仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ひよこ豆とひき肉のキーマカレー

2011年02月28日 | 美味しんぼ
ファーマーズキッチン・ブレノアール(札幌市中央区)の【ひよこ豆とひき肉のキーマカレー】。
"野菜のレストラン"という店だけあって、"○○村の○○さんが作った○○を使って~"という名前のメニューが沢山あり、そういった名前からも野菜ソムリエさんのこだわりようが分かる。
仁左衛門の連れはガレットを注文したが、野菜がすごく美味しいと言っていた。
さて、このカレーはランチメニューのひとつで、一緒にドリンクを注文すると100%オレンジジュースやコーヒーがなんと100円。
お得感も満載なのだった。
(^_^)

僕らのワンダフルデイズ

2011年02月10日 | ムービー
『僕らのワンダフルデイズ』(2009年/星田良子監督)を見た。
物語は、「胆石のため入院していた53歳の藤岡徹(竹中直人)は、主治医の"末期の胆のう癌で余命半年"という話を立ち聞きしてしまう。失意のまま退院した藤岡はまるでうつ病患者のような毎日を過ごしていたのだが、妻・章子(浅田美代子)と出かけた息子の学校祭で、バンド演奏をする学生達の姿にかつての自分を重ね合わせ、バンド"シーラカンズ"の再結成を思い立つ。そして、当時の仲間、栗田薫(段田安則)、渡辺一郎(斉藤暁)、山本大樹(宅麻伸)らにバンドの再結成とコンテスト出場の話を持ちかけるのだが・・・」という内容。
仕事や家庭の様々な事情を抱えるのは藤岡一人ではなかったが、皆うまくいかないながらもバンドに打ち込む。
藤岡の前向きさ、ひたむきさがメンバーをつなぎ止めていたのだろう。
そう考えると、竹中直人演じるあのキャラクターは重要だ。
しかし、いくら賑やかな元気あふれる人柄とはいえ朝食にカツカレーを作るのは勘弁してほしいところだな。
(^_^;)
そんな小ネタも所々に効いていて、飽きずに楽しめる。
「あんな妖怪・・・」にも納得だ。
これはなかなか面白い物語だった。

食堂かたつむり

2011年02月09日 | ムービー
『食堂かたつむり』(2010年/富永まい監督)を見た。
物語は、「母・ルリコ(余貴美子)を嫌い料理好きの祖母の元で成長した倫子(柴咲コウ)は、将来自分の料理店を開くことを決めたのだが、アルバイトで貯めた開業資金と家財道具一切を同棲していたインド人の彼氏に奪われてしまう。ショックから声が出なくなり、失意のまま仕方なく実家に帰ったものの、母はペットの豚・エルメスを溺愛し娘に関心を示さなかった。倫子は熊さん(ブラザートム)に助けられながら自宅の物置小屋を改造し、"食堂かたつむり"を開店するのだが・・・」という内容。
歌とアニメーションで解りやすく物語へと導入するオープニングの手法が『ウール100%』(2005年)と良く似ていたので、同じ監督じゃないかと思ったら、やはりその通り。
『ウール100%』は富永監督の第2作目、本作は第4作目らしい。
そして、両作品共に何だか不思議な物語なのである。
この作品の"食堂かたつむり"には決まったメニューが無く、倫子は1日1組限定のお客さんのために時間をかけて料理を作る。
そして、その"心をこめて料理を作る"というスタイルは、実はエルメスとの心のやり取りから学んだものだった。
豚の言葉から料理の本質を学ぶだなんて何ともファンタジー過ぎる。
(^_^;)
そして、母ルリコ。
すべてはこの不思議ちゃんから始まった話であり、ある意味ルリコが主役。
それは何とも不思議な、少し切なく感じた物語だった。

