼメキス監督/アメリカ)を見た。
物語は、「アメリカ合衆国アラバマ州。知能指数75だというフォレスト・ガンプ(マイケル・コナー・ハンフリーズ/少年期)は、最低80が必要だからと公立小学校の校長から入学を断られてしまう。また、背骨の歪みのために器具を装着しなければ歩けなかったのだが、母(サリー・フィールド)は、それでも彼を特別扱いせず普通に育てたいと考えていた。なんとか入学を果たすことはできたものの、初日から周囲の子供達には受け入れられないフォレスト。しかし、ジェニー・カラン(ハンナ・ホール/少女期)だけは彼を受け入れ、以後2人は"豆とニンジンのようにいつも一緒にいる"ことになるのだったが・・・」という内容。
ジェニー(ロビン・ライト)はいじめの対象になっているフォレスト(トム・ハンクス)を直接助けることはできなかったが、とても的確なアドバイスができるようだった。
成長しても足の器具を付けたままでいたフォレストが走り出したシーンは感動的だ。
当初は小学校への入学を許可されなかった彼が、その数年後、抜群の脚力を乞われてアメリカンフットボールの選手として大学にまで進学したのは、その時に走り出したことがキッカケだったのだから、ジェニーは一言でフォレストの人生を変えてしまったというわけだ。
これは、1960年代から1970年代のアメリカという国をフォレストの存在を通して描いてもいる作品だが、そうなると、"ベトナム"や"反戦"というエピソードから目を背けるわけにはいかない展開になる。
ところが、そこで面白いのが「僕は軍隊にぴったりはまった」というところ。
軍隊という場所は、ベッドを作って直立不動し、「はい、軍曹どの」と言っていれば務まるというのだ。
(^。^)
確かにヘタに自己主張し上官ににらまれたりしたもののなら、この上なく理不尽な扱いをされてしまうのだろう。
ここから先は、純粋な心のまま大人になったフォレストの勝利が続く。
「エビは海の果物だ」と言うベンジャミン・ブルー(バッバ/ミケルティ・ウィリアムソン)や、ダン・テイラー(ゲイリー・シニーズ)といった友人達と出会えたのも、フォレストにとって素晴らしいことだった。
「人生はチョコレートの箱。開けてみるまで分からない」とは、まさにその通りなのだろうが、仁左衛門のような不純な魂はフォレストのようなサクセスストーリーを手に入れることはできないのだろう。
(^_^;)

キャスト・アウェイ

2016年12月14日 | ムービー
『キャスト・アウェイ(原題Cast Away)』(2000年/ロバート・ゼメキス監督/アメリカ)を見た。
物語は、「国際的な運送会社フェデックスの管理職チャック・ノーランド(トム・ハンクス)は、貨物を運ぶ自社の飛行機で世界を飛び回り、各国の拠点で運営指導をしていた。帰国後、恋人ケリー(ヘレン・ハント)と久しぶりに時間を過ごし、婚約指輪を渡した後、またすぐに南米行きの飛行機へ乗り込んだのだが、嵐によって航路から随分と流された挙句に飛行機は太平洋上に墜落してしまう。奇跡的に無傷であったものの、流れ着いた南太平洋の無人島で、ただ一人絶望的な時間を過ごすノーランドだったが・・・」という内容。
嵐の中をゴムボートで流され、たどり着いた無人島の波打ち際で気がついたノーランド。
状況をよく理解できないままに、ふらふらと歩き始めるのだが、砂浜に打ち上げられていた宅配荷物を拾いながらというのが、プロフェッショナル魂を感じさせる。
(^。^)
明け方、奇跡的に船影を発見するものの、さすがにあれは遠すぎる。
櫂もないゴムボートで水平線辺りを航行しているらしい船までたどり着けるわけがない。
そして、それからがさらに悲惨だ。
小さな島ゆえに川が流れていないことから、淡水がない。
ヤシの実の殻を破って中のジュースを飲むのにも一苦労だ。
しかし、一番つらいのは"無人島で一人きり"という状況なのだろう。
唯一の友人(!?)は、バレーボールの"ウィルソン"だけ。
「ウィルソーン!!」という場面には少し笑ってしまったのだが、あの状況になれば、誰しもがそうなってしまうのかもしれないとも思った。
(^_^;)

