毎度!鼠だ。
小学生の頃から、転校生が来ると世話を焼いていた。本当は「やらされていた」が正しい。
学級委員や中央委員を任されていたせいかもしれない。学級委員、中央委員というと響きは良いが、要は先生の使いっ走り。クラスで面倒な事案があると尻拭いをさせられる損な立場。
面倒な役回りだと愚痴を言うその一方で、少年だった私はこんな事も考えていた。
可愛い転校生がやって来て、面倒を見ているうちに、その娘が自分に恋をするかも。今にして思えばバカげた妄想だ。実際には漫画でしか起きないようなことだが当時の小学生の頭の中は、こういった事で一杯だった。
過去の実績に照らして見ると、往々にして転校生は可愛かった(ような気がする)。「転校生」という響きが可愛さを3割り増しにしていたのもあろう。
そんな小学生だった私も今年49歳に。
四月に中途採用された社員がいて、その娘が馴れ馴れしく話しかけてくる、という話を少し前に書いた。彼女は大人しそうな感じで、線が細く、見た目は(誰もが美人だとは思わないかもしれないが)私の好みの丁度ど真中、正に「超ストライク」。
先日、件の娘が「ちょっと教えて欲しい事があるんです。」と話しかけてきた。何やら神妙な顔つきである。何となく涙のあとが見てとれる。話している間に「もしかして誰かに意地悪された?」と聞くと(いや、本当は聞くべきではなかったのかも知れないが)ポロポロと真珠の涙を流し始めてしまった。私の席に来るまで我慢していたに違いない。
周囲からは容赦ない好奇の視線が。また女性を虐めて喜んでいやがる、といった蔑みの視線が突き刺さる。いやいやいやいや私は清廉潔白なのだが。
こういう場合は(今までの経験則からすると)詳細を尋ねたり、「かわいそうだね。」と同情したりするのは厳禁である。号泣状態になる場合が多い。最小限の言葉をかけ、彼女が抱えていたトラブルを解決してやり「泣くならトイレでこっそり泣くようにしなさい。人前で泣くといじめっ子が喜ぶだけだ。」とだけ言葉をかけた。
ようやく涙がおさまった彼女が「どうして○○さんってそんなに私に優しくしてくれるんですか?」と熱い眼差しで問いかけてきたので、どうして私が君に優しいのか知りたいのかい?じゃあ今夜ホテルでゆっくり教えてあげようなどと言うわけもなく「頑張っている新人を助けるのが趣味なんだよ。」と答えた。
しばらくして落ち着いたのだろう、彼女は自分の席に戻る際に「また私のことを助けてくださいね。」と悪戯っぽく笑った。
うーん、危ない恋の予感。(頭の中で、「恋は遠い日の花火ではない」というナレーション、小林亞星の「夜がくる」をバックにサントリーのCM<長塚京三バージョン>がヘビーローテーション。)
(風雲急を告げる次回に続く!!)
小学生の頃から、転校生が来ると世話を焼いていた。本当は「やらされていた」が正しい。
学級委員や中央委員を任されていたせいかもしれない。学級委員、中央委員というと響きは良いが、要は先生の使いっ走り。クラスで面倒な事案があると尻拭いをさせられる損な立場。
面倒な役回りだと愚痴を言うその一方で、少年だった私はこんな事も考えていた。
可愛い転校生がやって来て、面倒を見ているうちに、その娘が自分に恋をするかも。今にして思えばバカげた妄想だ。実際には漫画でしか起きないようなことだが当時の小学生の頭の中は、こういった事で一杯だった。
過去の実績に照らして見ると、往々にして転校生は可愛かった(ような気がする)。「転校生」という響きが可愛さを3割り増しにしていたのもあろう。
そんな小学生だった私も今年49歳に。
四月に中途採用された社員がいて、その娘が馴れ馴れしく話しかけてくる、という話を少し前に書いた。彼女は大人しそうな感じで、線が細く、見た目は(誰もが美人だとは思わないかもしれないが)私の好みの丁度ど真中、正に「超ストライク」。
先日、件の娘が「ちょっと教えて欲しい事があるんです。」と話しかけてきた。何やら神妙な顔つきである。何となく涙のあとが見てとれる。話している間に「もしかして誰かに意地悪された?」と聞くと(いや、本当は聞くべきではなかったのかも知れないが)ポロポロと真珠の涙を流し始めてしまった。私の席に来るまで我慢していたに違いない。
周囲からは容赦ない好奇の視線が。また女性を虐めて喜んでいやがる、といった蔑みの視線が突き刺さる。いやいやいやいや私は清廉潔白なのだが。
こういう場合は(今までの経験則からすると)詳細を尋ねたり、「かわいそうだね。」と同情したりするのは厳禁である。号泣状態になる場合が多い。最小限の言葉をかけ、彼女が抱えていたトラブルを解決してやり「泣くならトイレでこっそり泣くようにしなさい。人前で泣くといじめっ子が喜ぶだけだ。」とだけ言葉をかけた。
ようやく涙がおさまった彼女が「どうして○○さんってそんなに私に優しくしてくれるんですか?」と熱い眼差しで問いかけてきたので、どうして私が君に優しいのか知りたいのかい?じゃあ今夜ホテルでゆっくり教えてあげようなどと言うわけもなく「頑張っている新人を助けるのが趣味なんだよ。」と答えた。
しばらくして落ち着いたのだろう、彼女は自分の席に戻る際に「また私のことを助けてくださいね。」と悪戯っぽく笑った。
うーん、危ない恋の予感。(頭の中で、「恋は遠い日の花火ではない」というナレーション、小林亞星の「夜がくる」をバックにサントリーのCM<長塚京三バージョン>がヘビーローテーション。)
(風雲急を告げる次回に続く!!)