仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

偲ぶ会

2016年03月31日 | 映画サークル
ましけ映画サークル3月例会(2016年3月8日)の終了後、本年1月に急逝された当映画サークルのメンバー、故守○典之氏を偲び、"偲ぶ会"を開催した。
例会後、元陣屋からマルジュウ井とうに会場を移動したのだが、ここのマスターは昨年の同時期、守○氏と同じ病院に入院していたこともあって、忘年会(2015年12月1日)の際にも体調や顔色のことを心配していたし、この日も随分と悔しそうに思い出話をされていた。
さて、公的資料がほとんど存在しない"ましけ映画サークル"なので、正確にいつから活動をしていたのかが定かではないのだが、平成12年度総会資料を見ると、会員名簿No,1の欄には守○氏の名前があった。
仕事柄、氏の元には話題の映画作品の地方上映等について情報が集まってきたのだろうし、また、当時は小林政広監督が増毛町をロケ地とした映画を数本撮影していたこともあり、それらのプレミア上映会開催もあって映画好きを自称する人達が集まってきたのだろう。
残念ながら初期の数年間の記録はマッタクないのだが、『仁左衛門日記』に記述がある例会の守○企画を拾っていくと、
●2005(平成17)年
【2月】『デイ・アフター・トゥモロー(原題The Day After Tomorrow )』(2004年/ローランド・エメリッヒ監督/アメリカ)
【6月】『Ray/レイ(原題Ray)』(2004年/テイラー・ハックフォード監督/アメリカ)
【11月】『ミリオンダラー・ベイビー(原題Million Dollar Baby)』(2004年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)
●2006(平成18)年
【3月】『ショーシャンクの空に(原題The Shawshank Redemption)』(1994年/フランク・ダラボン監督/アメリカ)
【5月】『ヒトラー~最期の12日間(原題Der Untergang)』(2004年/オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督/ドイツ)
【9月】『ヴェニスの商人(THE MERCHANT OF VENICE)』(2004年/マイケル・ラドフォード監督/アメリカ・イタリア・ルクセンブルグ・イギリス)
●2007(平成19)年
【4月】『ザ・センチネル~陰謀の星条旗(原題The Sentinel)』(2006年/クラーク・ジョンソン監督/アメリカ)
●2008(平成20)年
【2月】『ホテル・ルワンダ(原題Hotel Rwanda)』(2004年/テリー・ジョージ監督/イギリス・イタリア・南アフリカ)
【7月】『サラエボの花(原題Grbavica)』(2006年/ヤスミラ・ジュバニッチ監督/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)
●2009(平成21)年
【1月】『バンテージポイント(原題Vantage Point)』(2008年/ピート・トラヴィス監督/アメリカ)
【6月】『最高の人生の見つけ方(原題The Bucket List)』(2007年/ロブ・ライナー監督/アメリカ)
【12月】『運命を分けたザイル(原題Touching the Void)』(2003年/ケヴィン・マクドナルド監督/イギリス)
●2010(平成22)年
【4月】『グラン・トリノ(原題Gran Torino)』(2008年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)
【12月】『サブウェイ123 激突(原題The Taking of Pelham123)』(2009年/トニー・スコット監督/アメリカ)
●2011(平成23)年
【6月】『アンストッパブル(原題Unstoppable)』(2010年/トニー・スコット監督/アメリカ)
●2012(平成24)年
【1月】『バトル・オブ・シリコンバレー(原題Pirates of Silicon Valley)』(1999年/マ-ティン・バ-ク監督/アメリカ)
【7月】『スリーデイズ(原題The Next Three Days)』(2008年/ポール・ハギス監督/アメリカ)
【9月】『グレート・ディベーター/栄光の教室(原題The Great Debaters)』(2007年/デンゼル・ワシントン監督)
●2013(平成25)年
【1月】『みえない雲(原題Die Wolke)』(2006年/グレゴール・シュニッツラー監督/ドイツ)
【9月】『デンジャラス・ラン(原題Safe House)』(2012年/ダニエル・エスピノーサ監督/アメリカ・南アフリカ共和国)
●2014(平成26)年
【1月】『推理作家ポー 最期の5日間(原題The Raven)』(2012年/ジェームズ・マクティーグ監督/アメリカ)
【7月】『ザ・イースト(原題The East)』(2013年/ザル・バトマングリッジ監督/アメリカ)
【12月】『ジャッキー・コーガン(原題Killing Them Softly)』(2012年/アンドリュー・ドミニク監督/アメリカ)
●2015(平成27)年
【11月】『THE GREY 凍える太陽(原題The Grey)』(2012年/ジョー・カーナハン監督/アメリカ)
といった作品で、『デイ・アフター・トゥモロー』は2005年の第1回仁左衛門賞、『ショーシャンクの空に』は2006年の第2回仁左衛門賞を受賞し、『グラン・トリノ』は2010年仁左衛門特別賞を受賞している。
守○企画はハリウッドの大作を取り上げることが多く、仁左衛門企画と比べてハズレがなかった。
見逃していた名作や話題作で楽しませてくれたのが守○企画だった。
映画サークル例会の時に守○氏が座っていたうしろのあの席は、これからも指定席だ。
あらためて、守○典之氏のご冥福をお祈りいたします。
いずれ、また会おう。

