仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

つやのよる

2016年12月26日 | ムービー
『つやのよる/ある愛に関わった、女たちの物語』(2013年/行定勲監督)を見た。
物語は、「伊豆大島。ペンションを経営している松生春二(阿部寛)の妻・艶は、島の病院で人生を終えようとしていた。春二は家から持ち出した包丁で意識がない状況の艶を刺そうとするができない。帰宅後、義母に電話を入れ、艶の従兄・石田行彦(羽場裕一)の連絡先を聞き、艶が危篤であることを知らせる。その後も、離婚後24年経つという元夫・太田(岸谷五朗)など、縁のある男達に艶の危篤を連絡し続けるのだが・・・」という内容。
痩せこけて無精ひげが伸び、尋常ではない表情の春二が自転車で病院へと向かうのだが、着いた病院の廊下は照明が消され、どうしようもなく寂しい雰囲気で、看護婦・芳泉杏子(田畑智子)も恐る恐る春二に声をかける。
楳図かずお(1936年~)の漫画を実写化すると、こういう描写になるのではないかと思える、何だかおどろおどろしい演出だ。
(^_^;)
春二が家で電話を掛ける際の話し方も、まるで何かに憑りつかれたかのようで、この雰囲気も尋常ではない。
艶が亡くなってしまうことへの恐れが、彼をそうさせるのか。
しかし、電話を受けた側にとって艶の存在はすでに過去の人だったり、行彦の妻・環希(小泉今日子)など(家族にとって)は初めて聞く名前。
死にゆく艶の存在を知って、そこから新たな展開が生まれることになるのだが、それが春二の目的だったのか!?
それほど面白いと思える物語ではなかったので、オカルトチックに演出したほうが面白かったのではないかと思う。
「昏睡状態にある艶の思念がそうさせるのか!?」等というふうに。
(^_^)
アパート経営をしているという太田の風変わりな容姿だけでは、退屈さを払しょくできなかった、少しばかり残念な作品。