フラガール

2011年02月08日 | ムービー
『フラガール』(2006年/李相日監督)を見た。
物語は、「昭和40(1965)年。高校に通う谷川紀美子(蒼井優)は、一緒にハワイアンダンサー募集に応募しようと親友の木村早苗(徳永えり)から誘われた。国の政策転換により衰退一方の石炭業界においては、首都圏に近い福島県の常磐炭鉱も例外ではなく、人員整理を伴う事業縮小が続いていて、生き残りを賭けた会社が企画した新事業は、温泉を利用したレジャー施設"常磐ハワイアンセンター"だったのだ。しかし、周囲の目は冷たく、紀美子の母・千代(富司純子)も、兄・洋二朗(豊川悦司)ですらも、否定的だった。吉本部長(岸部一徳)は、東京から元SKD(松竹歌劇団)の平山まどか(松雪泰子)を先生として招くものの、ダンサーの応募はわずか4人だった・・・」という内容。
「殖産興業」の時代から政府の肝入りで長年続いた産業なだけに、エネルギー政策の方向転換は代々この地で生きていた多くの炭鉱従事者に影響を与えたことだろう。
常磐の炭鉱をクビになった木村清二(高橋克実)が、まだ小さい子供や家事をまかせている長女の早苗と共にここを離れるエピソードは哀しかった。
行先は夕張炭鉱。
これから向かう新天地のはずのその土地が、やがてはここと同じように閉山になってしまうことを、観衆は歴史的事実として既に知っているからだ。
そして、どこの家庭も一家の稼ぎ頭が解雇されて収入のあてが無くなり、ダンサー募集への応募者が一気に増えるのだが、それでも周囲の冷たい視線が変わらないのが少し切なく感じられる。
新しいことを始めようとする物語なのに、前向きではない哀しいエピソードが連続するのは珍しいと思うのだが、しかし、実際にあった話をドラマ化しているだけに、その辺りが現実なのだろう。
これはとても面白い作品だった。

宗方姉妹

2011年02月07日 | ムービー
『宗方姉妹』(1950年/小津安二郎監督)を見た。
物語は、「性格が正反対の姉妹、節子(田中絹代)と満里子(高峰秀子)。自由奔放な性格の妹・満里子は、失業中の夫・亮助(山村聡)に何かと気を使いながら苦労してバーを経営する節子が気に入らない。何事も耐えようとする姉・節子は、医者から父・忠親(笠智衆)の余命が残り少ないと聞かされたが誰にもそれを話さず内に秘め、また、夫の冷たい態度に心を痛めながらも、昔の恋人・田代宏(上原謙)に借金をしてまで店を続けようとするのだが・・・」という内容。
それまでとはすっかり違ってしまった戦後の社会に合わせ、自分も変わり続けようとする妹と、今までやってきたことを変えようとしない姉の対比が面白い。
ただ、妹はあくまでも成長過程にいる若い人なので、自分の考えに凝り固まらず、姉にも父親にも疑問をぶつけ、語り合う。
答えを灰色の領域にとどめたり、家長の判断が絶対ではなく、議論して答えを探そうとする満里子の姿が、「昔の日本人」や「昔の日本社会」に対するイメージと重ならなかった。
この作品が作られたのは、日本の家庭が少し昔と違い始めてきた、そういう頃だったのだろうか。
なかなか興味深い物語だった。
小津作品(全54作/1927~1962年)を制作年の古いほうから順に見ていくと面白いかもしれない。

あかね空

2011年02月01日 | ムービー
『あかね空』(2006年/浜本正機監督)を見た。
物語は、「江戸時代。豆腐屋・相州屋清兵衛(石橋蓮司)とおしの(岩下志麻)は、永代橋の上で4歳になる一人息子・正吉と生き別れてしまった。長い月日が流れたある日、京都で修業した栄吉(内野聖陽)という男が美味しいと評判の井戸がある蛤長屋で豆腐屋"京や"を始める。しかし、柔らかい京都風の豆腐は深川で生活する人たちの口に合わず、客はほとんどつかないのだった。同じ長屋の桶屋の娘おふみ(中谷美紀)の励ましを受けながらなんとか店を続けていく栄吉。そして、おしのは栄吉に生き別れた正吉の姿を重ね合わせ、身元を隠したままで豆腐を買い続けるのだが・・・」という内容。
庶民の口に合わず毎日売れ残ってしまう栄吉の豆腐だったが、同業者がその美味しさを認めているのが面白い。
質の高いものが売れるとは限らないのだ。
そして、京やの井戸を狙う平田屋(中村梅雀)の執念は恐ろしい。
善人の顔をして近づいて、やがて全てを奪おうとする。
これが犯罪者の手口なのだろうな。
さて、これは2002年に直木賞を受賞した山本一力著『あかね空』が原作。
確か山本氏は奥さんの実家が抱えた2億円ほどの借金を返済するために作家としての活動を始めた人で、その辺りの話は『爆笑問題のススメ』というテレビ番組で話していたはずだったものの、発売されている同番組のDVDには山本氏の登場回が収録されていないのが残念である。
この『あかね空』は面白い映画だったし、山本作品は今後もどんどん映像化されていくのだろう。