陸上自衛隊 迷彩服で区役所宿泊「防災に名をかりた軍事訓練」

2012年07月24日 20時56分31秒 | 日記

 陸上自衛隊が7月16・17日、首都直下地震発生時の災害訓練を名目に、迷彩服を着た隊員が初めて東京23区の一部区役所に宿泊する事になりました。

「なぜ迷彩服なのか」「軍事訓練ではないのか」「防災訓練とはいえない」など疑問と批判の声が上がりました。

自衛隊法」にも反する今回の訓練

そもそも自衛隊法(83条)は、自衛隊の災害出動は関係自治体からの要請が前提であるとしていますが、今回の訓練は自衛隊単独で行われました。
 本来災害対処というのであれば準備段階から自治体に計画を明らかにし、共同で実施するべきです。また迷彩服ではなくレスキュー隊のような被災者にわかりやすいオレンジ色などの目立つ服装で行うべきです。
 

足立区役所にも宿泊
 

 大規模災害発生時に自衛隊が救助や救援の一翼を担うのは当然です。また、駐屯地や演習場内で災害に対処するための訓練をすることも自然なことです。

しかし、人口密集の市街地で大規模に部隊が行う訓練が本当に災害派遣のみの訓練なのか、実質は軍事訓練なのではないか点検する必要があります。

「根幹は軍事訓練」(陸自元幹部)
 

 元陸上自衛隊幕僚長(陸将補)も「根幹は軍事作戦」と指摘しています。

今回の「訓練」では足立区をはじめ6区役所内に陸上自衛隊が宿泊しました。(台東、荒川、板橋、練馬、足立、葛飾)
 世田谷区は宿泊を拒否。また北、墨田、大田区は宿泊を予定していましたが取り消しました。豊島、文京、品川区は庁舎駐車場での車中泊にとどめるなどの対応となりました。
 足立区は本庁舎内の宿泊を最後まで貫く、数少ない自治体として突出しました。
 

新「防衛大綱」に沿い
 

 訓練は第一普通科連帯(練馬区)連隊長の指揮のもとに324人が参加する大規模なものです。
 午前9時「災害発生」とみなし、隊員に緊急呼集をかけ、午後7時から練馬駐屯地を出発した部隊は首都東京の中央部を東西、南北から取り囲むように、都立公園や清掃工場、各区役所に展開し、無線通信ができることを確認して17日午前終了しました。
 

災害派遣とは言うものの、部隊の「展開」と「運用の実効性の検証」に重きを置いたものと言わざるを得ません。
 政府の新「防衛大綱」は各種事態の発生にシームレス(継ぎ目なく)に対処するための軍事力の構築を掲げました。

第一師団の任務はPKO・PKF(国連平和維持活動部隊)や低強度紛争、対テロ・ゲリラ・特殊部隊への対処、島しょ部作戦など軍事作戦とあわせて、大規模災害対処が挙げられています。
 
中止を要請 足立区議団
 

日本共産党足立区議団は住民から疑問と不安の声が高まっているので、今回の訓練について中止を求め、区長宛に申し入れを行いました。(12、13両日)