毎度!ねずみだ。
毎年この時期になると新聞の折込広告の中に、玩具の写真がちりばめられたものをちらほら見るようになる。勿論この年になってそのような広告に心躍るようなアレでは無いのだが、幼少の頃は心ときめかせて眺めていた記憶がある。
別に貧乏な家庭に育ったわけではないが、母親が1枚数円の宛名書きのような内職をやっていたのを目の当たりにしていた事もあって、澄んだ目をして「あれ買って!これ買って!」などと叫ぶような子供ではなかった。デパートの玩具売り場で「買ってくれなきゃ動かない!」と駄々をこねるような真似もした事がない。
そんな幼少時のささやかな楽しみが新聞の広告の中にこうした広告を見つけることだった。4歳年上の兄と頭を突き合わせて広告を覗き込み、「お前は何が欲しい?俺はこれが良いな。」「お兄ちゃんそれね。じゃあ僕はこれ!」と玩具を指差し、いつまでもうっとり眺めていたものだ。
眺めていれば満足で、実際に母親にねだった事はほとんど無かったのではなかったか。先日母親とふとそんな話になった折、「そんな事はない。何も買ってあげなかったなんて人聞きの悪い事を言うもんじゃない。」と言われ、なんだ幼少期の自分を可愛そうな子供に仕立て上げていたのかも、としばし反省。
先日新聞の折込広告の中にトイザラスの広告を見つけた。昔の単純な玩具は姿を消して、ラジコンやらドローンやら、何やらハイテクな玩具が並んでいる。本当に最近のガキはこんな玩具で遊んでいるのか、生意気な。
何千円もするような玩具がところ狭しと並んでいるのを見ていたところ、奥さんが「何か欲しいものがあるの?」と後ろから覗き込んできた。幼少期のくだりを話したところ、「よし、ラジコンを買おう。」と言い出した。
いやいやラジコンを買っても走らせるところが無いよむしろドローンのほうがほらこれはすごいんだよカメラも付いていてどうせ買ってもらうのならこっちが良いなでも8,000円もするし・・・と指差し話し始めた自分を白い目で見ている奥さんに気づき、急に我に帰る。
来年50歳になる自分の中に、あの頃から少しも変っていない幼少期の自分がまだ
いるようだ。
じゃ。