鼠丼

神の言葉を鼠が語る

<707>全く女と言う生き物は

2016-12-27 18:45:04 | 日記

 毎度!ねずみだ。

 毎年末恒例の作業のひとつとに、「両親の年賀状を作ってやる」というのがある。友人たちがそれなりにパソコンを駆使して写真入の年賀状を送ってくるのが羨ましいらしく、年末に近づくと「年賀状に載せる写真を撮ってくれ。」と要請される。
 
 もともと夫婦そろって写真を撮るなど年に数回もない彼らだが、年を経るにつれてますますその回数は減るばかりである。そこで年賀状に載せるべく写真を撮ってやった。ネコの額ほどの庭先で草花をバックにしてスマホで写真を撮る。そのまま遺影にしても良いような写真が撮れた。これが本当の「草葉の陰から」であるなんだ上手い事言っちゃったよ。

 さっそく画像をパソコンに取り込み年賀状作成ツールに貼り付ける。背景と題字をネットのフリー素材を拾ってくる。レイアウトしてあっという間にやっつけ、プリントアウトしてサンプルを見せる。
 その日は喜んで「夫婦揃って元気な写真が載っていると皆喜ぶんだよ。」と言っていたのだが。

 翌週顔を出すと母親が「今年は写真無しにすることにした。」と言い出した。始めは何を言っているのか良くわからなかったが、遠まわしに写真が気に入らないような事を言っているので、別の写真と差し替えてふたたびサンプルを作る。今度は写真を少し加工してみた。
 どんな加工をしたかというと、写真を思いっきり明るく(顔のシワが飛ぶくらいに)しただけである。

 サンプルを見せると、さっきまで「写真は要らない。」と拗ねていた母の顔が急に明るくなった。「これなら写真があったほうが良いね。さっきの写真は顔色も悪くてなんたらかんたら。」とご機嫌になった。「やはり年賀状には写真が無いと駄目だね。全然違うね。」と言い出す始末である。

 今年79歳になった母親ではあるが、やはり女はいくつになっても、という事か。

 この話を奥さんにしたところ、「じゃあ、年賀状の写真の私のほうれい線も消してよ。」と文句を言われた。

 じゃ!



<706>男は何歳になっても

2016-12-26 18:10:56 | 日記

 毎度!ねずみだ。

 先日、金曜日の朝のこと。

 めずらしく父親から電話があった。それも家の電話ではなく母親の携帯電話からだった。何かあったのかとびっくりしてあわてて電話に出る。パソコンが壊れたらしい。話を聞いていると何度も同じ請求画面がなんたらかんたら、と詳しいことを話そうとしない。
 ははあ、ピンと来た。「分かった。とりあえずランケーブルと電源を引っこ抜いてそのまま触らないように。日曜に行くから。」と笑いをこらえて電話を切った。

 何度も同じ請求画面が出る、と言えば思いつくのはひとつ。エッチなサイトでワンクリックトラップに引っかかったのだ。「無料動画を見る」とか何とかの文句に誘われ「ポチッとな。」とボタンをクリックしてしまったのだろう。その瞬間に「登録有難うございました。何日以内に100,000円を振り込んでください。振込みが終わるとこの請求画面は消えます。あと何日と何時間と何分何秒です。」というポップアップ画面が立ち上る。
 あわてて消してもまた立ち上がる。ほんの出来心で「ポチッとな。」とクリックしただけなのにわーぱそこんがいうことをきかないよーーー。

 週刊誌などで「安全な無料動画サイトはここだ!」などという記事を読むことがあったのかもしれない。まるで中学生である。
 結論から言うとこんなもの振り込まなくてもなんとも無いのだが、パソコンが使えないのは困りもの。笑っては悪いが、私がパソコンを見に行くまでの2日間、親父としては戦々恐々としていたに違いない。
 
 日曜に実家に顔を出すとたまたま父親は不在だった。母親に遠まわしに「親父が、パソコンの調子が悪いとか言っていた?」と聞いたが案の定母親はなにも知らなかった。まあ「いやあ、エッチなサイトで無料動画を見ようとしたらトラップにひっかかってしまったよあはははははは。」などとは言えまい。

 パソコンを立ち上げると早速「登録ありがとうございます。請求期限がすでに切れております。ただちに振り込んでください。」という警告とともにエッチな画像が載ったポップアップ画面が立ち上がる。うっとおしいのでたたんでみたが、案の定なんどでもくじけず立ち上がる。画面の下のほうで経過時間表示が狂ったように進んでいる。
 こんな画面が出たら「こっそり」エッチなサイトを見ていたヤツは一気にパニックに陥るのは当然と言えば当然。ましてや81歳になったじいさんなら言わずもがな。親父の慌てた顔が手に取るように分かる。まあパソコンメーカーに電話しなかっただけ良しとするか。

 こういう時は過去に遡って「システムの復元」をする方法をとるのがベターとネットで勉強したことが。親父がエッチなサイトを見る前のタイミングに戻ってシステムの復元をかければ、大抵なんとかなるものだ。

 システムの復元をしたパソコンはしばらくプロセスメーターを走らせていたが、やがて何事も無かったように立ち上がった。
 過去の閲覧履歴を全部消した後しばらく挙動を確認したが、お蔭様で問題は起きていないようだった。

 パソコンに関しては何も知識が無いまま使っているので、こういうブービートラップにひっかかるのはしょうが無いとして、親父よいくらなんでも81歳になってエロサイトを見に行くのはどうかと思うぞ。 

 私も同じようなエロサイトトラップに引っかかったことがあるのではないかって?
 それは聞かないのが大人のルール。

 じゃ!