ユーズド・カー

2016年10月15日 | ムービー
『ユーズド・カー(原題Used Cars)』(1980年/ロバート・ゼメキス監督/アメリカ)を見た。
物語は、「アメリカ合衆国のアリゾナ州フェニックス市。ロイ・フュークス中古車販売の社長ロイ(ジャック・ウォーデン)は、通りの向かい側で実の兄ルーク・ヒュークス(ジャック・ウォーデン/二役)が経営しているニューディール中古車販売の土地が欲しかった。そこが近々公表される高速道路の建設ルートにかかるという情報を掴んだからで、莫大な額の補償金が目当てだ。兄ルークは薬を手放せないほどに心臓が弱いことから、弟ロイは兄を殺害して財産全てを相続しようと企て、自社の新入社員ミッキー(マイケル・タルボット)を客のふりをさせて送り込む。荒々しい試乗運転のせいで泡をふいて倒れたルークはそのまま他界し、ロイの計画はまんまと成功したかに思われたが、そのままでは職を失ってしまう社員ルディ・ラソー(カート・ラッセル)、ジェフ(ジェリット・グラハム)、修理士ジム(フランク・マクレー)の3人は、ルークの死を隠蔽し、自分達の好きなように営業を続けようとする。そんな時、10年間消息不明だった亡きルークの娘バーバラ(デボラ・ハーモン)が現れ、昨夜電話で父と会う約束をしていたと言うのだが・・・」という内容。
上院議員になりたいセールス担当のルディは、政党の候補者名簿に氏名を載せてもらうために必要な6万ドルにあと少し資金が足りなかったのだが、社長のルークから不足分1万ドルを翌日に借りる約束をしていた所、前夜に社長が急逝し、困ったルディは2人を仲間に引き込んで遺体を車ごと埋めてしまう。
彼は、社長の死の事実を隠して、埋め、会社を自分の好きなように運営し、フットボール中継や大統領演説のテレビ放送をジャックして自社のCMを流すという充分過ぎるほどの犯罪者であるのだが、それでもまだ彼と対立するライバル会社の社長ロイを悪人として描き続けるという訳が分からない話。
これをコメディー映画に仕立てたロバート・ゼメキス監督の人間性を疑ってしまうような展開だ。
(^_^;)
商品であるクルマの壊れたバンパーを、噛んでいたガムでくっつけて、何事もないようにそのまま販売したり、1ドル札を釣竿の針にガムでくっつけて道路の向かい側から客をおびき寄せたりという場面では、「アメリカ人にとってガムは万能なのか!?」と思わず突っ込みたくなる。
(^。^)

底抜け大学教授

2014年04月09日 | ムービー
『底抜け大学教授(原題The Nutty Professor)』(1963年/ジェリー・ルイス監督/アメリカ)を見た。
物語は、「化学には精通しているものの、からっきし体力がないジュリアス・ケルプ教授(ジェリー・ルイス)は、講義中にアメフト部の学生から馬鹿にされ、途中で講義を打ち切ってしまう。そのクラスのステラ(ステラ・スティーヴンス)からボディビルで身体を鍛えることを勧められた教授は決意してジムに通い、いろいろマシーンを使ってみるのだが、効果が出ないことから、様々な文献を読み漁り、一瞬にしてたくましい男に変身するというクスリを発明するに至るのだった。クスリを飲んだ後の教授は社交的な性格に変貌し、すべてにずば抜けた才能を発揮する。"バディ・ラブ"と名乗り、瞬く間に学生達の人気者になったのだが・・・」という内容。
二重人格者の物語『ジキル博士とハイド氏』をモチーフとした作品だそうなので、教授変身後のバディ・ラブは陽気なハイド氏というわけだ。
変身後は確かに変身前と違う方面の才能が開花して、いつもやり込められていたウォーフィールド博士(デル・ムーア)を反対に手玉に取るのだが、見た目に関しては「そうかぁ!?」という感じでもある。
しかし、ビジュアル的な問題は時代が違うので仕方がないところだろう。
(^_^;)
監督・脚本・主演の3役をこなしているジェリー・ルイス(1926年~)という人は随分と才能がある人のようなのだが、マッタク知らないので少し調べてみると、父親が芸人だったこともあって5歳で初舞台を踏んだ有名なコメディアンとのことだった。
確かに、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年/ロバート・ゼメキス監督/アメリカ)の劇中、「今の大統領はレーガンだ」「大統領がレーガンなら、副大統領はジェリー・ルイスで、ファーストレディはジェーン・ワイマンか?」というマーティとドクの会話がある。
(^。^)
この作品は、のちにエディ・マーフィ主演『ナッティ・プロフェッサー/クランプ教授の場合』(1996年/トム・シャドヤック監督)としてリメイクされている。

