仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

昭和残侠伝

2016年03月30日 | 映画サークル
本年初の開催になった"ましけ映画サークル"の3月例会は、長○企画『昭和残侠伝』(1965年/佐伯清監督)だった。
物語は、「太平洋戦争敗戦直後の東京。浅草界隈で露天商を取りまとめている神津組は、新興やくざ新誠会の攻勢に手を焼いていた。露天の商品に何かといちゃもんをつけては、ゼロ戦五郎(梅宮辰夫)やジープの政(松方弘樹)らと小競り合いを繰り返していた新誠会だが、ついには神津組四代目・川田源之助(伊井友三郎)を射殺。帰りを待ち焦がれていた寺島清次(高倉健)の復員は間に合わなかった。遺言により五代目を継ぐことになった清次は露天の商品集めに奔走したが、新誠会による執拗な妨害が続き・・・」という内容。
これは人気シリーズの第1作で、このあと『昭和残侠伝 破れ傘』(1972年/佐伯清監督)まで全9作が製作されているようなのだが、主役の高倉健は当然として池部良(風間重吉役)も全作品に登場しているようだ。
マドンナ役を変えながら、若大将に対して青大将というライバルを登場させる東宝の"若大将シリーズ"(1961年~1971年/全17作)と同様、毎回、似たような話として展開しているようなのだが、昭和の人気映画シリーズは概ねそのようなスタイルだったのだろうか。
松竹の"男はつらいよ"シリーズは全48作が同じ設定の物語だが、時代が新しくなっていって、連続性を考慮するように変わっていったのだろうか。
菅原謙二(江藤昌吉役)、江原真二郎(西村恭太役)、中山昭二(福永繁役)、中田博久(川田輝男役)といった神津組側の配役に対する新誠会側は、室田日出男(日の出の辰役)、八名信夫(島田役)といった俳優さん達で、この頃はまだピラニア軍団や悪役商会は存在しなかったのだろうから、スポットを当てられることもなく、とにかくこういった映画ではやられまくったのだろう。
相手の卑怯なやり口に我慢を続ける健さんを応援しながら見てはいるものの、ある瞬間には、最後にはやられてしまう悪役を応援したくもなってくるのだった。
なかなか妙な感覚だ。
隠居した大親分役で六代目三遊亭圓生師匠が出演していたが、これが助演男優賞ものの名演技。
さすが名人といった感じである。
さて、この3月例会終了後は、本年1月に急逝された当映画サークルのメンバー、故守○典之氏を偲び、"偲ぶ会"を行った。

つづく