昭和残侠伝

2016年03月30日 | 映画サークル
本年初の開催になった"ましけ映画サークル"の3月例会は、長○企画『昭和残侠伝』(1965年/佐伯清監督)だった。
物語は、「太平洋戦争敗戦直後の東京。浅草界隈で露天商を取りまとめている神津組は、新興やくざ新誠会の攻勢に手を焼いていた。露天の商品に何かといちゃもんをつけては、ゼロ戦五郎(梅宮辰夫)やジープの政(松方弘樹)らと小競り合いを繰り返していた新誠会だが、ついには神津組四代目・川田源之助(伊井友三郎)を射殺。帰りを待ち焦がれていた寺島清次(高倉健)の復員は間に合わなかった。遺言により五代目を継ぐことになった清次は露天の商品集めに奔走したが、新誠会による執拗な妨害が続き・・・」という内容。
これは人気シリーズの第1作で、このあと『昭和残侠伝 破れ傘』(1972年/佐伯清監督)まで全9作が製作されているようなのだが、主役の高倉健は当然として池部良(風間重吉役)も全作品に登場しているようだ。
マドンナ役を変えながら、若大将に対して青大将というライバルを登場させる東宝の"若大将シリーズ"(1961年~1971年/全17作)と同様、毎回、似たような話として展開しているようなのだが、昭和の人気映画シリーズは概ねそのようなスタイルだったのだろうか。
松竹の"男はつらいよ"シリーズは全48作が同じ設定の物語だが、時代が新しくなっていって、連続性を考慮するように変わっていったのだろうか。
菅原謙二(江藤昌吉役)、江原真二郎(西村恭太役)、中山昭二(福永繁役)、中田博久(川田輝男役)といった神津組側の配役に対する新誠会側は、室田日出男(日の出の辰役)、八名信夫(島田役)といった俳優さん達で、この頃はまだピラニア軍団や悪役商会は存在しなかったのだろうから、スポットを当てられることもなく、とにかくこういった映画ではやられまくったのだろう。
相手の卑怯なやり口に我慢を続ける健さんを応援しながら見てはいるものの、ある瞬間には、最後にはやられてしまう悪役を応援したくもなってくるのだった。
なかなか妙な感覚だ。
隠居した大親分役で六代目三遊亭圓生師匠が出演していたが、これが助演男優賞ものの名演技。
さすが名人といった感じである。
さて、この3月例会終了後は、本年1月に急逝された当映画サークルのメンバー、故守○典之氏を偲び、"偲ぶ会"を行った。

つづく