仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

仁左衛門賞 / 2016年

2016年12月28日 | 映画サークル
"ましけ映画サークル"の例会で1年間に取り上げた作品の中から一番面白かったと思われる作品に対して贈られる【仁左衛門賞】は今年で12回目。
干支も一回りである。
(^。^)
2016(平成28)年の例会で取り上げられた映画作品は、
【1月/中止】
【2月/中止】
【3月/長〇企画】『昭和残侠伝』(1965年/佐伯清監督)
【4月/仁左衛門企画】『麦子さんと』(2013年/吉田恵輔監督)
【5月/小〇企画】『バーバレラ(原題Barbarella)』(1968年/ロジェ・ヴァディム監督/イタリア・フランス)
【6月/忠〇企画】『キャリー(原題Carrie)』(1976年/ブライアン・デ・パルマ監督/アメリカ)
【7月/長〇企画】『トラック野郎 御意見無用』(1975年/鈴木則文監督)
【8月①/忠〇企画】『ミイラ再生(原題The Mummy)』(1932年/カール・フロイント監督/アメリカ)
【8月②/仁左衛門企画】『巨神兵東京に現わる 劇場版』(2012年/樋口真嗣監督)
【9月/小〇企画】『ピクセル』(2015年/クリス・コロンバス監督/アメリカ)
【10月/仁左衛門企画】『獣たちの熱い眠り』(1981年/村川透監督)
【11月/中止】
【12月/中止】
といった9作品だったが、この中から第1次選考を行うとなると、『昭和残侠伝』、『バーバレラ』、『キャリー』、『ピクセル』といった4作品が最終候補作品になるだろうか。
そして、その候補作品の中から栄えある【ましけ映画サークル・仁左衛門賞/2016年】に選ばれたのは、【3月/長〇企画】『昭和残侠伝』(1965年/佐伯清監督)だ。
おめでとう!!佐伯清監督!!
2016年の仁左衛門賞・灰色のモアイ像はあなたに進呈する!!
第2作以降は歌詞が変更になったようだが、大人気シリーズとなった『昭和残侠伝』の第1作で、主題歌の作詞を手掛けたのも素晴らしい。
機会があればシリーズの全作品を楽しむことにしよう。
(^_^)
さて、本年は1月に当サークルのメンバー・守○氏がご逝去された。
月日が経つのは早いもので、そろそろ1年になってしまう。
守〇氏がいなくなってしまったのは本当に残念でしかたがないのだが、"ましけ映画サークル"は、これからも守〇氏の分まで素晴らしい映画作品と出会っていきたいと思っている。

麦子さんと

2016年04月22日 | 映画サークル
"ましけ映画サークル"の4月例会(2016年4月19日)は、仁左衛門企画『麦子さんと』(2013年/吉田恵輔監督)を見た。
物語は、「声優志望の小岩麦子(堀北真希)は、3年前に父親を亡くしてから兄・憲男(松田龍平)と2人で暮らしていたが、幼い頃家を出て行ったきりで顔も思い出せない母親・赤池彩子(余貴美子)が突然現れ、経済的な理由から同居を始めることになった。間もなくして憲男が家を出て行き、2人で暮らすことになったものの、麦子はかつて自分達兄妹を捨てた彩子に心を開くことはできず、事あるごとに反発。"あなたを母親と思っていない"と言い放った数日後に彩子は死んでしまった。気持ちを整理し切れないまま、納骨のために訪れた母の故郷で、かつての母を良く知る人達に出会った麦子は・・・」という内容。
初めて会った人達だったが、"彩子の娘"というだけで、井本まなぶ(温水洋一)やミチル(麻生祐未)、麻生春男(ガダルカナル・タカ)、麻生夏枝(ふせえり)らはとても親切にしてくれた。
母親・夏枝に小遣いをせびったり悪態をついてばかりいる息子・千蔵(岡山天音)らの様子を興味深く見つめたり、離婚後、子供に会いに行かないでいるというミチルに酔って絡んだりしたが、母親の愛情を知らずに育ってしまった麦子にとって、彼等はあまりに強過ぎる刺激だったのだろう。
いつも汚い言葉を使って反目していたはずなのに、最後に母親の遺骨が納められた小さな箱を前にして涙を流した憲男のほうが、気持ちに整理をつけられたので後々まで引きずらなかったように思えた。
"泣く"ということは、瞬間的には立ち止まっていることなのかもしれないが、そこから前に進んで行くためには結構大事なことなのかもしれない。
そうしなければ、麦子のようにいつまでも誰かに怒りをぶつけ続けることになってしまうのか。
麦子が酒に酔ってミチルに絡む場面での井本の台詞は良かった。
物語が展開する上で重要だったろうし、何となくもモヤモヤしながら見ていた観客もここで幾分スッキリしたのではないだろうか。
そこそこ面白い作品だった。