カッコーの巣の上で

2008年03月13日 | ムービー
『カッコーの巣の上で(原題One Flew Over The Cuckoo's Nest)』(1975年/ミロシュ・フォアマン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1963年のアメリカ。収監されていたランドル・P・マクマーフィ(ジャック・ニコルソン)は農場での労働を嫌い、精神を病んだふりをして病院に移送されて来た。そこでは働かず気楽に過ごせる目算だったが、看護主任ラチェッド(ルイーズ・フレッチャー)の厳格な管理の下には、入院患者の生気を失った顔しか無いのだった。適当に過ごしたらまた監獄に戻ろうと考えていたマクマーフィだったが・・・。」という内容。
何ともお気楽でいい加減な主人公だが、他の登場人物がほとんど覇気が無い人達なことから、彼がとても人間臭くて生き生きと見えてくる。
しかし、入院患者達に覇気が無いのは病気のせいではなく、病院側の管理体制によるものだった。
皆、何に効果があるのか解らないままに(と見える)、時間になりさえすれば決まった量の薬を飲んでいる。
もちろん拒むことはできない。
テーマ曲が何とも怪しくて気味が悪かった。
マクマーフィがレクリエーション用のバスで勝手に患者達を釣りに連れ出した時、「彼はドクター・チェズウィック、彼はドクター・テイバー、彼はドクター・・・」と皆を紹介するのだが、そう言われると医者っぽく見える所が面白いのだった。
バスケットボールのゲームをしているのも、良いシーンだ。
それまでただ立っていただけのチーフ(ウィル・サンプソン)が走り始める。
また、『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年/ジェリー・ザッカー監督/アメリカ)で地下鉄の孤独なゴーストを演じていた俳優や、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年/ロバート・ゼメキス監督/アメリカ)等でDoc(ドクター・エメット・ブラウン)を演じていたクリストファー・ロイドが出演していることに気づき、思わずニヤッ。
(^^ゞ
2人共この映画ではまだ若くて痩せていて、制作年の古さをうかがわせたのだった。
これは面白い作品だった。

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3

2007年09月18日 | ムービー
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(原題Back to the Future Part Ⅲ)』(1990年/ロバート・ゼメキス監督/アメリカ)を見た。
前作でビフ(トーマス・F・ウィルソン)が捩曲げた時間の流れを元に戻したマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)とDocことドクター・エメット・ブラウン(クリストファー・ロイド)だったが、タイムマシーンのデロリアンが雷に撃たれ、次元転位装置が暴走。Docは西部開拓時代の1855年に飛ばされ、マーティは1955年に取り残されてしまった。マーティは過去にタイムスリップしたドクが廃坑に隠しておいたデロリアンを掘り起こし、再び1955年のドクの助けを得て過去に向かう」という物語。
タイムスリップ先の西部開拓時代では、前作と前々作の登場人物のご先祖様達が続々と登場する展開だったが、ストリックランド先生(ジェームズ・トールカン)の先祖が保安官をしていて、100年後の学校でと同じようにビュフォード(通称マッドドック)・タネンを取り締まる。
この時代では髪があるので判りにくいのだが・・・。
(^O^)
ご先祖様と出会ったマーティは、マクフライと名乗ることができず、俳優クリント・イーストウッドの名前を借用。
この映画を見ている人の殆どが知っている名前だけに、これは笑える。
Docにも出会いがあったが、こちらはご先祖様ではなく、クララ・クレイトン(メアリー・スティーンバージェン)という女性。
不安になって「僕の未来はどうなるの?」と聞くマーティに、Docは「未来は自分で切り開いていくものだ。自分の信念に従って生きろ。私もそうするよ」と良いことを言うのだが、いざ自分のことになると・・・という毎度のパターンが生きている。
「続きを見たい」と誰かが言っても、この物語はこれで完結。
誰もが納得する結末ではないだろうか。

