鼠丼

神の言葉を鼠が語る

<727>虫の知らせがあったので

2018-07-15 11:25:33 | 日記
 毎度!ねずみだ。

 虫の知らせ、という言葉がある。
 体内に住むという虫が本人に関わる未来の出来事を「なんとなく」伝えるものだ。特に悪いニュースの場合が多いらしい。

 先日の事。
 毎週実家に顔を出している孝行息子である私。毎年のようにメニエル氏病に悩まされている母が今年も「天井が回る」と言っているらしく、顔を出した際に床に臥せっていた。まあ毎年の事なのであまり心配せず「熱中症にならないように水分を沢山とるように。」と伝えて帰って来た。その後なんとなく気になって水曜日の昼に実家に電話をかけたところ、親父が出て「老々介護だから、まあ大変は大変だよ。」と軽く応えた。

 ひとまず安心して電話を切って仕事に戻った。
 夕方になってなんとなく胸のあたりがもやもやする。「嫌な感じ」がするのだ。母親の身に何かあったに違いないと確信する。実家に電話をかけたが応答が無い。この時間、父親は食後の運動で近所の公園に出掛けている。とりあえず仕事を切り上げ会社を出る。母親が「食欲はないがゼリーのようなものなら食べられる。」と言っていたのを思い出し、途中で大量のゼリーとおかゆを購入。家に着くなり実家に向かった。
 奥さんの携帯に「ちょっと実家に行ってくる。」とメッセージを送って実家に急ぐ。

 車を走らせ30分ほどで実家に着くと、実家の前に救急車が止まっている。駆け寄ると「ご家族の方ですか?」と聞かれる。やはり熱中症らしい。近所にかかりつけの救急病院があるので、出来ればそこに搬送して欲しい旨伝えると「分かりました。確認してみます。」と言う。その救急病院で対応が可能だと言うので、走り出した救急車の後について車を出す。近所の救急病院までは車で3分もかからない。

 ストレッチャーに乗せられた母親に続いて救急車から降りてきた親父の話を聞く。知り合いの整体師から電話があったので、母の様子を伝えたところ「すぐに救急車を呼びなさい。」と言われたそうだ。嫌がる母親をなんとか納得させ救急車を呼んだとのことだ。
 医者に呼ばれて話を聞くと、熱中症もだが肺炎を起こしており非常に良くない状況だったらしい。「なんでこんなになるまで放っておいたのか。」と叱られることしきり。

 とりあえず点滴を打ってもらいそのまま入院ということになったので、病院の待ち合わせ室でホッと一息。なぜ救急車を呼んだのが分かったのか、と親父が不思議がったが、「親子だからね。虫が知らせたのだよ。」と話すと「そういうこともあるんだな。」と、親父は感慨深げに言った。一息ついたので兄に電話を入れる。

 電話の向こうで驚いた様子の兄だったが、どうやら兄の体内に住む虫は母親が倒れたことを伝えなかったらしい。

 じゃ、また。