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2

2007年09月11日 | ムービー
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2(原題Back to the Future PartII)』(1989年/ロバート・ゼメキス監督/アメリカ)を見た。
前作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年/ロバート・ゼメキス監督/アメリカ)の公開から4年。
良く見ると、マイケル・J・フォックス(マーティ・マクフライ役)が幾分歳を重ねていて、少年らしかった顔つきから少し成長しているのが判る。
製作は前作の4年後だが、物語は前作のラストシーンの数分後から始まっていて、「"君の息子の未来に一大事が起きた"と、ドクター・エメット・ブラウン(通称Doc/クリストファー・ロイド)が自作のタイムマシーン(デロリアン)に乗ってマーティを迎えに来た。2015年の世界で何とか自分の息子の危機を救ったマーティだったが、タイムマシーンを悪用したビフ(トーマス・F・ウィルソン)に過去の歴史を変えられてしまう。今度は時間の流れを元に戻すために再び1955年にタイムスリップすることになるのだが・・・」という物語。
マーティーやビフの悪だくみは解るな。
きっと誰でもそうしてしまうだろうよ。
(^o^)
さて、この映画の舞台になっている2015年というと今から8年後の世界なのだが、空飛ぶ自動車はまだ開発されそうもない。
(^_^)

明日に向って撃て!

2007年02月20日 | ムービー
『明日に向って撃て!(原題Butch Cassidy and The Sundance Kid)』(1969年/ジョージ・ロイ・ヒル監督/アメリカ)を見た。
これはブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)、サンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)という2人の泥棒を主人公とした物語で、彼らは19世紀末から20世紀初頭にかけてアメリカ合衆国に実在した人物とのことである。
しかし、実際にはこの映画の主人公のように憎みきれないキャラクターであったかどうかは疑問だ。
おそらくは『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』(1990年/ロバート・ゼメキス監督/アメリカ)に登場したマッドドッグ・タネン(トーマス・F・ウィルソン)のようなキャラクターではなかったのかと推測するのだ。
1970年のビルボード年間1位を獲得したという♪雨に濡れても♪(B.J.トーマス)が使われる有名な自転車のシーンなどは、登場人物のキャラクター設定を完璧に植え付けた本当に最高のシーンだったのではないかと思う。
(^_^)
時代が変わってアメリカでは銀行強盗や列車強盗がし辛くなったから、南米に行って稼ごうだなんて考えが大したことないなぁと思うが、所詮強盗とはそのようなものか。
終盤、盗んだ馬が見つかって通報されてしまうというのも顛末としては間抜けな話だ。
何だかしょぼいエピソードをここまでの内容に仕上げたのだから、やはり凄いのは脚本家の想像力であり、監督の演出力と思う。
また、この映画も"アメリカンニューシネマ"と分類される映画のひとつらしいのだが、大作とはいえない映画が面白かったということで、そのように分類されているのだろうか。
ラストシーンなど革新的だからと評価されたのだろうか。
いま一つ、"アメリカンニューシネマ"というものが分かってない。
(^_^;)

ショーシャンクの空に

2006年03月07日 | ムービー
映画サークル3月例会は、守○企画の『ショーシャンクの空に(原題The Shawshank Redemption)』(1994年/フランク・ダラボン監督/アメリカ)だった。
物語は、「妻とその不倫相手を殺害したという冤罪で収監された主人公アンドリュー・デュフレーン(アンディ/ティム・ロビンス)が、無期懲役という刑に処されながらも希望を失わずに過ごした獄中生活の様子を描いた」という内容。
これだったら何かの賞を受賞しているだろうと思って調べてみたのだが、第67回アカデミー賞の各部門にノミネートされてはいたものの、何も受賞できなかったようで、同年のアカデミー最優秀作品賞は『フォレスト・ガンプ』(1994年/ロバート・ゼメキス監督/アメリカ)、最優秀監督賞はロバート・ゼメキス、最優秀主演男優賞も同映画のトム・ハンクスだったようだ。
『ショーシャンクの空に』では、独居房の壁に貼られたハリウッド女優のポスターの変遷で時代の移り変わりを表現していたが、『フォレスト・ガンプ』は映画全体が派手にいろいろな時代を表現していた内容だったことから、その点がちょっとかなわなかったかもしれない。
見ていて「おや!?」と思ったのは、囚人仲間が隠れてペットを飼っていたことや、主人公が図書係をすることなどが『アルカトラズからの脱出』(1979年/ドン・シーゲル監督/アメリカ)の内容に似ている点だった。
これは実例があるエピソードなのだろうか。
それとも、刑務所という限定された世界の設定だから、似てしまうのは仕方がないところなのだろうか。
また、これを見ている時は12年も前の映画だと知らなかったので、出演していたモーガン・フリーマン(エリス・ボイド・レディング役)を見ても、「似てるなぁ」くらいにしか思わなかったことに後になって気付いて、一人で笑ったのだった。
これはなかなかに良く出来た面白い物語だった。